GMが連邦破産法適用を申請、オバマ米大統領も声明発表

NY市場オープン前にGMが連邦破産法11条の適用をニューヨーク州マンハッタン破産裁判所に申請しましたが、11条適用申請の規模としては全米史上でリーマン・ブラザーズ、ワールドコムに続く3番目(米製造業部門では最大)だそうで。

オバマ大統領も声明を出しましたが、GMとクライスラーのトップが3日午後2時半(日本時間4日午前3時半)から上院商業委員会の公聴会で証言を行なうそうです。

ニュースの中でたびたび目にするGMのデトロイト本社ですが、いい加減こんな無駄にデカイのいらないやん、と思うのは私だけでしょうか?
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NY時間のマーケットは「ヤレヤレやっと決まったか」って感じなのかISMなどの指標も予想より良かったこともあって総じて大幅な株高。全面ドル安・クロス円高の中で1人取り残されたドル円も94円台半ばから96円台半ばまで上昇しました。また、ダウ平均とS&P500からそれそれGMが除外されました(ダウ平均はシティとGMを除外して損害保険大手トラベラーズとネットワーク機器大手シスコシステムズを採用、S&P500はGMの替わりに教育関連企業のデブリーを採用)。

オバマ大統領は
「GMの利害関係者は信頼に足る達成可能なプランをまとめた。米政府は(再建を)支援する」
「しっかりと管理されれば、新生GMは世界の自動車業界での競争に勝ち抜き、再び米国経済の将来にとって欠くことのできない存在として頭角を現すと確信している」
などとコメントしたようです。
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日本語で読めるニュースの中でしとらすがちょっと気にかかったのは、日経ビジネスオンライン『GM再建、カギ握る「大宇」と「上海」』という記事が上がっていたことで、これに目を通しながら、(GMの話はこの時期になるだろうというのは前からわかってたにもかかわらず)今アメリカでなく中国にいるガイトナー米財務長官は、おそらくは通貨の話と米国債売り込みがメインだったんでしょうけど、裏ではひょっとしてGM絡みの話もあったのかなぁ・・・と思ったりしました。トヨタにふられた(100%憶測ですが)から大変よね。敢えてこの記事にツッコむなら、上海はともかく今の韓国の情勢で大宇は壮大に足を引っ張るだけだぞ、ということですが(苦笑)。


米GM、連邦破産法適用を申請【ロイター 2009年6月2日】

[デトロイト 1日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は1日、連邦破産法11条の適用をニューヨーク州マンハッタン破産裁判所に申請した。11条適用申請の規模としては全米史上で3番目。

 破産申請はおおむね予想されていた。

 3月31日時点で連結資産は822億9000万ドル、負債は1728億1000万ドル。

 GMの取締役会は前日5月31日、破産申請と米財務省による破産手続き計画を承認した。

 米政府は今後、追加で300億ドルの融資を実施し、新会社の株式60%を取得する計画。新会社は政府支援の下、GMの最良資産を買い取る意向で、8月末までの手続き終了を目指す。

 最大の無担保債権者にはウィルミントン・トラスト(227億6000万ドル)や全米自動車労組(205億6000万ドル)などが含まれる。

 また、ステートストリートは議決権付証券の17%を保有している。

米GM、破産保護から早期に脱却すると確信=オバマ大統領
【ロイター 2009年6月2日】

[ワシントン 1日 ロイター] オバマ米大統領は1日、ゼネラル・モーターズ(GM)が破産保護から速やかに脱却することを確信しているとし、政府はGMの経営には消極的な大口株主だと述べた。

 GMによる破産法適用申請の数時間後にホワイトハウスで会見した大統領は、工場や新製品、日々の操業に関する決定は政府ではなくGMが行うと語った。

 大統領は、従業員と債権者の痛みを伴う譲歩により、GMの再建完了と成功への機会をもたらす存続・遂行可能な計画が達成された、と述べた。

 「しっかりと管理されれば、新生GMは世界の自動車業界での競争に勝ち抜き、再び米国経済の将来にとって欠くことのできない存在として頭角を現すと確信している」と語った。

 米政府は新生GMの株式を60%取得する。GMの破産手続きは60─90日で完了することが見込まれている。

 大統領は、GMやクライスラーへの政府介入について、自動車業界の崩壊と米経済への深刻な影響を回避するうえで必要、との見方を示した。

米GMが破産申請、60─90日以内の手続き完了目指す
【ロイター 2009年6月2日】

[デトロイト/ワシントン 1日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は1日、連邦破産法11条の適用をニューヨーク州マンハッタン破産裁判所に申請した。11条適用申請の規模としては全米史上で3番目、米製造業部門では最大となる。

 米政府は追加で300億ドルの融資を実施し、新会社の株式60%を取得する計画だが、先行きは不透明とみられている。

 3月31日時点で連結資産は822億9000万ドル、負債は1728億1000万ドル。GMの取締役会は前日5月31日、破産申請と米財務省による破産手続き計画を承認した。

 GMの破産申請を受け、同社株はダウ平均株価の構成銘柄から除外され、ニューヨーク証券取引所(NYSE)でも「上場に適していない」として廃止された。

 オバマ米大統領は、労働者と債権者の妥協により、存続・遂行可能なリストラ計画ができあがったとし、成功の機会はあると指摘。「うまく管理されれば、新生GMは(破産法の保護下から)脱却し、世界の自動車メーカーを追い抜き、再び将来の米経済にとってなくてはならない存在になり得ると強く確信している」と語った。

 再生計画では、速やかな売却手続きにより会社規模を大幅に縮小し、破産手続きの60─90日以内での完了を目指す。新生GMと旧GMを選別するにあたって、GMは363セールと呼ばれる連邦破産法363項に基づく資産売却を行うとした。新生GMの資産は米国とカナダ政府、全米自動車労組(UAW)や無担保債権者によって保有される新会社に移管される。

 GMは裁判所に提出した書類のなかで、7月10日までに売却が承認された場合のみ米財務省は新生GMに対する融資を行うと言明したことから、363セールは迅速に行われる必要があるとした。

 最大の無担保債権者にはウィルミントン・トラスト(227億6000万ドル)や全米自動車労組(205億6000万ドル)などが含まれる。また、ステートストリートは議決権付証券の17%を保有している。

ダウ平均続伸、破産法申請受けたGMめぐる不透明性低下で
【ロイター 2009年6月2日】

[ニューヨーク 1日 ロイター] 米株式相場は続伸。堅調な経済指標を受けて需要安定化への期待が高まった。また、ゼネラル・モーターズ(GM)が長らく予想された通り破産法適用を申請し、同社の今後をめぐる不透明性が低下した。

 ダウ工業株30種は221.11ドル(2.60%)高の8721.44ドル。

 ナスダック総合指数は54.35ポイント(3.06%)高の1828.68。

 S&P総合500種は23.73ポイント(2.58%)高の942.87。

 米供給管理協会(ISM)が1日発表した5月の製造業部門景気指数は42.8と前月の40.1から改善し、2008年9月以来の高水準をつけた。市場予想の42.0も上回った。景気を見極めるうえでの分岐点となる50を依然下回っているものの、深刻な経済低迷の緩和を示唆する内容となった。

 中国の製造業が安定化しつつある兆しが示されたことも、新興国市場の商品需要が世界経済の回復をけん引するとの見方から支援材料になった。

 アラン・B・ランツ&アソシエーツのプレジデント、アラン・ランツ氏は、経済安定化の兆しに言及し「グリーン・シューツ(若芽)が出てきた可能性がある。一番のニュースは中国の指標の改善だろう」と述べた。

 この日は幅広い銘柄に買いが入った。S&Pは2008年11月以来の高値で引けた。ダウは09年1月以来の高値、ナスダックは08年10月以来の高値で終了した。またS&Pの終値は07年12月以降初めて200日移動平均を上回った。

 大型製造株が大きく上昇した。航空機大手ボーイングは6.4%急伸。総合電機大手ユナイテッド・テクノロジーズは5.1%高。

 エネルギー株も上昇。石油大手シェブロンは約4%高、エクソンモービルは3.5%高となった。

 その他の天然資源株も買われ、アルコアは6.6%、フリーポート・マクモランは6.8%それぞれ値を上げた。

 自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は1日、予想されていた通り、連邦破産法11条の適用を申請した。これを受け、同社の先行き不透明感が一部払しょくされた。

 ダウ・ジョーンズ・インデクシズは1日、ダウ工業株30種の構成銘柄について、GMを除外し、ネットワーク機器大手シスコシステムズを採用する方針を明らかにした。同社はまた、金融大手シティグループを除外し、損害保険大手トラベラーズを採用する計画。

 シスコは5.4%高となり、ナスダックの上げを主導した。トラベラーズは3.1%上昇。

 GMは前営業日比変わらずの0.75ドルで終了。シティグループは0.8%下落した。

米GMの資産売却、数年かかる可能性=アナリスト
【ロイター 2009年6月2日】

[ニューヨーク 1日 ロイター] 米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は1日、連邦破産法11条の適用をニューヨーク州マンハッタン破産裁判所に申請。資産売却に乗り出すが、業界アナリストや銀行関係者は、対象資産すべての売却には数年必要とみている。

 GMは、売却を希望する資産はすべて「旧GM」に移管し、その他の売却しない資産は「新生GM」に移す計画。「旧GM」には、ハマーやサーブ、サターンなどの各ブランドや、一部工場が移管される見通し。

 破産手続きでは、裁判所がすべての売却を承認する必要があり、債権者も売却に反対する権利を持っているため、通常よりも時間がかかる。

 破産申請を受けて資産が安値で買い叩かれる可能性もあるが、これらの資産はすでに価値が落ちているため、影響は大きくないとみられる。

 売却プロセスに関与する関係者は「資産価値はすでにゼロだ。破産法を申請したことにより、価値がこれより下がることはない」と述べた。

 <ハマー、サーブ>

 GMはここ1年近くにわたり、ハマーの売却先企業を模索している。

 ある関係者は1日、ロイターに対して、GMはハマーに関する決定を数日以内に発表する、と述べた。買収候補は海外の2社、としている。

 投資銀行の関係者は、ハマーの売却価格は1億ドル以上にはならない、とみる。当初は5億─7億5000万ドル程度と予想されていた。

 GMは、サーブの売却先も募っている。関係筋によると、スウェーデンの高級車メーカーのケーニグセグ、米実業家アイラ・レナート氏、および同氏が率いるレンコ・グループが、選考の最終段階に残っている。

 GMは1990年にサーブの50%株を7億ドルで買収。2000年には1億2500万ドル支払いと債務引き受けで残りの株を取得した。GMからのサーブ買い手はこれを大幅に下回る価格で取得する見通し。

焦点:オバマ政権、GMの経営不関与方針貫くのは困難か
【ロイター 2009年6月2日】

[ワシントン/シカゴ 1日 ロイター] 米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)が1日、連邦破産法11条の適用を申請した。米政府は、新生GMの株式60%を保有することになっている。

 オバマ大統領は、政府が大株主になっても経営に関与しない方針を示しているが、それを貫くのは難しいとの見方が多い。

 オバマ政権は環境にやさしい技術の開発利用促進を優先課題に掲げているが、それはGMの車種などの問題に影響を与える可能性がある。

 議会の存在もある。すでにGMの一部生産拠点を海外に移そうという提案に一部議員が反対している。今後、どこの工場を閉鎖するかという問題から経営幹部の報酬に至るまで、さまざまな事柄に口出ししてきそうだ。

 2008年米大統領選挙の共和党候補マケイン氏の政策顧問を務めたダグラス・ホルツイーキン氏は「政府はすでにCEOをやめさせ、取締役会を刷新、生産すべき車種にも言及している」と指摘。「これがいつまで続くか、簡単に終わらせられるか分からない」と述べている。

 オバマ政権は、GMが法的整理を短期間で終わらせ再生することを望んでいる。

 新生GMには、米政府が約300億ドルを注入し、約60%の株式を取得する。カナダ連邦政府とオンタリオ州政府は、12%の株式を取得する。

 オバマ大統領は「われわれは、消極的な株主として行動する。なぜならそれがGMの成功を支援する唯一の方法だからだ」と表明。GMの経営には関心ない、としている。 

 <政治介入に対する安全網構築> 

 オバマ政権は、政府当局者がGMの取締役になるなど、政府の介入を防止する安全網を構築したとも言っている。

 5月31日夜にGM再建計画の内容を報道関係者に説明した政府当局者は、大株主となる政府の役割について、特定の会社の株式を大量に保有しても経営関与は求めない米運用会社フィデリティ・インベストメンツのようなものと説明した。

 当局者は議員とも電話会議し、政府としてはきちんと線引きし、工場閉鎖といった問題で政治の介入は許さない姿勢を明確にした。

 ガイトナー財務長官の助言役であるジーン・スパーリング氏によれば、オバマ政権は2つの主要な目標のバランスをとりたいと考えている。政権は強力な取締役会と「存続可能なための戦略」を確実にしたいと考えているが、「それと同時に日々の経営に関する決定には関与しないというコミットメントを同じくらい強く持っていなければならない」としている。

 オバマ政権のGM再建策に野党共和党はいち早く反発。インターネットで「Government Motors」と銘打った動画を配信した。

 アナリストは、早期にGM株を売却するという政府の期待は実現性に乏しいとみている。

 ソラリス・アセット・マネジメントのティム・グリスキー最高投資責任者(CIO)は、政府がまずやるべきなのはGMを安定させることだと指摘。「それは、ある程度の時間がかかるか、上手くいかないかのどちらかだろう」としたうえで「時間を要するとすれば、政府が保有株を手放すことができる状況になるまで5年くらいかかる可能性がある」と述べた。 

 <この先混乱も> 

 元フォード・モーター(F.N: 株価, 企業情報, レポート)幹部で現在はボストン大学経営大学院院長のルイス・ラタイフ氏は、政府当局者が介入要請を拒否できないのではないか、とみている。GMと全米自動車労組(UAW)の次の労働協定交渉は2011年。このとき政府はまだ大株主でいる可能性がある。

 ラタイフ氏は「混乱は避けられないだろう」と予想。さらに、米政府には自動車メーカーの経営は無理との見方を示し「ワシントンが民間企業を経営できるという保証はない」と述べた。

 一方、自動車市場や景気が回復すれば政府は1─2年で保有株を売却するために動くとの見方もある。そうしなければ納税者はいつまでも損失を抱え続けることになる。

 メシロウ・フィナンシャルのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「もし5年後に米政府がまだGM株を保有していたら衝撃的だ。政府はその時点で消却したいと考えるだろう」と述べた。

 (Caren Bohan/Ben Klayman 記者;翻訳 武藤邦子;編集 宮崎亜巳)

GM再建、カギ握る「大宇」と「上海」~韓国の開発拠点温存、中国からも対米輸出開始
【日経ビジネスオンライン:ニュースを斬る 2009年6月2日】

 米ゼネラル・モーターズ(GM)の経営危機が世界の自動車産業に与える影響は、これまではどのブランド、どの子会社が誰に売却されるのかという「GM解体」の側面から語られることが多かった。しかし連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)適用の申請が現実になった今、同じくらい注目されるのが破たん処理後の「新生GM」が何を残し、復活に向けてどんな手を打つかだ。

 結論から言えば、新生GMは米本土で工場閉鎖や人員削減などの合理化を進めると同時に、新型車の開発、生産、販売で大胆な“アジアシフト”を急ぐ可能性が高い。そのカギを握るのが韓国の子会社「GM大宇自動車技術」と、中国の上海汽車との合弁会社「上海通用(GM)」である。

 「GMが中国で生産したクルマを2011年から米国で販売へ」――。3週間前の5月12日、米自動車専門誌オートモーティブ・ニュース(電子版)はそう報じた。同誌はGMが米議会の議員に配布した再建計画案の文書を入手、その中でGMは、2011年に中国生産車を米国で1万7335台販売し、2014年にはこれを5万1546台に増やす計画を提示していたという。

 翌日には米ウォールストリート・ジャーナルも同じ文書を基にした記事を配信、オートモーティブ・ニュースの報道を裏付けた。このニュースは、世界の主要メーカーで初めて中国生産車の対米輸出を表明するものとして自動車業界の注目を集めた。

▼破たん前から“アジアシフト”に布石

 GMと全米自動車労組(UAW)の交渉が大詰めを迎えていた時期のニュースだけに、米メディアでは「中国生産車の対米輸出計画はUAWに対する牽制」という見方も報じられた。実際、GMは5月29日、UAWとの交渉合意に基づいて米国内の閉鎖された工場1カ所を再開し、小型車を生産すると発表した。

 しかしUAWとの交渉が妥結したからといって、新生GMが中国生産車の対米輸出を白紙に戻すとは考えられない。と言うのも、GMのアジアシフトは決して今に始まった話ではないからだ。

 この5~6年、GMは韓国のGM大宇と中国の上海GMに巨額の投資を行い、小型車の開発機能と生産能力を拡大してきた。その結果、GM大宇は欧州および新興国市場向けの輸出拠点、上海GMは急成長する中国市場向けの現地生産拠点として、GMの世界戦略に欠かせない存在になっている。

 GM大宇は2008年、韓国国内販売と輸出(組み立てキットを含む)の合計で190万台余り、上海GMは傘下の軽商用車メーカー上海GM五菱を含めて109万台余りを販売した。両社を合わせれば約300万台と、GMグループの世界販売(約835万台)の実に約36%に相当する。

 それだけではない。上海GMの最量販車種である小型セダン「ビュイック・エクセル」とコンパクトカー「シボレー・ロバ」は、ともに韓国にあるGM大宇の開発センターが設計し、上海のPATAC(汎アジア自動車技術センター)が中国市場向けの内外装のモディファイなどを行った。PATACは1997年にGMと上海汽車が合弁で設立した開発拠点で、技術移転を積極的に進めた結果、今やGMのグローバルな新車開発の一翼を担う技術力を持つ。

 上海GMの工場で生産されるクルマの品質は、既に韓国や米国の工場と遜色ないとされる。韓国で設計した小型車を中国で量産し、米国に輸出することは、理論的にはすぐにも始められる。

 GMはこれまで、中国生産車を米国に輸出する可能性を慎重に否定してきた。「中国市場でのシェア拡大が優先」というのが表向きの理由だが、背後にはUAWの反発に対する政治的配慮があったのは間違いない。

 今回の破産法申請と、それに伴うUAWとの合意で、新生GMはアジアシフトを進めやすくなる可能性が高まる。GM経営陣はそれを見越し、早い段階から布石を打ってきた。それが如実に表れているのが、GM解体に伴う独オペルの売却と、GM大宇の温存だ。

 1990年代まで、GMは大型の乗用車やSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)は主に米本社で、中小型車は欧州子会社のオペルで開発する分業体制を敷いてきた。そこに2002年に加わったのがGM大宇である。同社はアジア通貨危機の影響で2000年に経営破たんした旧大宇自動車をGMが買収して発足した。

 ウォン安によるコスト競争力を背景に、GMはGM大宇を低価格のコンパクトカーや小型車の開発・生産拠点として育成し、ユーロ高に苦しむオペルは中型車にシフトさせた。そんな中で陥った今回の経営危機で、GMは1931年の買収から78年の歴史を持つオペルを分離売却し、買収からわずか7年のGM大宇を温存するという対照的な選択をした。

▼自動車産業の新たな中国シフトを誘発する可能性も

 オペルに比べて、GM大宇の経営状態が良いわけでは決してない。GM大宇は生産の9割を輸出しており、その販路のほとんどをGMに依存している。リーマン・ショック後の世界的な自動車販売の急減速を受け、GM大宇の輸出は激減した。同社は既に銀行の融資枠を使い尽くし、韓国の政府系金融機関である韓国産業銀行に資金支援を要請している。

 実は、GM大宇の破たん回避を巡っては、ここ数カ月韓国政府および韓国産業銀行とGMが激しいさやあてを繰り広げている。GM側は、GM本社に対する米国政府の資金支援の一部を海外子会社に振り向けることはできないとし、韓国政府にGM大宇への支援を求めた。これに対して韓国側は、GM大宇をグローバルな戦略拠点に位置づけることをGMが保証しなければ支援できない、と反発した。

 これはGMが韓国政府から支援策を引き出すための駆け引きと見るべきだろう。前出のGMが米議員に配布した再建計画案には、中国生産車の対米輸出開始に加え、韓国生産車の米国販売を2010年の3万6967台から2014年に15万7126台に大幅に増やすことが盛り込まれていた。要するに、新生GMの再建計画は、GM大宇の存続が前提なのだ。

 「GM大宇を売却する計画はない」。4月20日、上海モーターショーに出席したGMアジア太平洋部門のニック・ライリー社長はメディアの取材にそう明言した。さらに、米工場の閉鎖に伴い中国に新工場を建設する可能性も示唆した。これがGMの本音だろう。

 もちろん、新生GMのアジアシフトが思惑通りに進むかどうかは予断を許さない。GM大宇では旧大宇自動車時代から労働争議が頻発してきた歴史があり、韓国政府との交渉次第では経営が迷走する可能性もある。また、上海GMの合弁パートナーである上海汽車は中国の国有企業であり、中国生産車の対米輸出は米議会の警戒と反発を招くリスクがある。

 だが、仮に新生GMが中国生産車の本格輸出を開始し、米国がそれを受け入れれば、世界の自動車産業に大きなインパクトをもたらすだろう。日本メーカーは国内外の生産拠点の再配置を迫られ、新たな中国シフトを誘発する可能性も否定できない。

11 Replies to “GMが連邦破産法適用を申請、オバマ米大統領も声明発表”

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