AIGが米企業史上最大の赤字、NYダウは7000ドルを割り込み大幅下落

投稿者:

日本時間で昨夜発表された米保険大手のAIGの第4四半期決算、

・純損失:617億ドル
・1株損失:22.95ドル
  ↓
・2008年純損失:993億ドル

だったそうで・・・米国の企業史上過去最大の赤字とか・・・

なんかしとらすみたいな貧乏人には想像のつかない(苦笑)金額なのですが、保険部門の営業損益は黒字だったものの、クレジット・デリバティブ・スワップ(CDS)関連の損失がハデに足を引っ張ったようです。

決算発表とほぼ同時に、米財務省とFRBからAIGに対して300億ドルの追加支援策も発表されましたが、結局はこの巨大損失が尾を引いたのか、ダウが7000どころか6800を割り込むなどNY株式市場は軒並み大幅下落しましたし、VIX指数も再び50越え、52.65まで上昇しました。
Im20090303as2n020200303200913

2月のISM製造業景況指数が35.8と事前予想を上回る結果でしたが、焼け石に水でしたね。雇用指数が26.1と前回の29.9から急減したことが嫌気されたのでしょうか?今週末に雇用統計もありますし。

しかし、ここまでNYや欧州で株式市場が軒並み大幅下落するなら、少し前だったらドル円は確実に90円を割り込んでいたでしょうが、97円台を保っていられるのは中川(酒)のおかげなのでしょうか?(笑)
だとするなら、当分日本の政官財界は彼に足を向けて寝られないことになりますなァ・・・(爆)

それはともかく、しとらす的にはちょっとまだついていけてない感じです。欧州午前中にポンドがズルズルと下落しましたが、なんで人が見てない時にああいった下げ方するかなぁ・・・と売り時を逃してちょっと悔しいやらなんやら(苦笑)。


米財務省とFRB、AIGへの追加支援策発表
【ロイター 2009年3月2日】

[ワシントン 2日 ロイター] 米財務省と連邦準備理事会(FRB)は2日、保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対し、300億ドルの追加支援を行うと発表した。

 財務省とFRBは「AIGは『システミックリスク』をもたらしており、金融システム全体が打撃を受ける可能性を防ぐためには政府の行動が必要だ」と指摘した。

 米政府がAIGに支援を与えるのは、昨年秋以来3度目。

 今回の追加支援策の一環として、FRBはAIGの子会社であるアメリカン・ライフ・インシュランス・カンパニーとアメリカン・インターナショナル・アシュランス・カンパニーの優先株を取得。それと引き換えに、AIGに対する600億ドルの信用供与枠を縮小する。信用枠は250億ドルを下回ることはないという。

 取得するAIG子会社の株式はすべて特別目的子会社が保有する形とし、AIGが引き続きそれを管理するが、FRBは株主としての権利が保証される。

 FRBはまた、AIGが信用枠から引き出した資金に対する利子を軽減する。

 AIGは、政府の追加支援を受ける見返りに、3月4日付で株式の77.9%に相当する転換可能優先株を発行する。

 財務省とFRBは、AIGは世界中にカウンターパーティを持っており、米国の経済や金融システムにとって不可欠な存在であるため支援したと説明。そのうえで、さらなる支援が必要になる可能性があるとの認識を示した。

AIGが米政府と合意した追加支援策【ロイター 2009年3月3日】

[2日 ロイター] 米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は2日、追加支援策について米政府と合意したと発表した。両者が合意した支援策の概要は、以下のとおり。

 ◎財務省が最大300億ドルを追加資本注入。7000億ドルの不良資産救済プログラム(TARP)から拠出するもので、期間は5年間。

 ◎400億ドル相当の政府保有優先株について、配当条件を緩和。AIGは、年間の配当コストを40億ドル以上引き下げることができる。

 ◎生保アリコ(アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー)とアメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)を特別目的会社に移管。ニューヨーク連銀が特別目的会社の優先株を取得、その見返りに600億ドルの融資枠を最大260億ドル削減する。

 ◎生命保険契約のうち85億ドルを証券化。FRBへの返済に充当。

 ◎AIGが利用できる融資枠は、合計で少なくとも250億ドル。

 ◎政府融資枠にかかる金利下限の基準(ロンドン銀行間貸出金利=LIBOR)を撤廃。AIGは少なくとも年10億ドルの負担削減に。

 ◎損害保険事業を新設する別会社「AIUホールディングス」に移管。AIGはAIUの少数株を売却する計画。関係筋はロイターに、当初は最大20%を売却、いずれは全株売却の可能性もある、と述べた。

米国株式が大幅続落、AIGの大幅損失と政府支援を嫌気
【ロイター 2009年3月3日】

[ニューヨーク 2日 ロイター] 米国株式市場は大幅続落し12年ぶりの安値となった。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)による巨額の損失計上と政府の追加支援発表を受けて、金融システムへの懸念が高まった。

 オバマ米大統領が示した予算方針で悪影響を受けるとみられる銘柄が、利益をめぐる懸念からこの日も売られ、医薬品・ヘルスケア関連株は4営業日続落となった。

 ヘルスケア関連株指数は過去4日間にわたり26.4%急落。医薬品株指数は同期間に12.3%下落した。

 ダウ工業株30種は7000ドルを割り込み、299.64ドル(4.24%)安の6763.29ドルで引けた。

 ナスダック総合指数は54.99ポイント(3.99%)安の1322.85。

 S&P総合500種は34.27ポイント(4.66%)安の700.82。

 ダウが7000ドルを割り込んだのは1997年5月以来。金融株、エネルギー株、工業株の売りを受け、S&Pは一時、96年10月以来初めて700ポイントを下回った。

 DAデビッドソンの市場ストラテジスト、フレッド・ディクソン氏は「大きすぎてつぶせない銀行の救済に終わりが見えないという懸念がある」と指摘。「基本的に政府がシティグループに3度目、AIGに4度目の救済を実施したことが投資家を動揺させた」と語った。

 金融セクター支援に向けた多くの対策が効果を発揮していないとの懸念からS&P金融株指数は6.8%急落した。ゴールドマン・サックスは5.3%、モルガン・スタンレーは8.1%それぞれ下落した。

 米政府はAIGに300億ドルの追加金融支援を実施する。AIGが2日発表した第4・四半期決算は、617億ドルの純損失となり、米国の企業史上過去最大の赤字となった。

 AIGはほぼ変わらずで引けた。

 オバマ大統領の予算方針で悪影響を受けるとみられる銘柄では、教育ローン大手のSLMコーポレーション(通称サリー・メイ)が18.5%急落した。サリー・メイは過去4営業日を通じて57%下落している。

米AIG第4四半期は約6兆円の損失、政府の追加支援まだある可能性
【ロイター 2009年3月3日】

[ニューヨーク 2日 ロイター] 米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が2日発表した第4・四半期決算は純損失が617億ドル(約6兆円)に達した。

 同社に対しては、破たんさせた場合、世界の金融システムが脅かされる可能性があるとして、財務省と連邦準備理事会(FRB)が300億ドルの追加支援を決めたが、この支援が必ずしも最終的なものになるかは不透明だ。

 AIGに対する支援額は昨年すでに1500億ドル規模になっており、政府の出資比率は80%近い。

 今回の追加支援は、AIGを存続させ、AIGが多額の資金手当てを迫られることになる格下げを回避することが狙い。

 ガーマン・リサーチのLLCのクリストファー・ガーマン氏は「財務省が現在の市場環境とシステミックな金融崩壊の脅威の間に立つことを強く想起させる措置だ」と述べた。

 ギブズ大統領報道官は、金融システムを一段の脅威にさらすことを回避する上で「今回の措置は重要だった」と述べた。

 財務省とFRBも共同声明で「AIGがもたらしているシステミックリスクと今日の金融市場のぜい弱性を考慮すると、政府が支援しない場合の経済と納税者が被る潜在的なコストは非常に高いものになるだろう」と指摘した。

 政府は先月、シティグループに対しても追加支援策として保有するシティの優先株を普通株へ転換するとする発表していた。

 米通貨監査局(OCC)のデューガン長官は記者団に対し、AIGの状況がそのまま銀行救済の定型とはならないと指摘した。

 <大量出血>

 AIGの第4・四半期の1株損失は22.95ドルとなり、前年同期の1株損失2.08ドルから拡大した。大半がクレジット・デリバティブ・スワップ(CDS)関連などの損失だった。トムソン・ロイターによると、損失額は1分当たりに換算すると46万5000ドルとなり、米企業史上で最大。

 2008年通期の損失は992億9000万ドルで90年代初めまでの利益が消失した格好。またこの額はクウェートの国内総生産(GDP)に匹敵する。

 AIGはモーリス・グリーンバーグ氏やマーチン・サリバン氏が最高経営責任者(CEO)だった当時にCDS事業を拡大した。

 2日の株式市場でAIGの変わらずの0.42ドルで引けた。2017年償還の社債(表面利率5.45%)価格(額面1ドル当たり)は0.08ドル高の0.53ドルとなり、利回りは15.9%に低下した。

 <システミックリスク>

 政府による追加支援により、AIGの資金調達の条件が緩和される。AIGは、政府向けに一部の債務を子会社のアメリカン・インターナショナル・アシュアランス・カンパニー(AIA)と生保アリコ(アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー)の優先株に転換する。両子会社は大規模なアジア事業を有している。

 AIGはまた、損害保険事業の一部をスピンオフ(分離・独立)し、AIUホールディングスと名称を変更する計画。

 政府は、今回の追加支援がAIGにとって最後の支援にならない可能性があるとの認識を示し、AIGの問題解決には「時間がかかり、市場が安定化し、状況が改善しなければ、政府の追加支援」が必要になる可能性があると指摘した。

 政府は昨年9月、オールステートの元最高経営責任者(CEO)、エドワード・リディ氏をAIGのCEOに指名した。

 リディCEOは電話会議で、AIGはこれまで通り事業を行うには「あまりに複雑で非効率的かつ不透明」になり過ぎたと語った。

 <よりどころは他にない>

 独立系調査会社グラディエント・アナリティックスのアナリスト、ドン・ビックレー氏は、政府によるAIG救済の規模が最終的に2500億ドルに達し、そのほとんどが返済されない可能性があるとの見方を示した。

 同氏は「AIGは実際、頼れる場所が他にない」と指摘した。

 主要格付け機関はAIGの格付けを「A」カテゴリーで据え置いた。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアナリスト、ブルース・バレンタイン氏は、AIGが、深刻なリセッション(景気後退)と市場の混乱に見舞われているこの時期に確実に債務を履行できるよう、必要に応じて政府が追加支援を提供することを期待していると語った。

追記:
午前中、トヨタが海外でドル資金調達しにくいために国際協力銀行に支援を依頼したというニュースが出ました。
トヨタでこれなら他の企業は・・・と心配になりますね。

トヨタ子会社、国際協力銀の緊急融資要請 2000億円規模
【日本経済新聞 2009年3月3日】

 トヨタ自動車の金融子会社であるトヨタファイナンシャルサービスが米自動車ローン事業の資金を確保するため、国際協力銀行に2000億円規模の融資を要請していることが3日分かった。金融危機の影響で民間金融機関から資金を調達する条件が悪化しているのに対応する。
 同社が利用するのは、海外で事業展開する日本企業に対して国際協力銀が新設した緊急融資制度。調達通貨は米ドルとみられる。同制度を利用するのは自動車業界では初めて。ほかの企業でも利用が広がる可能性がある。
 トヨタは先月、国内で普通社債を総額2000億円発行した。海外では金融資本市場の混乱が続いており、トヨタなどの優良企業でも資金調達で逆風が強まっていた。