ニコニコ動画の生中継で岡田外相の記者会見を途中から(20分くらいからかな?)見てました。長崎生まれの人間としては核密約に関して言いたいことはいくらでもありますが、長時間の記者会見も含めて岡田外相にはお疲れ様と。

外務省HP|いわゆる「密約」問題に関する調査結果
岡田外務大臣会見
 http://www.youtube.com/watch?v=wSrnsoWuQW8

有識者委員会による会見(「密約」問題)
 http://www.youtube.com/watch?v=pi2B2goPPRE

ただ、この調査結果を受けて早急にやってほしいのは、公文書管理と情報公開の法制度を国民にとって一層有意義なものにすることが1つ。そしてアメリカでの公文書公開によって事が明らかになったにもかかわらずシラを切りとおした自民党と数々の公文書を破棄・紛失した外務官僚の双方にキッチリ責任を取ってもらうこと、この2点だと思います。

自民党はもう今更感もあるんですが(苦笑)、国民の、そして国家全体の財産である公文書をあまりにも杜撰な管理下におき意図的に紛失した跡さえ残した外務省の罪はあまりに重いです。岡田外相も会見で触れてましたが、外交で時に応じて秘密にすべきことは確かに存在しますが、それも一定期間の後に公開して後世の人たちが検証できるようにすべきですし、それが国としての真っ当なあり方でしょう。自分達の不始末を隠したいと公文書をポイポイ捨てるのは国民の財産をゴミ焼却するのと何ら変わりありませんし、国民の財産を毀損することは‘公’務員が決してやってはならないことのはず。

かつて、1000年以上も昔の話になりますが、6世紀後半から7世紀前半にかけて大和国の中で、物部氏vs蘇我氏やら皇族の内紛やら乙巳の変やら幾つもの政変と戦乱があり、おそらくはその都度貴重な記録や文書も消えていったのでしょう、日本の古代には中国の数々の史書と比較しうる歴史書が1つも存在しません(記紀は違うでしょ~あれはいくらなんでも・苦笑)。当時の日本人が文字を知らないのならしかたないのですが、中国王朝や朝鮮半島と公的ルートで交流があった以上は少なくとも漢字は使えたはずです(でなければ仏教を取り入れるとかできませんし)。文書や記録の重要性も政治や祭祀に携わる階級の人々ならある程度認識できたはずで、おそらくそれなりの分量はあったと思うのですよ、無くなってなければ。失われてしまったから、現代の私達が当時の歴史を知ろうにも、どんなに考古学が発達しても、どこかで壁になってそれ以上のことはな~んにもワカラナイ。天皇家の祖先ですら一定以上は遡れないのですから。

大袈裟な言い方かもしれませんが、それに匹敵することを外務省は‘やらかした’というのが私のこの件に対する見方です。まぁ同程度のことを検察も最近やらかしてますけどね(苦笑)。それはともかく、個人的には密約の存在以上に公文書破棄・遺失によって真相究明への道が閉ざされてしまったことの方が大問題だと考えてます。外交を司る役所でこんな犯罪レベルの不祥事が二度と起きないよう、普天間問題解決と同じくらい岡田外相と政務三役には頑張っていただきたいと思います。

あぁ~、それと、毎日新聞は西山太吉さんの名誉回復はキチンとやってくださいね。記者として真っ当な仕事をした方に対して、この場に至って何もしてあげられないようでは、もう会社ごと潰れてしまった方が日本国民のためじゃなくて?(苦笑)



日米密約:外務省委が報告書 核持ち込みは「暗黙の合意」
【毎日新聞 2010年3月9日】

 日米両政府の四つの外交「密約」を検証していた外務省の有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)は9日、報告書をまとめ、岡田克也外相に提出した。報告書は、1960年の日米安保条約改定時に「核搭載艦船の寄港・通過」を事前協議の対象外とする密約があったと指摘される問題について、日米間に「暗黙の合意」があったとして、「広義の密約」と結論づけた。「朝鮮半島有事の戦闘作戦行動」「沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わり」密約を合わせて三つの密約を認めた。

 一方、沖縄返還時に「有事の際の沖縄への核再持ち込み」を認める密約があったとされる問題で、佐藤栄作首相とニクソン米大統領が1969年11月の日米首脳会談の際にひそかに交わした「合意議事録」について、拘束力はなく「必ずしも密約とは言えない」と否定的見解を示した。また、一連の文書検証にあたって「不自然な欠落」が判明。廃棄された可能性があるとみて、調査を求めた。

 有識者委は、昨年11月に岡田外相に提出された外務省調査チームの内部報告書と関連文書331点などを精査。同委の報告書とともに、外務省の内部報告書も公表された。

 「核搭載艦船の核持ち込み」密約については、60年1月の藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使が事前協議制を巡って交わした「討議の記録」のコピーなどが見つかった。しかし、解釈を巡り日米間にずれがあった。63、64年にライシャワー駐日大使が大平正芳外相、佐藤首相に米艦船の核持ち込みを「事前協議の対象外」にする立場を伝えた。日本側は米側に解釈を改めるよう働きかけず黙認し、米側も深追いせず、「暗黙の合意」が形成されていった。

 「朝鮮半島有事」密約は、60年1月の藤山外相とマッカーサー大使が交わした「朝鮮議事録」のコピーなどが発見され、密約と認定した。半島有事に出撃する在日米軍の戦闘行動の際、事前協議なしに米軍が在日米軍基地を自由に使用できることを例外的に認める内容。ただ日本側は「事前協議の意義を減殺させる不本意なもの」とも認識し、後の沖縄返還交渉で米側に同議事録の失効を求めたが、調整はつかなかったことも判明した。

 「沖縄返還時の原状回復補償費肩代わり」密約は、従来密約とみなした最大の根拠だったスナイダー駐日米公使と吉野文六外務省アメリカ局長による71年6月の議事要旨が、外務省調査では見つからなかった。米側の公開資料を精査した結果、報告書は、議事要旨の「狭義の密約」性を否定。しかし、米側が「自発的」に支払うとした400万ドルの肩代わり合意と、日本側が支払う3億2000万ドルへの積み増し了解は「両国政府の財政処理を制約する」として、「広義の密約」と判断した。

 一方、「沖縄への核再持ち込み」問題では、佐藤元首相の遺族が保管していた「合意議事録」の効力について、後継内閣に引き継いでいなかったことから「(佐藤氏は)議事録を自分限りのものと考え、長期的に政府を拘束するものとは考えなかったのではないか」と推定した。【中澤雄大】



日米密約:真相究明へ前進 報告書は西山さんの指摘追認
【毎日新聞 2010年3月9日】
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 外務省調査チームや有識者委員会が明らかにした米軍用地の原状回復補償費(400万ドル)を米国の求めに応じて日本が肩代わりした事実は、西山太吉・元毎日新聞記者(78)がまさに71年、記事で指摘していたことだった。報告書は記事内容を追認した形だ。「真実に迫って、なぜ罪に問われるのか」と訴え続けてきた西山氏に話を聞いた。【臺宏士】

 --外務省はようやく肩代わりの事実を認めました。

 西山氏 自民党政権が一貫して「一切密約はない」としてきた説明を否定したわけで、画期的な結論だ。00年、密約の存在を認める米公文書が開示されたことに始まり、昨年の日米における新政権誕生、仇敵(きゅうてき)のはずの吉野文六・元外務省アメリカ局長(91)が肩代わりを認める証言を始めるなど、認めざるを得ない状況に追い込まれたにしても、まさに奇跡に近い要素が凝縮した結果だ。政府のウソが不問に付され、西山だけが罪に問われるのは不公正だと、「天」が真相究明の機会を与えてくれたのだと思う。

 --吉野氏と米公使がイニシャルを署名した密約を示す文書(吉野文書)は見つからなかったようです。

 西山氏 情報公開法の施行(01年)に合わせて大量の公文書が外務省で廃棄されたと言われている。なぜ、廃棄されたのかの実態解明も併せて行わなければ、真相に迫ったことにはならない。文書廃棄は、密約を外交史から葬ろうとする重大な情報犯罪だ。

 --一方、秘密書簡に関する「条約課長メモ」が発見されました。

 西山氏 当時400万ドルを賄うことを了解する秘密書簡は作成されなかったと、今回見つかった「条約課長メモ」を根拠に述べられている。書簡作成は米側の要請だったが、のちに国内向けの説明と食い違うことを外務省は嫌った。表ざたになっても問題ないような表現にしようという当時の政府の方針は明らかになっているが、そのための文書が吉野文書で、まさにこれが秘密書簡だった。課長メモを今回あえて出したのは、密約の悪質性を薄めたいという外務省の思惑があると思う。

 --沖縄返還に伴う日本側の財政負担は協定以外にもあることが米公文書によって明らかになっています。

 西山氏 外務省は沖縄返還における密約の代名詞とも言える肩代わり問題に限定して調査したが、財政負担にかかわる密約の一部に過ぎない。米公文書によると、総額は5億ドルを超えているという。この問題は米軍駐留費の軽減を安易に認める「思いやり予算」につながる問題だ。財務、外務合同の調査でなければ全体像は分からないし、国会での調査は重要だ。
 ◇報道から40年 やっと公表

 沖縄返還交渉の最終局面で難航したのが、米軍用地を原状回復するための補償費400万ドルを日米どちらが負担するのかという問題だった。返還協定では表面上、米側の「自発的支払い」とすることで決着したとされたが、その裏では外務省が今回初めて明らかにしたように、日本側の公式負担額の3億2000万ドルには日本が積み増した400万ドルが含まれていた。71年、西山氏は密約の存在を裏付ける外務省の電信文3通を入手。記事で疑惑を指摘した。

 72年、社会党の横路孝弘議員(現衆院議長)が国会で政府追及に使ったのが、西山氏から受け取った電信文で、後に外務省の女性事務官を通じて西山氏に渡っていたことが分かり、警視庁は同年、国家公務員法の秘密漏えいとそそのかしの疑いで、事務官と西山氏を逮捕した。国民の知る権利を守る声が各界から起きたが、入手方法に対する批判も出た。裁判は最高裁まで争われ、有罪が確定した。

 また、西山氏は国に3300万円の賠償を求めて提訴(最高裁で敗訴確定)したが、この裁判では密約の有無は触れられなかった。ところが、密約文書を開示するよう国に求めた情報開示訴訟では、交渉責任者だった吉野文六・元外務省アメリカ局長自身が密約の存在を証言した。同訴訟は4月9日に判決が言い渡される。

 71年の報道から40年目。今回の報告書で外務省はようやく、肩代わりした経緯を明らかにした。ただ、岡田外相は会見で、肩代わりについて「必ずしも密約ではなかったと考えている」と述べた。密約を秘密書簡などが存在する厳密な意味でとらえた発言とみられる。【臺宏士】

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