井垣康弘/少年裁判官ノオト

2006年2月13日 23:46
by しとらす

発売に合わせてでしょう、ちょうど新聞でも採りあげられましたので、ここでも紹介したいと思います。



井垣康弘『少年裁判官ノオト』【日本評論社、2006年刊】

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《内容》
ある日、型破り判事の元に回されてきた「少年A」の事件。「酒鬼薔薇聖斗」の心の闇をさぐり、被害者の思いを受け止め苦悩した日々。初めて綴る、少年院本退院までの7年5ヶ月、そして少年審判改革。「少年審判改革判事」のターニングポイントとなった、あの事件。少年、親、調査官、弁護士、教師、裁判官、そして被害者・・・少年審判にかかわる全ての人が情報を共有し、解決に向け知恵を出し合う少年審判改革とは?退官してもなお、少年たちの立ち直りのため東奔西走する著者の、ユニークな少年審判のすべてを公開。



著者の井垣さんは裁判官を昨年退官されたそうですが、その直前に喉頭ガンに罹ってしまい声帯を除去したとか・・・現在は大阪で弁護士をされてるそうです。

閉塞感漂う日本の司法の、改革と市民社会への開放を進める目的で作られた『日本裁判官ネットワーク』[http://www.j-j-n.com/]の中心の1人でしたし、法律家としてだけでなく1人の人間としても大変優れた方でした。

もう随分前に1度だけ酒席でご一緒させていただいたことがあるのですが(アフター5でですので誤解しないでくださいね・笑)、職業上の繋がりが一切無い私たちの酒飲みついでのヨモヤマ話に、楽しそうに交じっている姿が印象的でした。

最高裁と政府にしか目を向けていない大多数の裁判官には持ち得ない見識と経験を豊富にお持ちですので、健康の許す範囲で後進のために、これからも今回出版の著書のような何らかのカタチで、その豊富な見識と経験を残していただければと思います。



加害少年との7年余、元裁判官が本に 神戸児童殺傷事件
【朝日新聞 2006年2月13日】

 神戸市で97年に起きた児童連続殺傷事件で、当時14歳だった加害男性の少年審判などを担当し、7年5カ月見守り続けた井垣康弘さん(66)がその思い出などをつづったエッセー「少年裁判官ノオト」(日本評論社)が13日、出版された。

 昨年、裁判官を定年退官した井垣さんは、現在は弁護士として少年問題に取り組んでいる。本の中から14歳だった加害男性の部分を拾うと――

 医療少年院へ収容された男性に1年に1度のペースで面会を重ねた。最初の視察では「断固として裁判官たちには会いません!」と断られたが、その後の少年の心境の変化をこう記している。

 〈自分にかかわってくれた人たちが「とにかく、生きなさい」というメッセージを与え続けてくれていた。そのとき、「死んでしまいたい」と思っていた自分は一年以上もうらみ続けていたけれども、言い続けてくれたことについて、心から感謝したい〉

 少年院で被害者遺族が出版した本を繰り返し読んだ男性は、〈その悲しみや痛みをもっとわかるよう、もっと近づいていけるよう日々努力したい〉と決意するまでになったという。

 02年7月、収容継続を決定した審判の席で男性が語った言葉も次のようにつづられている。

 〈先日、母親から『淳君を殺したのはお前だね』と問われ、「もちろんそうだ」と答えたが、母親が『いままで、親である自分の口から一度も尋ねてあげる機会がなくてとてもつらかった』というのを聞いて、僕は、『母親というものはそんな思いで生きているものなのか』と初めて知って、わだかまりが消えた〉

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