チェルカスキーのディスクを紹介した際に私が20年前にライヴで聴いたリストによる『タンホイザー』序曲のピアノ編曲版のことをお話ししましたが、せっかくなのでその曲を探して聴いてみようと思いNMLで検索したら、さすがにチェルカスキーが録音したのはありませんでしたけど、1980年生まれのブルガリア人ピアニスト、ドラ・デリイスカ[http://www.doradeliyska.net/]が録音した演奏を聴いてみて、ちょっと興味を惹かれたのでググったりしてみて採り上げようと考えた次第です。ちなみにアルバムをリリースしたのは現在彼女が拠点としているウィーンのGramola[https://www.gramola.at/]という新興レーベルです。

 

リスト:ピアノ作品集/ドラ・デリイスカ(ピアノ)【Gramola】

フランツ・リスト
・ピアノソナタ ロ短調 S.178
フランツ・シューベルト[※リスト編曲]
・歌曲集『白鳥の歌』〜セレナード S.560(原曲はD.957-4)
・シューベルトの12の歌曲〜第2曲:水の上で歌う S.558-2(原曲はD.774,Op.72)
フランツ・リスト
・パガニーニによる大練習曲 S.141
リヒャルト・ワーグナー[※リスト編曲]
・歌劇『タンホイザー』序曲 S.442

ピアノ:ドラ・デリイスカ

http://ml.naxos.jp/album/Gramola98853

Gramola98853

 

日本語でそのまま「ドラ・デリイスカ」でググると、上記のではなく日本国内仕様で『リストなのか、シューベルトなのか~ピアノで弾く「歌曲王」の世界~』としてリリースされているアルバムについて賞賛している記事が目につきます。シューベルトの歌曲をリストがピアノ独奏用にアレンジした作品ばかりを全14曲並べたディスクですが、彼女の技巧の冴えはもちろんのこと、原曲となっているシューベルトの歌曲を歌手が歌うようなイメージでピアノを弾いて、リストのアレンジからシューベルトの歌を上手く表現している、といった感じです。

私はシューベルトに、しかも歌曲にはほとんどと言っていいほど馴染みがないので、このアルバムにも入っているシューベルトのアレンジものではよくわからなかったのですが、『タンホイザー』を聴いていると、彼女の表現力を褒める人の気持ちが理解できるような気がしました。ワーグナーのこのオペラ、正式には『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』、タンホイザー伝説とヴァルトブルクの歌合戦の伝説の2つの伝説を下敷きに作曲されました。その2つのうち歌合戦の方をかなり強く意識してデリイスカが弾いているように感じたのです。ミュージシャンの感覚としてはかなり難題だと思うのですが(歌には旋律を奏でるだけでなく言語感覚というか発音や言意その他諸々が付き纏いますから)、彼女の場合は母親がオペラ歌手で自身も小さい頃から歌うのが好きだったそうなので、そのあたりの感覚も家庭の環境で育まれたものなのでしょうね。ワーグナーの作風にあるダイナミズムもピアノでしっかり構築しながらも、その中に内在する‘歌’が聴き手にも自然に感じられるように演奏しているような印象を受けました。

ルックスは見ての通りの美人さんですが(笑)、腕前だけでしっかりアピールできるだけの実力を持ってるピアニストだと思います。ただし私の第一印象では演奏する作品によって得手・不得手がハッキリ分かれるタイプのようにも感じましたが、年齢的にそろそろアラサーからアラフォーにさしかかる頃で、自身の音楽性をどのように熟成させていくのか楽しみではないでしょうか。

 


 

ところで、先に挙げた『ドッペルゲンガー』(影法師)と題されたアルバムの方ですが、Gramolaレーベルのサイト内にプロモーションビデオっぽい動画がありましたので、興味のある方はご覧になってください。

 

『ドッペルゲンガー』〜リスト:シューベルト歌曲編曲集/ドラ・デリイスカ(ピアノ)【Gramola】
[※日本での輸入代理店マーキュリーでは『リストなのか、シューベルトなのか~ピアノで弾く「歌曲王」の世界~』というお題をつけて日本語版ライナーノート添付の国内盤仕様で出してるそうです]

フランツ・シューベルト作、フランツ・リスト編曲
・シューベルトの12の歌曲〜第8曲:糸を紡ぐグレートヒェン S.558-8(原曲はD.118)
・涙の讃美 S.557(原曲はD.711,Op.13-2)
・シューベルトの12の歌曲〜第9曲:セレナード(きけ、きけ、ひばり) S.558-9(原曲はD.889)
・シューベルトの12の歌曲〜第3曲:君はわが憩い S.558-3(原曲はD.776)
・シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』〜セレナード S.560-7(原曲はD.957-4)
・6つのシューベルトの歌曲〜ます S.563-6(原曲はD.550,Op.32)
・シューベルト:歌曲集『美しき水車小屋の娘』〜水車職人と小川 S.565bis-2(原曲はD.795-19)
・シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』〜仕事を終えて S.560-3(原曲はD.957-5)
・シューベルトの4つの宗教歌曲集〜万霊節のための連梼 S.562-1(原曲はD.343)
・シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』〜春の憧れ S.560-9(原曲はD.957-3)
・シューベルト:歌曲集『冬の旅』〜辻音楽師 S.561-8(原曲はD.911-24)
・シューベルトの12の歌曲〜第11曲:さすらい人 S.558-11(原曲はD.489)
・シューベルト:歌曲集『白鳥の歌』〜影法師 S.560-12(原曲はD.957-13)
・シューベルトの12の歌曲〜第4曲:魔王 S.558-4(原曲はD.328)

ピアノ:ドラ・デリイスカ(使用楽器:ベーゼンドルファー)

録音時期:2011年10月

http://ml.naxos.jp/album/Gramola98931

Gramola98931

 



★★★全力全開でポチッと♪ブログランキング・にほんブログ村へ応援よろしくお願いします!★★★

 

☆京都通、京都が好きなら→にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へ ☆音楽好きなら→にほんブログ村 クラシックブログへ

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Trackback URL :