日銀金融政策決定会合・・・企業金融支援措置を延長

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京都は祇園祭もたけなわ、東京とロンドンとNYで何が起ころうと知ったこっちゃねーよ、というしとらすです(笑)。

で、日銀の政策決定会合は現状維持。そして9月末に期限を迎えることになっていた企業金融支援措置の延長も発表されました。

それと、いくつかの経済ブログでオーソドックスでよくまとまっているということで採りあげられてたのですが、日銀のサイトにあった↓のレポート。

国際金融ネットワークからみた世界的な金融危機(PDF)
[2009年7月9日 金融市場局 今久保圭]
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev09j09.pdf

国際決済銀行の「国際資金取引統計」をベースに国際的な金融取引のネットワークを分析したものですが、図やグラフも多く盛り込まれていてしとらすのような者でも理解の手助けになりました(どれほど理解できたかは聞かないでね・苦笑)。

永田町は相変わらずゴタゴタグダグダ。霞が関も巻き込んで当分こんな調子でしょうし、せめて日銀だけでもしっかりしてもらわないといけませんね。
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そういえば、キリンとサントリーの経営統合の話、どうなるんでしょうねぇ・・・独禁法クリアできるのかな?

米国では昨日発表されたゴールドマン・サックスの第2四半期決算が市場予想よりも良好、インテルも好調だった一方でノンバンク大手CITが危ないとの噂。明日JPモルガンやIBM、グーグル、明後日にモルガン・スタンレー、シティ、バンカメにGEなどの決算発表を控えています。欧州ではドイツのZEW景況感指数が予想を大幅に下回ってましたが(予想47.8、結果39.5、前月は44.8)・・・。


日銀が「異例の措置」延長、最終需要次第で再延長も否定できず
【ロイター 2009年7月15日】

[東京 15日 ロイター] 日銀はコマーシャルペーパー(CP)や社債の買い取りなど「異例の措置」の延長を決めたが、白川方明総裁は「先行きの金融・経済情勢については不確実性が高い」と強調、依然として下振れリスクを強く意識している姿勢をにじませた。

 延長期間を半年ではなく3カ月にとどめるなど、足元の金融・経済の改善を色濃く反映させたものの、副作用から縮小か見直し観測が出ていた企業金融支援特別オペをそのまま残したことからもわかるように、先行きについて決して楽観しているわけではないようだ。在庫調整が完了したあとの「最終需要」の動向次第では、再延長になる可能性も否定できない。

 <雇用調整はこれから正念場も>

 市場は最悪期は脱して安定化に向かっているものの、ぜい弱性を抱えたまま走っていることには変わりはない。在庫調整にようやくメドがつき、生産が回復してきたが、資本ストック調整に入るのはこれからが本番だ。

 企業は十分な収益を生まない資本ストックを抱えながら、利払いをしなければならず、これは収益の圧迫要因になる。過剰設備は過剰債務の増加につながり、金融機関からみれば、不良債権の増加、信用コストの膨張につながる。

 一方、雇用情勢についても、むしろこれから雇用、賃金の正念場を迎えるとの見方が多い。現在は雇用調整助成金などの政策対応もあり、過剰雇用すべてが失業者になってはいるわけではないが、生産水準が戻ってこなければ、企業も余剰人員に手をつけざるを得ない。仮に余剰人員に手をつなければ企業は過剰雇用を抱えたまま走ることになり、これは賃金抑制圧力につながる。

 現在は、企業の成長期待が大きく落ち込んでいないため、そこまでの極端な調整になるとの見方には至っていないが、白川総裁は「今後、生産が落ち込むことがあれば、雇用者数に影響があるだろう」と述べ、最終需要の動向次第ではもう一段の調整もあり得ると警戒を強めている。

 <世界経済の回復に確信持てず>

 設備投資は弱いままで、雇用・所得環境が厳しさを増す中で個人消費も強まることは想定しにくいが、輸出と公共投資がなんとか最終需要を支えて、これ以上、落ち込むことはない──。これが現時点の日銀の見方だが、先行きの景気を左右する最終需要はやはり海外に頼らざるを得ない。

 その海外は、米国は金融システムに対する過度な不安感は後退したものの、家計の過剰債務の問題など、構造問題は何ら解決していない。家計の過剰債務の解消は金融機関の不良債権の解消と表裏一体の関係にある。日銀内には、家計のバランスシート問題が残っている限りは、消費もあまり伸びず、本格回復にはならないとの見方が多い。

 中国は持ち直しの動きが見られるものの、一国で世界経済を支えるのは難しく、また、欧州経済も中東欧という火種を抱えていることから、米国以上に先行きを慎重にみている。

 <終了・再延長両にらみながら、下振れ意識>

 白川総裁は今後について「情勢が一段と改善していけば、新たな期限である年末には、各種時限措置の終了または見直しを行うことが適当だ」と強調。一方で「今回の中間評価でも指摘されるように、先行きの金融・経済情勢については不確実性が高いとみている。したがって、情勢が十分改善せずに必要と判断する場合には時限措置を再延長することになる」とも述べ、企業金融や金融市場の展開を注意深く点検して見極める姿勢をあらためて示した。

 ただ、カギを握る世界経済については「世界経済が回復していけば、日本の最終需要に対してもプラスになってくるが、そうした動きについてはまだ現時点ではなかなか確信を持てない」と、先行きを見通しづらい状況だ。白川総裁は、金融環境について、足元の改善と全体としての厳しさの両方を強調したが、全体を通してみれば、とても楽観的に見ているとは感じられない発言ぶりだった。下振れを意識しているとすれば、再延長の可能性も否定できないだろう。

 志田 義寧記者 (ロイターニュース 編集:田巻 一彦)

白川日銀総裁記者会見の一問一答【ロイター 2009年7月15日】

[東京 15日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は15日、CP・社債買入れなど「異例の措置」の延長決定の要因について、下位格付け先の社債発行が引き続き低水準にあるなど、金融環境がなお厳しいことを挙げた。

 会見の詳細は以下の通り。 

 ──今回の決定のポイントは。

 (「当面の金融政策運営について」を読み上げ)

 ──どこまで市場機能が改善しているとみているのか。

 「今回の判断で2つのことを言っている。ひとつは『なお厳しい』という評価と、方向として『改善』しているという2つがある。金融環境は全体としてはなお厳しいという部分だが、下位格付け先の社債発行は低い水準にとどまっているなど、格付け間での二極化は依然解消されていない。資金繰りや金融機関の貸し出し態度に関するアンケート調査をみても、最近は改善しているとはいえ、中小企業を中心になお「厳しい」とする先が多いとみている。企業からみると、厳しい収益環境が続く中で、在庫調整が一巡した後の景気回復の足取りなどについて、なお不確定な面が大きく、今後の資金調達環境に対する不安感が払拭できないという状況にあるのだろうと推測している。こうした情勢判断を踏まえて、企業金融の円滑化を引き続き図っていく観点から措置を延長した」

 「一方、改善について言うと、足元の金融環境は、これは明らかに改善の動きが続いているとみている。CPの発行スプレッドは、リーマン破綻直後に急激に拡大したが、年明け以後縮小し、足元では、高い格付け物を中心に、リーマン破綻以前の水準まで低下している。日銀によるCP買い入れについても、3月以後、大幅な札割れの状態が続いている。社債については、6月の発行額が月間としては過去最高になったほか、発行銘柄も拡大している。CP・社債市場の機能は着実に回復しつつある。銀行貸し出しも大企業向けを中心に高めの動きが続いているほか、資金繰りや金融機関の貸し出し態度は、大企業・中小企業とも、方向としては改善している。現状の評価として、なお厳しいということと、しかし明らかに改善の方向に向かっているという両方の動きが現在あるとみている」 

  ──今回、特別措置の延長を決めた一方で、企業金融特別支援オペについて弊害やCPや社債買い入れオペについて副作用も指摘されているが、どう考えているか。

 「一連の企業金融関連措置は、昨年秋以降CP・社債発行が困難となるなど、金融市場の緊張度が極めて高い中で、企業金融の円滑化を支援するために実施してきたもの。その後の動きをみてみると、全体として改善してきているのは申し上げた通りだが、最近では同じ期間のCP発行金利が短期国債の発行金利を下回るなど、一部に行き過ぎた動きがあることも意識しているし、こうした状態が続けば投資家の投資意欲が後退し、市場機能を阻害してしまう。かえってCP市場の発展にとっても望ましくない、そういう可能性があることも確かだ。こうした行き過ぎの要因として市場では企業金融支援特別オペの効果が大きいのではないかという議論があることも承知している」

 「ただ、我々としては今申し上げたことは一方で十分意識しているが、他方で今の企業金融の状況を考えると、先ほどの二極化現象は解消されていないし、足元改善はしているが先々の資金調達環境について不確実性が払しょくされていないという状況だ。企業金融全体の姿を見た場合に、先ほど申し上げたような部分的な影響あるいは副作用だけでなく、全体状況を踏まえて判断していく必要があると思っている」

 ──12月までに時限措置を見直したり継続などの可能性は?言い換えると、どういう環境となれば出口ということになるのか?

 「日本銀行は金融政策政策決定会合で毎回、経済・金融情勢を丹念に点検している。全てはこうした点検を踏まえてこうした措置をどうしていくかを考えている。最初から何か結論があるわけではない。先ほどから申し上げているように、金融環境は方向としては改善しているが、しかし現状はこうした措置を続けた方がよいと判断した。(金融環境が)なお厳しいと判断したことが、今回継続した方がいいという判断につながった」

 「一方、今回6カ月でなく延長を3カ月にしたということは、足元改善傾向が続いている、この後もこの傾向が続くだろうと判断していることによって、3カ月後にもう1回経済・金融情勢をしっかり点検していこうということにした。今後情勢が一段と改善していけば、新たな期限である年末には各種時限措置の終了または見直しを行うことが適当と考えている。しかし一方で、今回の中間評価でも指摘しているように、先行きの金融経済情勢については不確実性が高いとみている。したがって、情勢が十分改善せずに必要と判断した場合には、時限措置を再延長することになる。繰り返しになるが、結論が先にあるわけではなく、時限措置の取り扱いについては、今後の企業金融や金融市場の展開を注意深く点検してい判断していこうと。その判断のタイミングを今回期間の3カ月延長ということで行うことにした」 

 ──今回企業金融支援措置の延長期間を3カ月にしたのは時限措置であることも含めて市場に再認識させる狙いもあったのか。 

 「これは時限措置なので未来永劫続くものではないことは最初から銘打っている。措置の内容により若干異なるが、中央銀行としては異例の措置が多く含まれている。日本銀行に限らず、どの中央銀行でもそうだが、異例の措置を長く続けると、つまり金融経済情勢が改善した後も長く続けると、本来市場が持っている自律的な調整作用というものをそいでしまうので、結果として経済・金融の振幅を大きくしてしまうことになる。そういう意味で、もともと時限ということは恒久ではないということを意味する。ただその時期については、先ほどから申し上げているように判断していこうということ」 

 ──今回、景気は下げ止まっているとの判断だったが、景気底打ちと理解していいのか。 

 「景気という言葉も、底打ちという言葉も、各人各様の解釈や定義があると思う。私としては底打ちという言葉は今回も前回も使っていない。文字通り下げ止まっているということ。今回の説明文にもあるが、輸出・生産は内外の在庫調整進展から、かなり明るい動きが見られるが、一方で内需については今回も弱い判断を示している。これを全部ひっくるめて景気という言葉で表しているわけで、景気というものを人によっては生産に重点をおいて判断するし、収益に重点を置く人も、あるいは雇用に重点をおいて判断する人もいる。景気の動きがこのように食い違っている以上、われわれとしては、そういう内容を丹念に説明していくことが、最も説明責任を果たしていくことになる」

 ──「異例の措置」の延長だが、来月まで決定を待ってもよかったのではないか。なぜ今月決定したのか。

 「企業の金融環境は改善の方向にあるが、しかし現在、なお厳しいという評価をしている。こういう判断をしている以上、市場からみての不確実要因である各種の措置をどのように運営するか、その方針を早めに出した方がよいと、今回、合意に至った」

 ──GDP見通しが、4月の展望リポートより下方修正されているが、その理由は。

 「経済の見通しについては、数字ではなく、基本的なメカニズムを重視している。これは日銀に限らず、どの中央銀行でも共通していることで、イングランド銀行はどは、この点徹底していて、数字は一切ださない。イングランド銀行では見通しの確率分布の推移を示し、どこにも数字は出ていない。日銀では、リスクバランスチャートを示している。GDP見通しの09年度、10年度の分布をみてもらうと分かるように、前回の見通しと今回の見通しで大きく変ったという図にはなっていない。今回の議論でも、どの委員からも、基本的なメカニズムが変ったという見方は示されなかった。中央値は幾分下になっているが、今回、基本的なメカニズムが変ったという認識を持っているわけではなく、われわれ自身の意識として、下方修正したという意識はない」

 ──今回の決定会合で、出口の必要性などについての議論や意見は審議委員の中でなかったか。 

 「個々の委員の意見そのものについては議事要旨をみていただきたい。先ほど申し上げたように、出口自体について議論するとか意識するということではない。あくまでも経済・金融情勢を毎回丹念に点検して、その結果、適切なタイミングで政策などについて変更の必要があれば変更する、必要がなければ継続するということ。こういう異例の措置であるだけに、どの中央銀行も最終的な出口を当然考えている。そういうことを考えない中央銀行があるとすれば、それ自体が市場からみて大きな不安定材料となる。そういう一般論は常に意識しているが、しかし毎回毎回あくまでも予断をもつことなく、経済・金融情勢を点検するという一点につきているので、ご質問のような意味で出口の議論をしたということではない」 

 ──民主党の政策、特に金融政策の考え方について、何かコメントがあるか。 

 「ご質問の点についてお答えするのは適切ではない。日本銀行法に従って金融政策を判断し運営していくことに尽きる。物価の安定を通じて国民経済の安定的発展に貢献していくことが日本銀行に課せられた大きな使命。そのことだけを考えて対応していくということで、それ以上のコメントはない」