2014年W杯・準々決勝:フランス 0-1 ドイツ、ブラジル 2-1 コロンビア

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リベリーを欠いたことで逆にリアリズムを追求して腹を括ることができたのか、大方の予想を覆してベスト8まで順当に勝ち上がってきたフランス。一方、前の試合ではアルジェリア(アルジェリア戦争で独立した国とはいえ皮肉なことに旧フランス領なんだな・苦笑)相手に延長戦までもつれこむ苦戦を強いられたドイツ。ユーロ通貨圏2大国による準々決勝の第1試合でしたが、ノイアー神が相変わらずの鉄壁神ぶりで攻守の要であるフンメルスが復帰したドイツには1点で充分だったようで、結果は下の写真が象徴してますね。
・・・ってか、平日に何故ベルリンじゃなくてリオのマラカナンにいたのさwww>メルケルおばさん
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2014年W杯・準々決勝

フランス 0−1 ドイツ

ブラジル 2−1 コロンビア

 

仏独対決は見応えある試合でしたが、フンメルスの復帰で攻守の歯車がスムーズに噛んで回ってたドイツの方が内容では一枚上手でしたね。
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そしてもう1つの試合・・・これまで先にゴールを奪うことで4連勝してきたコロンビアが初めて先制されて調子が狂ってしもうたんかな〜と。前半わずか7分、しかもCKでのマークミスという、点を取られた時間帯も失点の仕方も悪かったですね。それでもコロンビアが押していた時間帯も多かっただけに、ファルカオがいればなぁ〜とタラレバの1つは言いたくなりますね(苦笑)。

一方の勝ったブラジル。スニガがネイマールの腰椎を骨折させることになったプレーに注目がいきがちですが、ダーティーさではブラジルも他所のこと言えないですよね(苦笑)。開催国だから大目に見てもらってるだけなんでしょうけど、守備を固めて攻撃はタレント任せがフェリポンのスタイル(サポート役のパレイラも似たような感じか)とはいえ、今大会のセレソンはマリーシアを通り越してダーティーが目立って見苦しい。ボールを蹴ろうとしたGKにチャージかましてイエローくらったチアゴ・シウヴァのあのプレーなんか典型例ですが(これで累積で準決勝出場停止ですから主将のやることじゃない)。フェリポン&パレイラよりもペケルマンの方が良い仕事してるのは明らかだったので、上に上がるならコロンビアに行ってほしかったですが、今大会で初のベスト8進出を果たしたコロンビアが更に上を行くのには足りないものがまだいろいろとあったのかな、という気もしてます。

 

ポゼッションサッカーはまだ終わらない ドイツ・レーブ監督の施した戦術の微調整
【スポーツナビ:中野吉之伴 2014年7月5日】

 スペイン代表のグループリーグ敗退とともに「ポゼッションサッカー終えん」を強調する声が増えてきている。ポゼッションサッカーの代名詞だったバルセロナがチャンピオンズリーグ準々決勝で姿を消したことも、その論調を後押ししている。「カウンターサッカーの復活だ」と識者たちはオランダ代表やレアル・マドリーを絶賛しだした。

 そんな中、ポゼッションを基調とするサッカーのドイツ代表が準々決勝でフランス代表を1−0で下し、準決勝に駒を進めている。その秘密はどこにあるのか。ヒントは監督ヨアヒム・レーブが練り出した戦術のマイナーチェンジにあった。

論理的な戦術変更

 今大会、ドイツはサイドバック(SB)のポジションに本職がセンターバック(CB)の選手を起用してきた。その理由の一つに上げられるのが、ブラジルの気候。高温多湿での戦いが予想される今大会では前線から激しいプレスをかけるチームよりも、ある程度守備を固めてからショートカウンターを狙うチームが増えることが予想された。そうした相手に対して高い位置でポゼッションをすれば、カウンターの餌食になる危険が増す。とはいえ失ったボールをすぐに奪いに行く「ゲーゲンプレッシング」で即座にプレッシャーを掛けに行けば、スタミナの消耗が甚だしいだろう。大会を勝ち抜くには不確定要素が多すぎると分析した。またすでにトップチームは「ゲーゲンプレッシング」を狙ってくる相手に対して、どのようにそのプレスをかいくぐればいいのかの対応策も見いだしている。闇雲にプレッシャーを掛け続けるのは得策ではない。ポゼッションという既定路線を崩さずにカウンター対策をするのに、1対1に強い4人のCBを置いたのは論理的な帰結だといえる。

 では攻撃はどうだろうか。守備を固める相手に対していくらボールをキープしたところで攻撃の糸口は作れない。とはいえ闇雲なドリブルや縦パスでは、相手にボールをプレゼントするようなものだ。そこでキープ力と動き出しの良さが長所のトーマス・ミュラーを中心に、攻撃陣の頻繁なポジションチェンジで揺さぶりをかけるやり方を取った。ドイツ代表チーフスカウトのウルス・ジーゲンターラーは「ポゼッション率自体が大切なわけではない。ただボールを持たされているだけでは得点はできない。重要なのはボール・プログレッション(ボールの前進)」と強調していたが、彼らにとって大事なのは「ポゼッションをする」ことではなく、「どのようにポゼッションからボールを前に運ぶか」だ。理想だけを追い求めるだけでは、頂点にたどり着けないことを過去の大会で骨身に染みて知っている。現実的なスパイスを混ぜ込むことで結果を出している。決勝トーナメント1回戦でも素晴らしい抵抗を見せたアルジェリアに苦戦はしたが、相手の一瞬のスキを見逃さずに得点を取り、勝ち進んできた(2−1)。

フランス戦は戦い方をさらに変更

 一方のフランスは予選リーグ3連勝。結果だけではなく、内容的にも非常に充実していた。大会前はエース格のフランク・リベリがメンバー入りできずに不安視されていたが、逆にそれがチームとしてのまとまりを強めたようだ。大勝したスイス戦(5−2)を始め、秩序立った守備から積極的なプレスでボールを奪い、攻撃ではカリム・ベンゼマが抜群の動き出しでボールを引き出し、卓越したキープ力と決定力で圧倒的な存在感を示していた。決勝トーナメント1回戦のナイジェリア戦(2−0)でも、うまく試合をコントロールし、順当に勝ち上がってきた。

 そんな勢いのあるフランスを相手に、ドイツはがらりと戦い方を変えてきた。風邪でアルジェリア戦を欠場したマッツ・フンメルスが復帰したとはいえ、これまで通りの布陣ではビルドアップで相手のプレスを受け、前にボールを運べない事態が危惧された。そこで攻守両面で機能性を上げられるラームを右SBに、そして守備力だけではなく縦への推進力のあるサミ・ケディラ、ゲームコントロールに長けたバスティアン・シュバインシュタイガーをダブルボランチで起用。またフィジカルにも強いCBを置くフランスに対して、しっかりと攻撃のポイントを作れるミロスラフ・クローゼをFWに置いた。

フンメルスのゴールで勝利をつかむ

 序盤、ポゼッションの質が上がったドイツに対してフランスは中盤のスペースを注意深く埋めて対抗。しかしGKマヌエル・ノイアーも含めてポゼッションできるドイツには、これまでのようにプレスを掛けることができない。スピードに難があるジェローム・ボアテング、ベネディクト・ヘーベデスの裏のスペースをうまく狙って惜しいチャンスは作りだすが、復帰したフンメルスが最後のところで必ずブロック。一方、クローゼを起点に攻撃を組み立てるドイツは徐々にリズムをつかみだし、13分に先制に成功する。トニ・クロースのFKから、フンメルスが体をひねりながら素晴らしいヘディングシュートを決めた。

 フランスもベンゼマを中心に素早い攻撃でGKノイアーの牙城を脅かそうとするが、この日のドイツは非常にコンパクトで粘り強い守備でフランスの攻撃を跳ね返していく。何とか守備陣をくぐり抜けても、GKノイアーが好セーブでゴールを死守。1点リードのドイツは慌てずに相手が焦れて出てくるところを狙った。後半には相手守備のずれから生まれたスペースにミュラーやメスト・エジルらが抜け出して好機を演出。途中出場のアンドレ・シュールレが決めていれば、早々に試合を決定づけることができただろう。

対策通りに実践できるプレーインテリジェンス

 今のドイツ代表は4年前のような華麗なサッカーを披露しているわけではない。パーフェクトに機能していたコレクティブカウンターも見られていない。そのためドイツ国内では「このままでは優勝できない」という意見が大多数を占めている。確かに理論上は機能するはずの戦術でも、何が起こるか分からないピッチ上では、選手がその通りにプレーできないことも普通にある。しかしドイツ代表の選手は状況に応じてやるべきプレーを把握するプレーインテリジェンスを持ち合わせている。ここは体を張ってでも止めなければならない場面ではしっかりと相手を止め、無理をしても攻めなければならない場面ではリスクを冒してチャレンジする。理想だけを追い求めるのではなく、成熟したサッカーで結果を残すドイツ。今度こそタイトルに手が届くのだろうか。

 

ホセ・ペケルマンが見せた涙の意味 コロンビア国民の夢をかなえた知将
【スポーツナビ:藤坂ガルシア千鶴 2014年7月5日】

ドイツ大会では見せなかった涙

 ホセ・ペケルマンのあれほど悔しそうな表情を見たのは初めてだった。20年前、アルゼンチン代表の育成部門の責任者に抜擢(ばってき)されて以来、何度か間近で取材をさせてもらったが、その穏やかな人柄からいつも冷静で落ち着いていたホセが、歯を食いしばって天を見上げながら悔やむような、感情を顕にするところを見たことはなかった。

 私をもっと驚かせたのは、ブラジルの2点目が決まったあとに見せたその悔しそうな顔ではなく、試合後の様子だった。レポーターからの質問にひととおり答えたあと、「4500万人のコロンビア国民が今きっと拍手をしていると思います。彼らに何か言いたいことは」と聞かれると、口元を震わせ、泣き出したいのを我慢しながら「皆さんのことが大好きです」と一言だけ残し、涙と笑みを浮かべながらその場から立ち去ったのだ。

 ホセにとって最初のワールドカップ(W杯)となったのはアルゼンチン代表を率いていた2006年ドイツ大会。このときは、フアン・パブロ・ソリンやフアン・ロマン・リケルメ、エステバン・カンビアッソといった、ユース時代から育ててきた愛しい教え子たちを引き連れていたにも関わらず、敗退したときに涙を一切見せなかった。また、泣くのを堪えている様子さえなかった。
 それなのに、コロンビアの敗退が決まったあとで、ホセは涙を見せた。試合中に見せた悔しそうな表情よりも、ずっと意外な姿だった。
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〔※写真:ブラジルに敗れた際、涙を見せたコロンビアのペケルマン監督。06年のドイツ大会で敗れた際には流さなかった涙には理由があった【写真:ロイター/アフロ】〕

全選手のデータを集め最強チームを考える

 悔しかった理由はよく分かる。それについては、ホセ自身もはっきり説明している。
「(ブラジルに負けて)とても残念です。私たちはこの試合に勝てるという希望を抱いていましたが、セットプレーから2点を奪われてしまいました。この(W杯準々決勝の)ような試合でそれは決定的なことです。でも、これがサッカーというものなのですから仕方がありません」

 セットプレーで失点を許すことがホセにとってどれほど悔やまれるものなのかを理解してもらうためには、彼がどのようにチームを作り、準備をするかについて知ってもらう必要がある。

 ホセの下には、彼がアルゼンチンから連れてきた専属スタッフがいる。第1アシスタントのネストル・ロレンソと第2アシスタントのパブロ・ガラべージョは、ユース時代にアルヘンティノス・ジュニオルスでホセの指導を受けたことがある元教え子コンビ。
 ヘッドコーチのパトリシオ・カンプスは90年代にアルゼンチンリーグで活躍した元ストライカーで、フィジカル・コーチのエドゥアルド・ウルタスンは06年、当時アルゼンチン代表監督だったホセの下でW杯を体験。このほか、メンタルケアを担当する心理学者マルセロ・ロッフェ、そしてデータの収集と分析を担うガブリエル・ワイネルという人物がおり、いずれもホセが全面的な信頼を寄せるスタッフだ。

 ホセが2012年1月にコロンビア代表監督に就任した際、最初に行った仕事は、ワイネルに頼んでコロンビア国籍を持つプロ選手たちのデータを可能なかぎり集めることだった。代表歴を持つ選手たちから始まり、代表には招集されたことのない国内外のリーグ戦でプレーする選手の細かい情報を収集し、厳選された新鮮な食材で最高の料理を作り上げるように、その時点で最強のチームを構成するためのデータベースを作らせた。

 どのような選手なのか、どのポジションでプレーするか、どんなプレーを得意としているのか、何が苦手か、どれくらいの速さで走るのか、テクニックはどの程度か。個々の選手の細かい情報をそろえることにより、対戦相手のスタイルや試合会場の気候など、それぞれの状況に応じてベストの布陣を作るだけの準備を整えたのである。

悔やまれるセットプレーからの2失点

 次にワイネルは、W杯予選で対戦する相手のデータも収集し始めた。当然、どのようなプレースタイルを持ったチームなのかを知ることが目的だが、ワイネルが記録するデータは、そのチームの試合のビデオを見て戦術を分析するという程度に留まらない。相手チームの各選手の特徴や得意なプレー、速さ、セットプレーにおける動き方など、個々の細かい情報を徹底的に調べあげる。そこには控え選手のデータも含まれている。

 今回のW杯でもワイネルは対戦するチームの細かい情報を収集し、それを元にホセがコーチ陣と分析した上で、さまざまな展開に対応できる戦術をそれぞれのゲームのために用意してあった。それだけに、ブラジル戦でセットプレーから2点を奪われたことが悔しくてならなかったのだ。

 入念な準備をしていても、コーナーキックからチアゴ・シウバに先制点を許し、後半にはダビド・ルイスによる非の打ち所のない一撃に敵わなかった。「決定的」となった2失点は、ホセが「勝てると希望を抱いた相手」とコロンビアに大きな差をつけた。早い時間帯に決められた1点目が「大きな打撃」となったことも認めている。

 おそらくホセは、天を見上げたとき、「これがサッカーというものだ」と自分に言い聞かせながら、06年に母国アルゼンチンを率いて初めてのW杯に挑戦したときも、準々決勝で開催国(当時はドイツ)を前に敗れ去ったときのことを思い出したに違いない。

国民から絶大な信頼を受けたペケルマン

 では、どうしてホセは今回泣きそうになったのか。一体なぜ、06年大会では見られなかった瞳の中できらりと光る涙が、今回は流れ出そうになったのか。

 昨年10月、コロンビアがアルゼンチンに次ぐ2位の好成績で予選を通過してW杯出場を決めた際、選手たちが口々に「ホセはわれわれのメンタルを変えてくれた」と話していた。そこで私は、前述の心理学者ロッフェと連絡を取り、ほんの2年足らずの間にどうやってメンタルを変えたのか、詳しい話を聞きたいと依頼した。

 ロッフェは「それについては今は話せない」としながらも、コロンビアとアルゼンチンの違いを話してくれた。
「アルゼンチンでは、誰もがサッカーのことを知り尽くしていると思い込んでいる。コロンビアでは、誰もがサッカーのことをもっと学びたいという姿勢でいる」

 98年大会以来、ずっとW杯から遠ざかっていたコロンビアは、予選の途中からホセにすべてを託す大きな決意を下した。ロッフェの言う「学びたいという姿勢」から、サッカー協会の関係者を始め、メディアも一般のファンも、ホセのやり方を信じて後をついてきた。選手たちは、ホセとそのスタッフから出される的確な指示に忠実に従った。

 ホセにとってのコロンビアは、インデペンディエンテ・メデジンに所属していた28歳のとき、けがからプロ選手としてのキャリアを断念しなければならなかった苦い思い出と、愛妻マティルデとの間に娘バネッサを授かった幸せな思い出の両方が残る国。特別な思い入れのある国で、人々から多大な忠誠心を示されたホセは、自分の教えを素直に受け入れる従順で勤勉なコロンビアの人々の「W杯に行って、素晴らしいプレーを世界に見せたい」という夢をかなえたいと強く感じたのだ。

4500万人の国民への思いが詰まった涙

 ブラジルに負けて敗退が決まったあと、ホセはこう言った。

「私たちには夢がありました。その夢は、すべてかなったのです。ここで敗退するのは残念ですが、私たちは常に存在感を示し、良いイメージを残すことができたと思います。コロンビアの人々は、このチームを誇りにすることができるでしょう。私たちにとって、素晴らしいW杯でした」

 アルゼンチンで育成のエキスパートとして、多くの名選手を育ててきたホセ。今大会に出場しているアルゼンチン代表選手の大半は、ホセとそのスタッフによってユース代表デビューを果たしている。教え子たちが立派に育って晴れ舞台に立つ姿に感じる喜びは自己満足かもしれないが、一国の夢をかなえた達成感は自分だけのものではない。

 W杯でコロンビアを初のベスト8に導いた偉大なる監督として、同国のサッカー史に残る偉業を成し遂げた知将ホセ・ペケルマンが流した涙には、自分を信じた4500万人もの人々への感謝の気持ちが詰まっていたのだった。

 

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