京都市交響楽団 | ボヘミアンな京都住まい

Category: 京都市交響楽団

最近URLも変わってHPが一新された京響こと京都市交響楽団[http://www.kyoto-symphony.jp/]ですが、先月の定期(事情があって行けなかったのです・涙)の際に広上さんが12月18日に発表されると仰ってたそうですね。これまで年明けにしか発表されなかったので、運営形態が変わってよかった事の1つやね~と思いながら楽しみに待っていたのですが、いざ見てみると・・・

こういうプログラムを 私は待っていた―――ッ!!!

・・・というのがまず率直な感想です(笑)。

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◆第534回定期 2010年4月18日(日)14:30
 指揮:秋山和慶
◇ストラヴィンスキー:幻想曲「花火」op.4
◇カバレフスキー:交響曲第4番ハ短調 op.54
◇ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」

◆第535回定期 5月21日(金)19:00
 指揮:広上淳一
◇シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」op.97
◇チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」op.32
◇ブラームス:ヴァイオリン協奏曲二長調 op.77
 〔Vn ボリス・ベルキン〕

◆第536回定期 6月19日(土)14:30
 指揮:高関健
◇ウェーベルン:大管弦楽のための6つの小品 op.6
◇ウェーベルン:管弦楽のための5つの小品 op.10
◇マーラー:交響曲第7番ホ短調「夜の歌」

◆第537回定期 7月17日(土)14:30
 指揮:広上淳一
◇シベリウス:交響詩「フィンランディア」op.26
◇グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 op.16
 〔Pf アリス=紗良・オット〕
◇バーンスタイン:交響曲第1番「エレミア」
 〔Ms 富岡明子〕

◆第538回定期 8月6日(金)19:00
 指揮:ファンホ・メナ
◇ファリャ:歌劇『はかなき人生』~間奏曲とスペイン舞曲
◇ラロ:スペイン交響曲ニ短調 op.21
 〔Vn エリック・シューマン〕
◇ドビュッシー:管弦楽のための「映像」~「イベリア」
◇グラナドス:歌劇『ゴイェスカス』~間奏曲
◇ヒメネス:サルスエラ『ルイス・アロンソの結婚式』~間奏曲

◆第539回定期 9月4日(土)14:30
 指揮:尾高忠明
◇シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
◇シベリウス:組曲『ペレアスとメリザンド』 op.46
◇シベリウス:4つの伝説曲(組曲『レンミンカイネン』)op.22

◆第540回定期 10月21日(木)19:00
 指揮:マティアス・バーメルト
◇ロッシーニ:歌劇『どろぼうかささぎ』序曲
◇武満徹:夢の縁(へり)へ~ギターとオーケストラのための
◇カステルヌオーヴォ=テデスコ:ギター協奏曲第1番ニ長調 op.99
 〔ギター 村治佳織〕
◇フランク:交響曲ニ短調

◆第541回定期 11月27日(土)14:30
 指揮:飯森範親
◇西村朗:新曲
◇吉松隆:マリンバ協奏曲(世界初演)
 〔マリンバ 三村奈々恵〕
◇ブラームス:交響曲第2番ニ長調 op.73

◆第542回定期 2011年1月21日(金)19:00
 指揮:沼尻竜典
◇リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
 〔Pf 児玉麻里〕
◇リスト:ファウスト交響曲
 〔cho びわ湖ホール声楽アンサンブル〕

◆第543回定期 2月13日(日)14:30
 指揮:井上道義
◇モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』序曲 K.527
◇モーツァルト:セレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」K.361 (370a)から
◇モーツァルト:交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551

◆第544回定期 3月26日(土)14:30
 指揮:広上淳一
◇ショスタコーヴィチ:バレエ組曲第1番
◇ブルッフ:スコットランド幻想曲 op.46
 〔Vn シン・ヒョンス〕
◇ヒンデミット:交響曲「画家マティス」

[場所はすべて 京都コンサートホール・大ホール です]
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工藤千博さんの訃報

2006年3月まで20年にわたって京響のコンサートマスターを務めてこられた工藤千博さんが亡くなられたそうです。

享年62歳・・・定年前に退任されてからまだそう何年も経っていませんし、ニュースを目にして、ただただ驚くばかりです。

しとらすが工藤さんのコンマス姿を見たのは06年2月の定期が最後でした(3月のには行けなかったので)。そう、岩城宏之さんの指揮でオール武満プロをやった時・・・それから半年もしないうちに岩城さんが亡くなられましたけど、工藤さんまで・・・(涙)。

謹んで御冥福をお祈りいたします。

訃報:工藤千博さん62歳=バイオリニスト
【毎日新聞 2009年10月9日】

 工藤千博さん62歳(くどう・ちひろ=バイオリニスト、元京都市交響楽団コンサートマスター)9日、胃がんのため死去。葬儀は12日午前11時、大阪府豊中市中桜塚2の12の2の加納会館。自宅は同市岡町南1の2の12。喪主は妻まち絵(まちえ)さん。

 86~06年に京響コンサートマスター。名教授として知られ、妻でバイオリニストの小栗まち絵さんと二人三脚で、チャイコフスキー国際コンクールバイオリン部門優勝の神尾真由子さんらを育てた。

この記事を見かけたのはホントに偶然でした。なにをググってて見つけたのか、もうあっさりと忘れたほどで(笑)。昨年度から京響の音楽主幹をされていて今はシニアマネージャーの肩書きとなっている新井浄さんの記事なんですが、群馬の地方版じゃあ京都住まいの網にかからないわけだわ(苦笑)。

・・・つーか、京都新聞も取材しろよ・・・

それはともかく、新井さんって群響からのスカウトだったんですね。レセプションでの自己紹介でも触れてなかったと思うし、そこまで存じ上げませんでした。1度なにかの折に質問させていただいたことがあるだけで物腰の柔らかい人という印象しかなかったんですが、実はなかなかに頼れる方のようで、今年度から京響の運営形態が変わった激動の中で、事務方に新井さんのようなベテランがいることはとてもありがたいですね(引っこ抜いてきた人GJ!)。厳しい状況ですが、京響で存分に腕を振るっていただきたいと思います。
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[朝日新聞より↑右がシニアマネージャー・新井浄さん、左はファゴット首席奏者・中野陽一朗さん]



上州それから(2)群響の経験 京都に【朝日新聞 2009年1月3日】

 高崎市職員で群馬交響楽団の元事業局長でもあった新井浄は08年の春、スカウトされて京都市交響楽団の音楽主幹に転身した。「同じ交響楽団、仕事にさほど違いはないはず」と着任したが、思わぬ危機が待ち受けていた。京都市の財政赤字問題だ。隣の大阪府では、大阪センチュリー交響楽団を運営する大阪府文化振興財団に対する補助金全額廃止案も打ち出された。
 「先手必勝で対策を立てなければ、京響はいずれオーケストラとしての演奏ができなくなってしまう」
 群響の経験を生かし、新井は動き出した。

 群馬交響楽団の事業局長を4年にわたって務めた新井浄(56)がスカウトされて、高崎市役所職員から京都市交響楽団の音楽主幹に転じたのは08年の春のこと。新しい職場にもすっかり慣れた新井はいま、「毎日が修業ですよ」と冗談めかして笑う。
 50代半ばにして踏み切った転身は成功と呼んでも良さそうだが、転職には厳しい時代だ。人材紹介大手「リクルートエージェント」の鶴巻百合子は「このジャンルだったらだれにも負けないという専門性がないと、仕事を変えることは難しい」と指摘。さらに「年齢が上がれば上がるほど、求められる専門性は高くなる」と付け加える。
 その点、新井には確たる強みがあった。市役所生活30年のうち17年を群響で過ごし、オーケストラのマネジメントのうまさは全国の交響楽団関係者の間にとどろいていた。

    ♪   ♪    

 それなのに、07年3月、群響を離れて高崎市役所に戻った。というよりも戻らざるを得なかった。それは、一般職の地方公務員の長期間の出向を禁じる法律ができたからにほかならない。
 京響は京都市の直営。新井ら楽団員の身分は嘱託ながら職員として保障されているので、定年まで思う存分腕をふるえる。就任した音楽主幹は、京響の音楽的な方向性を常任指揮者とともに決めるのが仕事。楽団員の相談にも乗るし、市役所本体との調整にもあたる。
 歴代の音楽主幹は音楽家が多かった。それだけに、「市役所の人たちから『やっと、市役所の言葉が分かる音楽主幹が来た』との評価もいただいた」と新井は苦笑する。
 転職を成功させるうえで「大事なことがもう一つある。人間的な魅力だ」とリクルートエージェントの鶴巻。この点でも新井は基準を満たす。指揮者や演奏者ら群響時代に人間関係を培った人たちが、一献傾けようと京都にやってくる。
    ♪   ♪    

 順風満帆に似た新井の前にいま、着任前には思いもよらなかった問題が立ちはだかる。財政難と文化振興の折り合いを自治体がどうつけるかという問題だ。
 隣の大阪府では08年、橋下徹知事が、大阪センチュリー交響楽団を運営する大阪府文化振興財団への補助金の大幅削減案を打ち出した。京都市も11年度までに964億円の財源不足が見込まれており、すでに職員の給料カットなどを決めている。
 調べてみると、いろいろな課題が浮かび上がった。群響が年間1億円近くもらっている文化庁からの補助金が、京響はゼロ。企業や法人からの賛助金収入なども群響の年間約5千万円に対し、京響は実質ゼロだった。市の直営が災いして、寄付を受け取る仕組みがなかった。
 交響楽団の「顔」である定期演奏会の平均入場者数にしても、京響は群響を下回る。「圧倒的に高崎の方が温かい雰囲気で、熱心なファンが多いことが分かる」と新井。

    ♪   ♪  
  
 一方で京響には他の楽団に負けない優れた面も少なくない。まず、団員のサービス精神。笑顔で客に応対する様子は見ていて気持ちがいい。ジュニアオーケストラも4年目に入り、常任指揮者や団員らが直接、子どもたちを指導している。
 さらに、京響がこれから大事にしようとしているのが「アウトリーチ活動」だ。オーケストラの団員が学校などに出向いて演奏会への来場を呼びかける活動を指す。
 「不況が深刻化し、自治体の財政が厳しくなるなか、全国どこのオーケストラでも、今まで通りの運営はできない。従来のクラシックファンだけではなく、どれだけ、広範囲の人の応援を得られるようになるか。それがオーケストラの将来の展望を開く」
 この年末年始は、久しぶりに高崎で過ごしている。群響の団員らにも、こうした思いはきっちりと伝えた。=敬称略  (稲田博一)

《メモ》大阪センチュリー交響楽団への補助金を削減する理由について橋下徹知事は、お笑いに比べると府民に根付いていないと説明。その上で「総事業費の半分は公演などの収入、4分の1は府民らの寄付で賄い、4分の1を国からの補助も含めた公的助成で」と主張している。
 一方、知事が示したこの方針に反対し、交響楽団の存続を求めて約11万人の署名が集まった。「そもそもオーケストラは他の文化事業と違い、活動にコストがかかり、行政の金をもらわないと継続できないものだ」。大阪市在住の推理小説作家でクラシック音楽に造詣(ぞう・けい)が深い有栖川有栖はこう話し、11万人のひとりとして名を連ねた。
 そのうえで「芸術は、都市が多様性と活力を保つための力の源。クラシックは西洋伝来の伝統芸能だが、いまや我が国にもなくてはならない存在になっていることを忘れてはならない」と力説する。

今日の京都新聞夕刊に広上淳一さんのインタビュー記事が載ってましたが、ご覧になられた方もいるのではないでしょうか?

のっけから

「お客さんを増やして、2年以内に月1回の定期演奏会を
2回にして満員にする。出来なければ、辞めます」

と断言する、と書かれてますが・・・

2年で辞められたら困ります(をい)。

まぁそれはともかく、その意気や良し!

ここまで意気込みを見せるなんて、コロンバス響があんなことになってしまったので、広上さん自身も期するものがあるのでしょう。

京響と広上さんは演奏会を見聴きするかぎりでも相性がいいし、向上心というか上を向いて歩く意識も共有できていると思います。京響を取巻く環境も厳しくなっていますが、努力と方法によってはいくらでも上を目指せる状況にはあるでしょうし、団員と事務局が広上さんにしっかりついていって三位一体で頑張ってほしいと願ってます。

あと、インタビューの最初にスプリングコンサートや親子向け演奏会の事をポンと出したのはさすがというか、一般の読者に対してまず“教育”という大義名分を掲げてアピールするとは、なかなかやりますね。

アピールという点では、コロンバス響辞任の件で「楽団員の雇用確保を条件に、惜しまれながら監督を辞任した。」と書いてもらってますが、これも昨今の雇用不安にあっては読者の心の琴線に触れるかも?(笑)

それから、数日前に京都市文化市民局の広報

京都市交響楽団のコンサートマスターの採用について
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というのが出てましたね。昨年末の第九で好印象だった泉原さんが正式に決まって嬉しいのはもちろんですが・・・

市の広報に大きく載せてもらえるなんて珍しい・・・(爆)

市の広報なんて誰が読む?!なんてツッコミはともかく、経歴と顔写真付で市の公式リリースに大きく扱ってもらえるなんて、良い事には違いありませんしね。(・・・だいたいニキティンさんとかの時ってどうだったのかしら?)

若さゆえか(大フィルの幸太君ほどではないが)時折大きな身振りで引っ張っていこうとする様にハートの熱さを感じ頼もしく思いました。早速今月の定期から舞台に乗るようですので、楽しみですね。

先年他界された岡さんの後任のアシコンの方も決まったようですし、他の弦パートの首席の世代交代がうまく進めば、音楽面では更なる飛躍が期待できると思います。

問題がそれ以外に山積みなんですが(苦笑)、まずはベースとなる音楽的な部分でしっかりしてもらわないと先に進めませんからね。



◆京響常任指揮者 広上淳一 知恵絞り、試み多彩
京都新聞夕刊 2009年2月6日】

 半世紀以上続いた市直営が見直され、2009年度から市財団の下で新たなスタートを切る可能性が高くなった京都市交響楽団。来年度、就任2年目を迎える第12代常任指揮者、広上淳一(50)は「お客さんを増やして、2年以内に月1回の定期演奏会を2回にして満員にする。できなければ、辞めます」と断言した。本拠地の京都コンサートホール(左京区)で開く自主公演は、こうした広上の意向を反映し、改革の年にふさわしい戦略的なラインアップになった。  (斎藤英之)

破格の入場料

 初の試みのスプリングコンサート(4月10日)は、飲み物付きで1500円というオーケストラ公演では破格の入場料に抑えた。内容的にも独奏者2人を招請し、広上の指揮でモーツァルトのピアノ協奏曲などを披露するという本格的なもの。広上は「まずは、気軽に演奏会に足を運んでいただかないと。京都は全国の若者が集う学生の街。学生への歓迎の意味も込めました。同時に、次世代のファンを育てるためにも、子どもたちと保護者の方が楽しめるメニューを用意しました」と思いを語る。
 「こどものためのオーケストラ入門」と銘打った計4回の演奏会は、吉本興業の若手漫才コンビ・ロザンが進行役を務める。広上(5月9日)をはじめ、国内で最も出演依頼の多い下野竜也(8月2日)ら、一般の公演でも見劣りしない指揮者が顔をそろえた。
 「メーンの定期公演(11回)は、3回振ります。それ以外は、自分よりうまいと思う方に登場願いました。棒振りとしてはちょっと悔しいけれど、ファンのためでもあり、楽員を刺激するためにも欠かせません」

人気指揮者

 目玉は、フランス国立リヨン歌劇場の首席指揮者を務める大野和士(7月23日)。ポスト小澤征爾の最右翼と目される48歳の気鋭は、1月はベルリン・ドイツ・オペラ、6月にはパリ・オペラ座でタクトを振るなど、引っ張りだこの人気だ。京響ではショスタコービッチの交響曲第5番などを披露する。
 かつて京響の常任指揮者を務めた大友直人、井上道義、外山雄三の3人も登場。地方自治体の補助金削減などの影響もあって、来年度の入場料を値上げする楽団が相次ぐ中、京響の定期演奏会は、S席を上限から1割値下げして4500円に抑えた。
 広上は昨年、音楽監督を務めていた米国・コロンバス交響楽団で、楽団員の給料カットに反対して理事者側と対立。楽団員の雇用確保を条件に、惜しまれながら監督を辞任した。
 「傷心を癒してくれたのが、京響でした。楽団員の演奏会にかける意気込みが、練習の段階から違う。この1年で、潜在的に持っていた実力を発揮してくれるようになりました。いい演奏ができる時期だからこそ、多くの方に聴いていただきたい」
 演奏会の問い合わせは京響事務局075(222)0331。

京響と直接の関わりはないんですが、京響の大事なシェフのことですし、しかも非常に残念なお知らせなんですが・・・。

コロンバスの現地紙で先週、そして日本でも新聞に載ったようですが、広上さんがコロンバス響の音楽監督を退任することになったそうです。

今春からのコロンバス響の解散騒動の際に理事会と広上さんはずっと対立してて、理事会側からオケを(団員を減らしながらも)存続させる代わりに広上さんの任期途中での辞任を要求していたという報道もあったようなので、実質解任ですよね・・・。

京響友の会会員で広上さんにはもっと京都で振ってほしいと願っている私でさえ、こんな形での退任はあまりに無念だと思うくらいですので、コロンバス響の団員やファンにとっては尚のこと辛く悲しい出来事でしょう。

地元ではとても愛されていたよう(地元紙Columbus DispatchではDENONレーベルで録音したことや広上さんのお父様が亡くなられたことなどもかなり字数を割いて報道していましたしね)ですが、経営側の元々の体質に加え、昨今のアメリカの経済危機が追い討ちをかけた格好でしょうか。

ともかく、とても残念なことです。

広上さん、京都と京響がついてますから・・・。

なお、この件に関しては『「おかか1968」ダイアリー』さんがずっと追ってらして時々ブログで記事にもされていましたので、詳しい事情を知りたい方(で英語が苦手な方)はおかかさんのページを参照してください。

「おかか1968」ダイアリー/コロンバス交響楽団 広上淳一氏を解任



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指揮者・広上淳一、米コロンバス響辞任「音楽への愛はお金には代えられぬ」
【朝日新聞 2008年11月21日】

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 指揮者の広上淳一が今月、米コロンバス交響楽団の音楽監督の職を任期半ばで辞任した。労使交渉に入った楽団員の側について理事会と対立、最終的にその責任をとった格好となった。「精いっぱいカッコつけたけど、本当は打ちのめされている」。そう無念の思いを語るも、「音楽を愛する心は決してお金に代えられるものではない」と希望を口調ににじませた。

■挫折のたび、再出発

 楽団員の人員および給与削減を言い渡した理事会と、5月から対立を続け、最終的な和解を見届けて辞表を提出した。一連の金融危機に端を発したかのような音楽監督の任期途中での辞任は、米国の音楽業界でも話題となった。
 「本音を言うと、楽団員が権利ばかり主張する時代じゃないとも感じていた。でも、一緒に美しい音楽を奏でていこうと約束した彼らに、背を向けることはできなかった」
 オハイオ州の州都コロンバスで初めて客演したのは05年。楽団員たちの圧倒的な支持を得て翌年、第7代音楽監督に就任した。その証しとも言えるCDが今月、リリースされた。落ちついたテンポで、しかし熱狂的なクライマックスを紡ぐチャイコフスキーの交響曲第5番。ライブ録音の前日に父の訃報(ふほう)が届いたが、帰国せず舞台に立った。結果としてこの1枚は、決別と門出の象徴となった。
 挫折はこれが初めてではない。キリル・コンドラシン国際指揮者コンクールで優勝した80年代、同世代の大野和士らとともに国際舞台へと飛躍したが、01年に各国の楽団での要職を返上、1年近くの休養に入る。
 「挫折のたび、僕の仕事はみんながいないと成立しないんだ、とかみしめた。そうして目の前にいる音楽家、ひとりひとりを大切にするところから再出発してきた」
 現在は京都市交響楽団の常任指揮者、および母校である東京音楽大学教授の任にある。「失敗してボロボロになって、それでも腐らず音楽をやってる姿を、胸を張って学生たちに見せたい」
 今月、各地で東京音大の学生オケを率いる。23日午後3時、鎌倉芸術館。24日午後2時、静岡のアクトシティ浜松。28日午後7時、東京・池袋の東京芸術劇場。電話03・3982・2496(音大)

(吉田純子)



Symphony dismisses music director
 ~Search is on for Hirokami’s replacement

【The Columbus Dispatch 2008年11月13日】

The Columbus Symphony announced this afternoon that Junichi Hirokami is leaving as music director.

Hirokami, a native of Japan, took over the baton in June 2006 and had one year remaining on his contract. He was openly critical of the symphony board during labor negotiations with musicians in the last year. The contract dispute led the symphony to suspend operations for almost five months before reaching an agreement in September.

"We acknowledge the wonderful artistry and talent Mr. Hirokami possesses and that was reflected in his concerts over the last two seasons," said Martin Inglis, chair of the Columbus Symphony board. "However, as we move forward into the new season, we have agreed with Mr. Hirokami that we will do so under the leadership of a new music director."

Inglis, whose term as chairman began last month, said the symphony is searching for a replacement.

In a letter received by the board and musicians today, Hirokami said he was dismissed by the symphony.

"It is with sadness and with the best wishes to the orchestra that I hereby accept my dismissal request," Hirokami wrote.

Inglis said he wouldn’t characterize Hirokami’s departure as a firing.

"Junichi managed to polarize a lot of people in the community," Inglis said. "He was a fantastic talent but the board felt perhaps it would be better if we started fresh."

By Jeffrey Sheban
THE COLUMBUS DISPATCH

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(Former music director Junichi Hirokami at the end of a May concert)

京都市交響楽団 第518回定期演奏会
2008年11月21日(金)19時開演@京都コンサートホール

◆岡坂慶紀 哀歌(エレジー)~弦楽オーケストラのために~
◆F.グルダ チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲
 (チェロ・ソロ・アンコール)
 ◇マーク・サマー Julie-o(ジュリー・オー)
(休憩)
◆L.v.ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調 op.67

指揮:下野竜也
チェロ:古川展生



 ほぼ1年ぶりとなる下野さんの京響定期登場。読響の正指揮者の契約を来年秋からさらに3年間延長されたことが発表されてましたが、今夏のサイトウ・キネンでの客演指揮など引っ張りだこ状態ですね。昨年のフランクのシンフォニーの名演奏が記憶にありますが、小菅優さんのピアノによるベートーヴェンの4番コンチェルトでの伴奏もなかなかよかったように思います。そして今年はメインがベートーヴェン。
 開演の1時間以上も前に北山に着いたので暇つぶしにと近くの本屋さんに入ろうとしたら、その隣のコンビニから出てきたらしい下野さん(京響団員らしい男性と2人連れ)とすれ違ってビックリ。予想外で急なこともあったので、声をかけそびれてしまいました。間近で見るとホントに小柄なんですね。その下野さんはプレトークではストライプのYシャツで登場(それでもアンコ型は隠せない・爆)。「指揮よりも緊張する」などといった挨拶の後に
「さて、今日は何の日でしょう?」
・・・いや、お気持ちはありがたいですが、西郷隆盛や大久保利通と同郷の後輩筋にあたる=鹿児島県人のあなたにお笑いは求めてませんので(苦笑・・・ちなみに答は‘フライドチキンの日’という今日の選曲とは全く関係のない話で、話す様子からしても少しでも場を和ませようと必死で軽い話題のネタを探したんでしょうね・・・)。
 で、本題なのですが、特にテーマといったものはなく聴いてもらいたいものを並べた、音楽のデパートみたい、と仰ってましたが、プログラム順ではなくグルダ→ベートーヴェン→岡坂の順で言及されました。限られた時間でグルダの曲について熱っぽく語る姿や「とても楽しい曲でぜひやってみたかった」と話していたこと、またグルダのベートーヴェンは好んで聴いているとも話していたことから思うに、おそらくはグルダ→ベートーヴェンの順でプログラム構成を考えたのではないでしょうか?私の単なる推量なのですが・・・。

 1曲目。岡坂慶紀という人は数年前まで愛知県立芸大の教授をされていた方のようですが、全くの初耳。下野さん曰く、フランスのオケから客演を頼まれた際「タケミツ以外の日本人作曲家の曲を」とリクエストされて銀座のヤマハで片っ端から楽譜を見て探している時に出合った曲だそうですが、終始ゆったりときれいな旋律の曲想は祈りにも通じるとフランスでは好評だったらしいです。「スッと体に入り込んでくる」というだけあって確かに聴きやすくはありました。平日の夜ですし眠りに落ちた観客も多かったでしょうね(笑)。グルダの曲が管楽器だけなので労働条件を同じにしたくて(笑)とプレトークで仰ってましたが、それはともかくいろいろとバランスを考えての選曲でしょうし、内外問わず無名の作曲家に触れる機会はこんな時でもないとありませんから、こうしたチョイスはドンドンやって欲しいですね。大阪の誰かさんたちみたいに定期でベトコン&ブラ1なんて選曲はマジカンベン。

 2曲目。2管編成っぽい管セクションにドラム、ギター、エレキベース(この人だけロック系の服装でした・笑)、ウッドベース(コントラバス首席の三宅さんが担当)というかなり変わった編成・・・グルダがパラダイスバンドなるものをやっていたということを知ってるならともかく、そうでない人は面食らったでしょうね。「この曲は1980年の作曲なので、この時期にどういった音楽が流行っていたか思い出しながら・・・」とのプレトークでの言葉通りというか、第1楽章なんてクラシックオケのブラスセクションで無理矢理フュージョンしてみましたぁー!といった感じで、チェロのソロもちっともチェロで弾いてる気がしない(爆)。私みたいに10代の多感な時期にフュージョンにハマった人間にとってみれば、そこまで無理してクラシックでフュージョンせんでも・・・という気がしないでもなかったですが、作曲当時は例えば日本においてはカシオペアのデビューが1979年、SQUAREが1978年のデビュー、といった頃。フュージョン・ブームを知らない人にとっては「ハァ?」だったでしょうね。
 第2楽章は一転して民謡風の馴染みやすいメロディー。下野さんがウィーンに留学していた頃を思い出すと仰っていたのでオーストリーのでしょうか?そして第3楽章はほとんどチェロのソロのカデンツァでしたが、これがまたかなりというかジャズのアドリブよりもブッ飛んでいるような。第4楽章は第2楽章にやや似た感じ。そして終楽章、解説には「おもちゃ箱をひっくり返したような」とありましたが、もっと言うなら“グルダ風ディズニー・ミュージック”、もうやたら楽しく明るく軽やかにドンチャン騒ぎ。最後にこんな楽しい曲想の楽章だったので、これだけで観客に大ウケだったかもしれません。客席からも大きな拍手が寄せられてました。
 ソリストにとってはとてもシンドい曲だったでしょうけど、古川さんは大変な熱演でした。上手い人ですよねぇ~。都響辞めて京都に帰ってきてはいただけないのでしょうか?(笑)熱い拍手に応えてのアンコールはマーク・サマーの『ジュリー・オー(Julie-o)』、これもあまりクラシックっぽくない曲でしたが、こちらでも古川さんのテクニックをたっぷり堪能させていただきました。
 ちなみに、マーク・サマーという人はタートルアイランド・ストリングカルテット(TISQ)のチェロ奏者だそうで、このTISQはジャズのみをレパートリーとしメンバー全員がアドリブの名手という異色の弦楽四重奏団だそうで、グルダの後にこういった人の曲も聴けて、今日は観客にとってもまた音楽の幅が広がった気分。

 最後のベートーヴェンの5番。下野さんがキーワードみたいな感じで「構築性」と「前衛性」の2点を挙げられていましたが、まざまざとそれを実感できる快速球の真っ向勝負のような演奏でした。特にメロディーらしいメロディーもなく単純なフレーズ(パターンだったかな?)をずっと繋げて作り上げた曲とプレトークで仰っていたでしょうか(メモしていたわけではないので不正確ですが)、「“タタタターン”が400回も出てくるんですよ」などと例を挙げてましたし、(日本で俗に言う)‘運命’という言葉に惑わされないで純粋に音楽的な構造とそこから得られるイメージを感じ取ってほしいのでは?と下野さんのプレトークを聞いてそう思ったのですが、演奏を聴いてみてヨリ説得力がありました。
 第1・2・3楽章はモダンオケにしてはやや速め、そしてほぼインテンポ。エネルギッシュで圧倒的な推進力があり、そしてカッチリした構築性が明確にわかるような演奏。後半は指揮台に登場してからほとんど間をおかずに指揮棒を降ろしたほどで相当気合の入った指揮ぶりでしたし、オケも下野さんの気合に負けじと必死についていくような感じです。ここまできたら終楽章でどんだけ畳み掛けるんだろう・・・と思っていたら、高揚感はあってもテンポ自体は(心持ち僅かですが)グッと抑えていて、改めて確かな歩みでもって着実に造り上げていく印象でした。帰ってから確認したら、同じAllegroでも第3楽章より終楽章の方が若干ですが遅いんですよね。ベートーヴェンの書き込んだメトロノームの数字をどう解釈するかはともかく、少なくとも終楽章は第3楽章よりもちょっと遅くという作曲者の意図はあるのでしょうから、勢いだけで突っ込まなかった下野さんがもちろん正解。こういったところの形式感覚がしっかりしているのはきっと朝比奈さん譲りなんでしょうね。
 誰もが知ってる名曲中の名曲、たとえベートーヴェンであっても聴いてる方にとってはちょっとやそっとの演奏ではマンネリ感が漂いそうですが、今日の下野さんと京響の演奏は正攻法ながらも新鮮な感覚で聴くことができ、とても素晴らしい演奏でした。おそらくこの演奏を聴いた観客はほとんどの人がこのコンビでベートーヴェンの他の交響曲も聴いてみたいと思ったでしょうし、天国の朝比奈さんもきっと合格点を与えてくれることでしょう。最初にこのプログラムが発表された時には「いくら飛ぶ鳥落とす勢いの下野さんでも今更定期でベト5なんて・・・」と思ったものでしたが、私が浅はかでした。これだけの演奏を聴けたら大満足です。

P.S.
下野さんは夏頃?一時期坊主頭にしていた頃があったそうですが、今日見た限りではすっかり髪の毛が伸びて元に戻ってました。一体どうして坊主頭になってたんでしょうねぇ・・・?

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非常に残念なお知らせを・・・。

コロンバスの現地紙で先週、そして日本でも新聞に載ったようですが、広上さんがコロンバス響の音楽監督を退任することになったそうです。

今春からのコロンバス響の解散騒動の際に理事会と広上さんはずっと対立してて、理事会側からオケを(団員を減らしながらも)存続させる代わりに広上さんの任期途中での辞任を要求していたという報道もあったようなので、実質解任ですよね・・・。

京響友の会会員で広上さんにはもっと京都で振ってほしいと願っている私でさえ、こんな形での退任はあまりに無念だと思うくらいですので、コロンバス響の団員やファンにとっては尚のこと辛く悲しい出来事でしょう。

地元ではとても愛されていたよう(地元紙Columbus DispatchではDENONレーベルで録音したことや広上さんのお父様が亡くなられたことなどもかなり字数を割いて報道していましたしね)ですが、経営側の元々の体質に加え、昨今のアメリカの経済危機が追い討ちをかけた格好でしょうか。ともかく、とても残念なことです。

広上さん、京都と京響がついてますから・・・。

なお、この件に関しては『「おかか1968」ダイアリー』さんがずっと追ってらして時々ブログで記事にもされていましたので、詳しい事情を知りたい方(で英語が苦手な方)はおかかさんのページを参照してください。
「おかか1968」ダイアリー|コロンバス交響楽団 広上淳一氏を解任

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指揮者・広上淳一、米コロンバス響辞任「音楽への愛はお金には代えられぬ」
【朝日新聞 2008年11月21日】

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 指揮者の広上淳一が今月、米コロンバス交響楽団の音楽監督の職を任期半ばで辞任した。労使交渉に入った楽団員の側について理事会と対立、最終的にその責任をとった格好となった。「精いっぱいカッコつけたけど、本当は打ちのめされている」。そう無念の思いを語るも、「音楽を愛する心は決してお金に代えられるものではない」と希望を口調ににじませた。

■挫折のたび、再出発

 楽団員の人員および給与削減を言い渡した理事会と、5月から対立を続け、最終的な和解を見届けて辞表を提出した。一連の金融危機に端を発したかのような音楽監督の任期途中での辞任は、米国の音楽業界でも話題となった。
 「本音を言うと、楽団員が権利ばかり主張する時代じゃないとも感じていた。でも、一緒に美しい音楽を奏でていこうと約束した彼らに、背を向けることはできなかった」
 オハイオ州の州都コロンバスで初めて客演したのは05年。楽団員たちの圧倒的な支持を得て翌年、第7代音楽監督に就任した。その証しとも言えるCDが今月、リリースされた。落ちついたテンポで、しかし熱狂的なクライマックスを紡ぐチャイコフスキーの交響曲第5番。ライブ録音の前日に父の訃報(ふほう)が届いたが、帰国せず舞台に立った。結果としてこの1枚は、決別と門出の象徴となった。
 挫折はこれが初めてではない。キリル・コンドラシン国際指揮者コンクールで優勝した80年代、同世代の大野和士らとともに国際舞台へと飛躍したが、01年に各国の楽団での要職を返上、1年近くの休養に入る。
 「挫折のたび、僕の仕事はみんながいないと成立しないんだ、とかみしめた。そうして目の前にいる音楽家、ひとりひとりを大切にするところから再出発してきた」
 現在は京都市交響楽団の常任指揮者、および母校である東京音楽大学教授の任にある。「失敗してボロボロになって、それでも腐らず音楽をやってる姿を、胸を張って学生たちに見せたい」
 今月、各地で東京音大の学生オケを率いる。23日午後3時、鎌倉芸術館。24日午後2時、静岡のアクトシティ浜松。28日午後7時、東京・池袋の東京芸術劇場。電話03・3982・2496(音大)

(吉田純子)



Symphony dismisses music director~Search is on for Hirokami’s replacement
【The Columbus Dispatch 2008年11月13日】

The Columbus Symphony announced this afternoon that Junichi Hirokami is leaving as music director.

Hirokami, a native of Japan, took over the baton in June 2006 and had one year remaining on his contract. He was openly critical of the symphony board during labor negotiations with musicians in the last year. The contract dispute led the symphony to suspend operations for almost five months before reaching an agreement in September.

“We acknowledge the wonderful artistry and talent Mr. Hirokami possesses and that was reflected in his concerts over the last two seasons,” said Martin Inglis, chair of the Columbus Symphony board. “However, as we move forward into the new season, we have agreed with Mr. Hirokami that we will do so under the leadership of a new music director.”

Inglis, whose term as chairman began last month, said the symphony is searching for a replacement.

In a letter received by the board and musicians today, Hirokami said he was dismissed by the symphony.

“It is with sadness and with the best wishes to the orchestra that I hereby accept my dismissal request,” Hirokami wrote.

Inglis said he wouldn’t characterize Hirokami’s departure as a firing.

“Junichi managed to polarize a lot of people in the community,” Inglis said. “He was a fantastic talent but the board felt perhaps it would be better if we started fresh.”

By Jeffrey Sheban
THE COLUMBUS DISPATCH

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(Former music director Junichi Hirokami at the end of a May concert)

開演中は携帯の電源を切っておくというのは演奏会に出かける上で客が守るべき基本の‘キ’のマナーの1つなんですが、残念ながら躾のなってない大人(特に年配者)が後を絶たないために、その他大勢の客と演奏者が大迷惑を被っているのが京都コンサートホールの実情です。最近では開演直前にアナウンスしたり係員が「電源オフ」のボードを持って客席を回ったりしてますが、元から躾の悪い人には効果がないようで(苦笑)。

携帯の電波をブロックするシステムを備えたコンサートホールもあるにはありますが、決して安い買い物ではないので、京都市の財政難を考えたら当分の間は半ば諦めるしかないかなぁ・・・と思っていましたが・・・

やっとですか!京都市GJ

もっとも、それでもパーフェクトではないので客がマナーを守るのが第一には変わりありませんが、無いよりは有った方がずっといいですしね。



抑止装置で携帯「圏外」に 京都コンサートホール
【京都新聞 2008年9月25日】

 演奏会などで携帯電話の着信音やバイブレーターの振動音が鳴るのを防ごうと、京都市左京区の京都コンサートホールが携帯電話の通信機能を抑止する装置を府内で初めて設置した。開演中に着信音が鳴り、「マナーがなっていない」と他の観客からの苦情が続いているためで、9月からスタートした「京都の秋音楽祭」に合わせて導入した。
 装置は、電波を発生させて携帯電話基地局からの電波をブロックし、一定の空間内を圏外にする。圏外中の着信履歴は基地局に保存され、圏外解除後に確認できる。ペースメーカーなどへの影響はないといい、同コンサートホールは大ホールと小ホールに計3基置いた。
 携帯電話の使用については従来から、開演5分前にアナウンスを流したり、職員がボードを持って会場を回って電源を切るよう求めていた。しかし、開演前ぎりぎりに入場する客への周知が徹底できなかったり、切り忘れなどで演奏中に着信音やバイブレーターの振動音が響く例が後を絶たないという。同ホールは「顧客サービスの一環で、観客にゆったりと楽しんでもらえるようにしたい」としている。
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〔※写真:携帯電話の通信機能を抑制する装置が導入された京都コンサートホール。ホール内では携帯は圏外になる(京都市左京区・京都コンサートホール)〕



京都コンサートホール http://www.kyoto-ongeibun.jp/kyotoconcerthall/

チャイコのVn協奏曲と5番。

これが定期なら「勘弁してくれ!」と言いたくなるベタな名曲選ですが、まぁイベント事の演奏会なので仕方ないのかも・・・(苦笑)。全席¥1,000というチケット代の設定からして普段クラシックを聴かない人にも親しんでもらおうという京都市の意図もあるのでしょうし。それに広上さんのこうしたプログラムというのは珍しい気もしますので、たまにはいいのかも・・・?



第12回 京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート
2008年9月14日(日)14時開演@京都コンサートホール

◆P.I.チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35 
(休憩)
◆P.I.チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 Op.64
(アンコール)
◇P.I.チャイコフスキー 弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48~第3楽章「エレジー」

指揮:広上淳一
ヴァイオリン:木嶋真優
管弦楽:京都市交響楽団
(コンマスは客演の方、顔は見覚えあるのですが名前を思い出せません・・・)



 最初に金管によるファンファーレ、その後「オマエしゃべれ、と言われたので」と広上さんの簡単な開会のスピーチがありました。今年で『京都の秋 音楽祭』が12回を迎えること、自分も京響の常任としては12代目で“12”という数字が同じ(ジョークのつもりだったのでしょうがあまりウケてなかったような・・・)、あとは木嶋さんの紹介と、チャイコの5番は今春コロンバス響で(定期での演奏と平行して)録音してる最中に父が亡くなったということもあって想い出のある曲というエピソードも話されてました。[→広上さんのお父様の訃報はコロンバス市の地元紙“The Columbus Dispatch”でも報道されました。ちなみに、同紙による録音の記事もあります→ココココ

 さて、前半のチャイコン。木嶋さんには注目していて、3年前の大友さんの指揮での京響定期でショスタコーヴィチのVn協奏曲の1番を恐ろしいほどに冴え渡った演奏で聴かせてくれましたが、彼女のキャラにはチャイコンは合わないだろうな・・・と思ってたところ、見事に予感的中(苦笑)。テクニックはあるし伴奏も広上さんならではで絶妙だったので、第1楽章が終わって拍手が起こったりしてましたが(今日の客層を反映してますね・・・)、多少なりとこの曲を聴いてる人からするとつまらなかっただろうな、と思います。こういった浪花節というか演歌っぽい曲よりも、シリアスでドライな現代モノの方が木嶋さんにはずっと適正があるのでは、というのが私の印象です。実際、京響定期でのショスタコやリサイタルでのプロコフィエフのソナタは曲の深層心理まで切り込むような素晴らしい演奏でしたし。

 そして、後半のチャイ5。京響でこの曲といえば、3年前、若手女性指揮者のアヌ・タリさんが客演指揮した定期で終楽章のコーダ手前のゲネラル・パウゼで大声でブラヴォーかましたジジィがいて、それまでの雰囲気を全てブチ壊しにしたという忌まわしい記憶があるのですが、幸い今日はそんなアクシデントはありませんでした(笑)。
 この曲は2年前にまだ好調を維持していた頃の大植&大フィルでも聴いていますが、チャイコらしさと弦の重低音の迫力という点では大植&大フィル。一方、(大フィルよりは遥かに優秀な)ブラスセクションが要所要所でピッタリと決めて、全体的に勢いをつけて前に前にと進むようなリズミカルでエネルギッシュなのが広上&京響、という印象・・・でしたが、それも第3楽章まで。
 圧巻は終楽章。特に重々しい響きというわけでもないのに随分と葬送行進曲のような雰囲気を醸し出していたAndante maestosoに始まって、Allegro vivaceの木管のソロの辺りからアクセルを思いっきり踏み込んで一気呵成に突き進む、といった感じ。あとは曲想に合わせて万華鏡のようにクルクルと彩色を変化させながら雪崩れ込み、コーダからは厳かに締め括って終わり。これで盛り上がらない訳がないというものでして、この終楽章でもってチャイ5に関しては広上&京響>大植&大フィルに決定(爆)。
 首席揃い踏みの管はともかく、弦は客演コンマスでよくこれほどしっかりしたアンサンブルで鳴らしきってくれたものだと思います。これで欠員のコンマスとチェロ首席に優秀な方が入ってくれたら、どんなにいいことか・・・。
 チャイコンでの反応を見ても普段クラシックに馴染んでない人が多かったであろう今日の客層でしたが、そうした人たちに向けてこんな素晴らしい演奏を聴いてもらうことができて、ホントによかったです。

 アンコールは弦楽セレナーデから。京響らしい、淡く澄んだ美しい弦の響きでの演奏でした。

詩篇交響曲『源氏物語』

京都新聞にこんな記事がありました。



交響曲「源氏物語」が完成 仁和寺で作詞家の松本隆さんらが会見
【京都新聞 2008年9月10日】

 10月31日の源氏物語千年紀記念演奏会で披露される詩篇交響曲「源氏物語」の制作会見が10日、京都市右京区の仁和寺であり、作詞家の松本隆さん(59)や作曲家の千住明さん(47)らが新作に込めた思いを語った。
 作品は、源氏物語の主人公・光源氏の半生を、松本さんが「桐壺(きりつぼ)」や「夕顔」ら女性の名を付けた8編の詩でつづり、これに千住さんが曲をつけた。男女の独唱を交えた8楽章に、序曲と終曲を加えて構成する。
 演奏は、大友直人さんの指揮で京都市交響楽団が担う。源氏役には京都市立音楽高出身のテノール歌手・松本薫平さんを起用。夕顔らの女性役は、ソプラノ歌手の小林沙羅さんが歌い分ける。
 ヒット曲「ルビーの指輪」や「赤いスイートピー」などで男女の恋を描いてきた松本さんは「源氏物語がよくできているのは登場する女性は多くても、ひとりとしてキャラクターがかぶらない点。漫画版でも1日で読み切れない物語を、8枚の原稿用紙にまとめることができたのはほとんど奇跡」と語った。
 「松本先生の詩にメロディーをつけると、とても生き生きとしてくる」と作曲の喜びを話した千住さんは、「世界に通じる源氏物語の曲として、また、自分が多くのCM曲を手がけてきたプロとして分かりやすさを心がけた」と自信をみせた。
 源氏物語千年紀記念演奏会は31日午後7時、京都市左京区の京都コンサートホールで。有料。問い合わせはエラート音楽事務所Tel:075(751)0617。
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〔※写真:詩篇交響曲「源氏物語」の初演を前に会見した松本隆さん、千住明さん、小林沙羅さん、大友直人さん=右から=(京都市右京区・仁和寺)〕



しとらす的には作詞が松本隆さんじゃなかったら無視してたかもしれない(苦笑)記事ですが、松本さんといえば未だにはっぴいえんどロンバケの印象が強すぎて最近の松本さんのことはほとんど知りませんので、源氏物語にちなんでどういう詩を編んだのか興味津々ですね。

この源氏物語千年紀記念演奏会は10月31日(金)19時開演、北山の京都コンサートホールで大友さんが京響を指揮する演奏会。後半のメインとなる新作初演の他は、前半に千住明「風林火山」とチャイコフスキーの幻想序曲「ロミオとジュリエット」というプログラム。
 [チケットぴあPコード301-422;ローソンチケットLコード57215]

指揮者とオケには何の心配もいりませんが、千住明の曲って知らんのよね。まぁ京響定期ではお目にかかれないプロなので良い機会ではあるのですが。

源氏物語千年紀 http://www.2008genji.jp/
京都コンサートホール http://www.kyoto-ongeibun.jp/kyotoconcerthall/

 今月から新しく京響の第12代常任指揮者に就任した広上淳一さん。常任としての最初の定期演奏会・・・というのにあいにくの天気でした。自転車で行って定期の前に花見でもしようかと思っていたのに・・・。昨夜の雨、今日の午後には一応止んだのですが、そこは京都ウェザー、雲行きもパッとしなかったので大人しく交通費かけて行きました。地下鉄の太秦天神川駅ができたおかげで、私の住む所から嵐電→地下鉄と北山までの移動がスムーズになったのはありがたいことです。片道480円かかるのが難点ですが・・・まぁいいか。

 演奏会の前に府立植物園に寄ってみたのですが、昨夜の雨が結構強かったので、せっかくのチューリップの花も可哀想なほどお辞儀してしまってて(苦笑)、桜も花びらが散ってしまったり。せっかく早めに出てきたのにガッカリです。半木の道の紅枝垂も一気に散ってしまった様子でした。ざ~んねん・・・。



京都市交響楽団 第511回定期演奏会
2008年4月18日(金)19時開演@京都コンサートホール(大ホール)

◆A.コープランド 市民のためのファンファーレ
◆J.ハイドン 交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.I-104
(休憩)
◆N.A.リムスキー=コルサコフ 交響組曲『シェエラザード』 op.35

指揮:広上淳一
コンサートマスター:グレブ・ニキティン



 京響の定期でも今回から演奏の前にプレトークをすることになったんですが、今日の広上さんは新シーズンの始まりということで今後1年に登場する指揮者の方を一通り紹介するという感じでしたし、プレトークの趣旨も客演で登場する指揮者のことを肉声や話す雰囲気でより知ってもらうため、といったことも話されました(もちろん実際に指揮をする人に直接曲の解説をしてもらうということもあるのでしょうが)。時折オヤジギャグ?で笑いをとったり、教え子でもある沼尻さんや下野さんをプッシュしたり。また、市の人事異動で今年度から新しく事務長に就任する吉田真稚恵さんと音楽主幹に就任する新井浄さんをステージに上げて紹介し、「前に大河ドラマで毛利元就をやったときにこのシーンが好きで・・・」と三本の矢のエピソードを引き合いに出して、三位一体で頑張っていきたいといった抱負も述べられました。まさか(役職付きとはいえ)裏方の市の職員の方までここで紹介するとは思っていませんでしたが、いきなりやりますね。就任早々表舞台で紹介してもらえるのは光栄な反面で観客や市民の目に以後直接晒されるということでもありますし(パンフに載せただけでは目を通さない人も相当数いるでしょうしね)。

 さて、結構時間ギリギリまでお話しされた広上さん、「5分もあれば着替えられますから」と時間が押しても言い訳されてましたが(笑)、1曲目はコープランドの『Fanfare for the Common Man』。彼自身の交響曲第3番のフィナーレにも転用された曲ですが、コープランドはしばらくまともに聴いてないので記憶がかなり曖昧(苦笑)。ファンファーレって名が付くのでもっとキランキランしたものかと思いましたが、わりと素朴なものに聴こえました。“Common Man”とあるのでこんな感じでいいのかもしれませんね。市民オケの新常任&新年度のスタートに相応しい曲でした。これで満員御礼だったら言うことなかったんですけどねぇ・・・(ブツブツ)。7・8割程度だったでしょうか?もったいない。ただ(私は姿を確認していないのですが)門川市長が今夜もいらしていたようで、それが救いではありますが・・・。

 2曲目はハイドンの104番『ロンドン』。後半の『シェエラザード』ももちろんよかったですが、それ以上にインパクトが強かったのがハイドンの方でした。もうとにかく、ビックリして楽しい!という感じ。思えば、十数年前、まだ私が仙台に住んでいた頃に地場の楽器CD店のクラシック担当の方に「若いけどとても才能豊かな指揮者」と薦められ、仙台フィルに客演に来た広上さんを初めて聴いた時にモーツァルトで衝撃を受けたものですが、あの感動が再び・・・という言い古された決まり文句がそのまま当てはまりそう(笑)というか、オケが京響の方がずっと上手い分、印象も今回の方が強いですね。
 透明感ある響きで細かいところまで目配りされていて、流れるような音楽の中にも随所に見られるユーモアや粋な仕掛けといったハイドンの魅力を余すところなく鮮やかに表現されてましたが、特に終楽章、もうホントにワクワクドキドキ、明るくて躍動感があって聴いていてもとても楽しい!音楽のリズムに合わせて思わず体を動かしたくなるほどでした(いい年してみっともないと両隣の若い女性客に変人扱いされては困るので必死に我慢しましたが・爆)。いざ最後の音が終わってしまうと「えぇ~?もう終わりィ~?!終楽章だけでも頭から繰り返したらいいのにぃ~」・・・って長崎くんちなら間違いなく「もってこぉーい!もってこい!」の場面ですね(爆)。ハイドンで珍しくブラヴォーの掛け声が飛んでいましたが、でもそれくらいの演奏だったということで。
 広上さんの細かく目まぐるしい動きの指揮は特に終楽章で顕著で、団員さんたちも広上さんの棒に必死に喰らいついていってる様子でしたが、それでもどこか楽しそうに演奏されているようでした。弾いてる方が楽しいのなら聴く方が楽しく感じるのも道理ですよね。
 モダンオケでここまで楽しく素晴らしいハイドンが聴けるとは、それも地元のオケで味わえるのは嬉しいかぎりです。もちろん、欧州で評価の高いアダム・フィッシャー&ハイドンフィルを生で聴ければホントは1番良いのでしょうが、来日はしなさそうだし此方から渡欧する余裕も今のところ全然ないし(苦笑)。来年は没後200年のハイドンイヤー、広上&京響には定期でドンドン採り上げてほしいと思わされたほどでした。

 ハイドンが予想以上に良すぎて危うく忘れそうになるところでしたが、今日のメインは『シェエラザード』。こちらは京響のカラーに合うだろうからと期待していた曲ですが、こちらも期待に違わぬ名演奏でした。はじめの印象ではベタベタした感じがほとんどないのですが、オーケストレーションの彩りも鮮やかに物語を描写していて、表現の振幅が大きくスケール感もあり、ゆったりとしたところはメロディーをたっぷり聴かせるように、ドラマティックなところはリズミカルに激しく、とかいろいろとやってはいるのですが、全体の大きな流れを途切れさせることのないようにバランスを巧みにコントロールしているので、やりすぎ?!と感じることが全く無くて、聴く方としても物語性を十二分に堪能しつつ美しい旋律に安心して身を委ねることができます。このあたりはさすが広上さんですね。何度でも聴いていたくなるような素晴らしい演奏でした。
 常任として最初ということで広上さんの意気込みも相当なものだったと思いますが、団員さんたちもいつも以上に積極的に(というか細かく激しい運動を伴う棒に必死についていってるというか・笑)熱い反応を見せていたように思います。それぞれのソロでもとても美しいメロディーを奏でていました(ちなみにチェロは上村さん、Tp1番はナエスさん、菊本君はドイツ留学だそうで不在)。特に木管の各首席とニキティンさんは絶品。この手の曲を演奏させたらやはり京響が関西で随一ですね。
 今回の定期は新常任の就任披露と京響の新たなスタートに相応しく、また今後に更なる期待を抱かせる演奏会でした。



 そして、普段ならここで終わりなのでしょうが、ここで終わりじゃないのが今年の京響(笑)。みなさんお楽しみ?のレセプション。広上さんが何か挨拶して後はおしゃべりタイムかな?くらいに思ってたのですが、まさかまさか、カルテットの演奏があるとは!ピアニカは誰だったんでしょう?(上から見てたのでわかりません)ナエスさんが1曲目でパーカッションやってたり、2曲目(ラテン風「ぞうさん」)でカジュアルに着替えた広上さんがマラカスやったり、疲れてるはずなのにサービス精神旺盛です。その即席バンドの演奏の後に広上さんのスピーチ。料理に喩えるのがお好きらしい広上さんは家族で月1でレストランに出かける感覚で京響定期にも来てほしいこと、1プロ2公演を実現したいので(今日来てくれた観客の)口コミでお客さんが増えるようになれば、といったことを挨拶で仰っていました。
 団員さんたちもかなりの方が残ってくださったようで嬉しく思いました。ただ公務扱いということで事務長?からアルコールが止められていたらしく、ビール飲みたかった人は残念そう(苦笑)。市職員に不祥事が相次いで議会でも市長が野党から相当突っ込まれていた様子もTVで出たくらいですので、そういったことがあっておそらく自粛したと思うのですが、演奏会本番が終わってお客さんと一緒にビール飲むくらいは誰もツッコまないと思うんですけど・・・(というか退勤扱いじゃないのか?!)気の毒でした。

 ファンや記者・評論家(京都新聞と産経新聞とあとどこだったでしょう・・・どんな記事を書いてくれるのか楽しみです)に囲まれた広上さんの近くで少し話を盗み聞き(笑)したりしたのですが、コロンバス響がとても苦しい状況にあることも話されてました。広上さんが音楽監督に就任されてから定期会員や来場者数が増えているにもかかわらず財政が厳しくて潰れる可能性すらあるらしいのですが、やはり米景気リセッションの影響をモロに受けているのでしょうか?それでなくともオハイオ州にはクリーブランド管やシンシナティ響といった強力なライバルオケがあって、しかも音楽監督がクリーブランド管はヴェルザー=メスト、シンシナティ響がパーヴォ・ヤルヴィなんですよね・・・。そんな中で頑張って来季は意欲的なプログラムを組んでますし、ファンの間でサポーターズクラブみたいなのも結成されているそうなので、なんとか踏みとどまって存続してほしいと願ってます。京響は市直営で恵まれていると前置きしつつも「市民のためのオケ」ということを事ある毎に力説されているのはコロンバスでの事情が背景にあるのでしょうね。



※追記:京都新聞の4月1日付一日版の1面に、今日より京響第12代常任指揮者に就任した広上淳一さんのインタビュー記事が、彼のカラー写真付で大きく掲載されました。ただ・・・残念ながらWEBの方には載ってないようで・・・(ケチィ~)。仕方ないので、京都新聞を読めない人のためにせっせと手入力しました(苦笑)。

内容としてはまだ京響を聴いたことがない市民へのメッセージみたいな感じです。また、はじめの方で「京都は父親が学生時代に住んでいたこともあり」と仰ってますが、そのお父様は先月お亡くなりになったそうです(謹んで御冥福をお祈り申し上げます)。広上さん自身はちょうど定期のためにコロンバスに滞在中で、演奏会の後に帰国されたらしいのですが、何がビックリってコロンバス市の地元紙Columbus Dispatch“Maestro misses rites for father in Japan”という記事が字数を割いて載っていたこと!結構な名士なんですね・・・。また、別の記事でコロンバス響とチャイコフスキーの幻想序曲『ロミオとジュリエット』と5番シンフォニーを日本のDENONレーベルに録音したことも書かれています(記事はココココ、おそらくライヴ録音?)。

京響常任指揮者就任にあたって     広上淳一

 京都は父親が学生時代に住んでいたこともあり、好印象を持っています。「好き」と軽々しく言うよりは、敬愛している、光栄に思っていると言ったほうが近いかもしれません。
 今回私が常任指揮者に就任した京都市交響楽団(以下、京響)は、日本で唯一の自治体が運営するオーケストラで、市民のみなさんの税金を使って運営がされています。ですから何よりもまずは、多くの市民の方たちにもっと京響の存在を知っていただきたい。なかなかいいオーケストラだから毎月の定期演奏会に行ってみようと思ってもらえるよう、口コミで評判が広がっていってほしいです。僕の印象から言うと、京都の方は他の都市と比べると、音楽に対する意識は高いと思います。京響を応援していただいている方もたくさんいらっしゃいます。
 しかしながら一方で、クラシックはとっつきにくいという印象をお持ちの方が多いのも事実です。これは、皆さんが悪いのではなく、明治維新まで遡って文化を輸入したときのコンプレックスがいまだ無意識に残っているのと、小学校以降の教育でクラシックは高等なものだという意識を植えつけられてしまったから。クラシックは高等なものでも下等なものでもありません。音楽の中でクラシックが一番変化を遂げて、ロックやポップス、ジャズが生まれていったわけです。そう考えるとそんなに仰々しいものではないですよね。京響が、そういった誤解を少しずつ解いていくきっかけになれば、こんなに素晴らしいことはないです。
 京響の定期演奏会で私が指揮をするのは年2回。4月18日(金)には、常任指揮者になって初の演奏会があります。私が指揮をする日は、コンサート終了後にロビーでお酒の席を設けようと考えています。楽団員も交えて、楽しい音楽とお話で、直接市民の方とコミュニケーションを取りたいですね。また、私が京都に来る回数は少ないですが、毎月の定期演奏会ではバラエティに富んだ指揮者をゲストに呼ぶ予定です。お客様にもっと来ていただきたい、京都市民のみなさんにもっと可愛がってもらいたい、新人を発掘したい、指揮者のコンテストをしたい・・・。さまざまな制約がありますが、それ以上にやりたいことはたくさんあります。そして、市民の方にあれこれ要望するよりも、まず自分たちが変わらなければいけないのではないかという思いも強いです。市民の方が京響を応援してくださる声を、行政に届けるよう我々も努力していきます。広上が京響に来てお客様の数が増えた、演奏会の数が増えた、など市民の方によかったなと思ってもらえるよう、腰をすえて取り組まなければと実感しています。