この試合より先に行われていたコロンビアvsコートジボワールは2-1でコロンビアが勝利。0-0のまま後半でドログバを投入してきたコートジボワールに対してコロンビア守備陣は慌てることなく、逆に相手が前のめりになりはじめたところを狙ったあたり、開催国のブラジル抜きとはいえ、さすがは南米予選リーグを最小失点の2位で勝ち上がってきたチームだな、と改めて感心させられました。

一方の日本は、この結果を受けて本来であれば点差を付けて大勝しなければいけなかったはずなのですが・・・

 

2014年ワールドカップ グループC

日本 0−0 ギリシャ

 

・・・そう、本来であれば前半のうちに先制点を奪って相手チームの心を折っておかなければいけなかった――幸か不幸かギリシャは中盤の要カツラニスが38分で退場――のですが、それができなかったどころか、後半は守備固めに徹したギリシャの術中に嵌ってしまう展開。まぁ下手に僅差で勝って第3戦目でのギリシャのモチベーションを下げさせるよりは、ギリシャに希望を持たせてコートジボワールと対戦してもらった方がマシだったかもしれないですが。ザッケローニ監督が3枚目のカードを切らなかったのも、後半途中からリスク背負って勝ちに行くよりもとにかく負けないことを最優先したのと、1点取ったくらいではメリットがほとんど無い(かといって畳み掛けられるような試合展開ではもうなくなっていた)、そうした諸々の事を勘案した上での判断だったのかな?と思います。とにかく前半でポゼッション率が高かったにもかかわらずリードを奪えなかったのが全て。

自力の可能性は無くなったけれど、先に突破を決めたコロンビアは次戦でメンバーを落としてくることもありえるので、とにかく意地を見せて勝利をもぎ取ってきてほしいですね。

 

ザック監督「勝つべき試合だった」 W杯 ギリシャ戦後監督会見
【スポーツナビ 2014年6月20日】

 サッカー日本代表は20日(日本時間)、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会のグループリーグ第2戦でギリシャ代表と対戦。前半から試合の主導権を握り、さらに相手MFコンスタンティノス・カツラニスがイエローカード2枚で退場となった後は、数的な優位も得た日本だったが、最後までギリシャの堅守を破れずスコアレスドローとなった。

 試合後、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は「この試合は勝つべき試合だった」と勝ち点3を奪えなかったことを悔やんでおり、「シュートを決める際のスピードが足りなかった」と決定力の部分での課題を挙げた。

 またコロンビア戦に向けては、「第1戦、第2戦とは違う試合をしなければいけない」と課題とするプレースピードを上げることでより効果を生み出し、勝利を目指すとしている。

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サイド攻撃を強化もスピードが足りなかった

――今日の試合について

ザッケローニ監督 「この試合は勝つべき試合だった。より両サイドの動きを増やし、もっと攻撃的にいこうと話し合い、勝つために計画し準備してきたが、もっとできたと思う。前半を見ると、同人数で戦っていたときでもボール支配率は70対30で日本が勝っていた。私が思うのは、シュートを決める際のスピードが足りなかった。われわれはゴール前で相手の脅威となるプレーができたが、最後のスプリント力に欠けていた。後半はピッチ上の数的有利もあり、ボール回しもより速くできたが、ここでも少し時間がかかりすぎた。選手の動きも鈍くなって、深いところまでボールを追えなかった。相手はゴールを守ろうとし、身長(高さの優位)を使っていたが、その意味では動きが限られてしまったので、もう少しサイドでの動きをするべきだった」

――なぜ、香川真司をスタメンに入れなかったのか?

ザッケローニ監督 「香川を入れなかったのは、戦術的な理由。サイドに力を入れようと思ったことと、相手を疲れさせようと思っていたから。そこからの攻撃を考えていたので、よりスペースを広げる、特に相手のディフェンスのスペースを広げることができる選手を選んだ。香川も相手のスペースを使うプレーが多いが、彼はより中央への動きが多いので、意向が合わず、戦術的にこのような決定をした」

――交代選手について。最後の交代枠を使わなかった理由は?

ザッケローニ監督 「交代枠を使わなかったのは、サイドを残したかったから。内田篤人と長友佑都がいたからキープした。本当は中盤の動きを速くしようと思ったが、吉田を前に動かそうと思い、あの11人のメンバーでいくと考えた。青山敏弘(の交代出場)も考えたが、吉田を後ろに置くことになるので、もう少し攻撃で力を加えようと思っていた」

数的優位を得ての引き分けに「満足していない」

――日本のFWは身長が低いことを分かっているのに、なぜクロスを供給し続けたのか?

ザッケローニ監督 「われわれは攻撃をしようとしていただけ。試合に勝たなければならず、引き分けは望んでいなかった。これはいい結果ではない。これは勝つべき試合だった。だから、より攻撃を強めるためFWを残した。大久保(嘉人)、岡崎(慎司)、大迫(勇也)はセンターFWをそれぞれのクラブで務めているし、本田(圭佑)は前回のW杯でFWだった。これ以上にFWを入れることはできなかったと思うが、最後の決め手が必要だった。あとボールの速さが必要だった。もう少し速く前にボールを送るべきだった」

――W杯前にパワープレーはしないと話していたが、今日も最後に吉田を上げてパワープレーをしようとしていたが、それは選手の判断か?

ザッケローニ監督 「いいえ。このチームは、4年間同じ方向で進んできた。テクニックを使い、速攻で攻める。相手に入るすきを与えないことで、4年間成功してきた。なので、W杯でもこのような形でアプローチするのは当然で、最終段階で変えるのは適切ではないと思う。もし変えるなら時間が必要だった。日本は日本のプレー、スピードを見せるということを目標としていた。ただ残念なのは、ここ2試合は速いプレーができておらず、普段通りのスピードあるプレーができなかった。そのプレーができることで自信を持ってW杯に臨んだが、通常のスピードでプレーすることができていないのが残念だ」

――今日は引き分けだったが、相手が10人でプレーしていたこともあり、負け試合に等しいように見えるが

ザッケローニ監督 「私はもちろん満足していない。もっと得点が入ると思っていた。それに向けて頑張っていたし、通常ならこの時点でもっと勝ち点があるべきだった。たしかにもう1戦残っているが、個人的には、満足していなかった。第1戦も攻撃しながら敗れてしまった。第2戦もチャンスがありながらも得点することができず、なかなかそれが得点に結びつかなかった。もっと速いプレーができていたらスコアの可能性があったと思う」

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本田も次戦の勝ち点3を誓う

――香川が入ることでトップに誰を使うかというのがあったが、岡崎を選んだ理由は?

ザッケローニ監督 「もちろん、われわれのほうが数的優位があったので、ボールをもっと速く回していればスペースを使うことができた。なので、巧みにスペースを作れる香川のような選手を使いたかったということがあり、彼を選んだ。その前に遠藤(保仁)をピッチに送ったが、彼はプレーを作る選手で、選手間のボール回しにおいて活躍してくれた」

※マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた本田が登壇

――本田選手、次の試合はコロンビア戦となるが、ここまでと違うプレーをすべきだと思うか?

本田 「コロンビアは突破が決まっているので、自分たちに必要なのは、勝ち点3を目指して戦うだけです。今日も攻撃的に戦いましたが、ギリシャの堅い守備を破ることができなかったわけですが、コロンビア戦はなんとか、ゴールを奪って勝ち点3を取りたいと思います」

――本田選手、今シーズンはミランでフラストレーションがたまる試合が多かったと思うが、W杯での2試合はよいプレーができていると思う。どのような気持ちで試合に臨んでいるか? チームより代表のプレーがよいのはポジションが違うからか?

本田 「ポジションの問題もあると思うし、周りとのバランスもある。ただここまで1得点しか取っていないので、現状では満足していません。次の試合は応援してくれるファンのためにも、なんとか勝ち点3を取りたいと思います」

――本田選手、ザッケローニ監督がプレーのスピードが足りないと話しているが、その原因は気候条件なのか? それ以外の理由があるか? 次の試合に向けて、どのような部分を上げていきたいか?

本田 「条件は相手も同じなので、そこはいいわけにはならないと思いますし、今日に限っても、攻撃的にいったものの最後のゴールを割れなかったのは、何か1つアイデアが足りなくて、正直にクロスを上げるだけでは、足りなかったということだと思います。相手の強いセンターバックの選手に対し、競り合ってゴールを上げるのは難しかった。違う形でゴールを上げるというアイデアが欠けていたと思います」

※本田はここで退席

ザッケローニ監督 「私も本田の意見に同意する。われわれに欠けていたのはアイデア。つまり、パスを変える、特に最後の部分でそういう発想が欠けていた。スピードは最初から足りなかったと思う。後ろからボールを送る時も、スピードが足りなかったため、相手が守備を固めて守れたのだと思う。われわれはいいこともやったが、ただそのスピードが足りなった。特に最後のスプリント力が。われわれは116回も相手陣内に攻め込んだので、数字は悪くないが、そこまで多くの試みがなくても得点が入ることもある。ただ、それが入らなかった」

――コロンビア戦について。コロンビアは次に進むことが決定しているが、それは日本代表にとってはいいことか?

ザッケローニ監督 「分からない。それはコロンビアの監督が、どのように決めるか。どのように選手を選んでくるかは分からない。しかし、われわれが次に何をしなければいけないかは分かっている。第1戦、第2戦とは違う試合をしなければいけない。違う形で試合に臨まないといけない」

――岡崎を左で使ったわけは? また最後の交代枠をドリブラーに使うという選択肢はなかったのか?

ザッケローニ監督 「2つ目の質問に答えると、ドリブルをするためのスペースがなかった。(相手の守備の)誰もがエリアぎりぎりでプレーしていたので、1対1でプレーする場所がなかった。香川も岡崎も大久保も本田もいたので、彼らも1対1が強いプレーヤー。必要だったのは、スピードあるパス。パスを受けるためのスピードが必要だった。岡崎については、今日の試合はサイドで勝つべき試合だったからで、サイドでのプレーが優れているから。左からの攻撃をしてくれたので、戦術的に言うと岡崎は岡崎のプレーができたと思う。ただ、特に前半はもっとできたかもしれない」

 

サントス監督「退場なければ勝ったかも」 試合後、ギリシャ監督会見
【スポーツナビ 2014年6月20日】

 サッカー日本代表は20日(日本時間、以下同)、ワールドカップ・ブラジル大会の第2戦となるギリシャ代表戦に臨み、0−0で引き分けた。日本は、大久保嘉人や内田篤人が決定的なチャンスをつかんだものの、退場で1人少なくなったギリシャの堅守を崩せず、痛恨のドローに終わった。

 試合後、ギリシャ代表のフェルナンド・サントス監督が会見に臨み、「われわれのほうが不利な状況になった」と前半38分に2枚目のイエローカードを受けてコンスタンティノス・カツラニスが退場になった場面を振り返り、「もし退場がなければ、ギリシャが勝っていたかもしれない」と悔やんだ。

 また、25日のコートジボワール戦については、日本対コロンビアの結果次第では決勝トーナメントに進出できるため、「引き分けではだめだ。勝たなければならない」と必勝を誓っていた。

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数字的に見てまだ可能性を残している

 この試合は2部に分けなければならない。まず、1部については、ギリシャがよく戦い、均衡の取れた試合をしていた。ゴールにつながるはずだったが、残念ながらそれはできなかった。日本はわれわれよりもボールをキープしていた。右サイドから効果的な攻撃を見せていたが、日本はそれを生かすことができなかったのである意味で、われわれはバランスが取れていたと思う。そして、退場した選手がいたためにわれわれのほうが不利な状況になったので、選手には自分のポジションに戻って守ろうと伝えた。その結果、ボールをキープすることができたし、パスも回すことができるようになった。それでも後半は日本に圧倒的に支配されていた。少ないチャンスを生かしてカウンターを見せることができたが、それが決定打にはつながらなかった。カウンターに関してはかなりのチャンスを逸したと思う。1、2回の絶好機があったが、残念ながらうまくいかなった。特に退場してからは選手がひとり少ない状況でプレーしていたのだから選手は皆疲れていた。もし退場がなければ、ギリシャが勝っていたかもしれない。

――次のコートジボワール戦に関してはキャプテン(カツラニス )がいない。(コンスタンティノス・)ミトログルの状況は?

 ミトログルに関しては彼に状況を聞かなければならない。かなり骨に痛みがあるようだが、どうなっているのかは分からない。カツラニスに関しては、出場できないので他のオプションを見なければならない。両チームにとって、次のコートジボワール戦は非常に重要なものになる。コロンビア以外の3チームにとって重要だ。われわれの試合がどうなるかは分からないし、コロンビアと日本の試合結果にも関わってくる。コロンビアだけが勝ち点が有利な状況だが、他の3チームは数字的に見てまだ可能性を残している。なので、最終戦を待ってみたい。

――カツラニスの退場についてどう考える?

 ロングシュートやスピードが必要だったのだが、カツラニスの退場によってそれができなくなった。映像を見て分析をする必要はあるが、カツラニスは確かに2枚目の警告を受けて退場になった。ただ、後ろからのチャージでもイエローカードが出されていない場面もあった。いずれにしてもリプレーを見る必要がある。攻撃に関して、ボールを保持できず、前に出ることができなかったため難しい状況にあった。

――コートジボワール戦はどのように戦うつもりか?

 引き分けではだめだ。勝たなければならない。コートジボワールは3得点を挙げているが、われわれはまだ無得点だ。勝つ以外に解決策はない。われわれは全力を尽くさなければならない。

――コートジボワール戦では何点取りたいと考えているのか?

 コートジボワールにわれわれが勝ち、コロンビアが日本に勝つか引き分ければ決勝トーナメントに進むことができる。なのでそれほどゴールは必要ない、ただ勝てばいいのだ。

――日本が勝った場合、ギリシャもゴールが必要になるが?

 日本はまだ1得点しか挙げていないし、それほど多くの得点を挙げてはいない。日本とコロンビアの結果にもよるが、われわれ自身の力にかかってくる。

日本は非常に良いパフォーマンスを見せた

――湿度や気温が高く、プレーが難しい状況だったと思うが、日本のパスワークは想像以上だったか?(田村修一/フリーランス)

 日本は非常に良いパフォーマンスを見せた。日本のプレーを見てきたが、今までのチームよりも攻撃的だったと思う。もちろん、どのチームも日本のことを研究してきているが、日本は個人の技術も優れているし、スピードもある。気候に関してはつらいものではあるが、それを口実としては使えないし、いいわけにはならない。

――これまでのコートジボワールのプレーを見て次戦の展望は?

 コートジボワールは優れた選手が多い。フィジカルにも強いチームだ。しかし、試合中に苦労していたところもあるし、われわれとしてはマンツーマンで戦わなければならないし、プレッシャーをかけていかなければならない。前線、中盤においてはそうだが、守備はそれほどではない。われわれは勇気を持って大胆にプレーしなければならない。選手たちは今日その勇気を見せてくれていた。次の試合は最善を尽くして、勝つことができると思う。

――日本がコロンビアに勝つためのアドバイスはあるか?

 私はコロンビアにアドバイスをしますよ(笑)。日本には勝たせないでくださいとコロンビアに頼みます。私の立場ではそれぐらいしか言えない(笑)。

――退場者が出た後、日本にかなり押し込まれた。無失点で終わることができた要因は?

 退場は試合に大きな影響を与えた。11対11と11対10は違う。より相手FWに近づいてプレーする必要があった。そのため、ゴールは遠くなってしまい、それだけ攻撃をされやすくなってしまった。ハーフタイムに修正を加えたが、より守備的に、コンパクトにプレーをした上でカウンターを狙わなければならなくなった。タイミング良くボールを奪い、スペースを利用してパスを通すことは、ある程度うまくいった。もっとボールをキープすることができたと思うが、枠を外すシュートばかりだった。だが、選手たちのプレーは見事だったと思う。

 

ギリシャ戦後、選手コメント【スポーツナビ 2014年6月20日】

 サッカー日本代表は20日(日本時間)、ワールドカップ・ブラジル大会の第二戦となるギリシャ代表戦に臨み、0−0で引き分けた。日本は、大久保嘉人や内田篤人が決定的チャンスをつかんだものの、退場で1人少なくなったギリシャの堅守を崩せず、痛恨のドローに終わった。

 試合後、決定的な場面を外してしまった大久保は、「ボールが浮いていたので振り抜かず、インサイドに当てようと思った。最後の最後でバウンドが浮いて……」と悔しさをにじませた。

 また、先発メンバーを外れ、途中出場となった香川真司は「こんな結果は望んでいないです。次に勝つためにやるだけ」とグループリーグ最終戦となるコロンビア戦での奮起を誓った。

 以下は、試合後の選手コメント。

大久保嘉人(川崎フロンターレ)

「バイタルをもっと使えた」

 前半、バイタルがすごく空いていましたけど、ひとつ横パスが多くて、後半は多少良くなりましたけど、前半からそれができていれば、もっとチャンスを引き出せたと思う。それはハーフタイムに言いました。(後半はどういうイメージで?)ブロックを組んでくると思ったので、前半からあれだけバイタルが開いていたし、(本田)圭佑が右に行ったり流動的にやっていたので、自分も中にもっと入ってよかったかなと。もっとミドルを打てたし、ずっと声を出して言い続けたけど、まだ見えていないことがあった。今日の相手もバイタルをもっと使えたかなと思います。

(内田篤人をうまく使っていいチャンスを作っていたが)そうですね。うっちー(内田)が出てきてチャンスを作っていました。(内田からのクロスはフリーだったが)ボールが浮いていたので振り抜かず、インサイドに当てようと思った。最後の最後でバウンドが浮いて……。あそこで振り抜いたらもったいない。

(先発の際、監督からの指示は?)いや、特にないですね。守備で7番(サマラス)にキープされるのが嫌だったので、挟み込んで、サイドバックが上がってくるから、『付いていけ』と言われました。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

「こんな結果は望んでいない」

(残念な結果だったが?)もう次に切り替えます。(控えを知ったのは?)試合前です。(先発メンバーから外れてどう?)出たときにそなえ準備しようと思っっていました。(どういう感じで出場した?)0−0だったので、点を取るだけ。全力でやろうと。もちろん、こんな結果は望んでいないです。ただ、これがW杯ですし、こんな厳しい舞台なので。次に勝つためにやるだけだと思います

岡崎慎司(マインツ05/ドイツ)

「ここ一番で能力を出し切れなかった」

(最初は岡崎が左で大久保が右だった。その狙いは?)右サイドバック(SB、ホセ・ホレバス)が持ち上がってくるのは言われていました。そこをハードワークすることと、前回の試合が下がり過ぎていたので、そこでもっと深い位置で起点を作るようにと言われていました。個人的には自分の色を出そうと思いました。

(相手を背負う形でボールを受けることが多かったが?)そうですね。でも相手を背負って、落として(長友)佑都を使うことはできていたと思います。

(前半に退場者が出て、さらにギリシャが守備的になった後は?)狙いとして、僕個人は2トップみたいな感じでサコ(大迫勇也)と距離を近くしてやろうと思っていました。自分がSBを引っ張ることで佑都が空くので、ドリブルできるスペースができる。そこを使うことが一番だと思います。真ん中から受けたり、裏に抜けたりっていうのは何回か狙っていたんですけどね。自分がもらいに行けばいくほど相手は寄ってくるので、広がることによってスペースを作って、誰かが入ってくる形ができればいいと思います。自分は受けるよりも抜ける方が得意なので、それを意識しました。

(香川が入った後は岡崎が前に行った。大久保がトップだと思ったが、どういう指示?)自分が点を取る役を任されたのだと思う。やっぱりいい展開からウッチー(内田篤人)とかに入ったとき、自分が入るべきところに入っていれば点が取れていたと思います。それに関して言えば、自分のここ一番での能力を出し切れなかったというのがあります。やっぱりああいうところで決めてこそFWだと思うので、今日に関しては個人的に情けないなっていう感じですね。点を取る部分で任されて、触れば1点ってところだったと思うので、そういう時にいるべきところにガッツリ入れなかったことには悔しさがあります。

長谷部誠(ニュルンベルグ/ドイツ)

「10人になってからの方が難しくなった」

(前半は悪くなかったが?)勝てなかった要因はさまざまあると思いますけど、まず1つは前半の11対11の時に自分たちがチャンスを作っている中で決めきれなかったこと。やっていても、見ているときでも11対11でやっていたときの方がウチとしてはやりやすかった部分があっました。相手が10人になって完全に守る形になってからの方が難しくなってしまったのは事実です。

(1人減ってからの戦い方は変えたわけではない?)変えたわけではなくて、自分たちがやろうとしてる形をとにかく出そうとしたけれど、やはりあれだけ引かれてしまうとね。その部分で言えば、何が足りなかったのかと言えば、シンキングスピードだったり、オフ(ザボール)の動きの強さとか速さ、そういう部分がもちろん足りなかったと思います。引かれるとチャンスを作りにくいのはあると思うのですが、そこを崩しきれなかったのは自分たちの攻撃力が足りないところなのかなと思います。

(引かれるのは想定内だったと思うが?)前半の途中から相手も守備的な選手を入れてやってきたし、ハーフタイムでもとにかくワイドから崩していこうというのは言っていました。少ないチャンスあったんですけど、そこで決めきれなかったです。

(メンタル的な部分で初戦の負けは影響した?)それはなかったです。最初から全員で前からプレッシャーをかけるのは全員で話していましたし、そういう切り替えもできていました。ゲームの入り方も試合を通して、前への意識は初戦とは比べものにならないくらい良かったです。やはり11対11の時に自分たちのチャンスを多く作れていました。あそこでもっともっとチャンスを作れたと思うし、そこは個人としてもチームとしても悔やまれるところです。

内田篤人(シャルケ04/ドイツ)

「前に前にって時は一番危ない」

 7番(ゲオルギオス・サマラス)がいい選手というのは分かっていました。(大久保とは話していた?)今日のミーティングで前は嘉人さんなんだなと。ある程度守備のことは気にしないで、下がるなってことですね。

(相手が10人になったが?)よくあるじゃないですか、サッカーって。相手が10人になって、向こうがはっきりした。しかもそれがギリシャの戦い方なので。縦パス何本か入れて取られる悪いイメージはありました。だからそこは気を付けていたんですけど。みんなが前に前にってときは一番危ないですね。今日はボール回しの時にお客さんがワーワーワーワー。ああいうリズムは好きなんですけど、ああいうときが一番危ない。

(W杯は結果が大事と言っていたが、そのプレーはできていた?)結果が出ていないので、できていないですね。それはでもW杯に限らずリーグ戦でもチャンピオンズリーグでも、お金をもらっている以上は勝負だと思いますよ。(勝負とは?)相手がいることだし、良く跳ね返してきましたよ、センターバックが。何回かいいシーンがありましたけど、ゴールが1つ入れば。

(自分たちのサッカーをやって結果が出なかった。次の試合は?)初戦も今日も絶対勝たなきゃとかじゃなくて、根本的なところかな。サッカーをやっている以上は負けたくないじゃないですか。W杯でも練習試合でも。次のラウンドがかかっているけど、やるからには負けたくない。もちろん勝たなきゃ話にならないですけど。僕はいつもそう思っています。

山口蛍(セレッソ大阪)

「パワープレーの指示が来た」

 次の結果次第では(グループリーグ突破も)あるので、切り替えてやるしかないと思います。(普段と左右逆のポジションだったが)15番(トロシディス)がかなり出てくるから、そこを抑える役割でやっていました。

(前半のうちに相手が少なくなって、難しくなった?)前半はわりかし、サコ(大迫)のところに縦パスを入れて、ワンタッチで崩したりできていましたけど、後半はああいう展開になって……。僕は両SBが上がって、そのリスク管理で残っていたので、後半は何もすることなく終わりましたけど、前半に決められるチャンスがあったときに決めておけば、もう少し楽になったと思いますし、前半10人になったあとに相手が引く前に1点取るべきだったと思います。あそこまで引かれると単純なクロスでは厳しい。

(2試合とも最後はパワープレーになったが)後ろからすれば、何もすることがなかったから、あとは前に渡して『何とかしてくれ』という感じやったのであれですけど、パワープレーの指示が来て、そういう風にやるということなので。でも、やっぱり高いクロスはほぼ跳ね返されていました。

遠藤保仁(ガンバ大阪)

「相手が10人になってより難しくなった」

 もちろん勝てれば状況も違ったと思いますけど、次、勝つしかないので、よりアグレッシブに攻撃も守備もやっていければいいかなと思います。(自分のイメージは?)相手が引くのは想定済みだったので、できる限りテンポを早くしたいなと思っていましたし、自分のところはどうせフリーになると思っていたので、あまりボールを持ちすぎないように、シンプルに、あとは3列目から上がっていければと思っていました。

(ボールを保持していたが、リズムは良くなかった?)ひとり少なくなれば相手も中を締めてきますし、無理やり入れるのも時には必要かもしれないですけど、外を使いながら、どこかで中を使えればいいかなと思っていたので、守備重視のチームには10人になってより難しくなったかなと思います。

(後半に入って、打開策は?)高さがないぶん、どうしても速いボールじゃないとチャンスは作れないと思っていました。うっちー(内田)や(長友)佑都からありましたし、そこでもうちょっと迫力を持てればいいかなと思っていましたけど、あれだけベタ引きされれば、10対11と言うより、相手のほうが守備の人数は多いので難しいかなと。ただ、こじ開けられなかったのは、なんらかの原因があると思うので、もうちょっとミドルシュートを打てば良かったかな、というのはありましたけど、やっているなかでは、そういうチャンスもなかった気がするので、よりテンポを上げられるようなポジショニングを取れば、よりチャンスは作れたのかなって思います。

(初戦より自分たちのサッカーに手応えを覚えていると思うが、それでもこの結果)もちろん、今日勝ち点3を取るために全員が良い準備をしてきたつもりですし、入り方も悪くなかった。ただ、GKと1対1とかのビッグチャンスがなかったのも事実なので、もう少し中で崩すような攻撃の形も増やせればよかったと思います。引き分けてしまった以上は、取り戻せないので、次の試合により良い攻撃を、どういう形でもいいのでゴールを奪えるように。前掛かりになる必要はないと思いますけど、バランスの取れた試合をする必要があると思います。

長友佑都(インテル/イタリア)

「次こそ失うものはない」

(左右からクロスを入れることが多かったが?)ビッグチャンスも作れていたし、監督がサイドを使っていけということで後半入っていきました。ただ、上げる選手と、中の選手のタイミングもあるので、これからの3日間、コロンビア戦に向けて突き詰めていかないといけない部分だと思います。日本代表はサイド攻撃が強みでずっとやってきたので、クロスにどういう形で、何人入っていくのかというところを突き詰めていきたい。

(ギリシャは一人少なくなっても余裕を持って守っているように見えたが?)余裕を持っているというよりも、守備に徹していた。ああなると逆にやりずらくなったというか、10人の時の方が正直やりずらかった。

(ブラジル人の応援が、試合後にブーイングに変わったことについては?)僕たちは日の丸を背負って戦っています。結果が出なければやはりブーイングされるし、それは受け止めないといけない。ブーイングをネガティブには捉えていないけど、どうそれを受け止めて自分たちの力にするかが次の試合のカギになると思っています。悔しさも残るなかで前を向いて、次こそ失うものはない。勝つしかないなかで、前からいけるというのは逆にポジティブに捉える部分でもあります。

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「悔しくて悔しくてしょうがない」

 試合が終わっても非常に悔しさが残っているし、悔しくて悔しくてしょうがないけど、まだ終わったわけではないと思っています。わずかな可能性にかけるためには、とにかく勝たないといけない。今日は退場者が出て、いくらか楽に自分たちのサッカーができたけど、次の強豪であるコロンビアに対しても自分たちが勇気を持ってサッカーすることが大事だと思います。とにかくぶつかっていきたい。

(ポゼッションを高めて左右からクロスを入れる形が多かったが?)ギリシャは守備が非常にいいチーム。厳しいヨーロッパ予選を勝ち抜いてきたのは失点が少なかったからで、そのチームが一人少なくなったことでより守備的になった。ポゼッションができた反面、こじ開けるのは非常に難しくなりました。前半からボールを左右に振って相手の前線を動かして疲労させることで、後半に畳み掛けるやり方は間違っていなかったと思います。少しの差で1点でも2点でも入ったと思うし、ちょっとアンラッキーだったと思います。やり方が間違っていたとは思いません。

(パワープレーに出る時間が早かったが?)ほとんど僕らがボールを回していたし、あとはサイドからいいクロスも上がっていたけれど中の枚数が少ないと僕も思っていた。監督も枚数を増やしたかったのだろうし、あれだけ相手が引いていたら後ろを削ってでも中に人を置きたかったのだと思う。

(こうやっておけばよかったと思うことは?)初戦もそうだけど、あまり大会中に振り返りすぎたくない。やり方は悪くなかったと思うし、今日は初戦よりも確実に勇気を持ってプレーできたと思います。次の試合でも同じように、強い相手でも勇気を持ってプレーすれば、僕らに好機があると思います。

今野泰幸(ガンバ大阪)

「精度や運が今日はなかった」

 中央もサイドからもいい形を作りかけていたんですけど、ラストが合わなかったし、相手のほうが良いポジションを取っていて、点が取れなかったと思います。(単純に上げても、高さでは跳ね返されたが)でも、クロスはピンポイントで合えば、身長が低くても決められると思うし、その精度や運も今日はなかったかなと思います。

(大久保が『もっと縦に入れてくれ』と言っていたが、後半焦ってきた時間はどう見えた?)後半というより、僕の中では前半は僕らの左サイド、自分も持ち上がれていたし、チャンスを作れそうだなと思っていたんです。そこで岡ちゃん(岡崎)や(本田)圭佑、サコ(大迫)、(長友)佑都は見えていたんだけど、(大久保)嘉人のところが開いてたのを試合中に言われて、そこを使えなかったから、そこが見えていれば、もっと展開も変わったと思う。嘉人も生きたと思うし、そこは悔いが残ります。逆サイドのバイタルエリア、いいところにいたと思うんです。そこに付けられれば攻撃の幅も広がったと思う。

齋藤学(横浜F・マリノス)

「出られないのは悔しい」

 出られないからって不満を持つ選手じゃないから、練習からしっかりやっていくしかないと思う。出られないのは悔しいと思うけど、監督も選手を分かった上で起用していると思うし、自分が監督だったらそうかもしれないので、やるべきことをやるしかないです。

(ギリシャに退場者が出てから攻撃に関しては)けっこう左右が入れ替わったり、ボランチが入れ替わったりしていたけど、あれだけ高い位置に行けていたし、最後がね。逆に退場しない方がスペースもあったかなと思っていたけど、向こうの役割がしっかり徹底された時の最後の粘りや強さはすごいというか。ただ、バイタルは(本田)圭佑君がパスを交換したところぐらいは少し空いていたから、自分が入るならそこかなと思ったし、どこかで崩せたらなと思っていたんですけど。そこからクロスとかでシュートまで行っていたから。

(終盤は出番の予感があった?)予感と言うか出てないからあれですけど、そのイメージは最初からしているし、(香川)真司くんが交替で左に入っていたので、出るなら右かなと思っていました。コロンビア戦に向けてまたしっかり(やっていきたい)。

(47分ぐらいでアップエリアから引き上げた?)あれ以上あげる必要もないし、交替があるかないかで引き上げたんじゃなくて、中にいれば呼ばれたらすぐ行けるという意味です。

 

改めて問われる「勇気とバランス」 日本が得点を奪う選択肢はなかったか?
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2014年6月20日】

試合時間の考慮があれば……

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の8日目。この日は13時(現地時間。以下同)からコロンビア対コートジボワール(@ブラジリア)、16時からウルグアイ対イングランド(@サンパウロ)、そして19時からはナタールで日本対ギリシャの一戦が行われた。

 おそらく日本のサッカーファンは、グループCのもうひとつの試合を夜中の1時からチェックして、3時くらいにいったん就寝。それから6時くらいに起き出して日本の大一番に備えるといった感じであろうか。とはいえ、この日はウイークデー。出勤や通学のことを考えると、遅くとも前半終了ぐらいには後ろ髪引かれる思いで家を出なければなるまい。

 先のコートジボワール戦は、日本の放送時間を考慮して22時のキックオフとなったと言われているが、だったらむしろこのギリシャ戦を前倒しにしてほしかったものである。

90年以来の16強を決めたコロンビア

 13時開始のブラジリアでの試合は、レストランで昼食を取りながらテレビ観戦した。前半は想像していた以上にきっ抗した展開。コロンビアが鋭い切り返しからカウンターを狙い、これをコートジボワールが気迫のディフェンスで止めるというシーンがたびたび繰り返される。最初は受け身だったコートジボワールも、次第に攻撃の厚みが加わるようになり、たびたびチャンスを演出する。

 一進一退の均衡が崩れたのは後半19分、コロンビアのセットプレーから。フアン・クアドラードのCKをハメス・ロドリゲスが頭で合わせてネットを揺さぶると、同25分には途中出場のフアン・キンテーロがテオフィロ・グティエレスのスルーパスを受けて追加点を奪う。しかしコートジボワールも、その3分後にジェルビーニョが左サイドから強引なドリブルで3人をかわして右足を振り抜き、これが決まって1点差に詰め寄る。

 その後もコートジボワールは攻め続けるが、コロンビアが何とか1点のリードを守りきり、実に90年イタリア大会以来となる決勝トーナメント進出を決定付けた。

日本の先制点は時間の問題

「われわれは明日、歴史を書き改めたい。そのためには、勝たねばならない。明日の対戦相手も、歴史を作りたいと思っている。同じ目的を持った2つのチームが対戦して、どのような結果になるのか、見てみようではないか」

 試合前日の会見での、ギリシャ代表のポルトガル人指揮官、フェルナンド・サントス監督の発言である。その表情に、どこかしら悲壮感のようなものがにじみ出ているのを私は見逃さなかった。初戦に敗れた精神的なダメージは、コートジボワールに逆転負けを喫した日本にももちろんあるが、むしろ自慢の堅守が機能せずに3失点を喫したギリシャのほうが大きかったように思う。

 相手の立場で考えるなら、彼らは勝利はもちろん大量得点が必要となるわけで、0−0でスタートしていても心理的なアドバンテージはむしろ日本にある。前掛かりで戦わなければいけない相手に、アルベルト・ザッケローニ監督はどのような勝利プランを提示するのか。そして、初戦からどれだけメンバーを入れ替えてくるのか。1時間前に発表されるスターティングメンバーを待った。

 この日、ザッケローニが選んだ11人は以下のとおり。GK川島永嗣。DFは右から内田篤人、吉田麻也、今野泰幸、内田篤人。中盤は守備的な位置に長谷部誠と山口蛍、右に大久保嘉人、左に岡崎慎司、トップ下に本田圭佑。そしてワントップに大迫勇也。コートジボワール戦のスタメンから、森重真人と香川真司に代わり、今野と大久保がチョイスされた。

 おそらく指揮官の意図としては、リスク覚悟で最終ラインを高く保つこと、そして香川をしかるべきタイミングで投入することで、一気に勝負を決定づけるというものだったのだろう。大久保と岡崎が左右逆に入ったのは少し驚きだったが、香川が左に入ったときに、そのまま岡崎をワントップにスライドさせるというプランが、当初からあってのことだったのだろう。

 対するギリシャも、コロンビア戦から2人のFWを入れ替えてきた。このうちワントップで起用されるコンスタンティノス・ミトログルは、188センチの長身。当然、高さというアドバンテージを生かした攻撃を考えていたのだろう。
 ところがこのミトログル、試合中に腰を痛めてしまい、わずか35分で途中交代。その3分後には、中盤の底でプレーしていたコンスタンティノス・カツラニスが、この試合2枚目のイエローカードで退場してしまう。ギリシャのベンチはシステムの再構築を迫られ、前半だけで2枚の交代カードを使ってしまったのだ。

 結局ギリシャは、前線の高さで相手を圧倒するというプランが崩壊し、10人になってからはカウンターとセットプレーに活路を見いだす以外は、ほとんど守勢に回ることを余儀なくされる。このときは日本の先制点が時間の問題であるように思われた。

チャンスを作るもゴールは奪えず

 さて、このギリシャ戦で日本は「自分たちのサッカー」はできていたのであろうか。

 確かに、ある意味でいつものスタイルは取り戻していた。最終ラインが一定の高さを保ち、コンパクトな陣形を保ちながらボールを動かしている。前半のポゼッションは日本69、ギリシャ31。シュート数でも相手を上回った。前線での高さの脅威が取り払われ、さらに相手の人数も1人少なくなったことで、日本の優位性はより高まっていた。

 後半に入ると、ベンチはまず長谷部に代えて遠藤保仁を投入。さらに後半12分には大迫を下げて香川をピッチに送り出し、岡崎がワントップにせり上がって得点を狙う。

 態勢は整った──かに見えた。

 しかし、相変わらずボールは回るものの、なかなかフィニッシュに結びつかない。その理由について、ザッケローニはこう説明する。
「最初からスピードが足りなかったと思う。特に最後のスプリント力が足りていなかった。後ろからボールを送る時もスピードが足りなかったため、相手が守備を固めることができた。われわれは116回も相手陣内に攻め込んだ。そこまで多くの試みがなくても得点が入ることもあるが、(この試合では)それが入らなかった」

 それでもいくつか決定的なチャンスはあった。たとえば後半23分、香川からの長いパスを内田が右サイドから折り返し、ファーサイドの大久保がダイレクトで合わせるも、シュートはバーのはるか上を飛んでいってしまったシーン。あるいは26分、長友が左サイドをえぐってクロスを供給し、混戦からこぼれたボールを内田が蹴りこむもサイドネットを揺らしたシーン。

 この時間帯まで、日本は両サイドからチャンスを作り、ゴール前でシュートを放つことができた。しかしその後、ギリシャは高さのあるディフェンス陣を中央に固めて、ゴール前を完全に封鎖してしまう。これに対して、ザッケローニが取った戦術は吉田を前線に押し上げてのパワープレーだった。

06年ドイツ大会との類似が見られるが……

 正直なところ、私は残り10分あたりのザッケローニの采配が、どうにも理解できなかった。守りに強いギリシャを相手に、なぜ両サイドのクロスからパワープレーを試みようとするのか。そもそもパワープレーに頼らないという理由で、豊田陽平やハーフナー・マイクを選外としたのではなかったのか。

 それに交代のカードがまだ1枚余っているのだ。クロスに頼るのでなく、相手の急所を突くような縦へのパスが必要なら、青山敏弘を起用すれば良いではないか。あるいは齋藤学のようなドリブラーを起用して、ゴール前の壁を引き剥がすことを試みても良いではないか。

 しかしザッケローニは、手もとのラストカードを握りしめたまま動こうとはしない。結局、アディショナルタイムの4分も無為の時間となり、「歴史を書き改め」る戦いはスコアレスドローに終わった。

 初戦で先制したにもかかわらず、瞬く間に逆転負け。第2戦は勝利を期待されたものの、チャンスをものにできずスコアレスドロー。そして、わずかな可能性をもって最後に対戦するのは南米の強豪。何やら、8年前のドイツ大会の状況にかなり近づいてきたような気がしないでもない。

 とはいえ、ジーコが監督だった当時の代表に比べれば、今の代表にはまだまだ救いがある。まず、コンディショニングの面で失敗しているとは思えないこと。次に、チーム内に派閥や不協和音の類(たぐい)が感じられないこと。そして、ザッケローニの監督としての経験と実績の値がそれなりに高いこと。そう考えると、状況的には8年前と比べて深刻ではないのかもしれない。

最後の交代枠の行方は?

 誤解してもらっては困るのだが、私は何もザッケローニという指導者を全否定するつもりは毛頭ない。むしろ逆で、残り少なくなった任期の中で、できるだけ長くこの人が指揮を執るチームを見てみたいという思いのほうが強い。

 そうであるがゆえに、グループリーグ突破の可能性を結果として狭めてしまった今回の采配については、非常に残念な気持ちでいっぱいである。同時に、この人は自分自身のテーゼにがんじがらめになってしまっているのではないか、という懸念がどうしても払しょくできないのだ。

 かねてよりザッケローニは「勇気とバランス」というフレーズを口にしてきた。このギリシャ戦に関していえば、とりわけ試合終盤において「バランス」を重視するあまり、いささか「勇気」が足りなかったのではなかったのではないか、というのが現時点での見立てである。

 試合後の会見で「残り1枚の交代枠をドリブラーで使う選択肢はなかったのか」と尋ねてみたが、その答えは「そのスペースはなかった」であった。本当にそう思ったのだろうか。もしかしたら「勇気」を抑圧させてしまう何かが、彼の中に抗い難く存在していたのではないだろうか。

 2試合を終えたグループCの順位は、1位コロンビア(6/+4)、2位コートジボワール(3/±0)、3位日本(1/−1)、4位ギリシャ(1/−3)となっている。確率的には、まだ日本にもグループリーグ突破の可能性はある。

 ただそのためには、ギリシャがコートジボワールに勝利し、さらに日本がコロンビアに勝利。さらに得失点でギリシャを上回るという、かなり高いハードルがあることを理解しなければならない。日本代表のブラジルでの冒険は、6月24日で終わってしまうのか、それ以降も続くのか。かなり厳しい状況になってしまったが、後者の展開を強く望みつつ、次の目的地であるクイアバへと向かうことにする。

 

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