京都市交響楽団 第492回定期演奏会

 ファンにとって、行きたいコンサートが同じ日の同じ時間に重なった時ほど、「分身の術が使えれば・・・」とか「なんで同じ日やねん!バカタレが!!」とか、いろんな恨みつらみを並べたくなるのですが・・・(苦笑)。京響は広上さんのエニグマに加えて宮本さんのファイナルツアー、大阪シンフォニカーは尾高さんが振るエルガーのシンフォニー。迷いましたよ、もう・・・。

ヽ(`Д´)ノ ウワアァァァン!!

2006年9月13日(水)19時開演
@京都コンサートホール(大ホール)

◆W.ウォルトン 戴冠式行進曲『宝珠と王の杖』
◆R.シュトラウス オーボエ協奏曲ニ長調
(休憩)
◆E.エルガー 創作主題による変奏曲『エニグマ』 Op.36

指揮:広上淳一
オーボエ:宮本文昭
コンサートマスター:渡邊穣

 今日は雨、先週の京響の演奏会も雨だったけど。そんな天気にもかかわらず、いつもよりやや観客が多かったような・・・。8割近くは席が埋まってたでしょうか?かつてケルン放送響の首席オーボエ奏者だった宮本文昭さん、今年度いっぱいでオーボエ奏者としての演奏活動を休止されるとのことですので、やはりそのせいもあるのでしょうか。かく言う私も、宮本さんのファイナルのことがなかったら、R.シュトラウスのオーボエ協奏曲は4月に素晴しい演奏を聴いてることもありますし、京響と広上さんには悪いけど、まず間違いなく今日は大阪シンフォニカーの方に行ってたでしょう(苦笑)。ネットで見る限りでは予想通り素晴しいエルガーの交響曲をホールに響かせていたとのことで、つくづく私は尾高さんには縁が無い・・・(とほほ)。

 今日の1曲目、ウォルトン。名前は知ってても聴くのはたぶん初めて(高校のときにFMで耳にしたかもしれないけど)。この曲は英国女王エリザベス2世のために作曲されたのだそうで、1953年6月2日にウェストミンスター寺院で行われた戴冠式において、実際にボールトの指揮で演奏(初演)されたそうです。だからかどうか知りませんが、なんかもう
「女王陛下のためにあれもこれもそれもみんなテンコ盛りで盛り合わせました!」
って感じにしか聴こえないような曲(なんやねん、これ)に思えました。曲の長さはともかく、構成はエルガーの『威風堂々』みたいにシンプル且つ筋の通ったものに、もう少しできひんかったんかなぁ~としょーもないことを考えながら聴いてました。英国女王の戴冠式だからこれぐらいでいいのかもしれませんが、豪華すぎ(笑)。

 2曲目。演奏後のカーテンコールで5~6回は呼び戻されてたでしょうか、それがすべてでしょう。最後ということもありますしね。今年4月のフランソワ・ルルーさん(@大フィル397回定期)ほどではありませんでしたが、こちらもとてもいい演奏でした。これで引退なんてもったいないなぁ・・・。大フィルの首席オーボエくらいならまだまだ立派に勤められそうなんだけどなぁ・・・(爆)。ただクラリネットの1番が小谷口さんじゃなくて某匿名掲示板でも悪名高いT氏だったのが非常に残念でしたけど。

 休憩後は『エニグマ変奏曲』。広上さんのタコ踊り全開だったことは横に置いといて(爆)、京響らしい期待通りの素晴しい演奏でした。小谷口さんはじめ木管のソロ(ちなみにこの曲では首席揃い踏み)の演奏やアンサンブル、金管のトゥッティでの音色の響きが、なんといっても良かったですね。弦もヴィオラやチェロのソロにもう少し頑張ってほしい部分はありましたが(R.シュトラウスでもそうだったけど、弦の最前列8人の力量が大フィルと比べるとやや物足りなく感じます、もちろん決して悪くはないけど)、アンサンブルはよかったし、フィナーレではよく音が鳴っていて曲の締めくくりに相応しい響きを聴かせていました。

 広上さんの指揮ですが、各変奏をインテンポでうまく聴かせながらも、フィナーレに標準をあわせて全体をよくまとめて構成したように思いました。表現も程よく抑制が効いていたのはよかったですし、速めのテンポで明るい曲想のところでの聴かせ方が特に印象的でした(こういったのは抜群に巧いんですよね)。ただ、ニムロードのようにゆったりめのところでも‘動きすぎ’が目立ってしまうのが残念でしたが・・・。エルガーですもん、出てくる音の表現だけではなくて指揮者ももう少し大人しくしてましょうや(笑)。それから、大フィルの6月定期の際に気になった広上さんの呼吸音ですけど、ステージに近い席だった人にはちょっと気の毒だったかな・・・と(苦笑)。昨年まではそれほど気にならなかったことなので、逆にちょっとお体のことが心配ではあります。取り越し苦労なんでしょうけど・・・。

大友&京響によるローマ三部作・・・京都新聞トマト倶楽部コンサート

定期ではありませんが、レスピーギのローマ三部作は大好きですし、それが京響の演奏で聴ける貴重な機会でしたので。

京都新聞トマト倶楽部コンサート

2006年9月6日(水)18時30分開演
@京都コンサートホール(大ホール)

◆O.レスピーギ 交響詩『ローマの祭』
(休憩)
◆O.レスピーギ 交響詩『ローマの噴水』
(休憩)
◆O.レスピーギ 交響詩『ローマの松』
※アンコール
◇G.プッチーニ 歌劇『マノン・レスコー』~間奏曲

指揮:大友直人
管弦楽:京都市交響楽団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン

 20世紀に活躍したイタリアの作曲家、オットリーノ・レスピーギの代表作であり、「ローマ三部作」とも言われる3つの交響詩。3曲全部を1回の演奏会でやるなんてそう滅多にあるものではないのに、昨年(サンティ指揮PMFオケ)に引き続いて今年も聴けるなんて、この曲が大好きな私にとっては大変ありがたいことです。ローマを、特に『ローマの松』では古代ローマを題材にした曲、リムスキー=コルサコフの影響を受けたとあって、とても華やかなオーケストレーションを感じさせる情景描写的な作品ですので、クラシックに縁のない人でもゴージャスな映画音楽の感覚で気軽に聴けると思います。

 チケット代が2,000円とお得な演奏会にもかかわらず、平日ということもあってか客の入りは半分程度。中高生のグループを多く見かけましたが、吹奏楽やってる子たちかな?『ローマの祭』の吹奏楽編曲版はコンクールでも人気が高いですからね。超絶技巧を要するので生半可なレベルでは演奏不可能ですけど・・・。それから京都新聞がらみなせいか普段クラシックの演奏会に来ないような人も少なからずいて、開演ギリギリまで携帯の着信音を鳴らしていた人が数名いたのが残念でした。幸い演奏中に聞こえなくてよかったですけど・・・。京都コンサートホールもザ・シンフォニーホールのように館内放送でマナーの呼びかけを徹底させてほしいですね。

 1曲目、『ローマの祭』ですが、さすがにステージ上は人がたくさん、特に管楽器は多いですね~。定期では見かけない顔もいて「エキストラ多そうやなぁ」と思ってたら、クラリネットに大フィルのブルックス・トーンさんを発見!大阪クラシックで忙しいはずなのに(京響にとっては頼りになる助っ人だけど)ご苦労様です。パイプオルガン横の貴賓席?見たいな場所にもトランペットが3人。このお三方が大活躍で最初の「チルチェンセス」のファンファーレをビシッと決めてくれて全体がノッてきたのか、とても迫力ある好い演奏に仕上がりました。管とパーカッションの鳴らしっぷりに弦がやや押され気味だったところがあったり、「主顕祭」でわずかながらもたつきかけてるかな・・・と感じるところはありました(なんせ拍子がコロコロ変わってテンポも速いしポケットスコア見ながら聴いててもウッカリするとすぐわからなくなることがよくあるし・苦笑・・・エキストラ多かったしね)が、動と静の切り替え、表情のつけ方とコントラストがうまく表現されてて、管楽器のソロがどのパートもとてもいい演奏でしたし、「主顕祭」で全体がエンディングに向かって一気加勢に畳み掛けるように盛り上がり、最後の音が鳴り終わると同時に会場から割れんばかりの拍手が送られました。他の2曲もそうですが、管楽器が良いとやっぱり聴き応えがありますよねぇ~。

 10分休憩の後は2曲目『ローマの噴水』。これはもう最初の「夜明けのジュリアの谷の噴水」での高山さんのオーボエのソロにただひたすらウットリ(笑)。大フィルのブルックスさんもこの曲ではソロを担当されてましたが(『祭』ではピッコロ・クラリネット担当、『松』は出番無でした)、こちらも好い演奏でした。せっかくだから小谷口さんがよかったなぁ~というのは私の勝手なワガママですが(笑)、次の機会の楽しみということで。それはともかく、つづく「朝のトリトンの噴水」と「昼のトレヴィの噴水」で色彩的な厚みある演奏の後、「たそがれのメディチ荘の噴水」ではグッと音量を押えて哀愁漂う表現で夕暮れから夜の情景をうまく描写して消え入るように曲が閉じられた時、京響の演奏会にしては非常に珍しいことにフライング・ブラボーもフライング拍手も一切無く(苦笑)、余韻を大切にするかのように少しの間ホール全体が静寂に包まれ、大友さんがゆっくりと指揮棒を下ろしてから少しずつ我に帰るように拍手が起こりました。できるんだったら普段からやれよって(爆)。

 再度休憩の後『ローマの松』。これは昨年も演奏してます(6月定期のプラハ響との合同演奏)ので安心して聴けました。一言「バンダ最高ォ~!」(拍手)。アンコールは「同じイタリアの作曲家から(大友さん談)」ということで、プッチーニの『マノン・レスコー』の間奏曲でした。チェロとヴィオラのソロがよかったです。

 大友さんの指揮は全体的にやや速めのテンポで、演出過剰にならず比較的端正な感じで手堅くまとめていたと思います。3曲ともとても聴き応えのある演奏でした。ともすれば演出過剰になりがちなのですが(特に『松』で)、大友さんだとそういう心配がありませんし、こういった曲の時に大友さんのキャラクターはありがたいです。
 それと、昨年のPMFのではあまり感じなかった・・・というかサンティさんのお腹のせいで(爆)指揮ぶりが2階席後方からではよく見えなかったというのもあるのですが(笑)、譜面を見ながらの大友さんの指揮ぶりを見ていると、『ローマ三部作』って演奏する側にとってはやっぱりヴィルトゥオーゾ向きの難解な曲なんだなと再認識しました。聴く分には難しいことを考えずに気軽に楽しく聴けるからいいんですけどね。それから京響のキャラクターを考えたら弦をもう少し増やしてもよかったような気もしましたが(特に『祭』で)、それ以上に管楽器の頑張りが良かったですね。またぜひ同じプログラムで聴いてみたいものですが、さすがに京響では当分やらないだろうなぁ・・・。仮に大フィルがやるにしても管がアテにならないしねぇ(苦笑)。