ECB理事会と米雇用統計

投稿者:

明日4日はアメリカの独立記念日。NY市場は今日はお休みなので雇用統計の発表が1日繰り上がってECB理事会と同じ日になってしまいました。あー、めんどくせー・・・。

雇用統計の数値が悪かったので、反応もそちらの方に大きく出た様子でした。統計発表直後はそうでもなかったのですが、株式市場がオープンしてからズルズルと株が売られて・・・といったところでしょうか。景気回復の道のりは簡単やおまへんで、なんでしょうね。ダウ平均は終値で223.32ドル安の8,280.74ドル、再び8,500ドルを割ってしまいました。為替市場もリスク回避でドル円95&ユーロ円133にコンニチハ。

時系列順に米雇用統計から・・・

失業率-6月:9.5% (9.6%)
非農業部門雇用者数変化-6月:-46.7万人 (-36.7万人)

製造業雇用者数変化-6月:-13.6万人 (-15.0万人)
平均時給-6月:0.0% (0.1%)
平均時給-6月(前年比):2.7% (2.9%)
週平均労働時間-6月:33.0 (33.1)

*前回修正
非農業部門雇用者数変化:-34.5万人→-32.2万人
平均時給:0.1%→0.2%
平均時給-6月(前年比):3.1%→3.0%

次に、トリシェ総裁の記者会見・・・
20090703jpreuterscom

トリシェECB(欧州中銀)総裁-記者会見

現在の金利水準は適切
6月のインフレ率低下は予想通り
インフレ率低下は一時的要因を反映
最近のデータ、年内の経済活動が低迷することを示唆
下期の経済の落ち込み、上期より和らぐ見通し
労働市場は今後さらに悪化する見込み
2010年には安定局面の後、回復する見込み
2010年半ばまでには四半期成長率がプラスになる見込み
中長期のインフレ期待はしっかり抑制されている
マネーの分析では、インフレ圧力の弱さを裏付け
インフレ率がマイナスの局面は、短期的なものに
最新のデータ、年内いっぱい経済活動が低迷するとの見通しを裏付け
経済見通しへのリスクは均衡している
刺激策は世界経済成長、ユーロ圏の成長を支えるものであるべき
刺激策によってより大きな影響の可能性
信頼感は予想以上に早く回復する可能性
実体経済へのマイナスの影響により、引き続き懸念が残る
商品価格の上昇や保護主義が成長へのリスク要因
労働市場や世界的な不均衡も下方リスク
短期的なインフレの動きは金融政策とは関連しない
将来はインフレ率がプラスになる見通し
インフレ期待はプラスだが、需要低迷が圧迫要因
インフレリスクは概ね均衡している
物価へのリスク要因には成長見通しも含まれる
インフレへの上方リスクには商品価格・間接税引き上げなどがある
銀行の貸付は引き続き抑制されている
マクロ経済情勢が一旦改善すれば、政策を一刻も早く解消する
中期的にインフレの脅威には適切に対処していく
引き続きあらゆる動向を非常に注意深く監視していく
政府は積極的に財政の出口戦略を準備すべき
特定のセクターを対象とする措置は段階的に撤廃すべき
構造調整は2011年より遅れてスタートすべきでない

トリシェECB(欧州中銀)総裁-質疑応答

期間12カ月の資金供給オペには満足
次回の12カ月オペの金利はまだ決めていない
EONIAと預金金利・オペ金利との関係を注視した
EONIAと預金金利・オペ金利との関係、現時点では正常と認識
全額供給体制を変更する理由はない
期間12カ月オペについて非常に前向きな評価をしている
カバードボンドについて、15:00GMTに詳細を発表
カバードボンドのプログラム、7月6日から開始
ECBは単一の組織、カバードボンドの期間はすでに言った通り
信用のサポートは適切
現在の政策金利は適切
カバードボンドの期間、3年から10年になる可能性
現在の措置は適切、それ以上のコメントはない
12カ月のオペ、民間の貸し出しを考慮している
企業セクターへの融資について、積極的な姿勢で流動性を供給
異例の流動性を解消できると確信
12カ月オペは今後の課題に対処できると確信
商業銀行に対し、ECBの努力を実体経済に波及させるよう求める
銀行は資本再編の可能性を利用すべき
本日の決定は全会一致
現在の金利が最低だとは決めていない
これまでのメッセージに変更はない=市場の金利見通しについて
規模は600億ユーロと確認する=カバードボンドについて
カウンターパーティーはオペの参加者
カバードボンドの買い入れ、オペでやっていることの延長
われわれの行動はすべて、容易な出口戦略を可能とすることを狙っている
出口戦略は完全に物価安定の目標と一致したものに
われわれがやっていることの解消を非常に留意している
戦略はわれわれをデフレやインフレリスクから守る
カバードボンドの買い入れ規模、全体の8%に
さらなるリスクを最適化する方法を探っていく
担保の枠組みが証券買い入れに踏み切らない一因
カバードボンドの裏付け資産、一部がユーロ圏以外でも不適格とはならない
翌日物預金、流動性を考えれば高水準にあることは驚きでない
銀行は流動性を調整する
将来は過剰流動性が緩和へ



VIX指数のチャートを載せてみました(上が日足、下が週足:クリックで拡大)。これから変化が見られるかどうか・・・?
20090703vix
20090703vix_weekly

ECBが予想通り金利据え置き、6日からカバードボンド購入へ
【ロイター 2009年7月3日】

[ルクセンブルク 2日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は2日、主要政策金利を過去最低の1.00%に据え置くと発表した。据え置き決定は予想通り。またカバードボンド買い入れプログラムを6日から開始することを明らかにした。

 今回の金利決定により、下限金利の中銀預金金利は0.25%に、上限の限界貸出金利も1.75%にそれぞれ据え置かれた。ロイターが実施したエコノミスト調査では、82人のうち81人が金利据え置きを予想していた。1人は0.25%ポイントの利下げを予想していた。

 トリシェECB総裁は、現行の政策金利は引き続き「適切」な水準との認識を示し、近く金利を変更する可能性を示唆することはなかった。ただ、必要な場合には追加利下げを行う可能性を否定しなかった。

 また、カバードボンド買い入れプログラムを6日から開始するとし、対象となる債券の年限は3―10年になる可能性があることを明らかにした。

 総裁は景気見通しについて、年内は経済活動が引き続き弱いと予想。急激な悪化ペースが鈍化している可能性を示す指標がこのところ見られるものの、経済の安定は来年まで見込めないと述べた。2010年に安定化の時期を経て段階的な回復が進み、年央までに四半期ベースの成長率がプラスに転換するととの見方を示した。

 この発言を受けてユーロは対ドルで下落。アナリストの間では、ユーロ圏の政策金利が2010年第4・四半期まで据え置かれるとの観測が高まった。

 ユーロ圏の景気刺激に向けた追加の非標準的措置については、市場の予想通り、現時点では必要ないとの認識を示した。

 「新たな措置やオペは考えていない。現在実施していることが適切だと考えている」と述べた。

 深刻なデフレの可能性を否定する一方で、インフレ率がECBが上限とする2%を直ちに上回る公算も小さいとの考えを示した。

 「インフレ率が極めて低水準、あるいはマイナスとなっている現在の局面は短期的であり、物価安定は中期的に維持されると予想している」と語った。

 前週実施された初の1年物資金供給オペについては、成功だったと評価した上で、銀行が低コストで調達した資金を企業や消費者への貸し出しに回すか注視していく考えを表明。「状況を非常に慎重に見守っているが、今のところ考えを変える理由は見当たらない」とし、「われわれが商業銀行に求めるのは、自らの責任を果たすこと、つまり、ECBによる異例の措置を実体経済に波及させることだ」と述べた。

 ECBの翌日物預金残高は5カ月半ぶりの高水準に達し、銀行が資金を貸し出しに回さずに中銀に預け入れている状況が浮き彫りになっている。企業や家計向けの貸し出しの伸び率も5月に過去最低水準に低下した。

 ECB当局者の間には既に、この問題について厳しい姿勢を示す向きもおり、ウェーバー・ドイツ連銀総裁は、銀行が資金を融資に回さないのであれば、ECBが銀行を迂回(うかい)する可能性もあるとの立場を示している。

 トリシェECB総裁は、こうした措置の必要性についてECBがいつどのように決定するかという問題には言及しなかった。

ダウ平均が223ドル安、米雇用統計の悪化で
【ロイター 2009年7月3日】

[ニューヨーク 2日 ロイター] 米株式市場は大幅反落。6月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回る減少となったことから、景気回復をめぐる懸念が再燃した。

 6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が46万7000人減少し、失業率は1983年8月の水準に並ぶ9.5%に上昇した。これを受け、リセッション(景気後退)のペースが弱まっているかもしれないとの最近の期待が後退した。

 幅広い銘柄に売りが出たが、エネルギー、鉱工業、金融、ハイテク、消費者関連株の下げが特にきつかった。

 シェイカー・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、サーシャ・コスタディノフ氏は「率直に言って、失業率の上昇は経済全体にとって悪いニュースだ」と指摘。「消費関連株にとってポジティブではない。金融株にとってもポジティブでない。なぜなら、高い失業率と貸倒償却や支払い延滞の間には直接的相関関係があるからだ」と語った。

 ダウ工業株30種は223.32ドル(2.63%)安の8280.74ドル。

 ナスダック総合指数は49.20ポイント(2.67%)安の1796.52。

 S&P総合500種は26.91ポイント(2.91%)安の896.42。

 S&Pは3週連続で下落した。ただ、3月9日につけた終値ベースでの12年ぶり安値は依然として32.5%上回っている。

 週足ではダウが1.9%安、S&Pが2.5%安、ナスダックは2.3%安となった。

 ニューヨーク証券取引所でシステムトラブルが発生したため、すべての取引が確実に完了するよう取引時間が15分間延長された。

 米株市場は独立記念日の振替休日で3日が休場となる。

 ハイテク株ではコンピューターサービス大手、IBMIBMが3%下落し、ダウの下げを主導。アップルAAPLも2%安となり、ナスダックの下げを主導した。

 エネルギー株では石油大手エクソンモービルXOMが3%近く下げた。S&Pエネルギー株指数は3.6%安。米原油先物は2.58ドル(3.7%)安の1バレル=66.73ドルで引けた。

 NRGエナジーNRGは4.8%急落。エクセロンEXCがNRGエナジーの年次総会を前に、同社に対する非友好的買収案の条件を引き上げたことが背景。エクセロンは買収提示額を12%超引き上げ、74億5000万ドルとした。

 消費者関連株では、百貨店メーシーズMが6.3%急落した。S&P小売株指数は4%安。

 ダウ住宅建設株指数も3%下落した。S&P一般消費財指数は3.7%安。

6月米雇用統計:識者はこうみる【ロイター 2009年7月3日】

[ニューヨーク/東京 5日 ロイター] 6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が46万7000人減と予想を大幅に上回って減少し、5カ月ぶりに減少幅が拡大。失業率は9.5%に上昇し、1983年8月の水準に並んだ。市場関係者のコメントは以下の通り。

 ●景気が底入れしつつあるとの見方変わらず

 <IHSグローバル・インサイトの米国チーフエコノミスト、ナイジェル・ゴールト氏>

 景気は底入れしつつあるとの見方が間違っていることが示されたとは思わない。この見方は間違っていないと思う。ただ、労働市場が底を打つのは、自動車市場や鉱工業生産、国内総生産(GDP)よりずっと後になるだろう。

 景気後退はいつ終息するかと言えば、GDPの低下や鉱工業生産の減少に関しては第3・四半期に歯止めがかかるとみている。しかし、雇用に関しては、おそらく2010年第1・四半期まで安定化しないだろう。失業率が下がり始める時期は、10年半ばになる可能性がある。

 今回の統計で平均週間労働時間当たり賃金は前月から横ばいだった。これは失業の増加による賃金圧力を示している。

 ●米債にとって支援材料

 <JVBフィナンシャル・グループのチーフエコノミスト、ウィリアム・サリバン氏>

 第2・四半期が終わろうとするなかで、経済が依然としてかなりの勢いを失っているようだ。今回の内容は全般的に弱く、唯一の救いは雇用者数の減少が年初時の予想ほどには大きくならないかもしれないということだ。

 歴史的に大幅な減少で、失業率も依然高水準で推移している。先行きの消費支出にとって一段と重要なのは賃金が横ばいだったことだ。失業は個人所得の伸びの低下と関連している。

 米債市場に対しては支援要因となるだろう。漠然とした将来、ディスインフレ的環境が維持されることを示唆しており、長期的に米債市場にとってポジティブな内容と考える。

 ●米景気V字回復論に打撃

 <みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏> 

 米国景気の本格回復が遠いことを裏付けた。「リーマン・ショック」の影響が一巡した後、米国の雇用情勢はもとの緩やかな悪化軌道に復しつつあるようにみえる。時間当たり賃金の伸びは前年比プラス2.7%まで鈍化しており、2005年9月以来の低い伸びとなった。過去の経緯から2%割れに向け、鈍化する公算が大きい。個人消費に対するダメージであると同時にサービス分野のデフレ圧力を強めかねない。

 米景気のV字回復論に決定的な打撃だ。10年米国債利回りは節目の3.5%前後で下げ渋っているが、遠からず3.0%を目指す動きに変わっていきそう。日本の10年債利回りについては引き続き1.0%前後への低下を予想している。

 ●景気回復期待がいったん後退、4─6月期決算に注目

 <明和証券 シニアマーケットアナリスト 矢野 正義氏>

 もともと雇用統計は振れやすい指標ではあるが、減少幅が再び拡大したことで、最近強まっていた景気回復期待が後退する可能性がある。国勢調査関連の雇用の反動という政府部門の特殊要因があるとみられているが、雇用は消費への影響が大きいだけに懸念要因だ。日本でも5月鉱工業生産や6月日銀短観など市場予想を下回るマクロ指標が続いており、景気回復期待がいったん後退するとみられる。日経平均1万円回復には新たな材料が必要になってきた。

 その点で、来週から徐々に始まる米企業の4─6月期決算発表でマーケットの雰囲気を変えるような強気な見通しが出てくるかが注目されよう。

 ●リカバリー・トレードの巻き戻し強まる

 <JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長 佐々木融氏>

 米雇用統計は事前予想より悪化し、リスク回避の動きが強まった。景気回復を期待するリカバリー・トレードに対するこのところの巻き戻し地合いがより鮮明になるだろう。米2年債利回りは1%を割り込んでおり、金融政策に対するタカ派的な見方も後退している。

 当面はドルと円が買われてクロス円が売られる展開が続くだろう。ユーロ/円は130円割れを目指す方向で推移するとみている。

 ●雇用環境の底入れみえず、日経平均はレンジを維持

 <東京海上アセットマネジメント投信 シニアファンドマネージャー 久保 健一氏>

 1月以降、米雇用情勢は改善傾向をみせていたが、米自動車大手の破たんなど懸念されていたものが素直に数字に表れた。米雇用環境の底入れはまだみえず、ネガティブインパクトだ。これを受け、米株価は大きく下げたが、これまで実態よりも期待先行で株価が上昇していたので、今後、下落するとしてもスピード調整程度にとどまるとみている。

 東京市場も、目先は企業業績にらみの展開で、日経平均9500―1万円のレンジ相場は変わらないと予想する。