なんとなんと、あのヤルヴィパパ(ネーメ・ヤルヴィ)が京響定期に登場なのであります!

http://www.neemejarvi.ee/
Neemejarvi

最近は息子たちも成長して、特に長男のパーヴォは欧米の一流オケから引っ張りだこの人気指揮者になってますが、父親もまだまだ負けじと現役バリバリです。そんなネーメパパが(ともすれば上品さが表に出すぎることもある)京響からどんな音楽を引き出してくれるのか楽しみではありましたが・・・

2006年7月4日(火)19時開演
@京都コンサートホール(大ホール)

◆E.H.グリーグ 抒情組曲 Op.54
◆E.H.グリーグ ノルウェー舞曲 Op.35
(休憩)
◆P.I.チャイコフスキー 交響曲第4番ヘ短調 Op.36
※アンコール
◇W.A.モーツァルト 歌劇『後宮からの逃走』序曲

指揮:ネーメ・ヤルヴィ
コンサートマスター:グレブ・ニキティン

 BISやグラモフォンなどに数多くの録音を残している当代きっての巨匠の登場です。京都市も50周年の節目の時だけではなく、このレベルの欧米人指揮者を毎年呼んでくれればいいのですが・・・。平日夜のわりには聴衆はまあまあ入った方でしょうか?ステージ上には今日はチェロのソロ首席の上村昇さんもいましたが、前回の合同演奏会や東京公演などの節目にあたる演奏会くらいにしか定期では登場されない方ですので、やはり京響にとってマエストロは超VIP扱いということでしょうか?(笑)

 さて、登場したマエストロ、69歳とは思えないほど背筋がシャンと伸びていて足どりもシッカリしています。あと10年は軽く現役できそうに見受けられました。北欧人(エストニア)らしく背も高くて恰幅もいいですね。
 で、指揮棒をおろして最初に出た音が・・・

中の人かわりました???

というくらい音の質がいつもと全然違います。響き自体は冷たい中にも血の通った感触を感じるもので曲想にピッタリですし、それだけならいつもの京響からはそれほど外れないのですが、その最初のヴァイオリンの合奏が何かガラッと雰囲気が変わっていて、まるで欧州の一流オケみたいでした。

 その1曲目、『抒情組曲』は幻想的で哀愁を帯びた美しいメロディーがふんだんに盛り込まれている曲ですが、淡白すぎず濃厚すぎず、テンポや表情の変化が絶妙で聴かせ所のツボもよく押えてあり、グリーグの世界にドップリ浸ることができました。続く『ノルウェー舞曲』はリズミカルで牧歌風なメロディーが多いのですが、軽快に進む中にも時に優雅な雰囲気も醸し出していて、何より木管の、特にオーボエのシャレールさん(前半は高山さんではなく彼が1番でした)のソロがとても素晴しかったです。ソロといえば、コンマスのニキティンさんのソロも今まで出一番良かったと思います。弾いている姿からして“本気度200%”という感じでしたし(爆)。
 ネーメパパは年齢と体格からは想像がつかないほど腕の振りや手首の動きとかがとてもしなやかで柔らかく、ちょうど1年前に大フィル定期で見たクリスティアン・ヤルヴィによく似ていました(動きの量はさすがにクリスティアンよりは少なかったですが)。この辺りはやはり親子なんだなぁ・・・と思って感心して見てました。それと、初共演だったにもかかわらず、ネーメパパのほんのわずかな動きにも(自分たちのシェフが指揮してるかのように)非常に敏感に反応するオケにも大変ビックリしました。どういった練習をしたのか非常に興味があります。シベリウス交響曲ツィクルスを手始めに数々の録音でエーテボリ交響楽団の名を世界に知らしめたネーメパパの、面目躍如といったところなのでしょうか?
 そして、前半の2曲も終わって拍手もしたし・・・と思ったら・・・あれ?定期なのに(しかもコンチェルトやったわけでもないのに)ここでアンコール??で、『ノルウェー舞曲』から2番目の曲を再び演奏して、またまたシャレールさんがソロで大活躍、というところで前半終了。随分サービスいいですね(笑)。さすがアメリカで長く仕事をされてただけはあります。指揮姿も1回目とは少し違って、ちょっとした踊り?や演技っぽい仕草が入ったりしていて、大声を出して笑いそうになりました(必死に我慢しましたが・笑)。

 後半。聴く前までは正直
「なんでメインが北欧の作品やショスタコとかじゃなくチャイコやねん?!」
などと思ってたのですが、スンマヘン!私が間違ってました!(爆)
 出だしのホルンからして(実際の物理的な音量はそうでもないんだけど)凄いパワーと集中力で芯の強い伸びやかな音を出していて、そこから終始やや速めのテンポでもって、エンディングに向かって聴衆を巻き込んで一気呵成に突き進んでいくようでした。それでいて細かい振りや指示で何一つ疎かにすることなく細部のディテールや表情の変化にもキチンと目配りしてあって、しかも変にメランコリックに陥ることもありません。時折即興のような感じでルバートをかけたりしてるのですが、決して嫌味になることなく絶妙な隠し味になってますし、こういったところのバランス感覚が素晴しいですね。
 (チャイコフスキーの曲に多いですが)‘f’の記号を惜しみなくたくさん使ってあるせいで特に金管はしんどい思いをするのですが、最後までヘタレることなく凝集度の高いフォルテを吹き続けていたその金管はとても良かったです。全パート、ソロもアンサンブルも素晴しく、また前半以上に指揮に対するオケの反応がよくて、終楽章のラストなど、それまでただでさえ速めのテンポに加えて崩壊する手前までアッチェランドをかけていたにも拘らず、一糸乱れず必死に喰らいついてるのにはホントに感心しました。

やればできるやん(爆)。

 いつも定期でこれぐらいの演奏ができれば、間違いなく日本一のオケなんですけどネェ・・・。近年は特に大友さんやミッチー・広上さんが振る時など水準の高い演奏を見せてくれる京響ですが、今夜のような通常比200%以上(笑)の演奏を見せ付けられると、京響の潜在的なポテンシャルは思ったよりもずっと高いのか、と期待してしまいます。税金払ってる市民のためにも、もっと頑張ってほしいです。

 非常に完成度が高く、しかも大変に魂のこもった感動的な演奏で、客席から割れんばかりの熱い拍手が送られていました。いつもは(なぜそんなに急ぐのとばかりに)演奏が終わったとたんに客席を立つ人が多い京響定期なのですが、今日に限ってはたったの数人!それだけ素晴しい演奏だったと誰もが感じた、ということでしょう。指揮者に対して団員さんたちからも盛んに拍手が送られていました。

しかも、今夜はここでは終わらない!(笑)

 2回目(3回目だったかな?)のカーテンコールが終わって下がる前に、ネーメパパ、オケを称えるように観客と一緒に拍手をして今度は手拍子を揃えるように仕草で誘導します(ポピュラー系のライヴでアンコールを要求する時によくやる感じの手拍子の拍手)。それから、わざと観客に見せるように指揮台上のスコアを整理して、おそらくはアンコールに用意したであろう別のスコアの表紙を見せておいて、
「次はこれネ」
とばかりにポンポンと軽く叩いて立ち去っていく姿に、もう大爆笑!なんてサービス精神が旺盛なのでしょう(笑)。
 そして、拍手に迎えられて何食わぬ表情で悠然とステージに現れて、一旦指揮台に上がって構えてから客席に振り向いて「○○○(何か言ったかもしれないけど単語が聞きとれず)モーツァルト!」と告げて始めた曲が『後宮からの逃走』の序曲でしたが、これがまた絶品で、軽妙かつ優雅な、モーツァルトの魅力を余すところなく表現した素晴しい演奏でした。メインのチャイコフスキーよりもさらに良かったです(笑)。
 向きを変えながらステージ横や後方の観客にも丁寧にお辞儀をして拍手に答えるネーメパパ、最後にはモーツァルトのスコアを脇に抱えて軽く手を振って下がられました。こんなチャーミングな方だとは思いませんでした(笑)。

 初めてにもかかわらず非常に高水準の演奏を京響から引き出したのは、音楽性と人間性が豊かなだけではなくオーケストラビルダーとしての能力も非常に高いということだと思います。見たところ大変お元気そうで長時間のフライトにも充分耐えられると思いますので、オケのレベル向上と京都の音楽文化の発展のためにも、京都市の文化市民局にはぜひとも鋭意努力していただいて、来年以降も客演に呼んでいただきたいと思います。京都観光案内付きで(爆)。

おまけ:
サインを頂きました↓奥様が傍にいらっしゃいましたが、デジカメ忘れたので大損(苦笑)。背は高くないですが、キリッとした顔立ちでスレンダー美人といった感じでした。
2006_07050001

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