始まる前は、どうせチャイコ尽くしなら弦セレとチャイ5じゃなくて「フィレンツェの思い出」と3番「ポーランド」とかレアな曲の方がよかったのになぁ・・・とか思っていたのですが、終わった時にはそんなこと吹き飛んでしまいました(笑)。

ラザレフさん、日フィルの首席指揮者を務めたり東京のいくつかのオケに客演されたりで日本にも馴染みのある方ですが、本来でしたら昨シーズンに初共演するはずが急病のためにキャンセル。今回改めて仕切り直しといったところでしたが、チケットは前売り完売御礼のようでなにより。

 

京都市交響楽団 第562回定期演奏会
2012年10月28日(日)14時30分開演@京都コンサートホール

◆P.I.チャイコフスキー 弦楽セレナード ハ長調 Op.48
(休憩)
◆P.I.チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 Op.64
(アンコール)
◇P.I.チャイコフスキー バレエ『白鳥の湖』Op.20~第2幕「四羽の白鳥たちの踊り」

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
コンサートマスター:渡邊 穣

 

プレトーク、マエストロの意向だとかで通常より遅く演奏開始直前に、ロシア語通訳の小賀明子さんを伴っての登場。モスクワ音楽院では少しの間しか教鞭をとってないのに学校の名前に“チャイコフスキー記念”が付けられている(1940年の生誕100周年の際にそうなったとか)といった軽い話題から始まって、チャイコフスキーの母親への深い愛情や不幸な結婚のエピソードを例に挙げて、彼の音楽には女性の感情を歌ったものが多く、それを見事に音符に表現した作曲家は他にいないと言った点が1つ、あとはチャイコフスキーは自身の作品には厳しく批判的な見方をしていて、5番シンフォニーに関してもハンブルクでブラームスと会談した際に自分で愚作だと評していたほど、という2つのポイントをジョークを交えながらお話しされ、締めは
「このあとの演奏を聴いていただいて、愚作だとはぜったい言わせません!」
といった感じで、ユーモアを入れつつもチャイコフスキーの音楽とオケの掌握に自信を漲らせている印象でした。

1曲目、弦セレ。編成は14-12-10-8-7・・・って弦セクション全員ですか?!ラザレフさんは舞台に上がって客席にお辞儀した後に振り向きざま始め、指揮棒を持たずに大きな体と左右の両腕・10本の指をフルに使ってのダイナミックなジェスチャー。ヒグマが暴れてるように見えなくもない(笑)けど、京響の弦セクションもそれに応えてゴリゴリ鳴らす鳴らす・・・つーか、指揮台降りてチェロ(今日は上村さんがトップで入ってました)に「もっと、もっと」といったように指差しにまで来る人なんて初めて見たwww こうした要求をしながらも第3楽章の開始はデリケートかつ緊張感を持たせるようにギリギリ極小の音量からはじめるなどいろいろ細部にもこだわった感じで、起伏があってスケールの大きな音楽作りは、まるでシンフォニーを演奏しているかのよう。そして第3楽章→終楽章は間を置かずに続けて演奏し、ラストに向けて畳み掛けるように終わった直後に客席を振り向いたのは「どうだ!」といったところですかね。余韻も待たずに客席から大拍手。指揮台から降りた後もしばらく舞台袖で拍手しながら(客席に拍手を促すジェスチャーも交えながら)立っていたラザエフさんも控えに戻る際に「ブラボー」と呟いてましたね。

休憩を挟んでメインの5番シンフォニー。ホルンを4人から5人にしているの以外は管楽器はスコアどおりの人数。オーボエとクラリネットは女性コンビでトランペットはナエスさんと稲垣さん。第1楽章→第2楽章と第3楽章→終楽章は間を取らず続けての演奏。第1楽章の第2主題で弦の旋律にグッとテンポを落として(ほとんど倍の遅さだったかな?)弾かせてみたり、第2楽章のどの辺りでしたか、オーボエとクラリネットのユニゾンのところを一部ベルアップさせて吹かせたりとか、この曲に別エディションあったっけ?と思うほど随所に工夫を凝らしていたようでしたが(スコア見ながら聴いていたらいろいろ発見できたかな?)、あれだけダイナミックレンジを広くとりテンポを動かしてもオケはしっかり応えていってましたし、ホルンとトロンボーンはバリバリ鳴らせて弦セクションも荒ぶる魂を込めるようにゴリゴリ弾きまくり。これが本場のロシアン・テイストなんでしょうかね?(笑)

演奏が終われば熱い拍手とブラボーの嵐だった客席の反応。ラザレフさん、まずはファゴットの中野さん、そしてクラリネットの小谷口さんを立たせた後、(舞台左後ろに2列で陣取っていた)ホルンセクションの場所まで歩み寄っていって第2楽章のソロで好演した首席の垣本さんを立たせて握手・・・じゃない、前に出ろって引っ張ってるし(爆)。遠慮して動こうとしない垣本さんと熱心に説得しているようなラザレフさんとの光景は見ていて面白かったです(結局ラザレフさんは諦めましたが)。指揮姿からもオケに対して終始厳しい要求を突き続けていたことは想像に難くない印象でしたが、オケがそれにしっかり応えて無事に終わった後は賞賛の気持ちを体いっぱいに表現していて、ご機嫌だったのかオケと客席に盛んに投げキッスしてましたし、陽気なロシア人のおっちゃんみたいな感じで微笑ましかったです。

・・・つーか、ラザレフさんって東京でもこんな感じなの?・・・

今回は定期には珍しくアンコールあり。木管のソロに合わせて手をパタパタさせて鳥が羽ばたく真似をしてたりと、なにかとお茶目なお爺ちゃんでした。

カーテンコールも終わって帰り際、ステージから控えに向かうヴァイオリンの女性陣から明るく大きな声で「おつかれさまでしたー」が私のいた席まで聞こえてきて、団員さんたちにとってもそれだけ充実した時間だったんだなと思えました。弦セレとチャイ5といういかにも名曲コンサート的なプログラムで始まる前は個人的には少し気乗りしなかったのですが、終わってみれば何か別次元のものを聴かされて圧倒された印象でしたし、ラザレフさんと京響、相性も良さそうでしたし、また京都に来ていただきたいですね。

 



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