クライスラーが破産法の適用申請、フィアットとの提携発表

クライスラーは債務再編をめぐる協議が失敗に終わったことを受けて連邦破産法11条の適用を申請し、あわせてフィアットとの提携も発表しました。

もう何ヶ月も前から騒がれていることでもありますし、これでカタがついてやれやれ、というところなのでしょうか、市場への影響ってそれほど大きくはなかったですね。

次はGMですか・・・来月末がタイムリミットなんでしたっけ?自力でなんて絶対無理でしょうし、どこがお荷物を引き取ることになるんでしょうかねぇ・・・?もっとも、それだけの体力があるところって限られてくるわけですけど・・・。


米大統領、クライスラーの破産法申請とフィアットとの提携発表
【ロイター 2009年5月1日】

[ワシントン 30日 ロイター] オバマ米大統領は30日、自動車大手クライスラーが連邦破産法11条の適用を申請し、イタリアの自動車メーカー、フィアットと提携すると発表した。

 大統領は「クライスラーとフィアットが提携したことを発表する。これは成功の大きな可能性を秘めている」と語った。

 クライスラーの破産手続きは迅速かつ効果的に行われるとの見通しを示した上で、同社がより競争力の高い強い企業として再生することを確信していると述べた。

 「提携の一環として、フィアットがクライスラーの過半数株式を取得する前に公的資金は全額返済される」と説明した。

 また「単にクライスラーに生き残りの可能性をもたらすだけでなく、世界の自動車市場で勝ち抜くための提携だ」と述べた。

 クライスラーが破産法の適用申請に至ったことについて、オバマ大統領は一部の「投機筋」が国民のお金を得ようとして合意に抵抗したとする一方で、債務削減に同意したJPモルガンをはじめとする金融機関や、譲歩を受け入れた労組を賞賛した。

 また「クライスラーの経営陣、とりわけナルデリ最高経営責任者(CEO)は、これまでの過程で前向きで建設的な役割を果たした」と述べた。

 クライスラーとゼネラル・モーターズ(GM)は米自動車産業にかつての強さをもたらすとし「GMの事業計画を強化し、わたしが示した原則に沿った再建を目指すために、わたしのチームはGMと引き続き協力して取り組む」と語った。

 さらに「クライスラーとGMは復活する。米自動車産業が再び世界最強となることを確信している」と述べた。

米クライスラーが破産法11条適用申請、伊フィアットと提携
【ロイター 2009年5月1日】

[デトロイト/ワシントン/ニューヨーク/トロント 30日 ロイター] 米自動車大手クライスラーは30日、債務再編をめぐる協議が失敗に終わったことを受け、ニューヨーク州で連邦破産法11条の適用を申請した。

 また、伊フィアットとの提携も発表した。

 オバマ米大統領はこれについて、クライスラーの3万人の雇用と関連サプライヤーおよびディーラーの数十万の雇用を救う上で重要な意味を持つステップだとし、歓迎する意向を示した。

 フィアットはクライスラーの株式20%を取得した。政府資金返済後に過半数株式を保有する可能性がある。

 連邦破産法11条の適用はマンハッタンの破産裁判所に申請された。

 米政府はこれを受け、最大35億ドルのDIPファイナンス(事業再生融資)と最大45億ドルのエグジットファイナンス(出口融資)を提供する。破産法の適用期間は30―60日としている。

 クライスラーの3600にのぼる米国内ディーラーの一部は閉鎖する見通し。クライスラー・フィナンシャルは、新車とトラック向けローンの提供をやめ、代わりにゼネラル・モーターズ(GM)の金融子会社GMACがクライスラーのディーラーにローンを提供する。

 クライスラーのナルデリ最高経営責任者(CEO)は、クライスラーが破産から脱却し、フィアットとの提携が完了した後に退任する。

 新会社の取締役については、米政府が6人を指名、フィアットが3人を指名する。

 クライスラーは、メキシコやカナダ、他の海外業務は破産法適用申請の対象外としている。

 また、リストラの一環として、5月4日から大部分の製造業務を一時停止すると発表した。

 カナダ政府は、クライスラーに対し24億2000万ドルの融資を実施するとともに、同社株の2%を取得する方針。

 複数の政府関係者が30日明らかにした。

 カナダのハーパー首相は「完璧な解決策ではないが、クライスラーの存続を確実にするものだ。クライスラーは将来、景気後退(リセッション)の脱却に伴い、カナダが必要とする存続可能な自動車セクターの一角を占めることになるだろう」と発言。

 カナダと米国の自動車産業は運命共同体だとの認識も示した。

 会見に同席したオンタリオ州のマッギンティ首相は、同社のカナダ国内の雇用を維持できるかどうは今後の業績次第で、保証はできないと発言。「できることはすべてやった」と述べた。

 クライスラーは現在、カナダ国内で9000人を雇用している。うち労組組合員は8400人。カナダ国内の工場はすべてオンタリオ州にある。

 米GMACフィナンシャル・サービスは30日、クライスラーのディーラーと顧客に自動車ローンを提供することで合意したと発表した。GMACは同時に政府から資本注入を受ける。

 GMACはゼネラル・モーターズ(GM)向けに自動車ローンを提供している。GMACのアルバロ・デ・モリナ最高経営責任者(CEO)は声明で、今回の合意は自動車金融事業の多様化につながると述べた。

 これを受けてGMACの保証コストは大幅に低下した。フェニックス・パートナーズによると、GMACのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、一括前払いで保証債務の19%プラス年間で500ベーシスポイント(bp)の支払いとなった。発表前は26%プラス年間500bpだった。

 裁判所の書記官が明らかにしたところによると、クライスラーに関する審理は、米東部夏時間5月1日午前に行われる予定。

 また、申請書類によると、上位無担保債権者にはオハイオ・モジュール・マニュファクチャリング、BBDOデトロイト、ジョンソン・コントロールズ・コンチネンタル・オートモーティブ、クミンズ・エンジンが含まれる。

 クライスラーは、裁判所に提出した文書で、大口有担保債権者に米財務省やJPモルガン・チェースが含まれていることを明らかにした。

 有担保債権額は米財務省が45億5000万ドル、JPモルガンが16億1000万ドル、チェース・リンカーン・ホスト・バンクが10億3000万ドル、モルガン・スタンレーが9億7950万ドル、シティバンクが9億1860万ドル。

 2008年12月31日時点のクライスラーの資産総額は393億3600万ドル、負債総額は552億3300万ドル。

 破産法の適用申請後30日間のキャッシュ損失はネットで21億2100万ドルとなる見通し。

 生産休止期間の終了後に素早く業務を再開するため、一部の部品倉庫業務や設備のメンテナンスは継続する。

 またクライスラーの裁判所提出文書によると、破産法の適用申請に伴う生産休止期間中は、来年の新モデルの開発作業もすべて停止する。

 販売店の交換部品の在庫が4週間で底をつく可能性があるとの見通しも示した。

 部品メーカーについては、3月時点で財務上のリスクの高い企業が全体の13.5%を占め、生産休止期間が長引けば「大量の部品メーカーが清算に追い込まれる」と指摘した。

 また、過去に進めていたGMとの合併交渉については、2008年6月に交渉を開始したと表明。

 日産自動車との提携拡大交渉を2008年2月に開始したことも明らかにした。

 クライスラーは、2008年10月29日にGMの資産査定を開始、2008年11月3日に査定を打ち切った。

 2008年6月には、韓国の現代・起亜自動車とも小型車の戦略的提携について協議したが、起亜は2008年9月にクライスラーとの提携を拒否した。

 クライスラーは、ロシアのGAZグループ、カナダのマグナ・インターナショナルとも提携交渉を行っていたことを明らかにした。

 日産との提携協議は、GMの協議と平行して進めていたという。

 オバマ政権幹部は30日、米政府のクライスラーへの約40億ドルの融資のうち、大部分が回収不能となるとの見通しを示した。

 同幹部は匿名を条件に「犠牲を払うことになるクライスラーのステークホルダーの1つは、米政府だ」と述べた。その上で「残念なことに、借入金に依存しすぎる資本構造を持つ会社に対し、融資が実施された」と述べ、当初から回収の見込みは低かったとした。

 政府は最終的に、クライスラーの金融子会社のクライスラー・フィナンシャルからは15億ドルの融資を、またクライスラー本体からは35億ドルの融資の一部を回収できるとみている。

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