BOEは金利据置と資産買入、ECBは0.25%の利下げとカバードボンド買入

英国と欧州でそれぞれ政策金利等が発表されました。

BOEが資産買入れプログラムの規模を500億ポンド拡大する旨を発表したことでポンドは下落、ユーロは一旦売られた後に反発。

トリシェECB総裁の記者会見ひまわり証券FXオン・ザ・ウェブより】

主要金利は適切な水準
利下げに加え、信用向け支援の拡大を進めることを決定した
長期オペを12カ月にわたり行う
期間12カ月のオペ、固定金利で規模は制限せず
ユーロ建てカバードボンドの買い入れを決定した
オペのカウンターパーティはEIB(欧州投資銀行)
決定は、銀行に貸し出しを促すことが目的
決定は、銀行や企業の資金調達環境を改善することが目的
決定は、物価動向が引き続き落ち着いていることを考慮
最新の経済指標、安定の暫定的兆候を示唆
世界経済、依然として深刻な低迷状態
需要は2010年に回復する見込み
経済は2010年に徐々に回復すると予想
中期的インフレ期待の指標、引き続きしっかり抑制されている
雇用市場、向こう数カ月に一段と悪化する可能性
インフレ圧力は緩和してきている
中期的に物価安定が維持されると予想
経済活動は第1四半期も引き続き弱まった
第1四半期の経済活動の弱まり、3月時点の予想より深刻だったもよう
経済活動は年内、かなり弱い状態が続く見通し
経済指標、低レベルながら安定の兆候も一部にある
商品価格の下落、実質可処分所得や支出を支援している
刺激策や政策措置により需要が回復へ
第1四半期の成長は大幅なマイナスに
経済見通しに関するリスクはほぼ均衡している
リスクには、危機の経済への悪影響が含まれる
成長に対する下方リスクには、保護主義の圧力が含まれる
商品価格の下落はプラス影響を及ぼす可能性
インフレ圧力の低下が広範囲にわたる兆候が強まっている
インフレ率は向こう数カ月で一段と低下する見通し
インフレ率は年央あたりに一時的にマイナスになる可能性、その後上昇へ
インフレ率、2010年は2%下回るがプラスで推移する公算
マネー拡大ペースの鈍化が続いている
短期貸し出しの減少、需要低下を反映している可能性
企業・家計向け融資金利は低下した
最新のマネー・信用の統計、銀行がレバレッジを縮小させているとの見方を裏付け
危機が深刻化して以来、ユーロシステムは前例のない措置をとってきた
短期金融市場金利、明確に低下してきている
市場金利の低下は融資金利の低下に寄与
金融政策、家計・企業への支援になっている
これらの措置を必要な時に解除できるようにする
引き続きインフレ抑制を確実にしていく
引き続きあらゆる動向を監視していく
ユーロ圏経済の強化が主眼
受け入れ担保の一時的拡大、2010年末まで延長することを決定

同じく、質疑応答ひまわり証券FXオン・ザ・ウェブより】

EIBをカウンターパーティとする措置、400億ユーロの追加供給につながる可能性
新たな金利水準、最低とはまだ決めていないことに留意すべき
この金利水準は必ずしも最低ではない
将来、この水準から決して下げられないとは決めなかった
ECBは現在の金利水準が適切と認識
新たなスタッフ予想が大幅に下方修正されることを考慮
スタッフ予想。欧州委員会やIMFの予想と沿った内容になる見込み
債券買い入れに関する詳細で原則合意、次回理事会で示す見込み
債券の買い入れ規模は600億ユーロになる可能性
現行水準は適切=ゼロ金利について
金利はこれが下限とは決めていない
きょうの決定は全会一致
次回会合のことを前もって予想せず=金利がこれ以上下がらないと保証するかとの質問に
ユーロ圏全体にとって適切だと判断することをやっている=カバードボンドについて
カバードボンド、今回の危機で特に打撃を受けた債券と理事会は認識
それが、われわれがカバードボンドに重点を置く理由だ
600億ユーロは債券の活性化に寄与するために適切な水準と思われる
下した決定はすべて、現状に見合うものではなくてはならない
信用支援拡大の主要な領域をやや逸脱することが可能で、そうすべきとわれわれは考えた
不胎化と出口戦略が不可欠
インフレ期待をしっかり抑制するうえで、最大限の信用性を確保することが不可欠
各国の中央銀行は、将来のインフレという雑音を排除している
何も付け加えることはない=金利を当面低水準に維持すると約束できるかとの質問に
買い入れについて他の決定はしていない=他の資産買い入れの可能性を排除するかとの質問に
量的緩和に踏み込んでいない
資産買い入れの詳細は6月に発表する予定
買い入れについて他の決定はしていない=他の資産買い入れの可能性を排除するかとの質問に
量的緩和に踏み込んでいない
資産買い入れの詳細は6月に発表する予定
代替的措置を解除できないとの批判に対する擁護、われわれには必要ない
ドイツの指標には勇気付けられる
経済の安定化について現実的になる必要がある
第1四半期は予想よりはるかに弱かった、第2四半期はマイナス幅がかなり縮小へ
われわれは、経済の問題ある部分に集中することが適切と考えている



以下、詳細はロイターの記事よりどうぞ↓

英中銀が資産買い入れを拡大、政策金利は据え置き
【ロイター 2009年5月8日】

[ロンドン 7日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)は7日、政策金利を過去最低の0.5%で据え置いた。英中銀はまた、資産買い入れプログラムを継続するとも発表。資産買い入れ規模を500億ポンド拡大し、総額で1250億ポンドとすることを明らかにした。

 英経済を下支えするため、中銀はすでに、国債などの資産を500億ポンド以上買い入れている。このペースで進めば、(今回の増額前の)従来の量的緩和政策は遅くとも6月上旬までには完了する予定だった。

 発表を受けてポンドは下落、英国債先物は上昇した。市場ではこれまで、資産買い入れ計画が今月末で停止されるとの観測が広がっていた。

 インベステックのエコノミスト、フィリップ・ショウ氏は「政策金利が0.5%で据え置かれたことは、サプライズではない。ただ量的緩和を500億ポンド拡大するとの決定はやや意外だった。規模は据え置いた上で、既存のプログラムの影響を評価する、と予想していた」と述べた。

 中銀は昨年10月以来、合計4.5%ポイントの利下げを実施した。

 中銀は7日、資産買い入れプログラムの完了にはさらに3カ月かかる、との見方を示したほか、その規模を引き続き見直していくと表明した。

 <景気回復の時期と強さは不透明>

 中銀は、景気刺激策は有効と強調したが、どの程度迅速に景気回復につなげられるかは不透明との認識を示した。インフレ率は年内に目標の2%を下回る、との見通しを示した。3月のインフレ率は2.9%だった。

 声明は「刺激策は経済成長の回復につながり、インフレ率は目標の2%に戻る。ただ。回復の時期と強さは非常に不透明だ」としている。

 英経済は第1・四半期、1979年以来の大幅なマイナスを記録。通年では第2次世界大戦以降で最大のマイナスになると予想されている。

 ただ、経済指標にはこのところ、英経済の落ち込みペースが緩やかになっている兆候も見られている。消費者信頼感がこの2カ月間で大きく回復したほか、株式市場も上昇し、短期金融市場の緊張も和らいでいる。

英中銀の声明全文【ロイター 2009年5月8日】

[ロンドン 7日 ロイター] イングランド銀行(英中央銀行)は7日、政策金利を過去最低の0.5%で据え置いた。英中銀はまた、資産買い入れプログラムを継続するとも発表。資産買い入れ規模を500億ポンド拡大し、総額で1250億ポンドとすることを明らかにした。

 中銀が発表した声明は以下の通り。

 英中銀金融政策委員会は本日、政策金利を0.5%とすることを決定した。また、資産買い入れプログラムを継続し、規模も500億ポンド拡大し1250億ポンドにすることを決めた。

 世界経済は依然、深刻なリセッションに陥っている。生産の落ち込みが続き、国際貿易も急激に減少した。国際銀行・金融システムは、当局のさらなる大規模介入にもかかわらず依然ぜい弱だ。英国では、国内総生産(GDP)が2009年第1・四半期に大幅なマイナスとなった。しかし、国内外の調査は景気悪化のペースが緩やかになりつつあることを示唆している。

 3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は2.9%と、目標の2%を大幅に上回った。過去のポンド安が、引き続きインフレ押し上げに働いた。ただ、経済余力が拡大し、労働市場の緩みが賃金圧力の緩和に寄与。CPI上昇率は、食品・エネルギー価格の影響もあって今年中に2%の目標を下回るとみられる。経済の多大な余力はインフレ抑制に働き続けるはずだ。

 金融政策委員会は、経済活動の見通しについて、相殺し合う2つの力に支配されていることに留意。英経済の調整プロセスは世界需要の低迷と相まって、引き続き経済活動の大きな足かせとなる。しかしその一方で、国内外の金融・財政政策の緩和、ポンド安、商品価格の下落、信用の緩和を狙った国際協調的な当局の行動による大きな景気刺激効果もある。そうした刺激は今後、経済成長を回復させ、インフレの目標以下に押し下げるはずだ。ただ、回復のタイミングと強さについては不透明感が強い。

 こうした見通しを踏まえ、CPI上昇率を中期的に目標の2%より低くするために、金融政策委員会は、主要政策金利を0.5%に維持することが適切と判断した。また、国債・社債の買い入れプログラムを継続し、規模を500億ポンド増やして1250億ポンドとすることでも合意した。金融政策委員会は、同プログラムの完了にさらに3カ月を要すると予想。またプログラムの規模については、見直しを続けていく。

 金融政策委員会のインフレ報告は5月13日に発表する。また、今回の委員会の議事録を5月20日に公表する。

ECB、カバードボンド買い入れなど非伝統的措置発表
【ロイター 2009年5月8日】

[フランクフルト/ロンドン 7日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は7日、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ1.00%にすると発表した。トリシェ総裁はその後の会見で、借り入れコストを低下させ景気回復につなげるための3本立ての非伝統的措置を発表した。

 総裁は会見で「信用向けの支援拡大を進めることを決定した」と表明。

 発表によると、理事会は、ユーロ圏の企業が発行したカバードボンドの買い入れを決定したほか、銀行への資金供給では期間をこれまでの倍の最大12カ月にした。さらに、欧州連合(EU)で長期融資を手がける欧州投資銀行(EIB)にECBの資金供給オペに参加することを認め、ECBから資金を調達できるようにした。

 総裁は、ユーロ圏の銀行からユーロ建てのカバードボンドを買い入れるとの決定について、「量的緩和」ではない、と表明した。「大きく打撃を受けた市場の再生」を構想とし、スプレッドや流動性を含めてその市場を改善させることが目的と説明、「量的緩和に乗り出したわけではない」と述べた。

 カバードボンドとは、モーゲージローンなどの資産プールを担保に発行される債券で、ほかの債券よりも安全性が高いとみなされている。

 バークレイズ・キャピタルのマネジングディレクター、テッド・ロード氏は「明るい日々が戻ってくる」と話す。 「ユーロ圏金融市場の治癒(ちゆ)に向け非常に効果的な手法。健全なカバードボンド市場は、住宅市場と公共インフラという景気回復に必要な2分野を支援する」と述べた。

 トリシェ総裁は、カバードボンド買い入れを決めた理由として、この市場が金融危機により特に大きな打撃を受けたため、と説明している。

 <カバードボンドの買い入れは全会一致で決定>

 2008年9月中旬のリーマン・ブラザーズ経営破たんを受けて、カバードボンドの発行は実質的に停止した。BNPパリバが今年1月に発行を再開したものの、発行はその後も低水準にとどまっている。

 SG・CIBのストラテジスト、キーラン・オハガン氏によると、600億ユーロという買い入れ規模は、ユーロ建てカバードボンドの発行残高の10%弱、あるいは今年に入って現在までの新規発行分(150億ユーロ)の4倍に相当する。08年の発行額は960億ユーロだった。

 同氏は「600億ユーロはかなり大きな規模だ」と指摘。「これは正しい方向への一歩。ECBは一段の措置を導入するだろう」と述べた。

 半面、バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、ジュリアン・キャロウ氏は、600億ユーロという規模について、銀行システム全体からみると非常に少額だと主張する。「これは、ユーロシステムの現在のバランスシートの3%、(2006年末のような)より正常な時期のバランスシートの5%相当で、われわれが予想する2009年ユーロ圏名目域内総生産(GDP)の0.7%にすぎない」としている。

 トリシェ総裁は、カバードボンドの買い入れについて「資産や負債に関する非常に深い議論の末」全会一致で決定した、と述べた。「この分野の資金調達は大変厳しい状況にある」としたうえで、理事会はほかの種類の証券については、こうした決定は下していない、と付け加えた。

 ECBは、6月4日の次回理事会で、カバードボンド買い入れに関する技術的な詳細を決定する。総裁は「事前には何もない」としている。

 総裁は、期間12カ月の資金供給オペについては、第1弾は6月23日に発表する、と述べた。金利は主要政策金利(1.0%)だが、それ以降は、必要に応じてより高い金利を設定する可能性もある、という。

 総裁は「これらの決定は、短期金融市場における金利低下の促進、銀行による貸し出しの維持・拡大、民間債券市場の重要セグメントにおける流動性の改善、銀行と企業の資金調達環境改善が狙いだ」と述べた。