BOE・ECB・BOCいずれも政策金利据置、ブラウン英首相辞任の噂でポンド急落

なんか今週はいつも以上に為替市場が政治に左右されてる気がしないでもないですね。

メドベージェフ露大統領が世界通貨云々の発言をしたことでドルが全面安、翌日にはアジア方面からドルを支援する発言が出てドル高(ガイトナー米財務長官が中国に行った甲斐がありましたね)。昨夜は9時前でしたか、ECBの発表から10分ほど経って急に欧州通貨が急落して「何事か?!」と思ってFX業者のHPを回っても理由がわからず、落ち方からしてポンドが原因というくらいはわかるものの・・・結局はブラウン英首相辞任の噂が原因だったんですね。

凄かったな、乱高下。5分もしないうちに1.6370付近から1.61を割るところまで落ちたんですから。

英国での地方選挙&欧州議会選挙を目前にブラウン政権がかなりグラついてるのはなんとなく知ってはいたんですが、そのわりに一時的にでもポンドドルが1.66台・ユーロポンドが0.85台までとポンドが強いところを見せてたので、「政治は無視かい?!」と思ってたところに・・・まとめてドッと来た感じですね。予想できないわけじゃあるまいに、とグチりたくなります(今週は調子悪いので・苦笑)。

で、昨夜発表があった3ヶ国の中銀の件をまとめて。

【ひまわり証券HPより】

《BOE》
政策金利を0.50%に据え置くことを決定
資産買い入れプログラムの規模を1250億ポンドに据え置き
量的緩和プログラムを完了するにはあと2カ月必要、規模は見直し中

《BOC》
カナダドルのこれまでにない急騰を用心し、金利を据え置いた
2010年第2四半期まで、金利を据え置くことを明言
非伝統的措置については言及しない
ここ最近の金融状況の大きな改善と、商品価格、そして消費の改善を表している
カナダドル高は商品価格の上昇と弱い米ドルを反映
マクロ経済のリスクはおおよそバランスが取れており、インフレリスク見通しは下落傾向
強いカナダドルはポジティブな要素を相殺
低い金利の中、相当に柔軟性のある金融政策を引き続き行う
4月以降のレポートによると生産高・インフレ見通しは概して一致したものである
世界経済、カナダ経済の回復は引き続き、通常よりも弱いものになると予想

《ECB・トリシェ総裁記者会見》
現在の主要金利は適切な水準
物価動向は抑制された状態が続くとの見通しを確認
09年下期の経済活動は上期に比べ落ち込みが和らぐ見通し
中長期的なインフレ期待を示す指標はしっかり抑制されている
インフレ圧力は緩やか
最近のデータは信用の伸び鈍化を示している
中期的な物価の安定は維持できる見通し
最近の経済活動は回復したが、水準は低い
10年半ばまでには四半期の成長率がプラスになる見通し
年内の経済成長はマイナスになるがその度合いは和らぐ
スタッフ予想の下方修正。前年からのネガティブな持ち越し効果や第1四半期の低迷によるもの
来年は緩やかに回復する見通し
来年の景気回復見通しは、景気を支える対策を反映
景気見通しのリスクはおおむね均衡している
景気対策はポジティブなリスク要因、信頼感は急速に回復する可能性
世界経済の好ましくない動向や不均衡が下方リスク要因
インフレ率は今年半ば頃までマイナスが続き、その後は上昇する見通し
インフレ率は09年末までにプラス圏に戻る見通し
インフレ期待をしっかり抑制することが重要
中長期的なインフレ期待を示す指標はしっかり抑制されている
インフレ見通しのリスクはおおむね均衡している
経済見通しがインフレの下方リスク
コモディティ価格の上昇がインフレの上方リスク
600億ユーロの債券を購入する=カバードボンドについて
購入対象はユーロ圏全体の債券
600億ユーロの購入は直接購入の形で行う
発行市場と流通市場の双方で買い入れる
債券は担保として適格なものである必要
債券はUCITの正式な定義に準じたものである必要
債券は5億ユーロ、あるいはそれ以上の価値が必要
債券は主要格付け機関から「AA」あるいはそれと同等の格付けを得ている必要
買い入れは7月から開始する
買い入れは10年6月末までに完了する見通し
あらゆる動向を引き続き非常に注意深く監視していく
金融政策は引き続き家計を支援していく
銀行はさらに資本を強化し、政府の対策を利用する必要
ECBの利下げは引き続き経済に浸透している
債券の買い入れ対象は3から10年物に集中する
出口戦略は最も重要と考えている
量的緩和とは呼ばない
われわれは常に警戒している
今回の決定は全会一致
前月の理事会での資産買い入れに関する議論にはコメントせず
現段階ではこれ以上の決定はない=買い入れた債券を不胎化するのかとの質問に
現在の金利が必ずしも最低水準だとは決めていない
何か決めた時にはそれを伝える=カバードボンドについて
600億ユーロと決めた、それ以上言う事はない=債券買い入れ額拡大に関する質問に
状況を注視している=バルト海諸国に関する質問に
債券利回りの上昇は長期的なインフレ見通しも一因
コメントしない=ラトビア通貨切り下げの可能性について
ラトビアは通貨を変更せずに適切な決定を下すと確信
カバードボンドの購入、発行市場と流通市場の双方で適切な水準で行う
銀行監督システムは非中央集権的、各国当局に委ねる=ストレステストについて
米当局が強いドルが利益にかなうと言うことが非常に重要
強いドルが米国の利益にかなうとの考えを大いに評価する
短期金融市場のスプレッドはリーマン破たん前の状態にある
5年物フォワード指標は物価安定を示している
メリケル独首相に対してはECBの独立性について明確に話した
メリケル独首相はECBの独立性を支持することを確認した
デフレリスクは変化していない
大半の専門家の見方では、10年第1四半期のGDP伸び率がゼロ%になる
環境が回復すれば、迅速に流動性を吸収する
M3伸び率の鈍化ペースは以前ほどではなくなっている

金利は据置きましたが、BOCからはカナダドル高への懸念をかなり強い口調で発した様子でしたし、ECBは経済見通しを下方修正したようでした。昨夜も原油先物が一時1バレル70ドルに乗せるなど、このところ商品価格の上昇が目立ってますが、景気回復の足を引っ張る事態にならないことを祈るのみです。

ECBが金利据え置き、経済見通しを下方修正
【ロイター 2009年6月5日】

[フランクフルト 4日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は4日、主要政策金利を大方の予想通り過去最低の1.0%に据え置いた。景気判断については、従来見通しを下方修正し、2009年は一段と深刻なリセッション(景気後退)に陥り、10年半ばまでプラス成長には戻らないとの見方を示した。

 ECBスタッフによるユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP)予想は、09年が最大で5.1%落ち込み、10年もマイナス1.0─プラス0.4%と、成長回復への道のりが厳しいことを示唆した。従来見通しでは09年は最大で3.2%の縮小を予想していた。インフレについては目標の上限としている2%を大きく下回って推移すると見込んでいる。

 トリシェECB総裁は1%の金利水準について今のところ「適切」と述べたが、ロイターテレビとのインタビューで「現在の金利がどのような環境においても到達する最低水準とは決めなかった」とも指摘し、5月と同様、追加利下げの選択肢に余地を残した。

 経済については記者会見で「第1・四半期は極めて弱かったが、年内の経済成長はマイナスの度合いがかなり縮小すると予想する。安定期を経て2010年半ばまでには四半期でプラス成長が見込まれる」と語った。また、中長期的なインフレ期待を示す指標はしっかり抑制されていると述べた 

 ドイツのメルケル首相は今週、ECBによる600億ユーロ(850億ドル)のカバードボンド買い入れ計画に関し、国際的圧力に屈した措置との考えを示した。トリシェ総裁はこの発言後、メルケル首相と電話会談し、ECBが独力で決定を下したとはっきり説明したことを明らかにした。

 さらに、カバードボンドの買い入れが米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中央銀行)が発表したプログラムと同等のプログラムではないとし、「われわれは量的緩和に乗り出してはいない」と述べた。

 カバードボンドについては、ユーロ圏全体で実施し、発行・流通市場の双方において格付けがダブルA以上の債券を買い入れると表明。買い入れは10年6月末までに終了すると述べた。カバードボンドの買い入れにより、長期的な借り入れコストの低下や低迷するユーロ圏経済の下支えが期待されている。

 ECBは、下限金利の中銀預金金利を0.25%に、上限の限界貸出金利を1.75%にそれぞれ据え置いた。

ECBが経済見通し下方修正、カバードボンド購入の詳細発表
【ロイター 2009年6月5日】

[フランクフルト 4日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は4日、主要政策金利を大方の予想通り過去最低の1.0%に据え置いた。景気判断については、従来見通しを下方修正し、2009年は一段と深刻なリセッション(景気後退)に陥り、10年半ばまでプラス成長には戻らないとの見方を示した。

 ECBスタッフによるユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP)予想は、09年が最大で5.1%落ち込み、10年もマイナス1.0─プラス0.4%と、成長回復への道のりが厳しいことを示唆した。従来見通しでは09年は最大で3.2%の縮小を予想していた。インフレについては目標の上限としている2%を大きく下回って推移すると見込んでいる。

 トリシェECB総裁は1%の金利水準について、今のところ「適切」と述べたが、ロイターテレビとのインタビューで「現在の金利がどのような環境においても到達する最低水準とは決めなかった」とも指摘し、5月と同様、追加利下げの選択肢に余地を残した。

 経済については記者会見で「第1・四半期は極めて弱かったが、年内の経済成長はマイナスの度合いがかなり縮小すると予想する。安定期を経て2010年半ばまでには四半期でプラス成長が見込まれる」と語った。また、中長期的なインフレ期待を示す指標はしっかり抑制されていると述べた。

 <カバードボンド購入計画> 

 ドイツのメルケル首相は今週、ECBによる600億ユーロ(850億ドル)のカバードボンド買い入れ計画に関して、国際的圧力に屈した措置との考えを示した。トリシェ総裁はこの発言後、メルケル首相と電話会談し、ECBが独力で決定を下したとはっきり説明したことを明らかにした。

 さらに、カバードボンドの買い入れが米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中央銀行)が発表したプログラムと同等のプログラムではないとし、「われわれは量的緩和に乗り出してはいない」と述べた。

 総裁は、ユーロ建てのカバードボンドを発行・流通市場の双方から直接買い入れる方針を明らかにし、幅広い市場を支援する意向を示唆した。

 バークレイズ・キャピタルのマネジングディレクター、テッド・ロード氏は「ECBは健全なカバードボンド市場が欧州経済の回復に必要であることを非常に明確にしている」と指摘。「発行市場と流通市場の双方を支援する方針だ。これはECBが、発行市場にまだ参加できないが、質の高いカバードボンドプログラムを持つ発行体を支援する意向であることを意味している」と語った。

 ECBは、カバードボンドを直接買い入れると表明したが、買い入れが各国の中央銀行を通じて行われるのか、ECB自体を通じてなのかなど、どのような仕組みを用いるのかについては具体的に明らかにしなかった。

 ウニクレディト(HVB)のカバードボンドアナリスト、フランツ・ルドルフ氏は「仕組みについて詳細を明らかにすれば、ECBはECB自体に制限を設けることになる。仕組みを明かさないことで、取り仕切ることなく、また市場のゆがみにつながることなく、市場の状況に対応し、市場を強化する余地が生じる」と指摘した。

 ECBは5月の理事会で、市場を支援するためユーロ建てカバードボンドを最大600億ユーロ購入する方針を表明した。

 トリシェ総裁は4日の会見でカバードボンドの買い入れについて、7月に開始し、2010年6月末までに完了するとの見通しを示した。主に買い入れの対象となる債券は、主要格付け会社の少なくとも1社からAA格に格付けされている債券で、トリプルB以下は対象外。

 ウニクレディトのルドルフ氏はこれについて、AA格を下回るレベルに格付けされているカバードボンドはほとんどないとして、「買い入れを制限する要因ではない」と指摘した。

 買い入れ対象債券の規模は約5億―1億ユーロ。バークレイズのロード氏はこの規模について「規模の大きい発行体だけでなく、小規模な発行体も支援する意向であることを意味している」と語った。

 ECBはまた、期間3―10年の中・長期債を対象とする方針。

 トリシェ総裁はまた、ロイターテレビのインタビューで、ユーロ圏で発行されるカバードボンドの非常に大きな部分が買い入れ対象になるとの認識を示した。

 総裁は「どの発行債券が(買い入れプログラムの)カテゴリーに該当するかについては正確に見極めていく。複数のカテゴリーで新規発行を見込んでおり、これから把握し、恒常的に検証していく」と表明。「時価総額でみると、カバードボンドの極めて大きな部分が現在の適格基準に当てはまることは事実だ」と述べた。

 買い入れプログラムに拡充余地はあるかとの質問には、1カ月前の買い入れ決定だけでも市場の押し上げ効果があったとの認識を示し、「600億(ユーロ)に決定した。これ以上付け加えることはない」と述べた。「今後の決定に関し、いかなる憶測も好ましくない。きょうの決定で十分であり、できるだけ最善の方法で実施していく必要がある」とも語った。