国際親善試合:日本 2-1 カナダ・・・本田・長友不在でvsヨルダン戦を戦うための試金石

ヴェルディ・ユース出身でアルビレックス新潟に所属していたこともある中島ファラン一生がカナダ代表として後半終盤から出場していたのにはちょっと感慨深いものがありました。カナダ代表が律儀にも生真面目に試合に臨んでくれたおかげで、ザックジャパンにとっても色々と見極めができたりで良い調整になったのではないかと思います。

 

キリンチャレンジカップ2013

日本 2−1 カナダ

 

本田が負傷によりヨルダンとの予選試合を欠場することになってるわけですが、エクスキューズの仕方としては「本田の代役のトップ下は誰か?」ではなくて、宇都宮さんがコラムで書かれているように「前線の4人のユニットの再構築をどうするか?」が正しい見方だと思いますし、その点においてはヨルダン戦に向けての当面の最適解は見いだせたように感じました。チャンスが与えられたなら、ハーフナー・マイクにはフィテッセでの好調ぶりを代表でも発揮して大いに活躍してくれることを願ってます。

あとは今野がコンディション不良、長友が負傷による不招集で、それぞれCBと左サイドの代役となった伊野波と高徳が試合中に揃って負傷してしまったことが若干気がかりですが、代わって入った選手たちも無難にやっていたようなので、そんなに心配はいらないでしょうし、むしろ千載一遇のチャンスと思って自然と気合も入るのではないかとすら思えます。

ともあれ、次のヨルダン戦に勝てばW杯本戦出場決定なので、選手たちにはぜひとも頑張って勝ち点3をもぎ取ってほしいと願ってます。

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ザック監督「香川と中村の長所を生かす」
国際親善試合 カナダ戦後会見
【スポーツナビ 2013年3月23日】

 サッカー日本代表は現地時間22日、国際親善試合のカナダ戦(ドーハ)に臨み、2−1で勝利した。日本は9分に岡崎慎司のゴールで先制。後半に追いつかれたが、74分にハーフナー・マイクの決勝点で競り勝った。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「ヨルダン戦に向けていいテストになった」と語り、苦戦した試合を振り返った。本田圭佑の不在により、注目されたトップ下については前半は香川真司、後半は中村憲剛を起用。「香川と中村の長所を生かしたい。彼らに本田と同じようなことは要求しない」と語った。

ハーフナーはよくやってくれた

――チームのパフォーマンスについての感想は?

 ヨルダン戦に向けていいテストになったと思う。相手はフィジカルも強く、球際も激しく来ていた。チームとしてもコンパクトにまとまっていてアグレッシブだった。カナダは火曜日にもドーハでベラルーシとの試合があるということで、予選がない中、この試合はけがのリスクを背負ってでもアグレッシブに来るところはあった。当然、選手たちの頭のなかにはヨルダン戦のことが頭にあったと思うし、その中でも選手たちは頑張ってくれた。選手のコンディションを知るという意味で、いい情報が得られた。

 試合の詳細については、カナダが中盤の真ん中のところでアグレッシブなプレッシングをかけてきたが、そのラインを超えられればゴールに向かうことができた。しかし言いたいのは決定力不足というか、チャンスの多さに対してゴールが伴っていない。常にこれだけのチャンスが作れるというわけでもない。ヨルダン戦に向けて、いくつかの課題が見えたと思う。

――選手の距離感について、前半についてはどう評価するか?

 前半の距離感はまあまあよく取れていた。ひとつ(課題を)挙げるなら、FWのラインと中盤のラインのエリアで奪ってからの素早い攻撃ができればなお良かった。カナダはクロスから、もしくはミドルシュートの選択肢が多かった。

――後半でハーフナーがポストに入り、中村が中盤からビルドアップをしていたが、監督としてはどちらが理想的な形に近いのか?

 ハーフナーのポストプレーは素晴らしかった。よくやってくれたと思う。ただ、それだけでは完全じゃなく、バイタルエリアに落ちるこぼれ球を拾ってからの動きの精度という意味では、もっとFWに裏を狙ってほしかった。裏を突けたときには、FWの選手というよりも、特にサイドバックの選手を使いながら裏に深みを出していけたらと思った。

 相手に的を絞らせないためにも、常に特定の選手が裏に行くのではなく、そこはバリエーションがほしい。裏を狙う人間がいれば、引いてきてもらう人間もいなければならない。的を絞らせないように(それぞれの役割を)出していかないといけない。前半、岡崎と乾(貴士)に関しては裏に数回は走ってくれた。最後の精度について、少し課題は残ったが、それは今に始まったことではない。サッカーというスポーツは、ルールブックには書いてはいないが、(ゴールチャンスで)ミスをしてしまうと時に相手にやられてしまう。(この試合では)1失点したが、大きなサプライズはない。

交代のタイミングは試合前から考えていた

――試合前に情報収集して、ヨルダン戦のメンバーを見極めたいと言っていたが、トップ下や左サイドで見極めはできたのか、それともまだ迷いはあるのか?

 しっかり情報は収集した。ただし、ここで発表するわけにはいかない。

――後半は相手にもシュートチャンスを与えてしまっていたが、ヨルダン戦ではどう修正を図っていくのか?(大住良之/フリーランス)

 あまりそうは思わない。なぜなら後半、カナダがボックス内にボールを放ってきたからだ。向こうはフィジカルが強いので押し込まれたが、3〜4人ほど強い選手がいたのでそう見えたのだと思う。(相手の)ゴールもハイボールではないが、フィジカルでやられてしまった。コンビネーションで崩されるところはなかったが、うちのサイドバックとサイドのFWの距離感というものが開きすぎていたので、そこを起点にされてしまったのだと思う。

――本田の代わりとして、前半に香川を使った理由は? また、後半に憲剛を起用したのは予定どおりだったのか?(後藤健生/フリーランス)

 まずは交代のタイミングだが、試合前から考えていた。ハーフタイムで替えるのか、もう少し時間がたってからか、というところはあったが、交代のチョイスは最初からあった。2人は異なるタイプなので、どちらかがトップ下に入ると、周りのFWの役割が変わるのでバランスを保たないといけない。つまり、香川がトップ下だと両サイドのアタッカーは守備でもう少し力を割かないとといけない。逆に中村がトップ下だと、守備の負担は多少は減る。そこを決めるにあたって、トップ下のみならず、両サイドのコンディションとバランスも見ないといけないし、相手の特徴も把握しながら人選を決めないといけない。

本田と同じようなことは要求しない

――酒井高のけがの状況と、DFの追加招集の可能性は?(宇都宮徹壱/フリーランス)

 酒井高だが、今の情報では試合中にももの裏に張りが出たということで、実際にドクターの意見を聴きながら損傷があるかどうか確認していく。もし損傷がある場合、追加選手を呼ぶことも考えるが、そうでなければこのままで行く。

――トップ下でプレーした香川と中村について、中盤での推進力や前線でためを作れる本田が担ってきた役割を、この2人で補えるという手応えを感じることはできたか?

 スタートこそトップ下だが、香川も中村も、本田のストロングポイントは持っていないので、その役割を期待することはできない。彼らには、本来の長所を最大限生かすことを私自身が好んでいるので、その意味では香川と中村の良いところを生かすようにしたいと思っている。確かに本田は、他の選手とは違った特徴を持っているので、代表では大切な選手だ。技術の高さ、パーソナリティー、そしてパワー。彼がいることで、中盤にパワーという要素が加わる。そういった部分が、彼が代表にもたらしてくれるものだ。本田がトップ下に入ることで、サイドの選手はより攻撃に専念できるというバランスが生まれるわけだが、今回はまた違った選手が入ることで、彼らに本田と同じようなことは要求しない。

――岡崎が3試合で4得点を決めているが、彼の評価を聞きたい

 チームメートがボール持った時に、まず岡崎はゴールに向かっていく。これはFWの選手としてあるべき姿勢だし、他のFWもそうした動きが出てくればいいと思うし、そういったものを実際に要求もしている。ただ、岡崎がこれだけ点を取っているということは、他の選手よりも裏に飛び出しているということなのだろうと思う。

<了>

 

カナダ戦後 選手コメント【スポーツナビ 2013年3月23日】

 サッカー日本代表は現地時間22日、国際親善試合のカナダ戦(ドーハ)に臨み、2−1で勝利した。日本は9分に岡崎慎司のゴールで先制。後半に追いつかれたが、74分にハーフナー・マイクの決勝点で競り勝った。

 試合後、トップ下で先発した香川真司は「選手1人ひとりが飛ばしすぎた感じもあります」と反省の弁を述べた。また、先制点を挙げた岡崎は「ああいうシュートが代表だと入る」と話し、ゴールシーンを振り返った。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
「前半は飛ばしすぎた感じ」

 前半からやろうと思えば絶対できたと思う。ただ、どうしても選手1人ひとりが飛ばしすぎた感じもありますし、相手の出足がよかったのも感じた。そういう意味ではもう1回気を引き締めて、次の試合に向けて準備したいです。こういう入り方でやると取り返しのつかないことになると思う。良い経験なので、次に生かしたいです。

(ワールドカップ=W杯=の先のことも考えないといけない?)とりあえず頑張るしかないし、1つは個人の能力で負けてると思います。チームとして合わせるということは日本人の特徴だと思ってるので、もっと個人の強さを求めて、次の試合に向けては今日悪かった点を修正して、臨んでいきたい。

岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)
「ああいうシュートが代表だと入る」

 今日は一番やってはいけない形で試合に入ってしまいました。1点取ってうまくいくかなというのはありましたけど、ズルズルと時間がたってしまった。勝ったのはよかったというだけで、90分間通して相手にいい形を作られすぎました。いい反省点になったかなと。こういう試合をヨルダン戦ではやってはいけないと思います。

(ゴールシーンでは)とりあえずいいところにボールを置いて打とうかなと思ったんですけど、あんまりうまくいかなかった。それでかわしてシュートを打った感じですけど、ちょっとテンポが遅れたので、入らないなと思いました。全部イメージで打ったんで。ああいうのが代表だと入るから、思い切ってやれる部分もあるのかなと。自信があれば思い切ってやれるのかなという感じがします。

(とっさの判断でできたのか?)とりあえず、ファーストタッチをうまくいかないなりにもいいところに置けたかなと。そんなに離れすぎず、次のタッチがしやすい場所にボールを置けたので、それがよかったかなと思います。最近は両足でボールを触ることを心掛けてる分、左足でタッチできたのかなというのはありますね。

長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)
「良くなかった点は3つ」

 セカンドボールを拾われてましたし、拾って組み立てる時も簡単なミスがたくさんありましたし、フィジカル的な部分でも負けてる部分がありました。その3つが良くなかった点だと思いますね。選手間の距離もちょっと遠くてプレッシャーをかけるのもうまくいかなかったかなと思います。立ち上がりからあんまり良くなかったですけどね。ただ、自分たちのリズムでボールを回してる時は完全に崩してチャンス作ってましたし、その時間をもっともっと多くしていかないといけないと思います。

(選手間の距離をコンパクトにすべきだった?)そうですね。もう少しセカンドボールの意識を全体的に持たなきゃいけない。それを持つことでポジショニングも変わってくるかと。セカンドボールなんてほとんどポジショニングで決まるので、そういうところが今日は欠けてたかなと思います。

 今日は自分たちのサッカーを出すことがメインでした。今週は攻撃の練習に時間を割いていたんで、攻撃の部分で監督が求めたことは大きかったかなと思います。練習でやったことを出せた場面も少なからずあったし、あとは自分たちのリズムでしっかりつないでいくことが重要だと思います。つなぐところでミスがあると苦しくなっちゃいますけど、正確につないでいけばチャンスが作れていたと思うし、そのへんのバランスだと思います。

内田篤人(シャルケ04/ドイツ)
「セカンドボールを拾えなかった」

(最初から前半だけと言われてた?)いや、言われてはないですけど、何となく……。ちゃんと調整はしてました。(最初は受けに入ったが)今日は、セカンドボールを拾えなかったですね。ボールが落ちるところにカナダの人が多かったかなと。ああなるとアウエーになった時にどうしても押し込まれちゃうんで、もう少し長いボールを蹴って裏に押し込んでもよかったかなと思います。ボールが収まるとか収まらないとかじゃなくて、ボールが拾えなかったですね。

乾貴士(フランクフルト/ドイツ)
「もう少しボールに絡みたかった」

 もう少しボールに絡みたかったですし、ちょっと張り過ぎて、(香川)真司との距離も遠かったり、ヤットさんとの距離も遠くなりすぎたので、もうちょっと中に入れれば良かったと思います。(酒井)高徳との関係はそんなに悪くなかったので、高徳がもうちょっと上がりやすいように、良いタイミングで中に入れればよかったと思います。

(ザックジャパンでは初めてのスタメンだったが心掛けたことは?)入り方は本当に意識しないといけないと思っていました。チームとして最初の時間帯が大事になってくると思ったので、ファーストプレーとかは途中から出場する時よりも意識しました。

(守備のポジショニングで気を使っているように見えたが?)ポジショニングに関しては、けっこう言われるので意識しましたし、自分にできることがあればやりたいです。そういうところで守備も求められると思うので、やろうと思っています。

(後半、右もやったけど手応えは?)右サイドはあまりやったことがないですけど、やれって言われればもちろんやりますし、裏に飛び出すことは常に意識していた。

(ヨルダン戦に向けての修正ポイントは?)今回、良い相手とやれ、良い想定になったと思います。そのなかで、セカンドボールが拾えなかったり、フィニッシュの精度は意識の問題だと思うので、そこをしっかりやっていかないといけないと思います。

吉田麻也(サウザンプトン/イングランド)
「教訓になる試合だった」

 ヨルダンもロングボールを入れてくるだろうし、今日は良い教訓になったと思う。セカンドボールを拾われると苦しくなるし、しんどい時間もアウエーで出てくる。それに、セットプレーで失点すると雰囲気も難しくなるだろうし、そういう意味でも教訓になる試合だった。

(意識していたことは?)相手のプレスも来ていたし、相手の中盤にスペースが空いていたので、ボランチに対してボールを当てるよりも、トップにそのスペースに出すことをしたかった。でも1本くらいしか通らなかった。ヨルダンもプレスをかけてくると思うし、最初のプレスをかいくぐれば大きなチャンスになると思う。しかし、気をつけないといけないのはボランチに細かいパスを供給して、そこが狙われること。今日もそれはやらないように気をつけていた。

(前半はなかなかリズムを作れなかったが、どうやって改善しようとした?)まずは最初の相手のプレスをどうよけるか。浮き球を使ったり、ダイレクトで入れたりして、そこを意識してやっていたけど、できたところもあればできなかったところもあった。

(ここまで苦戦すると思っていた?)想定よりもカナダは強かったし、日本は前半ミスが多かった。前の選手はプレスをかけてコースをある程度限定してくれていたので、あとは後ろの選手がしっかり競り勝つこと、ただ勝つだけじゃなくてボランチにつなげるようなボールで競り勝てれば。

酒井高徳(シュツットガルト/ドイツ)
「W杯を決める一員にいるのがうれしい」

 3日後は全然違う雰囲気でやれると思うし、もっと重要になってくる試合だと思うので、残りの日数でもっとみんなとコミュニケーションを取れたらなと良いなと思いました。

(歴史を刻む試合に参加することは?)3年前は、サポートメンバーでW杯に参加させてもらいましたが、今回の試合で自分も(出場を)決める一員にいれることを、本当にうれしく思っています。それにW杯に出たいというのがあるので、その切符をつかむ試合という意味ではすごく喜びを感じてます。
 
(最後は足がつった?)はい、そうです。そこは触れないでください(苦笑)。

(後半すごく上がれるようになったのは、選手の交代で距離感が良くなったから?)チームのコンセプトとしてサイドバックはオフで仕掛けるというのがあります。なので、僕らがボールを持って作るというよりは、中でしっかり作ったところに僕らが厚みをかけるイメージが大事。前半は中で乾君とか(香川)真司君が前向く状態があまりなかったので、ちょっと上がりにくかった。後半は真司君が左に来て相手のサイドハーフやサイドバックが困った中で受け渡ししてくれた。中に起点ができるとサイドバックはやりやすい。中東の選手たちもボールウォッチャーになる選手が多いので、1つそこもカギになると思う。

中村憲剛(川崎フロンターレ)
「前半は攻め急いでいた」

(後半から入って連動性が上がったが?)ちょっとみんなのポジションが等間隔すぎるかなと思っていて、良さというか近距離でテンポ良くつなぐっていうのができてなかった。なので、後半から出るって聞いた時はしっかり前と後ろをつなぐというか、そこをまずやった方が良いかなと。前半はカウンターで良さは出ていたから、それはそれで大事にしつつ、トップ下に入ったらどうするかを見てましたけど。

(前半は前田遼一のところで収まらなかったが、後半から中村のところで収まるようになったのは?)自分がセカンドアタッカータイプじゃないので、やれることをやったら必然的にそうなるというか。相手のボランチがうちのボランチに来ていたのでヘルプに1人は入れれば良いかなという感じはしてたので。

(ヨルダンもそうしてくる可能性があるが?)そうですね。そこに来れば、うまく3対2が作れれば良いと思うし、いつも通りです。あとは得点が足りなかった。前半は攻め急ぎというか、急いで取られるシーンが多かったので、もっと相手の陣地で回しても良いかなって感じはしました。行く時とそうでない時の区別がもっとつけば、相手陣内に押し込んで、カウンターをくらうことはないし、そういうイメージはありました。

(長谷部が持ち上がった時以外は後ろと前の間が空いていた?)そうですね。うまく前に入った時はチャンスが作れていたが、いつもの日本ぽくなかったと思いました。

ハーフナー・マイク(フィテッセ/オランダ)
「次はきちんと決める」

 点を取れるチャンスがもっとあったので、決めていればもっと楽な試合になっていたと思う。

(気をつけていたことは?)監督からは中盤に(ボールが)入ったら裏を狙っていけ、ボールが来る時はしっかり体を張れと言われていた。(日本らしいサッカーができなかったが?)次が本番なので、それに備えてまとまって戦えればいい。

(得点シーンは?)ニアで憲剛さんか真司が走りこんで、そのこぼれ球を蹴りこんだだけ。(ゴールを取れたことについては?)点を取ったことより外したことの方が多かったので、それも決めていれば個人的にもっとアピールになった。次はもっと落ち着いてやりたい。

(交代してすぐチャンスが訪れたが?)欲が出すぎて、自分らしからぬループシュートをやったら、変な方向に行っちゃった。自分に合わないので次はきちんと決める。あれは申し訳なかった(笑)。

伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
「失点は自分の責任」

(大事を取って代わった?)そうだと思います。監督に聞いてください。(背中は)痛いですね。ひじが入ったんで。自分としてはもう少し続けたかったですけど。

 もっともっと成長していかないといけないと思いますし、チームと代表ではフォーメーションもやり方も違う。チームでやっているようなプレーはそこまで出せてないと思うんで、そういうところをもっと改善していかないといけないなと。

(吉田麻也との連係は)何回も一緒にやっているし、準備する期間も多かったんで、お互いにイメージ持ってできたかなと。準備できる時間が長かったのは大きかったですね。(次に向けての手ごたえは)失点シーンのCK以外は(ある)。ああいうところをやらせてはいけないですけど、自分が出ている時はそれ以外のピンチはそんなになかったんで、90分やり続けることが大事ですね。失点は自分の責任でもあるし、大きい相手はもっと大きな大会になれば多いんで、すきを与えずにやっていかないといけないですね。

<了>

 

カナダ戦で明白になったベストのユニット
宇都宮徹壱のカタール&ヨルダン日記
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年3月23日】

本当にこの国でW杯が開催されるのか?

 ドーハ滞在2日目。今日のカナダ戦は現地時間19時05分開始なので、午前中はたまった原稿の執筆に当て、午後は現地で働いている年上の友人の案内で市内をあちこち観光することにした。「観光」といってもドーハの場合、基本的に移動は車だ。幸い、友人の会社がドライバー付きの車を4時間ほど提供してくれたおかげで、まったくストレスを感じることなくドライブを楽しむことができた。

 この日は天候に恵まれ、しかもイスラムの休日に当たる金曜日でもあるため、街中では家族連れの姿をよく見かける。ペルシャ湾に面した海岸線では、地元の裕福な人々が三々五々繰り出しては、椰子(やし)の木陰で車座になって談笑している姿が印象的だ。

 そうかと思うと、休みの日も黙々と働く人々がいる。飲食店やホテルで働いているのはフィリピン人、タクシーやトラックのドライバーはパキスタン人やインド人、そして工事現場で働いているのはイエメン人であろうか。地元のカタール人は、名誉職のような肩書きを持つ人もいるにはいるが、ほとんど働かない。それでも天然資源のおかげで、今のところ国家は平穏無事に回っている。

 この国で、本当にワールドカップ(W杯)は開催されるのだろうか? ふと思い出したように私が問いかけると、年上の友人は苦笑いしながらこう答える。

「こっちで働いていると、W杯に向けてメトロを作るとか、世界中の観光客を受け入れるために新しいホテルを作るとか、いろいろ景気の良い話は聞こえてくるんですよ。でも、こっちの人たちは公共交通機関なんてまず使わないだろうし、ホテルをたくさん作ってもW杯が終わってから余った従業員をどうするのかとか、あんまり考えていないんですよね」

 およそ秋田県ほどの小さな国土と190万人程度の人口。けれども、オイルマネーはいくらでもある国、カタール。この良くも悪くも浮世離れした人工的な国で、2022年に開催されるW杯とは、果たしてどのようなものになるのだろうか。

5万人収容のスタジアムで行われる壮大な「テスト」

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 人工的な国の首都で行われた日本対カナダの試合は、何とも不思議な雰囲気の中で行われた。21日の日記でも書いたとおり、会場のカリファ・インターナショナルスタジアムは、バックスタンドのみを開放し、それ以外の座席はすべてカバーで覆い隠してしまった。ずい分と静かな雰囲気の中で行われるのだろうなと思っていたのだが、実際にその場に居合わせてみると、何やら無観客試合のように味気ない。いちおうスタジアム内には派手なBGMが流れているが、かえって白々しく感じられてしまうくらいだ。会場の雰囲気がそんな感じだから、日本メディアばかりの記者席もまったりムード。隣の記者も生あくびを必死にかみ殺している。

 そういえばザッケローニは、前日会見で「テストマッチ」という言葉を何度も繰り返している。実は私は、この「テストマッチ」という言葉には慎重である。というのも以前、代表コラムで「テストマッチ」と書いたところ、ラグビーファンと思しき方からお叱りのメールを頂戴したからだ(ラグビーでの「テストマッチ」は、ナショナルチーム同士による真剣勝負を意味する)。ただしこの試合に関しては、どう見ても「テスト」としか言いようがないだろう。4日後のW杯最終予選のヨルダン戦に向けて、選手のコンディションを見極めるための、5万人収容のスタジアムで行われる、まさに壮大な「テスト」である。

 この日のスターティングイレブンは以下のとおり。GK川島永嗣。DFは右から内田篤人、吉田麻也、伊野波雅彦、酒井高徳。MFは守備的な位置に遠藤保仁と長谷部誠、右に岡崎慎司、左に乾貴士、トップ下に香川真司。そして1トップには前田遼一である。周知のとおり、今回の招集メンバーには、本田圭佑と長友佑都は含まれていないため、彼らの不在をどのような陣容で埋めるかが注目された。ザッケローニの決断は、トップ下に香川、そして左サイドバックに酒井高というものであった。そしてコンディションが戻らない今野泰幸に代えて伊野波を起用し、左MFには同様の理由で清武弘嗣ではなく乾を置いた。

 チームの基本ベースを極力崩さず、一定のバランスを保ちながらメンバーの入れ替えを試していくという、いかにもザッケローニらしい選択。では、その結果はどうだったか。正直なところ、あまりサプライズはなかった、と言うほかない。日本での放映が深夜1時だったこともあり「寝落ちしてしまった」という人が続出したとしても、無理もない話だと思う。

「誰も本田圭佑の代わりはできない」という教訓

 では、このカナダ戦からは、何も得るものはなかったのかといえば、決してそんなことはないと思う。少なくとも、26日のヨルダン戦に向けて、いくつかの教訓を見出すことは十分に可能だ。しかしその前に、この試合の流れを急ぎ足で振り返ってみることにしたい。

 先制したのは日本。前半9分、長谷部のスルーパスにすぐさま香川が反応するも、これをカナダGKがクリア。しかしボールは岡崎の足元に入り、見事なループシュートに結実する。これで楽勝ムードかと思われたが、その後の再三のチャンスをものにできず、前半は日本の1点リードで終える。

 後半、ザッケローニはトップ下を中村憲剛に替え(岡崎が外れて香川は左MFに移動)、さらに1トップにハーフナー・マイクを起用するなど攻撃陣のテコ入れを図る。これで停滞気味だった日本の攻撃に流動性が生まれるが、カナダもよりフィジカルを前面に出した攻撃を見せるようになり、ついに後半13分にCKから同点に追いつかれる。しかし日本も後半29分、遠藤のパスを受けた酒井高が低いクロスを入れると、ニアで香川がつぶれ役となり、こぼれたボールをハーフナーが左足で決めて、ようやく勝ち越しに成功した。

 2−1で日本の勝利。とはいえ、いくら「テスト」と割り切ったところで、試合内容自体は決してほめられるものではなかった。では、この試合で得られた一番の教訓は何かといえば、それは「誰も本田圭佑の代わりはできない」という歴とした事実である。

 今回のカナダ戦を迎えるにあたり「本田に代わるトップ下は、香川か中村か」という話題がずっとメディアを賑わせていた。しかし結局のところ、誰がトップ下に入っても本田のような働きは期待できないことが、このカナダ戦であらためて証明されることとなった。ザッケローニ自身、こう語っている。

「香川も中村も、本田のストロングポイントは持っていないので、その役割を期待することはできない。(中略)今回、違った選手が(トップ下のポジションに)入ることで、彼らに本田と同じようなことは要求しない」

「誰がトップ下か」ではなく「どんなユニットを構築するか」

 われわれはどうしても、本田という選手の個の力に目を奪われがちである。しかしながらザッケローニは、あくまでも前線の4人をひとつのユニットとしてとらえ、そこでのバランスと選手のコンディションを考慮しながらスターティングイレブンを選んでいる。本田が攻撃の核となる、極めて重要な選手であることについては論をまたない。それでも指揮官にとっては「ユニットのひとつ」という認識に変わりはない。

 一方で本田は「代えの利かない」タレントであり、誰かにその役割を担わせるのはあまりにも非現実的な話である。ゆえに今回のカナダ戦は「誰がトップ下になるのか」ではなく、むしろ「どんなユニットを構築するか」に注目するべきであろう。そしてその答えは、すでに出ているのではないか。

 私はトップ下に中村を据えるユニットこそ、ヨルダン戦での勝利を引き寄せるだけの可能性を感じる。もちろん香川のトップ下も魅力的だが、このカナダ戦に関しては左サイドに回された後半のほうが、彼の前線での積極性がいかんなく発揮されていたように見えた。そういえば、ザッケローニも「香川がトップ下だと両サイドのアタッカーは守備面で力を割かないとといけない。逆に中村がトップ下だと、守備面の負担は多少軽減される」と語っている。後方に重心がある中村がトップ下に入ったほうが、香川も前に飛び出しやすいのではないか。これに、右に岡崎、1トップにハーフナーを加えた4人こそ、ヨルダン戦に向けた現時点でのベストのユニットではないか――。それがこのカナダ戦を終えての私の見立てである。

 それにしても、この日の対戦相手であるカナダは、ヨルダン戦に向けた日本にとって素晴らしいスパーリング相手であった。すでにブラジルへの道を絶たれている彼らは、5年後の18年ロシア大会に向けて新たなチームを立ち上げたばかり。それでも彼らは、ほとんど無観客試合のようなテストの場で、持てる力を最大限に発揮して、日本の現状と課題を洗い出してくれた。
「(日本代表は)子どものころの夢」と語っていた、中島ファラン一生(この日は後半42分からの出場)のためにも、ぜひともヨルダンに勝利して彼らの恩義に報いたいところだ。

<了>

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