臭い物には蓋をしたいのか、事を矮小化すべく政府はもとより全国紙・TV全国ネットともニュースバリューを狭めているようですが、沖縄県議会が22日に‘全会一致’で
 ・被害者と家族への謝罪と完全な補償
 ・加害者の厳正な処罰
 ・米軍人・軍属等の徹底した綱紀粛正と人権教育のあり方の根本的な見直し
 ・日米地位協定の抜本的な見直しと、基地の整理・縮小・返還の促進
を要求する意見書と抗議決議を可決したこと、そして仲井真弘多・沖縄県知事が急遽ワシントンに飛んで国務省でキャンベル国務次官補とリッパート国防次官補と会談し、事件の抗議文と
 ・普天間飛行場の移設・返還の加速化(県外移設を追求)
 ・オスプレイ配備見直し
 ・嘉手納より南の施設・区域返還の早期具体化
 ・航空機騒音の解決
 ・地位協定の抜本的見直し
の5項目を内容とする要望書を手渡すなど、本来であれば日米関係を根本から揺るがすと見るべき状況となっています。

7月に出版されて以来ベストセラーとなっている孫崎享『戦後史の正体』を読みながらこの2・3日の沖縄タイムスの社説を見てみると、沖縄以外の地に住む私達にもいろいろと深く考えされられることが出てくるのではないでしょうか。21日付けの社説にある

軍隊が持つ占領意識や暴力性は構造的なもので基地と性暴力は深く結びついている。

という一文には肺腑を抉られるようでした。

 


 

社説[夜間外出禁止令]政府の姿勢は弱すぎる
【沖縄タイムス 2012年10月21日】

 2人の米兵による女性暴行事件を受け、在日米軍は日本に滞在する全ての軍人を対象に夜間外出禁止令を発令した。

 時間は午後11時から午前5時まで。対象者は陸海空軍と海兵隊の約4万人。違反者は統一軍法に基づき処罰する。

 併せて、軍人・軍属への再研修、勤務時間外の行動指針の見直しにも触れた。

 在日米軍トップのアンジェレラ司令官が会見し、ルース駐日米大使も立ち会った。

 「迅速な対応」や「全米兵対象の異例の措置」とする本土側の評価とは違って、沖縄の反応は冷めている。この種の再発防止策が長期的に有効に機能してきたとはいえず、実効性の乏しい約束であることを肌で感じているからだ。

 県民に大きな衝撃を与えた、1995年の暴行事件の後、米軍は再発防止を約束し、日本の文化や習慣について集中討議するなど規律教育を徹底したはずだった。

 2008年に中学生が暴行された事件では、沖縄に駐留する軍人と軍属の外出を禁止する措置が講じられた。

 だが、その後も米兵による事件は続いた。禁止令を破って、フェンスを乗り越え、酒を飲み…。

 いくらトップが神妙な面持ちで綱紀粛正を説いたところで、空疎な演説にしか聞こえない。

 半年ほどのローテーションで次々と入れ替わる海兵隊の若い兵士たちに、きちんとした教育がなされるのか、疑問である。

   ■     ■

 今回、米側の対応が早かった背景には、新型輸送機オスプレイをめぐる県民の反発など、日米同盟を揺るがしかねない事態への危機感がある。

 日本側にいたっては「最悪のタイミング」(官邸筋)で事件が起こったとし、反基地運動の高まりを心配している。被害に遭った女性のことより、日米関係への影響を懸念する政府とは何だろう。

 米兵による事件・事故が発生するたびに、政治は問題を沈静化することに力を注いできた。しかし沈静化で問題は解決しない。被害者の苦しみは終わることがないからだ。

 事件を受けて、過去に危険な目に遭ったことのある50代の女性は「狭い場所にいられない。大きな声が怖い。カウンセリングの電話番号を持たないと外出できない」と明かした。ようやく気持ちの整理がついたのは、事件から30年以上たってからだという。

   ■     ■

 軍隊が持つ占領意識や暴力性は構造的なもので基地と性暴力は深く結びついている。

 にもかかわらず、政府は米兵の性暴力を個人的な問題として押しやり、なぜ事件が繰り返されるのかの原因に目を向けようとしない。米兵犯罪が沖縄に集中しているのに、基地を受け入れている日本側の対策はあまりに傍観者的だ。

 今回の事件でも、野田佳彦首相や森本敏防衛相の言葉から、自国民の安全や尊厳を守ろうとの決意や気迫が伝わらない。

 政府はもっと強い姿勢で再発防止策を要求し、その実効性に目を光らせるべきだ。

 

社説[抗議決議100件目]沖縄は「軍事植民地」か
【沖縄タイムス 2012年10月23日】

 米海軍兵2人が沖縄本島中部で女性を襲い、集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された事件で、県議会は22日に開いた臨時会で抗議決議と意見書を全会一致で可決した。

 県議会事務局によると、米軍がらみの事件・事故に対する抗議決議は、本土復帰後、100件目となった。野田佳彦首相はこの数字をどのように考えているのだろうか。日本の安全保障政策はこの100件の犠牲の上に成り立っており、政府は防衛白書に100件の抗議決議一覧表を掲載すべきである。

 県のまとめによると、復帰時から昨年末までに米兵らによる刑法犯は5747件起きている。凶悪犯は568件、このうち強姦事件は未遂を含め127件に上る。

 今年8月には県議会が、海兵隊員による強制わいせつ致傷事件に対する抗議決議を全会一致で可決している。政府当局者はこの数字に接しても神経が鈍磨し無感覚になっているのではないか。

 本土復帰から40年が過ぎたにもかかわらず、米兵による性暴力が後を絶たず、日常生活を平穏に営む平和的生存権さえ保障されていない現実は異常というしかない。被害者が受けた心の傷は統計では表せない。

 抗議決議では「県民の我慢の限界をはるかに超え、県民からは米軍基地の全面撤去を求める声も出始めている」と指摘している。日米両政府は、事態の深刻さを認識する必要がある。県議会の100件目の抗議決議は、沖縄から発せられた事実上の「非常事態宣言」と受け止めるべきだ。

   ■     ■

 沖縄には、日本にある米軍専用施設の74%、4軍合わせた米軍兵力の70%が集中している。特に海兵隊は9割近くが沖縄に駐留する。在沖米軍全体でみると、海兵隊は6割を占める。

 海兵隊、基地とも沖縄に集中する現状を変えない限り、日米両政府がいくら「綱紀粛正」「再発防止」と叫んでも根本的な解決につながらないのは明らかである。

 だが、野田政権からは沖縄の意を体して米国政府と交渉する気概も姿勢も全く感じられない。日米地位協定によって米兵はさまざまな特権や有利な扱いが保障されているが、そのことが末端の兵士に、沖縄では何をしてもいいという治外法権的な意識を植え付けていないか。米海軍兵2人が2泊3日の日程で沖縄入りし、わずかな滞在期間中に凶悪事件を起こすとは「占領意識」そのものではないか。

   ■     ■

 森本敏防衛相は集団強姦致傷事件を「たまたま、外から来た兵士が起こした」と言った。米本国でのオスプレイの緊急着陸を「車を運転するときに警告灯がついて道の脇でチェックしたようなもの」とたとえた。米国でオスプレイに試乗して「快適だった」と県民感情を逆なでした。

 森本氏が体現しているのは日米同盟至上主義である。住民の安全・安心はあまり念頭にないようだ。

 森本氏が、オスプレイ配備と普天間の辺野古移設を自身の任務とみているのは間違いない。一体どこの国の大臣なのか。

 

[相次ぐ抗議行動]島ぐるみ決起の様相に
【沖縄タイムス 2012年10月24日】

 オスプレイ強行配備と2米兵による暴行事件が、戦後、米軍基地に悩まされてきた県民感情に再び火をつけた。

 仲井真弘多知事はワシントンを訪ね、米政府の担当者に直接抗議。また9・9県民大会常任幹事会は、全41市町村長でオスプレイ配備撤回を野田佳彦首相に直接訴えることを同実行委に提案する方針だ。県議会は米軍の事件・事故で復帰後100件目の抗議決議を全会一致で可決した。沖縄の状況は「島ぐるみ決起」の様相を呈しつつある。

 1995年の米兵暴行を受け8万5千人(主催者発表)が集まった県民大会で高校生代表は「基地のない、軍隊のない、平和な島を返してください」と訴えた。あれから17年。高校生は大人になった。沖縄の過重な基地負担は変わらない。日米両政府は普天間飛行場など県内米軍施設の一部返還・移設で合意したが、今なお実現していない。

 今回の動きは、現状に歯止めをかけなければ、子や孫の代にまで基地負担が恒久化してしまいかねない-という県民の危機感の表れでもある。

 行政や議会、関係団体ばかりではない。本紙オピニオン面の投書には「日米安保は破棄せよ」「基地全面撤去を」「米兵を基地から出すな」などこれまでにない強い調子の言葉が目立つ。基地と振興策のリンク論を警戒する識者の評論や意見も増えた。普天間飛行場ゲート前の集会では、基地への電気、水道を止めようという声も上がった。県民意識は大きく変化している。

    ■    ■

 暴行事件について訪米中の仲井真知事は「沖縄の人は怒っている。これは基地の存在にかなりの影響を持つ」と米高官に強く抗議したという。また暴行事件を「沖縄に、日本に、基地を置く資格はないとすらいえる事件」だと批判し、地位協定の改定を訴えた。知事が個別の事件を取り上げ、米側に抗議すること自体、異例だ。知事の訪米直訴に加えて41市町村長の首相直訴が実現すれば、基地問題の大きな転換点となるだろう。

 沖縄は戦後、そして復帰後も変わらず基地負担を押し付けられてきた。最大の責任は日本政府にある。沖縄の知事が米国に出向いて抗議するのも、いくら政府に要請しても何もしてくれないからである。政府は沖縄の気持ちをくみ取り、問題を解決する外交努力を怠った。安全保障を米国・沖縄頼みにしてきたツケが回ってきたのだ。

    ■    ■

 伊江島で22日、オスプレイが大型ブロックをつり下げ、集落内を旋回しているのが目撃された。「人口密集地上空を避ける」とした日米合同委の合意が守られていない。そもそも普天間飛行場周辺は学校や病院、住宅が建ち並ぶ。合意そのものが現実離れしている。

 オスプレイの事故や暴行事件が再び起きれば、だれが、どう責任を取るのか。沖縄の異議申し立ては、もはや危機管理的発想に立った弥縫(びほう)策では沈静化できないだろう。基地問題を振興策で覆い隠すことはもう通用しない。ツケは後回しにせず、今こそ沖縄に寄り添った解決策を米国に示す時だ。

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