2013コンフェデレーションズカップ:日本 1-2 メキシコ

まぁ、後半最後の方で岡崎が1点取り返したのとチチャリートのPKを川島が止めて彼にハットトリックを許さなかっただけでも日本の意地は見せれたのかな、と(苦笑)。

・・・というか、ブラジルは今デモ衝突だなんだで大変な社会情勢なので、皆が無事にブラジルを発てるかどうか・・・お家に帰るまでが遠足、と言いますしね。

 

FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジル2013 グループA

日本 1−2 メキシコ

 

北中米の雄メキシコ相手に運動量で負けてたら、そりゃなかなか勝ち目あらへんわな、という印象でした。あとベストメンバーがベストコンディションで戦える状態ならまだしも、どちらも叶わなかった場合にどうかというのも選手層の厚みの違いをメキシコに改めて見せつけられましたし、チチャリートの2ゴールがいずれもヘディングというのも世界レベルでの高さの点で不安の残る内容だったと思います。

で、結果はアレでしたけど、この3試合で現在のザックジャパンの良い所も悪い所も全て曝け出したようなものですので、来年に向けて1度チームをガラガラポンする機会が監督らチームスタッフと選手たち(まだポジションを得ていないのは特に)に与えられた、と思い直すことにしましょう。

 

ザック監督「十分に準備ができなかった」 コンフェデ杯 メキシコ戦後会見
【スポーツナビ 2013年6月23日】

 サッカー日本代表は現地時間22日(日本時間23日)、ブラジルのベロ・オリゾンテでコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)第3戦となるメキシコ代表戦に臨み、1−2で敗れた。日本は54分にメキシコに先制を許すと、66分にも追加点を喫し、2点をリードされる。86分に岡崎慎司のゴールで1点を返したが、追い上げも及ばなかった。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「十分に準備ができなかった」と、激闘となったイタリア戦から疲労回復できなかったことを悔やんだ。それでも「世界の強豪とのギャップを埋めていくことはできると思う」と、今大会でつかんだ手応えとともに、さらなる飛躍を誓った。

疲れが回復していなかった

 メキシコは我々よりも良いプレーをしたと思う。体調も日本より良かったと思うし、我々よりも素早く動いていた。1対1の場面では特にそうだったと思う。イタリア戦で力を出し尽くしたこともあり、メキシコよりも疲れが回復していなかった。メキシコよりも試合をコントロールできていなかった。前半は前向きだったと思う。メキシコにプレッシャーをかけていた。ゴールを入れるチャンスもあった。(岡崎が)ゴールを決めたと思ったら無効だった。まだビデオを見ていないので、それを分析しないといけない。メキシコも後半になって良くなった。

 日本はDFがより前に出て、アタッカーやMFをサポートするというアプローチを取ったが、完全に実行できなかった。後半はよりスペースを作りたかったが、それがうまくできなかった。中盤がかなり詰まっていたからだ。長友(佑都)が負傷し、交代が必要だったため、フォーメーションを戻した。失点については、メキシコの方が空中戦に強かったからだ。

――メキシコ戦では、酒井宏樹や栗原勇蔵を起用したが、途中からレギュラーを投入した。その交代の意図は何だったのか? また途中から3−4−3を試したことについて、その理由を教えてほしい

 最初の質問だが、あと数センチの高さがチームに欲しかった。つまりよりハイプレーで強さを見せたかった。酒井宏はそれが保証できると思った。メキシコには3人の190センチ台の選手がいたし、エルナンデスもそれほど身長が高くないが、ヘディングがうまい。だから吉田(麻也)を投入した。栗原を入れたのは、吉田の体調が良くなかったからだ。吉田はイタリア戦から体調を回復させることができなかった。

 3−4−3は、後半で使った。ウイングがスペースを確保する唯一の手段だった。もう1人がサイドに張りつくことで、よりスペースが使えると思った。本田と香川にスペースが与えられた。純粋な3−4−3というより3−4−2−1だった。

――今日は5万2000人の観衆が集まった。グループリーグ敗退が決まったチーム同士の対戦でも満員だったが、監督はこれをどう受け止めた?

 インフラは素晴らしいし、ワールドカップ(W杯)開催の準備ができていると思う。組織も最適だと思う。5万2000人という観衆は、私にとって驚くべきことではない。ブラジル人がいかにサッカーに熱を持っているかは分かっている。ブラジルの人はサッカーが大好きで情熱を持っている。

強豪とのギャップを埋めていくことはできる

――3試合で感じた手応えと、この1年でやらなければならないことを教えてほしい(大住良之/フリーランス)

 ブラジル戦はアプローチを誤った。試合が始まってからは個性が控えめになってしまった。アウエーゲームのとき、しかも素晴らしいチームの地元でプレーするとき、我々はそうなることがある。最初に失点したときから、あまりいいゲームはできなかった。

 イタリア戦はハイレベルな試合だった。体調が整っているときはこのようなプレーができることを見せられた。対戦相手はある程度重要だが、コンディションが最高のときは、我々はこういうプレーができる。イタリア戦では国際試合の経験不足があらわになった。70分までは我々が試合を支配していた。我々はさらに向上しないといけない。イタリア戦はアプローチが良かったと思う。メキシコ戦もアプローチは良かったし、集中していた。プレーに対する意志も表れていた。しかし選手たちはやはり疲れが出ていた。イタリア戦の疲れが残っていたので、十分に回復できていなかった。

 とはいえ、コンフェデ杯でこうした経験を得ることで、改良点を確認したかった。来年のW杯に向け、世界の強豪とのギャップを埋めていくことはできると思う。まだ1年あるので、その点をしっかり頑張っていくつもりだ。いくつかの親善試合があるし、かなりの試合を控えている。日本サッカー協会にいくつかのアウエーゲームを調整することを要請している。アウエーで試合をすることで国際的な経験ができると思う。それが目的だ。

 また、私自身も最適な選手を選ばないといけない。今大会で選手の何人かはあまり休養できていなかった。シーズン中はクラブでプレーできていなかった選手もいた。体調は必ずしも良くなかった選手がいた。長友はここ3カ月で数ゲームしかしていないし、本田もこの7カ月で数ゲームしかしていない。理想的な体調ではなかった。W杯の予選の方も考えなければいけなかったので、コンフェデ杯の準備はできなかった。ポイントはゼロで終わったのは残念だが、一番大きな目標は個性を確認することだった。試合の流れは残念で悔しい。イタリア戦をモノにできなかったのが悔しい。弱点をさらに見いだすことができなかった。しかし、第2戦と第3戦は満足できる内容だったのではと思う。

――本田の出来に関してはどうか? 後半は足が止まっていて交代が必要だったのではという出来だったが

 本田は今大会のために十分な準備ができなかった。プレーすることで体調を整えるしかなかった。だから出場させた。ただ、イタリア戦から体調の回復ができなかった。

チームの性格を変える気はなかった

――勝ち点ゼロで終わったこと、セットプレーと立ち上がり、終盤の失点が続いたことについてはどう思うか?

 日本は勝ち点を取れなかった。ポイントを取りたかったが実現しなかった。その理由は、先ほどや前の試合でも言ったが、十分に大会のための準備ができなかった。また、前半開始の数分で失点、後半でも失点しているが、これもやはり体調が十分でなかったためだ。選手はすでに疲れていた。以前のコンディションではなかった。選手によっては、オーストラリア戦の前日に代表として集まったということもある。いくつかの試合が続いたが、体調を回復する余裕はなかった。そこは考慮しなければいけないと思う。イタリア戦から2日後でこの試合があった。イタリア戦の次の日、体調回復に務めた。昨日はもう最終練習だった。だから燃料タンクに燃料はそれほど入っていなかったと思う。

――コンディションがいい控え選手を起用する考えは?(宇都宮徹壱/フリーランス)

 選手交代は何人かした。先発は3人ほどイタリア戦から代わった。チーム全体を変えるとアイデンティティーを変えてしまうことになる。日本はイタリア戦ではよくやったと思う。だからチームの性格を変える気はなかった。今日はスタメン3人を代えた。試合中、どこで交代できるかを見極めた。戦術的に変更する必要があって、サイドで高い位置を取る必要があった。失点はディフェンスラインの人数はそろっていたが、空中戦で入れられてしまった。非常に良いヘディングシュートだったと思う。

<了>

 

デラトレ監督「反撃は容易ではなかった」 コンフェデ杯試合後、メキシコ監督会見
【スポーツナビ 2013年6月23日】

 サッカー日本代表は現地時間22日(日本時間23日)、ブラジルのベロ・オリゾンテでコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)第3戦となるメキシコ代表戦に臨み、1−2で敗れた。すでにグループリーグ敗退が決定し、最終戦で勝利を飾りたい日本だったが、3戦全敗で大会を後にした。 一方、第2戦までに日本と同様に2連敗し、グループリーグ敗退が決まっていたメキシコは、最終戦を勝利で飾り、グループ3位で大会を終えた。

 試合後の会見に臨んだメキシコのホセ・マヌエル・デラトレ監督は、「反撃は容易ではなく、最初はボールの支配が難しかった」と序盤での苦戦を認めた。また、この試合を最後に今大会を去るため、ブラジル国民へのあいさつを問われると、「また、お会いしましょう」と1年後のW杯での再会を誓った。

ブラジルはホスト国として問題ない

 日本はよくやっていた、集中していたと思う。試合へのアプローチだが、我々に対して日本は攻めていた。しかし、徐々に我々がよりボールを扱い、ボックスでのスペースを使い、選手の個性を発揮してゴールにつなげた。もちろん、日本はまとまったチームで技術力があり、タレントがそろっていた。そのため、反撃は容易ではなく、最初はボールの支配が難しかった。しかし、後半に入りボールをキープすることができ、得点につなげることができた。そこで、より落ち着くことができ、攻撃することができたと思う。当然、日本も反撃してくるとは思ったが、できるだけボックス内でつなぐことが得点につながった。

――ハビエル・エルナンデスはここ最近8試合で7得点。メキシコ代表の最多得点に近づいているが? チームに取ってどれだけ重要な存在か?

 私は幸いにも、ハビエルがプロになった初年度にグアダラハラのチームに迎えることができた。常に決意を持ってプレーに臨んでおり、非常に動きも良くタイムリーなところでプレーしている。そのような素質があるので、マンチェスター・ユナイテッドでも非常に高いレベルでプレーしている。メキシコ代表でも、そのような技術、得点力に優れた存在だ。単にゴールするだけでなくスペースも確保してくれている、それにより攻撃的なチームであることを可能にしている。ほかの選手も含め、個性は違うがハビエルが優れた選手で助かっている。

――ドス・サントスは右サイドでのプレーが難しかったようだが?

 ブラジル戦でも同じプレーをしていたが、チームも選手もフルに彼のプレーを引き出すことができる。チームとしてはバランスを獲得することができるし、ジョバンニ(ドス・サントス)がリカバリーできるスペースを確保しなければならない。個人のコンディションも考えなければならないし、適切なポジションで彼の能力を引き出し、体力のことも考えないといけない。相手のやり方にもよるが、どのようにして彼のためにスペースができるのか、また彼のためにどうすればセットプレーが可能になるのか、というところでチームがプレーすることで彼が光るのだと思う。

――メキシコはどのような気持ちでブラジルから離れるのか?

 複雑な思いはある。われわれはホスト国に歓迎され、ブラジル滞在中はセキュリティーに問題はなかった。唯一の問題は、イタリアとブラジルに負けたこと。そして、グループリーグで敗退してしまったこと。それ以外はホスト国は全く問題なかった。来年にまた戻り、ブラジル本大会で試合をしたい。

――コンフェデ杯が終わり、来年へ向けてブラジル国民にどんなあいさつをするか?

「またお会いしましょう」だ。来年のW杯でお会いしましょう。メキシコとブラジルの国民同士の関係は非常に温かいと思っている。1970年のW杯から似たもの同士であり、その意味でもサポートをもらえて喜んでいる。

敗退も何かを学び取る機会

――2トップでヒメネスを使った理由は?(大住良之/フリーランス)

 いくつかの変更を加えた。そして、選手たちからもぜひチャンスを与えてほしいということで、よく選手を観察して、プレーをさせることにした。日本相手にチームのメリットになるのであればと考えた。それに、彼は非常に強い存在感を持っており、個性もある。メキシコのサッカーや代表チームに非常に貢献している。確かにヒメネスの特長を変えているが、4−3−2−1、4−3−3で起用することが可能だ。しかし、それはコンディションを見ながら決めることだ。

――W杯予選は4試合残っているが、これらの試合に向けて

 ここでもって、コンフェデ杯のページをめくらなければならないのは残念だ。しかし、今度はゴールドカップを取らなければならないし、それが目標であり、ゴールの一つだ。そして、W杯予選があるので、そこに向けてより良い状態を作る必要があり、そのために選手を見極めてベストの選択をする必要がある。そのためには9月まで待たなければならないし、それまでにいろんなことが起こるかもしれない。なので、適切な時間を待って選手の質をより良くして、勝っていかなければならない。

――メキシコはW杯予選の残り試合を勝てるか?

 通常ならW杯予選はベストメンバーを集める必要がある。なので、最善の選手を集めて切符を手にしたい。その前にゴールドカップがあり、W杯予選でもコスタリカ、米国との差もある。W杯予選ではアウエーが2試合残っているが、われわれとしては有利に進めてW杯の出場権を獲得したい。

――後半に攻勢を強めたのは何か指示を出したのか? それとも、日本の運動量が落ちたことが原因か?(日本メディア)

 チームはよりボールをコントロールしていた、そしてディフェンスも堅かったと思う。そのため、ボールをより支配して、チャンスをつかむようにした。しかし、序盤は日本がよくプレーしてきたので、われわれは本当に完敗しそうになった。それほど見事の形でプレーしてきた。なので、それに合わせてボールをコントロールするようにした。

――何も持たないで帰ることは望んでいないとのことだった。敗退が決まっていたわけだが、それについてはどう思う?

 確かにその通りで残念だ。また勝ったからといって、どのように勝ったのかのプロセスを分析しないと何の役にも立たない。いかなる試合でも、なぜそのような結果になったのか。ブラジル、イタリアとの試合で望んでいた成果を出せずに、グループリーグ敗退が決まったが、私としては毎試合、何かを学び取る機会だと思っている。より先に進みたと思うし、それは選手も同様だ。それぞれすべてのエネルギーを投資して成果を求めた。結果として今日の試合に勝つことができた。

<了>

 

本田「自信の差がそのまま格になる」 コンフェデ杯、メキシコ戦後コメント
【スポーツナビ 2013年6月23日】

 サッカー日本代表は現地時間22日(日本時間23日)、ブラジルのベロ・オリゾンテでコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)第3戦となるメキシコ代表戦に臨み、1−2で敗れた。日本は54分にメキシコに先制を許すと、66分にも追加点を喫し、2点をリードされる。86分に岡崎慎司のゴールで1点を返したが、追い上げも及ばなかった。

 試合後、日本の本田圭佑は「プライド、負けられないというものが自分たちを動かす力になる」と、3連敗を喫して改めて感じた世界との違いを口にした。また、香川真司も「一体何をトライしに来たのか。本当に情けないです」と悔しさをあらわにした。

本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)

「自信の差がそのまま格になる」

(3連敗だが)結果に関しては不本意。でも現実だし、人のせいではなく自分に降りかかるものだと思っています。ただ、ネガティブなことを言ってもしょうがないし、あらためてブラジル、イタリア、メキシコというチームに勝てるクオリティーが必要だと思います。さらにその上にはスペインがいるかもしれない。スペインとやれなかったのは非常に残念だけど、もっと高められると思います。ただ、なんとなく成長しているようでは、また同じ結果になるというのは今回で自覚しなければいけない。日本代表は必ず成長しているし、必ず力をつけているけど勝てないというのは、相手も成長しているから。そこで上回るにはどれだけの覚悟を持ってやらないといけないか、それがまだ足りないと思います。

 自信の差がそのまま格になります。百戦錬磨のイタリアはあれだけやられていても勝ってしまう。プライド、負けられないというものが自分たちを動かす力になる。僕らはとりあえず練習でやったことを100パーセント出そうとやるものの、勝ち方が分からない。一生懸命やって、いいサッカーもやっています。相手を圧倒しているけれども、その差で点を決められない。そこは格になる。

 イタリアで言えば、何回とスクデットを取ったり、チャンピオンズリーグを取ったりしている選手がいるわけで、その差は歴然としているのが現状。日本がアジアでプレーするときは、その格がうちにアドバンテージとしてある。負けるわけがないというプライドを持って挑んでいるから、ちょっとのヘマもできないし、そういう誇りを持って相手に挑み、相手を圧倒しているんです。今回はその逆パターンをやられている。一生懸命やるだけというのは限度があります。

(ビッグクラブに行けたら壁を少しは超えられるのか?)少しどころじゃないと思います。僕がレアル・マドリーに行けたら、計り知れないプレッシャーが待っていると思うし、僕は特に環境先行型なので、自分よりレベルの高いところでやることでいろんなことを吸収して、今ここにいます。次の移籍先がどこか分からないけど、そういうチャンスはもちろんあると思っています。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

「世界に向けての課題を感じる」

 別に何も残らなかった試合で、日本らしくしっかり負けました。勝ち切れなかった。トライしたけど負けた。今までと何も変わらないです。立ち上がりにチャンスがあったし、どうしてもお互いフワッとした雰囲気は感じたなかで、先に点を取れれば良かったのかなと感じます。3試合通してそういうところで点を取れなかったというのが、世界に向けての課題を感じます。

 ブラジルのようなチームに勝つためには最低限、個人とチームのレベルアップが必要だし、チームとして戦わないと勝てないのかなと、今日あらためて感じました。後半なんてみんなバラバラというか、勝ちたい気持ちがメキシコの方が強かった。僕らはすごくあいまいで、攻撃をやっていても、岡ちゃん(岡崎)が1人で頑張っていたけど、一体何をトライしに来たのか。本当に情けないです。イタリア戦では、チームとしてチャレンジできたけど、今日はできなかった。

 来シーズンは、まずプレミアリーグでしっかりと結果を残して、国際舞台に日本代表として出るときにもっともっと脅威になれる選手にならないといけない。そのためにはマンチェスターで個を磨いて、ゴールだったり、仕掛けることだったりというのを増やしていかないと、代表になったときに厳しい。1人ひとりがそういう姿勢を持って、意識をより高めてあと1年やっていかないといけないですね。

内田篤人(シャルケ04/ドイツ)

「これが現実で実力」

 ディフェンスラインの選手が負けている時間帯に入るのは難しかったですけど、CKを含め、自分のところでやられたのはもったいなかった。前半は1、2回チャンスはあったので、そこで取れれば。そこで向こうが耐えると、徐々に自分たちの時間帯に引き込む、そういう力はあると思いますね。耐えて、なんだかんだ勝つという。これが現実で実力。その通りだと思います

(3試合終わってみて、どうか?)自分たちがしっかり準備して、ある程度やれる時間帯もあるんですけど、それよりも、勝ち負けというのは感じる。良いサッカーをしているほうが勝ちには近づくんだけど、うまく勝ちを取り込むのは、他の国のほうがすごい。強いチームには点を取れる選手がいますからね。ネイマール、バロテッリ、エルナンデス。やられる選手にやられていますから、そこは残念な気がします。ただ、これだけみんなと一緒にいられて大会に出たのはすごく良いことだと思う。試合を終えたり、大会を終えると、チームとしてもひとつ成長すると思います。

長友佑都(インテル/イタリア)

「何も違いを生み出せなかった」

(けがしたのは)左のふくらはぎの付け根です。ずっとケアしていた部分で、ずっと腫れがありました。後半途中で動きづらかったので、チームに迷惑がかかると思って交代しました。(その後チームは4−2−3−1で戦ったが?)すごく悔しかったというか、自分がやりたかったです。ただ、足の状態が悪く、チームに迷惑をかけました。後半の途中から張ってしまい動けませんでした。

(最初の20分間に関して)入り方としてはイタリア戦のときみたいに入ろうとみんなで話していましたし、うまく入れたと思います。相手も少しずつ上げてきて、僕らもちょっと足が止まりだしたころにチャンスを作られ始めました。(後半の運動量低下は日程の影響か?)向こうも同じ日程でやっているし、コンディションは全く言い訳にできないです。僕らは動きの質、走力で相手よりも上回れなかった。それだけです。

(3連敗に終わったが?)3連敗しているので、結局のところは。もちろんイタリア戦で見えた部分もありますが、DFとして4失点はあってはならないと思います。コンフェデ杯も僕自身、個人としてチームの役に立てなかったです。そこは自分のなかですごく悔しいです。何も違いを生み出せませんでした。アシストもしていないですし、チームの課題というよりまずは自分の課題として、自分自身に反省をしないといけないです。

(チームとして学んだところは?)初戦のブラジル戦でチャレンジができませんでした。あれだけ引いて守っていては日本のサッカーはできません。結局は前半から前からいってチャレンジして、高い位置でボールを取って、攻めることをやっていく必要があると思います。

岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)

「次は勝つためのゴールを決めたい」

 90分間で勝つための集中力が欠けている時間帯があるのかなと。やっぱり各国の強いチームは締めるべきところを締めているんで、僕らの攻撃がふがいなかったのはもちろんあるんですけど、簡単に失点してしまってはダメなのかなと思います。僕らも勝負を分けるポイントを全然分かってなかったなというのを感じました。それをこの3試合で見せつけられました。サッカー的にはやれるという自信がつきましたけど、じゃあ勝つという部分で、日本の課題というのは90分間で隙を見せない、隙を見せたときにやられてしまうという部分なのかなと。今日は(香川)真司と(本田)圭佑にマークがついていたから、だったら圭佑にワンタッチではたかせて、他の選手がもっとやらなきゃいけなかったと思います。途中からそう思って、やり出しました。

(2試合連続ゴールを決めたことは)満足はできないです。ただ個人的にはアジアの相手によく決めるというのがあったんで、一皮むけられたことを自分自身のなかで持てたというのは自信にはなると思います。もう一皮むけて、次は勝つためのゴールを決められるようにしたいなと思います

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「個のレベルアップは必須」

(途中出場だったが)僕が入ってシステムを3−4−3にしようということでした。3−4−3の特徴を生かせるようにプレーしたかったのですが、(長友)佑都君のけがもあって、状況的にまた4−2−3−1に戻す形になりました。セットプレーの2失点目なんかはロンドン五輪でメキシコと対戦したときにも、同じ形でやられています。同じ形での失点、PK献上というのは、決してよくないですし、パフォーマンスもよくなかったと思います。

(同じ結果を1年後のW杯でに繰り返さないために)やっぱりこういう強い相手と戦わないといけないですね。昨日も言いましたけど、地力をもっとつけなければいけないです。シーズンが終わった後でもこういう高いレベルで高いパフォーマンスを発揮できるようにしたいです。1年経ったときにそこをどれだけ埋められるかだと思いますし、みんなが痛感したように何もできずに終わってしまったので、来年は形を出せるようにしたいです。

(失点9という結果は?)局面局面でやられていますけど、組織として大きく崩されたということはなかったと思います。ブラジル戦のネイマールのゴールにしても、やっぱりイタリアのゴールにしても、個のところでもっと詰められるようになれば、組織としては十分通用すると思います。イングランドでシーズン中からずっと言っていることですが、個のレベルアップは必須だと思いますし、僕個人が1歩2歩ステップアップするためにも細かいところにこだわっていかないといけないと感じています。それは昨シーズンから引き続き課題だと思っています。

 チームももちろん向上しなければいけないのですが、守備はすごく不甲斐ないというか、何もできずに終わってしまったので。僕、個人的にはコンフェデ杯に経験を積みに来たわけではなくて、結果を出しに来たつもりでした。そういう意味では何も残せなかったですし、はらわたが煮えくり返るような気持ちで帰らなければいけないのが残念です。

川島永嗣(スタンダールリエージュ/ベルギー)

「結果だけではなく次につなげる見方を」

 失点が多い形で終わったので、非常に残念な結果ととらています。ただ、結果だけ見るんじゃなく、次につなげるという見方をすれば、ポジティブな部分もあった。ネガティブな部分だけを見るんじゃなく、ポジティブな部分ももう一回、見返す必要もある。積み重ねてきた自分たちのサッカーを自信を持ってやれているときは、相手がどこであれ、対等にやれると思う。そこを結果につなげられなかったという部分では、まだまだ詰めていかなければいけない部分だと思います。今日の失点については、自分たちはゾーンで整っていたけど、ちゃんとプレッシャーをかけなきゃ意味がない。入ってきたところに対しては自分たちが仕掛けて取るイメージは持っておきたい。そこの部分については、課題というか、ほんのちょっとのところだと思います。世界を相手で自分たちがどれだけプレッシャーにいけるかという部分で、もうちょっとボールに対していかなければいけないですし、そういうところをもっとチームとしても、個人としてもやっていければ良いと思います。

細貝萌(レバークーゼン/ドイツ)

「もっと前にボールを供給しないと」

(3−4−3に移行したときの対応は?)DFラインが3枚になるので枚数は薄くなるけど、その分サイドの選手が高い位置を取れるし、前に3人いるので、監督が言うには3−4−3というのはより攻撃的なシステムですね。途中でアクシデントがあって、また4枚に戻しました。(3−4−3はオプションになるか?)監督はそう考えているから使いますし、練習でもやっています。この1年でまだまだ3−4−3をやっていく可能性はあると思います。そういうときにしっかりと対応できるようにしていきたいです。流れによってフォーメーションを変えるために練習していると思うので、自分たちもしっかりと与えられた役割をこなせるようにやっていきたいです。

(ボール支配率はメキシコとほぼ一緒だが、シュート数は日本がかなり少なかったが)シュート数が違う、シュートをそれだけ打っているということは、それだけ多くのチャンスを作っているということだと思います。相手はアジアの選手と違い、迫力がありました。もっと日本もシュートを打っていかないといけないです。シュートを打つために、自分はボランチの選手として、単純な形でももっと前にボールを供給していかないといけないと思います。

栗原勇蔵(横浜F・マリノス)

「先に点数を取れていれば」

(2ゴールのエルナンデスについて)2点目になったCKからの得点も反応が1人だけ速かったし、やっぱり世界であのサイズで戦っている選手はレベルが高いなと思いました。

 前半はゴールポストに当たったシーンなんかもありましたけど、わりとお互いスローペースでした。そんなに激しくなかったから、自分としてはスムーズに入れましたけど、戦ってみて『これは勝てるかもしれないな』と思っていました。先に点数を取れていればと思うし、そこでやられてしまった。でもチャンスもありました。

(強豪チームは)やっぱり余力を残してるから、ここぞというところで力を使えるというか、仕留め方を知っている。日本はいっぱいいっぱいというか全力でみんなプレーするから、相手がミスしても、ここぞという時にパワーを発揮しづらいのかもしれない。外国人選手は普段サボったりしているし、そういう時に力を発揮できるのかなと思ったりもしています。

中村憲剛(川崎フロンターレ)

「どれだけアドリブを利かせられるか」

 どれだけ個々でアドリブを利かせられるか。ある程度、練習で型というのはやりますけど、ピッチの中は生き物だから。その状況によって前に出るのがいいのか、後ろにいくのが良いのか、それは個々の判断だと思います。特に途中から出る選手は助けないといけないから。いかに自分が出ることによって、周りを生かせるか。逆に僕が入ったときに僕をどう生かしてくれるかもそう。

(長友がけがする前から4−2−3−1に戻す予定だった?)どうだったかな。二転、三転していたから覚えてないです。佑都がまずできるのか、できないのか。その前とかあまり覚えてないです。最終的に佑都と代わり、4−2−3−1に戻すという話で、やることはトップ下ではっきりしているから。15分の出場だったけど、出たときに仕事をしなければいけない。それは控えの選手の宿命です。その中でも、自分のスタイルが全く手も足も出ないという感触はなかった。中2日で疲労も蓄積されていただろうけど、本番はもっとタフな試合もあるでしょうから、やっぱり総合力だと思います。いかに途中から入ったときに自分の色をチームのために出せるか。代役ではなく、そういう風にしていかないといけないと思います。結果的に3戦全敗になりましたが、ブラジル戦からイタリア戦への切り替えは、素晴らしかったと思う。それに、そういう意味では良い経験ができたと思うし、あのとき、こうだったと言える体験があるのは日本にとって大きいと思います。

今野泰幸(ガンバ大阪)

「ミスが重なるとすぐに失点する」

 勝てないなっていう。それだけです。90分通しても、良い時間帯はあるし、うまく守れている時間もある。ただ、2失点しているから、世界とやるときには失点ゼロにするのはかなり難しい。何度も押し込まれて、なかなか落ち着かなくて、マイボールにできなくて、最後、マークがずれてやられた。もうちょっと、何かできただろうと。マイボールにしたときに、俺もクリアがけっこう多かったから。そこで、マイボールにして落ち着かせて、攻撃につなげられればいいと思う。落し込まれたときも、ラインコントロールをこまめにしたり、攻められているときは割り切って、全員で守るというか。隙を与えないのが大事だと思いました。思うことはたくさんあります。たくさんありすぎて整理できないくらい、いろんなことをやらなくちゃいけないってことは分かりました。

 守備で言えば、一瞬も集中を切らしちゃいけないなと。一つのポジションミスが失点に直結してしまうし、ミスが一つ、二つ重なったら、すぐに失点すると感じた。だから、もっと危機感を高めて、ポジションミスがないようにする必要がある。身体能力の違いも分かったから。ここから1年で身体能力を上げていくのは難しいけど、頭を使ってプレーすることが大事になってくると思います。この経験を無駄にしてはいけないですよね。知れたっていうだけで満足しないで、何かをやらないとというのは今も思い浮かんでいる。帰ってからも整理して取り組みたいなと思いますけど。

<了>

 

ザッケローニに必要な「勇気とバランス」 指揮官の決断が左右する日本の未来
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年6月23日】

パレードのようなデモが一転、流血の事態に

 コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)第3戦、日本対メキシコが行われたベロオリゾンテの会場「ミネイロン」から、メディアバスで中心街まで移動し、そこからタクシーでホテルを目指す。すでに宵闇(よいやみ)に包まれていた路地に、火の手が上がっているのに気づいて思わず目をむいた。よく見ると、ゴミや新聞紙が意図的に燃やされているようだ。小規模な放火は、その後もあちこちで見かけた。やがて、宿泊先に面したアマゾナス通りまで来ると、機動隊ががっちりと隊列を組んで警備している。ここから先はタクシーは通れないと判断して、ホテルまで徒歩で向かう。道すがら、割れたビンがあちこちに散乱し、何かを燃やした臭いが充満していて、ついさっきまで緊迫した状況だったことはすぐに理解できた。

 無事にホテルに戻り、気になったのでネットで検索してみる。ちょうど日本対メキシコの試合が行われている最中に、反政府のデモ隊のメンバーと警察が衝突、12名の負傷者が出たというニュースを見つけて暗澹(あんたん)とした気分になった。実は試合開始の2時間前、スタジアムの周辺を散策している時に私はデモ隊の行列に遭遇している。もっとも、その時は暴力的な雰囲気など一切なく、むしろ非常に平和的で、音楽に合わせて踊りながら行進するパレードのようなものであった。中にはブラジル代表のユニフォームを着た参加者もいたので「ああ、政府のやり方には反対していても、みんなサッカーが大好きなんだな」と、のんきに考えていたのである。

 こうしてホテルで原稿を書いている間にも、警察のヘリコプターが上空を旋回していたり、サイレンの音やら「ボン!」という爆発音やらが聞こえてきて気が気でない。とはいえ、私がやるべきことは、この日のメキシコ戦をきちんと振り返り、精査し、それを皆さんにお伝えすることである。日本にとってのコンフェデ杯が終わった今、この日の敗因を検証しないことには、チームもファンも(そして私自身も)しっかり前に進むことなどできまい。そんなわけで、いつものようにポイントを絞りながら、このメキシコ戦の問題点をあぶり出すところから始めてみたいと思う。

あくまでも「勝ちに行く」布陣だった日本

 まずは日本のスタメン。GK川島永嗣。DFは右から酒井宏樹、栗原勇蔵、今野泰幸、長友佑都。中盤は守備的な位置に細貝萌と遠藤保仁、右に岡崎慎司、左に香川真司、トップ下に本田圭佑。そして1トップに前田遼一。ボランチの細貝は、累積警告で出場停止の長谷部誠に代わっての出場。センターバックの栗原については、「吉田麻也の体調が良くなかったから」(ザッケローニ)。さらに、右の酒井宏については、「よりハイプレーで強さを見せたかった。酒井宏はそれが保証できると思った」(同)。メキシコが前線と中盤に2人の長身選手(ヒメネスとサバラ。いずれも190センチ)を起用することを見越して、おそらくディフェンスラインに高さと強さを求めたのだろう。いずれにせよ、この日のスタメンは「控えのテスト」ではなく、あくまでも「勝ちに行く」布陣であった。

 試合の入り方は悪くなかった。イタリア戦に続いて、前線から積極的に仕掛けていたし、パスもよく通っていたし、それに合わせて周囲の動きもしっかり連動していた。前半10分、相手クリアボールから遠藤がミドルシュートを放ち、岡崎がヒールで流したシュートは、一瞬ゴールかと思われたがオフサイドの判定。リプレー映像を見ると、非常に微妙な判定だったと思う。これがもし決まっていたら、その後の展開もかなり違っていたものになっていたのではないか。

 その後もしばらくは日本のペースで試合が進む。ポゼッションではメキシコがやや有利だったものの、シュート数では日本のほうが上回っていた。しかしそれも、前半残り10分くらいの時間帯から一気に逆転され、40分にはグアルダードのヘディングシュートが右ポストをたたき、終了間際にはサバラのブレ球ミドルシュートを川島がセーブで阻むなど、ヒヤヒヤした展開が続く。そしてエンドが替わった後半9分、グアルダードの左からのクロスに、エルナンデスがフリーで頭から飛び込み、ついにメキシコが先制。さらに後半21分、日本が2枚目の交代カードを切り(前田OUT/吉田IN)、マークの引き継ぎがあいまいになったところに、コーナーキックから再びエルナンデスにヘッドで決められ、2点差に広がってしまう。

 もちろん、それでも日本は最後まで諦めずに戦っていた。後半41分には、香川のクロスを遠藤がダイレクトで中央に折り返し、最後は岡崎が右足インサイドで合わせて1点差に詰め寄る。そしてアディショナルタイム1分には、途中出場の内田篤人のファウルでPKを献上するも、川島がビッグセーブを見せてエルナンデスのキックを封じた(これが決まっていたら、屈辱的なハットトリックを許していた)。そうした奮闘があった一方で、本田が疲労で精彩を欠いたり、長友がけがで途中交代を強いられたり(後半32分)、頼りになる選手たちが軒並み機能不全となってしまった。結局、日本の反撃は岡崎の1点にとどまり、1−2で敗戦。日本はこのコンフェデ杯を3戦全敗で終えることとなった。

敗因は「コンディション」と「空中戦」?

 「(日本は)イタリア戦で力を出し尽くしたこともあり、メキシコよりも疲れが回復していなかった」
「失点については、メキシコの方が空中戦に強かったから」

 メキシコ戦の敗因について、ザッケローニは試合後の会見でこのように言及している。このうち空中戦に関しては、確かに相手の方が優位に立っていたが、2ゴールを決めたエルナンデスの身長は175センチ。栗原とは9センチ、今野と比べても3センチ低い。つまり、単に「高さにやられた」と断じるべきではないだろう(むしろ守備の際の空中戦では、今野の健闘ぶりが光っていた)。最初の失点は、エルナンデスの動きにセンターバックやボランチが捕捉できなかったこと。2つめの失点は、選手交代と3−4−3へのシステム変更により、マークの引き継ぎがしっかりなされていなかったことが原因であろう。

 むしろ私は「メキシコよりも疲れが回復していなかった」ことを、指揮官があえて理由に挙げていたことを問題視したい。確かに、中2日での試合で、その間に移動もあったことを考えると、非常に無理のあるスケジュールであったと言うのは分かる。しかしながら、中2日というのはメキシコとて同じ条件。しかも彼らは、レシフェよりもさらに北のフォルタレーザからベロオリゾンテに移動してきたのである。だからザッケローニは、ここで「疲れが回復していなかった」ことを言い訳にすべきではなかった。

 ここで、この日のメキシコの布陣に目を向けてみたい。第2戦のブラジル戦から、メキシコは日本より1人多い、4人の選手を入れ替えてきた。このうち、長身のヒメネスとサバラは、先の試合ではスタメンからは外れており、明らかに日本対策としての起用だったことが分かる。これに加えて、システムも変えてきている。すなわち、ブラジル戦では4−2−3−1だったのが、この日本戦では4−4−2に変更。ヒメネスとエルナンデスのツートップにして、前の試合ではトップ下だったドス・サントスを右MFで起用。その理由について、メキシコのデラトレ監督はこう語っている。

「(ドス・サントスについては)個人のコンディションも考えなければならないし、適切なポジションで彼の能力引き出し、なおかつ体力のことも考えないといけなかった」
「(ツートップの一角に据えることで)ヒメネスの特徴を変えることになるが、4−3−2−1、または4−3−3でも彼を生かすことが可能だ」

 つまりメキシコは、選手のコンディションや相手の特徴に合わせて、システムや選手起用に変化を加えても、それなりに機能するチームなのである。特定のシステム、特定の選手に依存せざるを得ない日本とは、この点が最も違っていると言えよう。その意味で、デラトレ監督は非常にいいチーム作りをしているように思えるのだが、メキシコ本国ではあまり評判がよろしくないようで、メディアからもそのことをたびたび指摘されていた。メキシコの代表監督は、本当に大変な仕事なのだなとつくづく思う。

敗北を招いたアイデンティティーへの固執

 さて、このコンフェデ杯の総括については、また稿をあらためて論じることにしたいが、取り急ぎ、日本代表の成果と課題について端的にまとめると、以下のようになる。

【成果】
チームとしての方向性が決して間違っていなかったことが(特にイタリア戦で)ある程度証明できたこと。

【課題】
現状のチームでは限界があること。欧州の強豪相手に善戦できても、今のままではワールドカップ(W杯)本番のグループリーグで確実に勝ち点6を積み上げられるか疑問。

 ゆえに今後のテーマは、
(1)プレーの精度を上げること
(2)選手層を厚くしてチーム内の競争を高めること
(3)特定の選手だけでなくチーム全体で経験を積むこと
以上3点に集約されると考えている。(1)については、現在の選手のレベルを考えれば、それほど心配はしていない。問題は(2)と(3)。これらについては、指揮官の考えによって大きく左右されるからだ。

 メキシコ戦の会見で、ザッケローニがあまりにも「休養が足りなかった」とか「体調が整わなかった」といった発言を繰り返していたので、「それならコンディションが良い控えの選手を積極的に起用する考えはなかったのか」と質問してみた。その回答はこうだ。

「先発は3人ほどイタリア戦から代わった。チーム全体を変えるとアイデンティティーを変えてしまうことになる」

 なるほど。とはいえ、選手のコンディションよりもアイデンティティーに重きを置いたがゆえに、結果として長友のけがを誘発したと言えるのではないか。そして、このアイデンティティーへの固執こそが、メンバー固定によるチームの硬直化を招き、戦術のオプションのなさや采配の迷走につながっているように、私には思えてならない。この状況を打破するために、指揮官に求められるものは2つ。すなわち、限界を迎えた現状のチームをいったん壊すだけの勇気と、そこから新しい戦力を吸い上げて再構築するバランスである。そう、まさに「勇気とバランス」だ。

 ザッケローニがずっと提唱し、チームに求めてきた「勇気とバランス」。それは今まさに、他ならぬ指揮官自身に求められているのではないか。

<了>

 

イタリアに痛恨の逆転負けでグループリーグ敗退決定・・・2013コンフェデレーションズカップ:イタリア 4-3 日本

前半見た時は「おっしゃあ!」て感じだったんですが・・・こういう負け方って外野で見てるよりも本人たちが一番悔いが残って口惜しいでしょうね・・・。

 

FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジル2013 グループA

イタリア 4−3 日本

 

結果は残念でしたけど、前の試合に比べたらずっと光が見えた戦いぶりではあったと思います、ただ、CFに強力なのがいるチームが羨ましいなぁ・・・という愚痴は言っても詮ないのでともかく(イザとなったら本田1トップあるし・苦笑)、ボランチのスケール感や守備力に大きな差があるのが、この2試合で目についたことでしょうか。2010年時よりもアグレッシヴなスタイルに、というのであれば尚のことなんでしょうけど、DFのバックアッパーがいないこととあわせて、ブンデス組やJ1組から台頭してくる中堅や若手が出てきてくれるといいですが、現状神頼みなんすよねぇ・・・(苦笑)。

 

ザック監督「イタリアにも負けていない」 コンフェデ杯 イタリア戦後会見
【スポーツナビ 2013年6月20日】

 サッカー日本代表は現地時間19日(日本時間20日)、ブラジルのレシフェでコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)の第2戦イタリア代表戦に臨み、3−4で敗れた。日本は21分、33分に得点を挙げ2−0とリードしたが、前半終了間際から後半開始早々にかけて3点を奪われ、一気に逆転された。その後、後半24分に岡崎慎司のゴールで同点に追いついたが、最後はカウンターからゴールを許し惜敗した。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「多くのチャンスを作り、最後まであきらめなかったことに満足している」と試合内容に満足している様子を見せた。しかし、「来年のワールドカップ(W杯)までに強豪国とのギャップを埋めていかなければならない」と課題も説明し、次戦も貴重な経験の場と意気込んだ。日本は現地時間22日にメキシコ代表と対戦する。

国際経験の差が結果を分けた

 ブラジル戦とは違って積極的にいくことができたし、非常に興味深い試合だった。それに、日本のやり方で試合を進めてくれた。最終結果は残念だが、非常に良い内容だったと思う。しかし、勝たなければいけない試合だったので、可能なチャンスをすべてつかまなければならなかった。イタリアより日本の方にチャンスが多かったのは事実だが、意識しなければならないのは、イタリアの方が少ないチャンスをうまく得点につなげたことだ。

 今回のコンフェデ杯はわれわれにとって、非常に有益なもので、国際経験を積める場所であることは確かだ。これまでの国際経験の差が今回の結果を分けたと思う。しかし、今日の試合を見ると決してイタリアに負けているとは思わない。良い試合だった。イタリア人としても、1970年のW杯を思い出した。イタリア対ドイツの試合で4−3だったこと、これはイタリア人が常に思い起こすことだ。今夜の試合も、後半は特にそうだったが、得点が動く非常にエキサイティングな試合だった。また、満足しているのは、選手が多くのチャンスを作り、最後まであきらめなかったこと。そして、守備ではスペースを消して、イタリアにチャンスを作らせなかったこと。このようなプレーをすると通常は勝つのだが、そういう意味で選手は残念だと思う。しかし、このような結果になっていることは、イタリアが勝つべくして勝ったということだ。

――日本はピルロだけをマークせずに、すべての選手にプレッシャーをかけていたように見えた。イタリア戦に向けた準備はそのようなものだったのか?(海外メディア)

 スペインのやり方のように戦った。プレッシャーをかけて、よりボールをキープするようにした。縦へのロングボールが入る際に、まずバロテッリを探すようにしたし、イタリアに取って難しくしようとして、できるだけボールをキープして、早くボールを動かすようにした。パスを多く回すようにした結果は、ご覧になったようにいくつかのエピソードを作った。

――イエローカードが2枚出たが主審の基準に関しては? また、メキシコ戦の準備はどうする?

 主審の判定についてはいかなる異議もとなえない。判定には(主審と)同じ意見ではないかもしれないが、抗議もしない。メキシコ戦については、試合までそれほど時間はなく、回復できないかもしれない。しかし、有用な経験になるし、良い試合内容を残さなければならないと思っている。1年後のW杯では個性を持つ選手で、良い内容の試合をしたいと思う。今日はそれを見せることができたと思うが、もっと経験を積む必要がある。

強豪国とのギャップを埋めるのが課題

――観客は日本をサポートしているように見えたが、それについては?

 なぜ日本をサポートしたのかはブラジルの観衆に聞いてほしい。ブラジルの中で日系人社会が大きいとは聞いているが、今日はブラジル市民が応援してくれていたと思う。私としては日本を応援してくれて喜んでいる。試合を見た人は、両チームが非常に良い内容の試合を見せたので、誰もが満足したのではないか。もちろん、われわれは準決勝に出ることができないが、イタリアには頑張ってほしい。

――イタリアに3得点は素晴らしかったが、それを守り切れなかった守備については?(大住良之/フリーランス)

 いつものように、われわれはCKから1点、もう一つはオウンゴールだった。こういう細かな内容を見ると、どの試合においても見られること。それに対して、どのように対応していくのかというのは、来年のW杯に向けての課題だ。ブラジル、イタリア、メキシコを相手にミスをすると、得点を奪われてリードされるし、そういうところから多くの教訓を学べる。日本のサッカーは比較的若いが、最近大きく成長した。しかし、強豪国と比べると短い期間にコンスタントにパフォーマンスを発揮することはできないので、小さなチャンスをつかむことが必要になる。

 今から、来年のW杯までにはそのような強豪国とのギャップを埋めていかなければならない。チームは成長しているし、良くなっているので、このギャップを埋めることが私にとっても、チームにとっても大きな課題だと思う。他の強豪国はこの経験を多くしているが、日本は短い間にそのような強豪国に追いついてきていると思う。

――今日の試合では勇気とバランス、特に勇気の部分がよく出ていた。ブラジルに敗れてからどのように修正したのか?

 それほど難しいことではなかった。私は非常に恵まれており、優秀な選手たちのおかげで、少しメッセージを伝えるだけで良かった。どのようにプレーをするのか順序立てなければならないと言うことはあったが、それぞれの個性、テクニック、イニシアチブ、そしてダイナミックなプレーという要素を持って実践してくれた。

<了>

 

香川真司「決定力の差を痛感した」 コンフェデ杯、イタリア戦後コメント
【スポーツナビ 2013年6月20日】

 サッカー日本代表は現地時間19日(日本時間20日)、ブラジルのレシフェでコンフェデレーションズカップの第2戦となるイタリア代表戦に臨み、3−4で敗れた。日本は21分に本田圭佑のPKで先制すると、33分にも香川真司のゴールで2点のリードを奪う。しかし、41分にイタリアのダニエレ・デ・ロッシに1点を返されると、後半立ち上がりの50分、52分にも連続失点。69分に岡崎慎司のゴールで同点に追いついたものの、86分にイタリアのジョビンコに決勝点を許し、逆転負けを喫した。

 試合後、日本の香川真司は「後半のチャンスで決めきれなかったのが悔やまれます。逆にイタリアは後半の数少ないチャンスを全部決めてきたので、その差は感じます」と決定力においてイタリアの方に分があったことを認めた。また、2失点目につながるミスを犯した吉田麻也は「ああいう個人のミスでもったいない形で失点してしまうのは、リズムも崩れるし、非常に申し訳ないと思います」と反省しきりだった。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

「決めきれなかったことが悔やまれる」

(内容は日本の方が良かったが、敗れた点について)やっぱり2−0の段階で3−0、4−0のチャンスは作れていましたし、その時点で取らなければいけなかったと思います。

 後半の立ち上がりにああいう形で失点してしまって、しかも早々に失点してしまったので、すごくチームとして痛かったです。それでもすごく難しいなかで追いついて、組織的にやれば(点を)取れると思いました。やっぱり決定力というか、後半もチャンスがありましたし、決めきれなかったのが悔やまれます。逆にイタリアは後半の数少ないチャンスを全部決めてきたので、その差は感じます。

(ゴールについて)うまく反転できて、シュートもオフサイドポジションを確認しながらいい流れで落ち着いて決めれたと思います。冷静にシュートできました。

長友佑都(インテル/イタリア)

「日本には勝ちぐせが足りない」

 前半最後の失点がすごく痛かったです。内容的にはイタリアを上回っていたと思いますし、僕らがワールドカップに出場して、目指す方向性は見えてきました。こういう戦い方をすればいいというのは自信を持っていいけど、結局負けです。勝ちぐせというか、強豪のイタリアは内容が悪くても勝つサッカーをします。そういった意味で、日本には足りない部分だと思います。

(左サイドでの数的優位は狙い通り?)もちろん狙っていましたし、監督からも左から崩して仕掛けろと言われていました。僕と(香川)真司、(本田)圭佑が入ったので、そこでうまく崩せていたと思います。

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「僕のミスが試合のキーになったと思う」

 ブラジル戦に続いてDFでミスが出てしまって、チームに迷惑をかけてしまったのが申し訳ないと思います。(後半開始10分の時間帯の意識は?)ブラジル戦でもそこで失点していますし、チームとしてその時間帯がすごい重要だというのは分かっていましたし、次の1点がすごく大事だというのは全員が理解していました。そういう意味でも僕のミスがいただけなかったです。あそこがカギになったかなと思います。

(ジャッケリーニにかわされたプレーについて)クリアするか体を入れるかという2つの選択肢に迷いました。クリアしても良かったのですが、周りから声がかかったので体を入れようと思ったら、入れ替わってしまいました。

(3−3の同点に追いついたことについて)2−3の時はこの時間帯に1点取りたいというのもありましたし、取れると思いました。いいゴールだったので、取れて良かったですけど、個人的にはその前の2点目が一番もったいなかったと思います。

(後半の守備に関して)2トップというか、1.5列目の長谷部(誠)さんの後ろをジョビンコがウロウロしたり、ヤットさん(遠藤保仁)の後ろでウロウロしたりして、すごくつかみづらかったです。相手の監督がそこを狙って投入してきたのだと思うので、それで多少組織を崩された場面がありました。(失点を減らすためには)チームとして今日みたいにいいサッカーをしている時に、ああいう個人のミスでもったいない形で失点してしまうのは、リズムも崩れるし、非常に申し訳ないと思います。

 こういう相手と対戦する回数をもっと増やさないといけないと思うし、結局、個人的にこの大会で何もできませんでした。この2試合で残せたものはないと思っています。リーグで高いレベルでやっているのはもちろん大事ですけど、こういう舞台で結果を出せる選手にならなければいけないと思いました。チームとしてもそうだったと思います。

内田篤人(シャルケ04/ドイツ)

「内容どうこうを言っても負けは負け」

 立ち上がりはチームとしても良かったと思います。パスをつないで点も取れてたので。自分たちの時間帯に耐え切れずに失点しているようではイタリアには勝てないですね。(2点取った後に)3点目を取りに行こうという意識はあったので、悪くはなかったですけど、課題のセットプレーから取られました。

(1失点目はセットプレーからだったが)映像を見ていないのでブロックをされているのか、何にやられたのか分からないですが、残り4分のところですか。ブラジル戦も残り3分のところでやられているので、気をつけなければいけないと分かっているのですが。向こうも点の取り方というか、取れる時間帯を知っていると思いました。(後半の最初に失点したが)監督はハーフタイムに後半の10分で試合が決まるって言ってたので、分かってはいたのですが、向こうもそれを分かっていたのだと思います。(後半の立ち上がりのイタリアについて)日本と戦って1−2で負けてるイタリアはやっぱり世界が許してくれないと思いますし。ウチもイタリア人の監督なので。

(ブラジル戦で世界レベルには慣れたか?)試合前の個人個人の心の準備に関してはやっぱりブラジル戦の前とは違ったところがあると思います。こうやって自分たちが腹立たしいというか、そういう思いで試合に臨めたので。でも負けですから。内容どうこうと言っても負けているので。僕は内容が良かったからというのはあんまり好きじゃないです。

岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)

「狙いは成功したという感じ」

 自分の思うところにポジションを取っていたので、それがうまくいったかなと。ある意味、気を遣わなかったということだと思うんですけど、そういうところが良い距離感を生んでいたのかなと思います。みんな自信を持ってサッカーができていたのを感じながら、自分もできました。だから、前に行けたんだと思います。不安そうに後ろが回していると、自分たちも「大丈夫かな」という気持ちになるけど、チームとしてみんなが前を向いてサッカーをしていたので、ボランチもボールを受けてくれたし、そのなかでこういうプレーができたのかなと思います。

(PKを獲得したときの相手のバックパスは予想していた?)そうですね。さっきも言いましたけど、相手は消極的なプレーをしていたので、絶対に来るなと思っていました。PKかどうかは微妙だとしても、前回のメキシコ戦も見ていたので、「あるな」と思っていました。(ゴールシーンは)チャンスが2回あったので、2回目もファーサイドに誰か入っていたら、たぶん入ったと思う。そういう意味で、狙いは成功したという感じです。デ・ロッシがそんなに僕のマークにしっかり付く感じではなかったので、ニアサイドに入れば行けるかなと思って、ゴールを決められました。

遠藤保仁(ガンバ大阪)

「2−0で後半を迎えられれば」

 先に点を取って、2点目も良い時間帯に取れたので、できれば2−0のまま後半を迎えられれば良かったかなと思いますけど、全体的には良い入り方ができたと思います。テンポ良く回せましたし、プレスのかけ方も高い位置からうまくハメれたと思うので、入り方は良かったと思いますね。

(前半の失点について)前半の中では一番きつい時間だったので、ある程度前からプレスもかけていましたし、セットプレーはもうちょっと全体的に集中しなければいけなかったかなと思いますね。1点目を取ったら2点目を取りに行こうという姿勢をみんなで示していましたし、2点目を取ったあとも変わらず点を狙っていたので、前半は全体的にほぼ自分たちのペースで試合を運べたんじゃないかと思います。

 チャンスがあったので、追い付けると思っていましたし、3−3になってからも4点目を取りに行く姿勢は前面に出せたと思うので、その姿勢はいいと思います。あそこで引き分けでもいいとは考えていなかったので、勝ち切ることを頭に入れてやっていました。チャンスも多かったですし、一本決められればという感じですけど、そこで決め切らないと、あとあと厳しくなってくると思います。

川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

「失点の形は自分たちが招いた」

 前回のブラジル戦では不完全燃焼の思いを感じていましたし、自分たち自身がこれまでやってきたことをピッチで表現できなければ、自分たちがどこにいるのかも分からない。そういう意味で今日は立ち上がりからチャレンジできたと思いますし、残念な結果になりましたが、自分たちがさらに上にいくんだというのはピッチで表現できました。
 
 失点の時間帯も、ああいうところで来るというのは分かっていましたけど、結果的に点を取られてしまいました。もっと自分たち自身で落ち着ければ良かったと思います。最後の失点もそうですけど、失点の形は自分たちが招いた部分あると思います。

長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)

「今日の試合は代表のターニングポイント」

 1失点目は明らかに自分の責任です。あの1点で試合の流れを変えてしまったと思いますし、ゲームプランは間違いなく狂いました。失点をするのは1人のせいではないけど、責任を感じます。

(選手ミーティングをしたようだが、長谷部選手から呼びかけた?)ブラジル戦後に、僕も話そうと思っていたけど、監督が話したいと言ってきました。そこで、監督と自分が通訳を交えて1対1で話をして、ブラジル戦も含めて、いろいろなことを話しました。その後に選手を集めて、このイタリア戦に向けて、自分たちがこれからどういう風にやるかの話をしました。内容は、僕たちなら世界のトップ相手でもできるのになんでやらないのか、と言われました。監督が失望したと言っていたことは、僕たちに期待しているからであって、それをひしひしと感じましたし、チームとして戦うことの大切さ、個とチームのバランスというのがメインです。

(個とチームのバランスというのは?)監督としては、ブラジルのどこが弱いか分析していて、それを練習に落としこんでいたのに、それをピッチ上で選手が全然表現できませんでした。なので、個人でプレーしていくのか、それともチームとしてやっていくのかと。監督の中に、代表チームはメッシやネイマールのように、3人抜いてゴールを決める効率よりも、組織として連動して崩すことで世界に勝っていくという確固たる信念があります。たとえば、2010年のような戦い方をするのも1つの方法だと監督は言っていたけれども、それよりも自分たちのサッカーを世界で見せたい、それで世界を驚かせたい、そのなかで勝ちたいと言ってました。10年を否定するわけではなく、そうじゃない日本のやり方、強みがあると僕に熱く語ってくれて、それをチームに伝えようと思いました。
 
 今日はチームとして連動していたし、守備の部分でも前の4人は特にがんばっていたと思います。そういうのがブラジル戦ではできませんでした。そういう意味では、今日の試合は間違いなく日本代表のターニングポイントになると思います。

今野泰幸(ガンバ大阪)

「負ける相手じゃなかった」

 4失点目は完全にクリアミスだし、判断ミスでもありました。あの時間帯で判断がうまくいかず、ダイレクトでクリアするということだけ頭にありましたが、予想以上にパスが早かったからクリアが大きくならなかったです。攻撃に関してはパスもよくつながっていましたし、日本らしいサッカーができたと思います。それに、内容的には勝たなければいけない試合でした。もうちょっとDF陣が我慢すれば勝てた試合だったと思いますので、ものすごく残念です。

(バロテッリとのマッチアップは?)ものすごく強かったですし、ファウルしないと止められないというくらい強かったです。キープもされていましたし、起点も作られましたけど、シュートはそんなに打たれていないです。でも、今日は僕とバロテッリの勝負じゃなくて、日本とイタリアの勝負なので、チームとして勝てれば言うことはなかったです。全然負ける相手ではありませんでしたが、少しの油断なのか、精度なのか、結果として4失点して負けているわけですから、負けを認めざるをえないです。

 この1試合で世界との差が縮まったとか広がったとかはありませんが、攻撃陣が通用していたと思いますし、イタリアの堅い守備に対して3点も取れましたし、決定機もありました。どの相手にもこのサッカーができれば、今の攻撃陣ならチャンスを作ってくれるという確信は得ました。イタリアの守備は、すごいプレッシャーが強いわけじゃないけど、中を閉めてくる。中さえやらせなければいいという感じでした。でも、俺らはそういうサッカーをしていないので、イタリアのやり方は正直参考にならないです。俺らには俺らの守備があります。

酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)

「DFのレベルが高いと思った」

 試合前にブラジル戦で自分たちが立ち向かっていけなかったので、もう一度立ち向かえるかを確認しました。そういうところでチャレンジして負けたのならしょうないけど、チャレンジせずに負けたのがブラジル戦でした。

(手応えは?)自分としてはクロスを上げるタイミングだったり、ボールをもらうタイミングだったり、アグレッシブにできていたと思います。DFとGKの間にボールを入れたりしていたけど、DFが対処していたので、やはりレベルが高いと思いました。そういうところの精度が高いので、こちらの狙いとしては足で触ったら1点というボールを蹴りました。

中村憲剛(川崎フロンターレ)

「そこまで大きな差はないと思う」

 ブラジルのときより試合への入り方は全然良かったと思うし、イタリアもそんなに運動量がなかったというか、2−0になるまではすごく良かったと思います。そのあともすごく良かったんですけど、イタリアにスイッチが入ったというか、セットプレーで返されてしまって。あそこで失点していなければ、違ったのかなと思います。(後半の入り方は気を付けていたが)気を付けていても決めてくるのが世界のトップレベル。一概に誰がどうとかではないと思います。

 チャンスがあったので、みんな悔しいと思いますけど、そういうなかで、イタリアは体を張って決めさせず、自分たちが決めてきた。その差はすごく感じましたね。日本も圧力はかけているけど、人数のかけ方も全然違うし、力のある選手がそろっている。あと、日本は1戦目を落としているので、勝たなければならなかった、というのもあったと思います。イタリアも勝ちには来ていたけど、あの時間帯、日本は前に人をかけていたので、ちょっと攻撃に意識がいっていたと思います。そこで仕留められれば良かったんですけど。

(イタリアについて)ピッチの中にいる選手たちはどう思ったか分からないけど、やれるんじゃないかという感触はたぶんあったと思います。イタリアの日本に対する守備はほとんどハマらないまま終わったと思うし、けっこう前から取りにきたけど、日本が逃げるシーンはいっぱいあった。でも、やっぱり最後のところで決めさせない。体を張って足を投げ出すとか、ブッフォンがオカ(岡崎)のシュートを止めたところとか。だから、今日は日本チームとしてよくやっていたと思います。今日に関しては、そこまで大きな差はないと思うんです。それが大きな差という人もいるでしょうし、日本が決めていれば勝っている可能性もあるわけで、そこまでは行っていると思うんですよ。手応えはみんな、持っていると思います。やれたぶんだけショックが大きいです。

<了>

 

日本の勇気が勝ち取った収穫と課題 イタリア戦敗北は分岐点となるのか
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年6月20日】

祖国に向けたザックのプレゼンテーション

 19日(日本時間20日)にフォルタレーザで行われたコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)第2戦ブラジル対メキシコの試合は、2−0でブラジルが勝利した。この試合も、まさにネイマールの独壇場。開始9分で鮮やかなボレーシュートを決めると、試合終了間際にも左サイドでDF2人をかわし、途中出場のジョーの2点目をアシストした。2連勝のブラジルは、この時点で準決勝進出が濃厚に。逆にメキシコは、イタリアとブラジルに連敗したことで、次の日本戦を前にグループリーグ突破が厳しくなった(※その後のイタリア対日本の結果により、ブラジルの決勝トーナメント進出とメキシコのグループリーグ敗退が決定)。

 メディアセンターで現地16時キックオフの裏の試合を見届けて、アレナ・ペルナンブコの記者席に向かう。ほとんど「工事中」と言っても差し支えないような、コンクリートとケーブルがむき出しのバックヤードを歩きながら、あらためてこのグループの厳しさを反芻(はんすう)してみた。昨年のロンドン五輪優勝メンバー9人を擁するメキシコは、決して弱いチームではない。初戦のイタリア戦でも、ほぼ互角の戦いを見せていた。しかし終わってみれば、ブラジルもイタリアも、タレントの個の力によってメキシコをねじ伏せている。この日の試合で、日本はどれだけイタリアに対抗することができるのだろうか。

 このイタリア戦に臨むにあたり、監督のアルベルト・ザッケローニは「いつもの11人」を送り出した。GK川島永嗣。DFは右から内田篤人、吉田麻也、今野泰幸、長友佑都。MFは守備的な位置に長谷部誠と遠藤保仁、右に岡崎慎司、左に香川真司、トップ下に本田圭佑。そして1トップに前田遼一。指揮官としては一切の奇策を用いず、いつもの日本のサッカーをストレートにぶつけるという決断を下したようだ。それはすなわち、この3年間の日本での仕事を披露する、祖国イタリアへのプレゼンテーションと見ることもできよう。

 そして選手たちからは、前日練習終了後のミックスゾーンで、事あるごとにブラジル戦でチャレンジできず、消極的なサッカーに終始してしまったことを悔やむ声が聞かれた。そして次のイタリア戦では、このチームのテーマである「勇気とバランス」を取り戻すことを誓っていた。指揮官にとっても、そして選手たちにとっても試される舞台。それが、ここレシフェで行われるイタリア戦であった。

勇気ある仕掛けで勝ち取った3ゴール

 試合については周知のとおり、3−4で日本は敗れた。とはいえ、同じ敗戦でも先のブラジル戦と比べれば収穫も課題も明確となったという意味では、非常に意義のある敗戦であったと言えよう。そもそも前半40分まで、日本がイタリア相手に2点もリードするという展開など、いったい誰が予想できただろうか。しかし一方で、回避できた失点シーンもあったことを思えば、試合のスリリングな展開を楽しめたと同時に、実に悔やまれる内容であったとも言える。ここでは日本の得点と失点を切り分けて、収穫と課題を振り返ってみることにしたい。

「(試合の)入り方は良かったと思いますね。テンポよく回せましたし、プレスの掛け方も高い位置からうまくハメられたと思うので」(遠藤)

「みんな、自信を持ってサッカーができていた。チームとして、みんなが前を向いてサッカーをしていた」(岡崎)

 これらのコメントからも明らかなように、前半の日本は勇気を持ってイタリアに挑んだ。ミスを恐れず攻めのパスを展開し、そして積極的にシュートを放つ。確かに、1日休養が少ないイタリアは、コンディション的で不利な面もあった。だがフィジカル以上に、日本はメンタル面でのリカバリーがしっかりできていたことが幸いした。そして、決して諦めることのないチャレンジする気持ちと、連動性と厚みのある攻撃が機能したことで、日本は前半21分と33分に連続ゴールを挙げる。前者はデ・シリオのバックパスを岡崎が諦めずに追いかけたのをきっかけにファウルを誘発。PKをもぎとった。後者は相手のクリアを今野がすぐに押し込んだことで香川の目の覚めるような反転ボレーによるゴールが生まれた。

 その後、日本は前半終了直前と後半早々に、立て続けに失点を重ねてイタリアに逆転を許してしまう(これについては後述)。だが、そこで彼らが意気消沈することはなかった。後半24分、遠藤のFKに岡崎がニアサイドに走り込み、モントリーボに競り勝ってヘッドで決めた同点弾は、この試合のクライマックスと言えよう。この日本の「不屈」を絵に描いたようなゴールは、スタンドにいたブラジル人の心をわしづかみにし、アレナ・ペルナンブコは完全に日本のホームとなった。

 そして後半30分から40分にかけて、日本は完全に相手陣内でポゼッションを続け、イタリアのディフェンス陣は完全にドン引き状態になる。これまでもアジア予選でよく見られた光景だ。しかしながら、相手はアジアのチームではなく、ワールドカップ(W杯)優勝4回を誇るイタリアである。この瞬間、自身を「過去の人」と切り捨てるイタリアのメディアを、ザッケローニは見事に見返すことができたと言えるのではないか。

4失点も喫していたら強豪には勝てない

 実際、日本の優位性はスタッツにも現れている。ポゼッションは日本55%に対してイタリア45%。シュート数は日本17(枠内11)に対してイタリア12(同8)。ブラジル戦での日本のポゼッションで37%だったことを思えば、驚異的な上昇である。にもかかわらず、日本がイタリアに勝てなかったのはなぜか。それはキャプテンである長谷部のこの言葉が端的に言い表している。

「4失点してしまった。そのうちの2失点は自分たちのつまらないミス、1失点は不運で、最後の失点は集中しないといけないものだった。細かいところを突き詰めていかないと、勝てない」

 つまり「自分たちのつまらないミス」が防げていれば、日本が勝っていた可能性は極めて高かったということだ。そもそも、伝統的に守備が固いイタリアに対し、3ゴールを挙げるということは並大抵のことではない(イタリアが最後に3失点以上を喫したのは、昨年のユーロ2012決勝のスペイン戦。スコアは0−4だった)。逆に言えば、4失点をするようなチームでは、W杯で欧州の強豪には絶対に勝てないということだ。

 最初の失点は前半41分だった。ピルロのコーナーキックに、デ・ロッシが走り込んできて、長谷部に競り勝ってヘディングで決めたシーン。決めたデ・ロッシもさすがだが、日本の守備が整う前にキックしたピルロの抜け目のなさが際立っていた。この時、日本の選手はイタリア相手に攻め続け、しかも2点リードという望外な展開に、かえって浮き足立っていたように感じられた。そして、どこかで選手たちの集中力も途切れていたのかもしれない。この時、ニアサイドにいた遠藤が、ほとんど突っ立っているように見えたのも、要するに「準備ができていなかった」ことの証(あかし)ではなかったか。

 そして次の失点は後半5分。ジャッケリーニと吉田のゴールライン際の攻防で、クリアか体を入れるかで躊躇(ちゅうちょ)した吉田がかわされ、折り返したボールがカットに入った内田の足に当たってオウンゴールになってしまう。その2分後、長谷部のペナルティーエリア内でのハンド(実に微妙な判定だったが)によるPKでの失点を挟んで、後半41分には今野のクリアミスに端を発する決勝点をイタリアに献上。吉田と今野という、日本を代表するセンターバックでも、やはり1試合をノーミスでクリアするのは難しい。しかし、そのわずかなミスを確実に突いてくるのが、世界の強豪国なのである。

次のメキシコ戦で望む出番の少ない選手の起用

「ブラジル、イタリア、メキシコを相手にミスをすると、得点を奪われる。(中略)来年のW杯までにはそのような強豪国とのギャップを埋めていかなければならない。チームは成長しているし、良くなっているので、このギャップを埋めることが、私にとってもチームにとっても大きな課題だと思う」(ザッケローニ監督)

 結局、指揮官のこの言葉に尽きるのではないか。この3年続けてきた、組織的な連動性によるポゼッションサッカーという方向性そのものは、世界を相手にある程度は通用することが、このイタリア戦で証明されたと見ていいだろう。問題は、その精度。今回は守備面でそのほころびが目立ってしまったが、それは前線においても「得点力不足」として現れている。今大会において、あらためて浮かび上がった課題として、この「プレーの精度を上げること」が第一に挙げられよう。

 そしてもうひとつ気になったのが、ザッケローニのさい配。後半28分の「内田OUT/酒井宏樹IN」も、後半34分の「前田OUT/マイク・ハーフナーIN」も、そして後半45+1分の「長谷部OUT/中村憲剛IN」も、いずれもその意図については首を傾げてしまった。もっとも、このカードの切り方には、今の日本のベンチに有効な切り札やバックアッパーがいないことの証左と言えるのではないか(もちろんこれは、ザッケローニ自身によるメンバー固定化の弊害であることは言うまでもないが)。

 かくして日本は、第3戦のメキシコ戦を待たずしてグループリーグ敗退が決まった。それでも、このイタリア戦を終えた時点で、収穫と課題が明確になったことについては、大きな意義があったと思う。収穫は、これまでの方向性自体は決して間違っていなかったこと。そして課題は、プレーの精度(集中力の持続を含む)と選手層である。

 ゆえに後者に関連して、まずは次のメキシコ戦で、これまで出番のなかった選手たちを中心にスターティングイレブンを組むべき、というのが私の考えである。このコンフェデ杯での経験を、一部の選手だけのものにするのではなく、広くメンバーで共有することで、日本代表は次のステップを踏むことができるはずだ。そして精度に関しては、今後1年の有意義なマッチメークに期待するしかない。いずれにせよ、このイタリア戦から本大会に向けた日本代表のリスタートが始まることを、切に願う次第である。

<了>

 

コンフェデ杯開幕、敵地で再びブラジルに完敗・・・2013コンフェデレーションズカップ:ブラジル 3-0 日本

開始3分でネイマールにゴールを許した時点で詰みでしたね(苦笑)。

 

FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジル2013 グループA

ブラジル 3−0 日本

 

コンフェデ杯が始まるまでブラジルの代表監督がフェリポンに替わっていたことを知りませんでした。華麗なサッカーが見たいブラジルの人たちからすると不満が出そうな気もしますが、ナショナルチームで結果を出そうってのなら人選はこうなるわなぁ・・・。対する日本は個の力の差はもちろんコンディション調整もままならない状態で日本→カタール→ブラジルと長距離移動と気候の落差を伴う連戦・・・ザッケローニ監督と彼のスタッフにとってもこうした状況は未体験ゾーンだったと思います。加えてナショナルチームでの実績はフェリポンの方が上ですからね(欧州クラブチームにおいては逆だけどw)。まぁ正直3点差で済んでまだよかったかな、と(ブラジルが最初の2点でペースダウンしたのもあるでしょうが)。前後半の出会い頭に1点づつ取られたのは大いに反省が必要でしょうけど。

3月のヨルダン戦に負けたことで代表の新戦力を発掘して試す時間とチャンスを逸したとはいえ、一昨年のコパ・アメリカをやむなく辞退した日本代表にとってはW杯前に世界という舞台で真剣勝負できる最初で最後の機会ですし、来年の本番を視野に入れて今のメンバーから誰をふるい落とすか、チームザックにはしっかり見極めてほしいと思います。

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ザック「日本らしくない戦い方だった」 コンフェデ杯 ブラジル戦後会見
【スポーツナビ 2013年6月16日】

 サッカー日本代表は現地時間15日(日本時間16日)、ブラジルのブラジリアでコンフェデレーションズカップ開幕戦となるブラジル代表戦に臨み、0−3で敗れた。日本は3分に先制されると、その後も48分、93分に追加点を許すなど力の差を見せつけられた。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「今日は日本らしくない戦い方をしてしまった」とコメント。しかし、「次のゲームはよりよいプレーができると確信している」と、次戦に期待を寄せていた。日本は現地時間19日にイタリアと対戦する。

チームの出来は少し残念に思っている

 今日は日本らしくない戦い方をしてしまった。理由は2つ考えられる。まず、試合開始直後に、ああいった形でゴールを決められてしまったことで(試合の)入りのところでつまずいてしまった。2つ目はカタールからのロングフライトと、この試合までの日数が短かったことで、そういった現象が起きてしまったと考える。普段の我々では考えられないようなミスがこの試合で起こってしまった。

――今日、先発で1トップに前田(遼一)でなく岡崎(慎司)を使った理由は? またその狙いはうまくいったと思うか?

 ゲームは自分の思ったとおりにはいかなかった。ただ、その変更が試合に響いた理由にはならないと思う。岡崎を1トップに起用した理由は、相手のディフェンスラインの特徴を考えた上で、彼が適任だと考えたからだ。相手陣内の深い場所まで行ってクロスを上げたときに、相手のセンターバックが空中戦に強いということで、そこはあまりチャンスがないと判断した。だから裏に抜け出すことができる選手をトップに、そして2列目により技術レベルの高い中盤の選手を入れることにした。

――0−1で迎えた後半、どのように試合を変えようとしたのか?(大住良之/フリーランス)

 我々は3失点したが、1点目が前半3分、2点目が後半3分、3点目がアディショナルタイム3分だった。インターバルのときは「うちのプレーをしよう」と話をした。チームに自信を植え付けるために、我々のプレーを思い切りやろうと声をかけたが、うまくいかなかった。その理由としては、ウチが引いてしまった、もしくはコンディションが良くなかったか、どちらかだったと思う。ひとつ言えるのは、我々はアウエーでの厳しい戦いの中で、もう少しプレーで自分たちのパーソナリティーを出せるようにしていかないといけない。平常心で自分たちのプレーができないと、普段自分たちができることもできなくなってしまう。チームの出来は少し残念に思っている。もっともっとできるチームだし、それが分かっているだけに悔しい気持ちがある。

次のゲームはよりよいプレーができる

――ブラジルとのアウエー戦は初めてだと思うが感想は? また観客の声援にプレッシャーは感じたか?

 ブラジルと対戦することは、非常に難しいことだった。我々が考えるべきは、どのようにして普段やっているプレーをできるようにするのか。その上で、ブラジルと対戦することで何を得ることができるのか。しかし、通常やっているプレーをお見せすることができなかった。普段ならもっといいプレーができている。

――コンディションの問題を指摘していた。次の試合までに時間がないが、リカバーは可能か? それからこの大会で今まで通り戦うと言っていたが、この結果を受けてもその気持ちは変わらないか?(後藤健生/フリーランス)

 私が確信しているのは、もっとやれるということだ。実際、今日何がピッチで起こったか分からないが、明日メンバーと話して、最初に失点したのが影響して相手に恐れをなしたのか、選手は体調が回復していなかったのか、実際にピッチでどのような状況だったのか聞いてみたい。次のゲームはよりよいプレーができると確信している。

――ブラジルの印象は?

 試合前の会見でも申し上げたが、私はブラジルを高く評価している。我々はプレッシャーを彼らに与えることできなかった。今日の対戦では、我々は何も示すことができなかったが、次の対戦機会があれば、今度は日本の力を見せられると思う。

――今回も失点してから戦術を変えたが、もっとブラジルにプレッシャー与えるべきではなかったか?

 メンバーを変えたが、流れを変えることはできなかった。やりたいことができなかった。はっきりとした目標を頭の中で考えていたが、それを達成することができなかった。

<了>

 

スコラーリ監督「日本の混乱を狙った」 コンフェデ杯試合後、ブラジル監督会見
【スポーツナビ 2013年6月16日】

 サッカー日本代表は現地時間15日(日本時間16日)、ブラジルのブラジリアでコンフェデレーションズカップ開幕戦となるブラジル代表戦に臨み、0−3で敗れた。ブラジルに対して日本がどれだけのプレーができるのか注目の一戦だったが、サッカー王国の前に力なく敗れた。

 開幕戦で日本に快勝したブラジルのルイス・フェリペ・スコラ―リ監督は、試合後の会見で「結果については最も喜ぶべきこと。決勝進出の可能性を残せてうれしい」と初戦できちんと勝利できたことに対して安堵(あんど)した。また、試合開始時にフッキとオスカルのポジションを入れ替えたことについては、「日本を混乱させるためだ。よりいい並びを探っていた」といつもとは違うポジションの配置を試せたことに満足感を示した。

目標はファイナルに進み、勝つこと

――今日の試合を受けて、代表にさらにプラスすべきことは何か?

 この試合で最も喜ぶべきことは結果だ。これで決勝進出の可能性を残すことができた。もちろん問題をすべて解決したわけではないが、それらも解決すれば素晴らしいチームができると思う。

――ネイマールは開始早々に得点を決め、その後ピッチを離れたが

 非常に素晴らしいゲームをしたが、負傷したのでピッチを離れた。

――今日の観衆は代表に対してどういう反応をしていたか。またスタジアム外ではデモで逮捕者もいたそうだが

 観衆は試合開始3分のゴールで喜んでくれた。また、わたしは競技場内のゲームのこと、代表のことに集中しているので、場外のことは何も答えられない。

――フレッジとネイマールが別のインタビューで全く同じ受け答えをしていたが、偶然だと思うか?

 偶然だと思う。インタビューの内容を聞いていない。われわれが同じようなことを言っているのであれば、そういう環境にあるからかもしれない。

――パウリーニョのゴールだが、ピッチにいた選手、ベンチにいた選手も全員で輪になっていた。2002年(日韓ワールドカップ時の)のスコラーリファミリーを思い出したが

 02年の話はもう済んだことだし、スコラーリファミリーなんてない。われわれは非常に仲の良いチームと言えるが、15日前よりさらに良い環境を作ろうとしている。つまり、ファイナルに行って勝つということを目標にしている。そのためにはメキシコ戦は慎重にならないといけない。決勝に進むためには、そこが大きなハードルだからだ。

――メキシコ戦について

 彼らはこの10年間、われわれを苦しめている。(会場の)フォルタレザの観衆はわれわれをサポートしてくれるだろう。何万人もの観客が国歌を歌って一体になれば、対戦相手へのプレッシャーになる。また、ブラジリアのキャンプは素晴らいものだった。ホテルも練習場も素晴らしかった。我々としては、ブラジリアでの歓待に心から感謝している。

ゴールによりグループ内の信頼感が構築される

――フランス戦から進化しているか?

 今日も進化している。戦術的に完ぺきではなかったかもしれないが、考える機会を与えられた。われわれがバランスを持ち続けるのであれば、同じ条件でも勝つ可能性は高いと思う。

――親善試合でイングランドに対して2ゴール、同じくフランスに3ゴール、そして、日本に3ゴール決めたが

 夢としてはほかのチームにも2〜3点入れたい。時にいいチャンスを逸することもあるが、ゴールによってよりグループ内での信頼感が構築される。

――中盤から前線へのパスがない時間帯があったが、その理由は?

 中盤2人がマークされていてパスを出しにくい状況だった。我々としては、少しリスクをとって、何が起こり得るのか見極めることできた。ウイングはオープンな場所にいたので、パスを通すことができた。

――試合が始まったときは、フッキが左、オスカルが右にいたが、途中15分から本来の形になった。なぜ最初は逆にしたのか?(後藤健生/フリーランス)

 相手選手を混乱させるためだ。そして最もいいポジションで、どうすれば良い結果が得られるのかを見極めるためだ。ネイマールとオスカルが、どういう並びのほうが良いかを探っていた。

――後半、ブラジルは左を集中的に攻撃しているように見えたが、意図したことか?(田村修一/フリーランス)

 そちらにチャンスがあるということで、そちら側から攻撃したのだと思う。ただ、片方のサイドだけに集中したわけでもなかった。

――2−0になってから中央を攻め続け、3点目は一番やりたいスルーパスからゴールとなった。ゴール内容としては大満足だったのでは?(湯浅健二/フリーランス)

 わざとそうしたものではない。得点できたのは、よりコンパクトな中盤で、対戦相手にチャンスを与えなかったからだ。2点目は後半すぐに入ったので、よりやりやすくなった。点差が少なくても、よりコンパクトにして相手がペナルティーエリアに入らないようにした。

――ジョーの得点の重要性について語ってほしい

 彼は40人の(招集リスト)の中にいて、攻撃的な選手であり、左利きだ。最初はスタメンではなかったが、彼はしっかりチャンスを生かして成果を出した。

――ルイス・グスタボについてはどうか?

 彼はイングランドとの試合で多くのチャンスを作り、フランス戦でも伸びた。今日の試合の中でもベストプレーヤーだと思うし、与えられたチャンスを生かしている。彼はドイツのスタイルを身につけて実践し、戦術をうまくこなしている。

<了>

 

長友佑都「W杯優勝なんて笑われる」 コンフェデ杯、ブラジル戦後コメント
【スポーツナビ 2013年6月16日】

 サッカー日本代表は現地時間15日(日本時間16日)、ブラジルのブラジリアでコンフェデレーションズカップ開幕戦となるブラジル代表戦に臨み、0−3で敗れた。日本は3分に先制されると、その後も48分、93分に追加点を許すなど力の差を見せつけられた。

 試合後、日本の長友佑都は「ワールドカップ(W杯)で優勝を目指すと言ってきましたけど、腹を抱えて笑われるくらいのレベルだなと思う」と、完敗という結果と乏しい内容を恥じた。また、香川真司も「これくらいの差があるのかと思うと、すごく残念な気持ち」と悔しさをあらわにした。

長友佑都(インテル/イタリア)

「W杯優勝なんて腹を抱えて笑われる」

 レベルが違いました。すべてにおいてのレベルが違ったかなと。悔しい気持ちです。(前回対戦と比べて)むしろ差が開いているかなというレベルだと思います。向こうも本気を出してきていた。気持ちが入っていたし、これが本当の世界トップのレベルなんだなと感じました。僕は、W杯で優勝を目指すと言ってきましたけど、腹を抱えて笑われるくらいのレベルだなと思います。

(ダニエウ・アウベスについて)言ってみれば、中学生とプロのレベルですよね。僕が中学生レベルで、向こうはプロレベル。ただ、レベルの差は感じつつも、自分のなかで1対1を仕掛ければやれるなという自信はあったし、もちろん素晴らしい選手ですけど、越えられない壁ではないと思いました。僕の努力次第だと思います。

 あと2戦は勝つしかないです。引き分けでも厳しいし、やっぱり勝ちにいく。正直、今日のようなサッカーをしていたんでは、次の試合も勝てないと思うし、割り切って前から行くサッカーもしていかないと、厳しいかなって思います。

 終わってから(本田)圭佑とも話しましたけど、やっぱり個のレベルが違い過ぎるんで、僕もそうですけど、今の日本代表の選手がブラジル代表に入れるかといったら、誰ひとり入れないと思います。本当に1人ひとりがトップを目指して、向上心や貪欲な気持ちを持っていかないと、この1年で差が埋まらないと思います。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

「悔しいというか、すごく残念な気持ち」

 これが実力だと思うと悔しいですし、この試合を振り返る限り、僕たちは攻守において完敗でした。(感じたのは悔しさだけか?)悔しいというよりは、僕たちがしっかりと気持ちを持って臨んで、これくらいの差があるのかと思うと、悔しいというか、これが結果なのかと思い、すごく残念な気持ちです。

(ブラジルは手ごわかったか?)やっぱり僕たちがアウエーでこういう試合ができる経験がない中で、それをトライしなかったというか、あれだけ勝ちにいくと言っておきながら、その姿勢を示すことができずに終わったという感じで、悔しいというか、もったいないというか。そういう気持ちです。

 一番最初に決められて、もちろん試合の入りは大事ですが、あれは防ぎようがなかったです。決めた選手をほめるべきでした。なので、選手も切り替えました。だけど、どこかで前半、もう1点も失いたくないと思いました。昨年のイメージもあり、ゲームも慎重に入り、攻撃では前に出ていく姿勢やリスクを冒す姿勢、精神的なところで後手に回った前半でした。ただ、それはしょうがないというか、最低0−1でいいというのは頭にありました。どんな内容であろうとも。ただ、後半絶対にチャンスが生まれるとみんな思っていましたが、後半の最初にやられてしまいました。

内田篤人(シャルケ04/ドイツ)

「この結果は妥当かなと思う」

 この結果は妥当かなと思います。もう少し取られてもおかしくなかったかなと。前半は特に自分たちのミスが多かったんで、監督からも『いつまでウォーミングアップしてるんだ』みたいなことを言われました。

(ネイマールについて)彼がエースというのは分かってましたし、1対1ではやっぱり負けちゃいけないと思いました。ドイツでも1対1は自分の中で意識してますし、彼をしっかり抑えられれば他の国とやっても大丈夫かなと。(意識していたのは)飛び込まないことと、逆取ってからがうまいんで、先を読むこと。あとはボランチとセンターバックの位置をちょっと確認しながら中に入るとかは自分の中で判断してやってました。1回やれば相手のイメージが自分の中でできたんで、ホントにギリギリのところでした。

(イタリア戦までには)コンディションもしっかり上げないといけないし、勝ち点が拾えなかったけど、まだ1つしか終わってない。もちろん監督がイタリア人なんで、恥ずかしい試合はできないし、上に行くためには落とせないので、大事じゃないですか。(監督のために?)選手はみんなそう思っていると思います。やっぱりスタッフもイタリア人がたくさんいますし、日本でやっていて向こうには負けたくないという気持ちは強いと思います。

長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)

「相手に余裕を持たせてしまった」

 開始早々にあのようなゴールを決められて難しくなったし、相手に余裕を持たせてしまったというのはあります。先制点は痛かったです。僕はイラク戦に出ていなかったのでコンディションは悪くなかったけど、ピッチコンディションという意味ではあまり良くなかった。ブラジルもミスをしていたけど、ブラジルの方がこういうピッチでもしっかりとしたプレーができていました。

 前回もフィニッシュの精度だったり、1対1の局面だったり、自分たちとは差があったし、今回もその差は感じました。ホームだからもっと来るかなと思っていたけど、そこまで来なかったのは先制点を取って余裕が出たというのもあったと思います。すべての部分で差がありました。あと1年でいかに埋められるかというところになってくると思います。

遠藤保仁(ガンバ大阪)

「あきらめる選手は誰もいなかった」

 前半は我慢しながらやって、失点せずに行こうと思っていたんで、立ち上がりに失点してしまったのは非常に残念でした。我慢強くやるところはしっかりやりながら、どこかで点を取りにいかなきゃいけないので、ある程度リスクを負いながらというのは考えていました。前後半の早い時間帯に取られたんで、あの2点はかなり大きかったかなと思います。あきらめる選手は誰もいなかったと思いますけど、こういうアウエーでやる試合では、極力失点は減らしていかないといけないと思いました。

(次に向けて?)終わったものは取り返せないですし、今日出た課題もあると思うので修正しながら、気持ちの切り替えはやっていかないといけない。次もいい相手(イタリア)ですし、もう1回自信を持って、今日よりもいいゲームしないと勝ち点3は取れないと思うんで、またみんなで試合まで気持ちを持っていきたいと思います。

岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)

「大事な場面でミスが目立った」

 前線で裏を取ることを狙っていました。相手の守備陣を引かせて、そのぶん真司とか圭佑が空くと思ったので、もらったときに裏を常に狙っていました。クロスも何回か触れそうなのがあったし、チャンスもあったので、個人的にはあれを決めていれば、という感じでした。やっぱり、どこかで個人で(マークを)はがせる場面がないと、こういう展開になってしまう。

(ミスが多かったのでは?)チームとしてもそうだし、グラウンドも相当荒れてたので、お互い大事な場面でミスが目立ったんですけど、日本はそれが多かった印象があります。ミスはしょうがないけど、そのあとのリアクションとか、仕掛けていくことも少なかった。そういうことを意識しなければいけないと言ってきて、それが足りないことを露呈してしまった。点を取ることもそうだし、要所で点を取られて負けてしまいました。

(ブラジルは)1人ひとりがやるべきことをやっている感じ。仕掛けてくるときにサイドバックがネイマールと何回もチャレンジしたり、ワンツーすると見せかけて、もう一回戻したり。そこで時間を作られてしまいました。

清武弘嗣(ニュルンベルク/ドイツ)

「チャンスあると思ったが、交替になった」

 守備のすきをうまく突けなかったですね。後半からまたスペースが空いてくると思ったので、チャンスがあるかなと思っていましたけど、交替になってしまったので。守備の時間を減らすのが一番だと思いますけど、守備がきつかったです。

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「相手のプレスや帰陣がすごく速かった」

 1点目は素晴らしいシュートだったけど、2点目は絶対に取られてはいけなかった。0−1でハーフタイムに入って、守備は我慢していればチャンスはあると思っていたので、なんとか先に点を取りたかったです。あの2点目はすごく痛かったし、3点目は不必要でした。

 狙いは悪くなかったと思います。立ち上がりから前にいこうと話していたけど、奪いにいっても、ボランチとサイドバックを使ってうまくいなされてしまうので、ブロックを作りました。悪くはなかったと思うし、そこからの失点はなかった。ただ、ボールを奪った後に続かなかったし、相手のプレスや帰陣がすごく速かったです。

(フレッジとのマッチアップだったが)1タッチではたいて中に入ってくるので、中での勝負だと思っていました。実際、かなり狙っていたし、セカンドボールも狙われていました。気をつけていたし、それ自体は想定内だったけど、2列目からの仕掛けやコンビネーションへの対応はすごく苦しみました。

今野泰幸(ガンバ大阪)

「次は自分たちの力をしっかり出し切りたい」

(ブラジルとの差について)細かいところですけど、中盤のミスの多さがブラジルに比べて日本は明らかに多いし、力の差は感じました。正直、得点のにおいがしませんでしたし、なかなかいい攻撃ができませんでした。ミスからのカウンターも多かった。ブラジルはミスも少なかったし、カウンターも早かったです。堅いサッカーは前回と変わらないです。

(失点の時間帯について)僕らのプラン的には体を張りながら、0−0で状況を長くして相手を焦らせたかったのはありました。あの1点が入ったからかは分かりませんが、ブラジルはすごい落ち着いてたし、90分通していくところといかないところのメリハリもハッキリしていました。後ろの守備も堅かったし、強かったです。ネイマールの得点は世界のスターだなという感じです。あれを大事な大会で決めるのがスターだと思います。

(イタリア戦に向けて)もう日にちも少ないので、しっかりコンディションを整えることと、やっぱりコミュニケーションを取れるわけだから、しっかり話し合いながらまた自分たちのサッカーを思い出したいです。今日みたいに自分たちの力を出し切れなくて負けるのではなくて、次は自分たちの力をしっかり出していい試合をしたいなと思います。

細貝萌(レバークーゼン/ドイツ)

「相手のプレスや帰陣がすごく速かった」

 0−2の状態で入って、監督から特別な指示はなかったけど、ボランチの一角に入るということと、ヤットさん(遠藤)と代わるということで、長谷部さんが前に出たときに、自分が真ん中に残っていること、どっちかが前に出たら必ずどっちかが真ん中にいてくれという話はされました。負けている状態だったので、これ以上失点をしてはいけない状態だったと思います。そのなかで失点してしまったことは自分のなかで残念でした。監督の意思としては、負けている状態だったけど、バランスを整えて、ショートカウンターを狙ったのかなと思います。

(ブラジルは)個の能力は高いし、すべてが世界トップクラスのレベルの選手たちでした。パウリーニョらボランチの選手は普段から見ている選手だけど、レベルがやっぱり違うなと思いました。ブンデスリーガでもいい選手はいるけど、その種類が違う。自分はプレミアやスペインの経験はなく、ブンデスしか知らないけど、たとえば(ルイス・)グスタボはバイエルンでもあまり出ていない選手。自分にとってはブンデスでやっていることはポジティブにとらえているし、そこでもまれることで成長していかないと、日本も強くなっていかないと思っています。

川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

「もっとやれたんじゃないかと思う」

 もうちょっと立ち上がりのところは強くいかないといけなかったと思います。立ち上がりの失点が試合自体を難しくしてしまいましたし、自分たち自身にとっても難しくなってしまいました。球際もそうですし、前半も後半も含めてちょっと弱かったと思います。

(1点目について)打ってくるというのはもちろん分かりましたけど。あそこをフリーでやらせたらもちろん相手の技術も高いし、立ち上がりのところからどれだけ体をつけられるかもそうですし、本当に相手に対して厳しくいくかが大事になってくると思います。

(今日はミスが多かったが)もっと自分たちのサッカーをやれたと思いますし、チャレンジもできたはずです。そういう意味で結果も含めて満足できないゲームだったかなと思います。

(イラク戦から日数がなかったが)そんなことを自分たちが考えてるひまもないですし、逆に実際にW杯本大会になれば移動もある中でやらなきゃいけないです。イタリア戦もありますし、本当に移動があったり過密日程の中でも自分たちはどんどんやらなければいけないし、環境も変わります。そういう中で自分たちが持ってるコンディションの中でそれ以上のものを出せるかが大事になってくると思います。

(前回のブラジル戦との違いは)相手が昨年以上にプレッシャーを高い位置でかけてきてるっていう部分も多少あると思います。ただ自分たち自身がもっともっとボールを動かせたと思いますし、そういった意味で相手のやり方の違いもあったと思います。僕ら自身ももっとやれたんじゃないかという思いがあります。

<了>

 

完敗招いたザックに3つの提案 残り2試合を有効活用するために
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年6月16日】

祝祭ムードの中で開幕したコンフェデ杯だが……

 上空を旋回するヘリコプターのホバリングの音で目が覚めた。6月15日、いよいよFIFAコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)2013が、ブラジルの首都・ブラジリアのナシオナル・スタジアムで開幕する。こちらに到着した3日前から、地元テレビは大会の事前情報を盛んに流していたが、現地の大会への期待感はこちらが想像していた以上だ。開幕前夜も、各地からブラジリアに乗り込んできたと思しきファンたちの気勢を上げる声が、深夜まで街中に響いていた。

 昼前に徒歩でスタジアムに向かう。キックオフ4時間前にもかかわらず、あちこちで日差しを浴びてまばゆく輝くカナリア色のユニホーム姿の人々を見かける。これほど多くのブラジルサポーターを目にするのは、3年前の南アフリカ以来のことだ。ただし、彼らが身につけているのは、ナショナルチームのユニばかりではない。サンパウロの白、フラメンゴの赤と黒、そしてパルメイラスの緑、などなど。日本代表のホームゲームだと、Jクラブのユニを着た人はほとんど見かけることはないが、その点ブラジルはかなり自由な印象を受けた。愛するクラブがあって、代表がある。そんな当たり前のことが、ここブラジルでは少しばかり粋に思えてしまうから不思議だ。

 とはいえ、皆が皆、このコンフェデ杯の開幕にウェルカムというわけではなかった。この日のために歩行者に開放されたスタジアムに向かう大通りでは、コンフェデ杯とワールドカップ(W杯)に反対するデモの集団に遭遇した。ざっと見たところ500人くらいはいただろうか。横断幕に書かれた文字を拾い、あとで検索をかけてみると、どうやら彼らの主張は「スタジアムを作る金があったら、もっと教育や医療を何とかしろ!」というものらしい。私が見たデモはまだ平和的であったが、試合後に中田徹さんのコラムを読んで、催涙ガスが打ち込まれて逮捕者が出たことを知った。華やかな祭典の裏側に、地元住民の苦悶(くもん)が存在することを、恥ずかしながらこのとき初めて知った次第である。

ネイマールのゴールでブラジルの優位は決した

 さて、0−3という完敗に終わった、この試合。敗れたこと自体が残念であったが、それ以上に残念だったのが「日本らしさ」をほとんど披露することなく、それゆえ世界に対してインパクトを残すこともなく、単なるブラジルの「やられ役」に終わってしまったことである。取り急ぎ、試合の流れを振り返ることにしたい。

 この日の日本のスタメンは以下の通り。GK川島永嗣、DFは右から内田篤人、吉田麻也、今野泰幸、長友佑都。中盤は守備的な位置に遠藤保仁と長谷部誠、右に清武弘嗣、左に香川真司、トップ下に本田圭佑。そして1トップに岡崎慎司。意外だったのが、1トップに前田遼一ではなく、今年2月のラトビア戦以来となる岡崎の起用であった。この点についてザッケローニ監督は「相手のディフェンスラインの特徴を考えた上で、彼が適任だと考えた」と語っている。チアゴ・シウバとダビド・ルイスという、世界的にも極めて強固なセンターバックコンビにガチンコで挑むよりも、その裏を突くことにポイントを絞った方が勝機を見いだせると指揮官は考えたのであろう(その後、後半6分に清武を下げて、前田の1トップに戻ってしまうのだが)。

 一方でディフェンス面では、できるだけ0−0の状況を長引かせることを念頭に置いていた。それは「僕らのプラン的には、体を張りながら0−0で状況を長くして相手を焦らせたかったのはありました」という今野のコメントからも明らかだ。ところが、このプランは開始早々にあっけなく崩れてしまう。前半3分、左サイドのマルセロから、矢のように鋭いクロスが打ち込まれる。これをフレッジが胸で落とし、ワンバウンドしたボールをネイマールが右足ボレーでゴール右隅上にたたき込む。川島も精いっぱいのセービングを試みるが届かず、早々にブラジルが先制ゴールを挙げる。

 このネイマールのゴールによって、残り87分のブラジルの優位は決定付けられたと言っても過言ではないだろう。勝利への過度のプレッシャー、そしてエースの沈黙。それらの懸案事項が同時に、しかも早々に払拭(ふっしょく)されたことで、その後のブラジルはかなり余裕を持ってゲームをコントロールすることができた。前半のブラジルのポゼッションは64%を記録したが、後方でゆっくりボールを回しながら極力リスクを回避していたことは留意すべきである。対する日本は、積極的にシュートを放っていた本田を除いて、すっかりプレーに自信が失われ、本来の出来からほど遠いミスを連発。前半のブラジルにしてみれば、前半は1点のリードで十分であった。

 そして後半3分、ブラジルが追加点を奪う。ダニエウ・アウベスの右からのクロスにパウリーニョがワントラップから反転してシュート。吉田の寄せも川島のセーブも実らず、ボールは日本のゴールネットを揺さぶる。1点目同様、相手の出はなをくじくタイミングで、それほど手数をかけずにきっちり決める。ブラジルの攻撃は、いやらしいまでに効率的だ。対する日本は、2点を失っても決して意気消沈することはなかったものの、後半25分を過ぎてから目に見えて運動量が落ちていく。そしてアディショナルタイム3分、カウンターからオスカルのスルーパスに、途中出場のジョーが川島の股間を抜くゴールを決めて3−0。結局、これがファイナルスコアとなった。

ザッケローニは何を見誤ったのか?

 試合を終えて冷静に考えてみれば、純粋に力の差がそのままスコアに表れたゲームであった。今月4日にW杯予選突破を決め、11日に最後のイラク戦を終えて、ようやくアジアでの戦いから開放された日本であったが、すぐさま「世界モード」へとシフトチェンジできるわけがない。「アジアモード」から抜け切れていない状況で、W杯優勝5回を誇るブラジルにいきなりぶつかっても、力の差を見せつけられるのは当然と言えば当然である。

 それでも、心の奥底では「多少はブラジルを手こずらせるのではないか」という願いにも似た期待が、私にもあった。おそらくザッケローニもそう思っていたことだろう。それがかなわなかった理由として、彼は「試合開始直後にゴールを決められ、(試合の)入りのところでつまずいてしまったこと」、そして「カタールからのロングフライトに加え、この試合までの日数が短かったこと」を挙げている。いずれももっともな理由だ。とはいえ後者に関しては、最初からハードな日程になることは分かりきっていたことである。

 なぜザッケローニは、選手のコンディションを度外視して、イラク戦とブラジル戦をいずれも真剣勝負で臨んだのであろうか。そこがどうにも解せない。情況証拠から考えられるのは、指揮官がこの日程を甘く見ていたか、あるいは選手のリカバリーに過度の期待を寄せていたか、どちらかであろう。それは、チーム最年長の遠藤を酷使し(彼はブルガリア戦から3試合連続フル出場だった)、とうとうガス欠を起こして細貝萌と交代(後半33分)させたことからも明らかである。およそ戦術的とは思えない、このボランチの交代を見て、ベンチは選手のリカバリー能力をきちんと把握しているのか、非常に疑問に感じた。

 一方のブラジルはといえば、異例とも言える2週間にわたる代表合宿を敢行。その間にイングランドとフランスという欧州の伝統国とのフレンドリーマッチを行い、15日のコンフェデ杯開幕戦に照準を合わせてチームの強化に取り組んできた。その間、相当にメディアや世論からたたかれながらも、しっかり結果を出す努力を怠らなかった。そんなブラジル相手に、コンディションもままならないまま日本がぶつかって、良い内容が期待できるはずがない。ブラジル戦の一番の敗因を挙げるなら、ザッケローニのずさんとも言えるプランニングに尽きると私は考える。

指揮官「見極め」の場でもある

 とはいえ、終わってしまったことは仕方がない。それに、せっかく2年前のアジアカップ優勝でつかむことができた、今回のチャンスである。ゆえに残りのイタリア戦とメキシコ戦は、断じて無為に戦うべきではない。ついでに言えば、今さら「個の力」不足を嘆いたところで、この1週間で急激にそれが伸びるわけでもないだろう。とりあえず「世界との距離感」については、このブラジル戦で痛いくらい体感することができた。残り2試合は、より実践的に有効活用すべきであると割り切り、提案したいことが3つある。

 まず「それぞれテーマを持って臨むこと」。具体的には、チャレンジする試合、結果を求める試合、それぞれのシミュレーションをすることである。W杯本番となれば、どうあがいても勝てない相手と必ず同組となる。そこで各国の駆け引きとなるわけだが、グループリーグで最低でも勝ち点4を確保するためには当然、結果重視の試合もあれば貪欲に点を取りに行く試合も出てくる。今回のコンフェデ杯が公式戦であることを考えれば、願ってもないシミュレーションの場だ。裏のメキシコ対イタリア(現地16日)の結果を冷静に見極め、「どうすればこのグループを突破できるか」をじっくり精査しながら、今後の試合に臨んでほしいところだ。

 次に「思い切った選手起用」。2試合残っているのだから、オーソドックスな陣容で臨む試合と、やや意表を突く陣容で臨む試合があってもいい。もちろん、交代枠は3枚しかないので、できることはおのずと限られる。それでも、本田の1トップ、中村憲剛のトップ下、さらにはW酒井(宏樹、高徳)の起用など、スタート時からあらゆる可能性を探ってみるのも悪くないと思う。さすがにここで3−4−3を使うのは、いささか「やけっぱち感」を禁じ得ないが、それでも明確な狙いがあるのであれば十分にアリだ。

 最後に「現有戦力の見極め」。やや厳しい表現になるが、この大会を通して「本当に世界で戦える人材か否か」のフィルタリングがかけられることだろう(もちろん、海外組・国内組問わず)。指揮官も認めてきた通り、これまで日本は予選突破を第一優先で考え、あえて(だと信じたいが)コアメンバー固定で戦ってきた。だが、それはあくまで「アジアモード」での話。今後、「世界モード」にシフトするにあたり、これ以上の伸びしろが望めない選手がいれば、どれだけチームへの貢献度があったとしても、ここでいったんリセットする必要がある。もちろんピッチに立つ選手たちも、それくらいの緊張感を持って戦うことは言うまでもない。

 一方でコンフェデ杯の残り2試合は、ザッケローニ自身の「見極め」の場でもある。(あまり想像したくないが)もしも指揮官が残り2試合を無為に浪費し、日本らしさを表現することもなければ、本大会に向けた希望を見いだすこともできず、あっさり大会を去ることになったなら――彼との別れが1年早まることも、決してあり得ない話ではないと思う。

<了>

 

銃声とともに幕を開けたコンフェデ杯 ゴール裏で見たブラジルの圧倒的な力
【スポーツナビ:中田徹 2013年6月16日】

会場周辺に鳴り響いた突然の銃声

 コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)のブラジルとの一戦を前に、続々とエスタジオ・ナシオナルに集まって来るブラジルサポーターたちの姿が壮観で、それを眺めていた僕はなかなかスタジアムの中へ入れずにいた。キンキンに冷えた缶ビールを飲みながら、僕はブラジル人と「ブラジル2! ジャポン0!」「いいや、ブラジル2! ジャポン3だ!」などとたわいもない会話で盛り上がりながら、最後は「ボア・ジョーゴ!(良い試合を)」とエールを送って別れるということを繰り返していた。

 スタジアムの入り口正面にはデモ隊もいた。彼らの掲げる不満は多岐に渡っていて、いまひとつ、何を要求しているのかハッキリしなかった。かなり人数は多かったが、本当に穏やかなデモだった。とはいえ、何がキッカケでトラブルに発展するか分からなかったので、僕はデモ隊とはある程度距離を置きながら、試合前のスタジアム周辺を楽しんでいた。

 ツーリストインフォメーションの出張所の辺りで、アンケートの回答を求められ、「どこの国から来たの?」、「何日いるの?」、「ブラジリアには何泊するの?」といった簡単な質問に僕は答えていた。すると、“バババババーン!”といきなり銃声がした。機動隊がデモ隊に向けて何かを放ったのだ。僕はすかさずツーリストインフォメーションに潜って隠れると、「怖い怖い」と言いながら銃声がやむのを待っていた女性ボランティアたちと視線があった。

 やがて騒ぎが収まり、英語が流ちょうな青年ボランティアが、デモ隊に理解を示しながら、怒ったような口調で話し出した。
「ブラジリア州は腐っている! このデモは州への抗議デモなんだ。まず病院。施設は古く、医者は少ない上に腕も悪い。だから、病院に行くことは、死にに行くことだと俺たちは思っている。教育や行政もそう。非常にレベルが低いんだ。なのに見ろよ。この巨大なスタジアムを。たった1試合しかコンフェデ杯で使わないのに、作っちゃったんだぜ。治安も悪い。今日、ブラジリアの町が平和そうに見えるのはコンフェデ杯があるからだ。ここでは年間300件の発砲事件がある」

 デモ隊のひとりが足を負傷して倒れていた。救急車が到着し、仲間たちの拍手の中、彼は病院へ運ばれていった。それが休戦終了の合図だった。機動隊がまたしても何かをぶっ放し始め、そのタマは地面の上で煙を上げていた。すると僕の目に刺激が走り、それが催涙弾だと理解した。デモ隊が逃げ、追いかけられるように、ブラジル人サポーターも逃げ出す。いったいどこまで走れば安全なのだろう!? 

 ずいぶん前だが、アヤックスがオランダリーグで優勝した日に、アムステルダムの町中でサポーターが暴れ、機動隊が催涙弾を打ちまくり、僕もそれに巻きこまれたことがあった。あのときは涙がボロボロ止まらなかったが、今回の催涙弾はずいぶん軽いようで、ほとんど涙はこぼれなかった。むしろ怖かったのは、背中などにタマが直撃することで、この場にいつまでも居ては駄目だ――僕は入場ゲートへ一目散に走って、スタジアムの中へ入った。

国内で批判を受けても日本を圧倒する力

 スタジアムの中は、外とは打って変わって平和だった。僕のチケットはゴール裏1階席だったが、ここには日本人がほとんどおらず、前後左右に座るブラジル人たちからずっとからかわれ続けた。日本の勝利を信じる僕は彼らに反論しては失笑を買った。

 スタジアムはとても見やすかった。前半に本田圭佑が蹴ったFKが左へ曲がって右へコースを変えたが、GKジュリオ・セザールがギリギリまでボールの軌道を見極めてはじく。その一連のボールの動きが、ゴール裏からハッキリと見えた。さらに悔しいことに、ブラジルと日本の間に埋めようもない差があったことも、ゴール裏からハッキリ見えた。昨年10月、0−4という大差で終わった両者の力関係は、まったく縮まっていなかったのだ。

 ルイス・フェリペ・スコラーリ監督率いるブラジル代表は、国内で大きな批判を浴びていた。試合当日の朝、ブラジルで著名な評論家が「あり得ないことだけど、アルゼンチン人のマルセロ・ビエルサがブラジル代表を率いてくれないだろうか。彼ならきっとブラジルを攻撃的なサッカーにしてくれるはずだ」と書いているのを見つけた。今のブラジルは守備的でつまらないというのが、国内での批判のひとつなのである。しかし、目の前で戦うブラジルは、確かにかつての優雅さこそないけれど、それでも4−2−4とも呼べるフォーメーションで、しかも両サイドバックが同時に日本陣内に侵入することもしばしばだった。

 サッカーは競い合うことによって緊張が生まれる。残念ながら、ブラジル対日本の試合は、その緊張感があまり感じられなかった。
 同じことは、日本代表というチームそのものにも感じた。最近の日本代表は顔ぶれが固定されてしまい、チーム内競争の緊張を感じられないのである。ワールドカップ予選も通過した今、しばらく失うものはない試合が続く。ここはぜひ、新戦力の発掘によって、新たな化学反応をチーム内に作ってほしい。

<了>