日本が5大会連続でW杯出場決定!!!!! 世界最速&ホームで初・・・2014年W杯アジア最終予選:日本 1-1 豪州

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チャンスは作れるものの何度も決定機をシュワルツァーに阻まれ、そして後半も残り10分を切った時間帯にアンラッキーなゴールで先制された時には今回も勝利の女神に嫌われたのかと覚悟してましたが・・・よくぞ本田が決めてくれました。同じドローでもホームで先制しておきながら同点にされたのではカッコ悪いですけど、逆に不運に見まわれながらも最後まで諦めずに執念で追いついてのドローですからね、選手たちも胸を張っていいと思います。

ザッケローニ監督とコーチングスタッフの皆さん、ありがとう!
選手たち、W杯出場決定おめでとう!そしてありがとう!

 

2014年ワールドカップ アジア最終予選

日本 1−1 オーストラリア

 

世界最速はあってもホームで決めたのは意外にも今回が初めてだったんですね。アウェーでのヨルダン戦で負けて強化スケジュールが狂ったと残念に思ってましたけど、これはささやかなオミヤゲかな?(笑) そういえばこの両国の対戦、前回のアウェーでは日本が先制したのに不可解な判定でPK取られてドローにされ、今回は半分は運に見放されたゴールで先制されてロスタイムにPKゲットでドローに持ち込んで・・・何の因縁か神の悪戯か・・・。

さて、この試合でのザックのプランは現状を踏まえたベターなものだったと思うし、ケーヒルを抑えてた今野など守備陣はまぁよく頑張ってたのではないでしょうか(ベルギー・ジュピラーリーグのプレーオフ1の時期からポカの目立つ川島には若干の不安が残りましたが・・・)。ただ、攻撃に関してはコンディション不良の選手が多いためかスピードや工夫に欠けた面があってシュワルツァーの牙城を最後まで崩せなかったのかな、と。

そして、本田はやっぱり本田△でしたね(笑)。彼に続く選手があと1人2人でも出てくれるといいのですが、その点でも香川や吉田あたりには更にもう一皮むけてほしいと願ってます。あと、個人的には今季フィテッセである程度の結果を残せたハーフナーには代表でも頑張ってほしいし、遠藤の代役もそろそろ・・・という印象でした。

ともあれ、次は来週のイラク戦を経てブラジルでのコンフェデ杯。イラク戦は控え・若手中心で、ブラジルやイタリア、メキシコと当たるコンフェデ杯では全員で悔いの残らない戦いぶりを見せてくれればと願ってます。

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土壇場の本田PK! 日本がワールドカップ出場決定【Goal.com 2013年6月4日】
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ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本対オーストラリアの一戦が4日行われ、1-1の引き分けに終わった。この結果、日本は1試合を残してブラジルW杯本大会出場が決定した。

勝ち点1以上の獲得で5大会連続のW杯出場が決定する日本は、ベストメンバーでこの試合をスタート。ブルガリア戦でテストした3-4-3は一旦封印し、通常通りの4-2-3-1のシステムで、直前に合流したばかりの本田、岡崎もスタメンに名を連ねた。

序盤から前線のケイヒルへのロングボールを積極的に狙ってくるオーストラリアに対し、日本はしっかり体を当てて自由に受けさせず、セカンドボールに対しても集中力を失わず対応。5分には日本が先に決定的なチャンスを迎える。本田のパスを受けようとした岡崎がオグネノフスキに倒されて左寄りの位置でFKを獲得すると、遠藤が狙ったボールは壁の上を越え、わずかにポスト左に外れた。

12分には左サイドでの細かいパスワークから、香川が右サイドへ走り込んだ岡崎へのスルーパスを狙うが惜しくも通らず。オーストラリアはこれをクリアしたところから一気に前線へロングボールを送り、ケイヒルが競ったこぼれ球からホルマンがシュートを放った。

16分にはゴール正面で本田のパスを受けた遠藤が完全にブレシャーノの裏をかく切り返しから左足でシュートを放つが、わずかにクロスバーの上。オーストラリアも直後にホルマンがシュートに持ち込み、低いボールがポストの外へ。両チームが一進一退の攻防を繰り広げた。

ここからの時間帯は日本にチャンスが相次ぐ。18分、細かいパスで中央を崩すと、岡崎がつないだボールをゴール正面から香川がシュートしたが、GKシュウォーツァーが見事な反応で弾き出してゴールを割らせない。21分にはカウンターから本田が長い距離を持ち込み、岡崎が右に相手の注意を引き付けたところで左に走り込んだ前田にパスを通したが、守備陣がシュートコースに入ってCKに逃れた。

逆に30分頃からはオーストラリアの時間帯。右サイドからのクロスに対して競り合ったケイヒルは吉田へのファウルを取られたが、その直後にもクルーズが裏に抜け出してケイヒルへの低いクロスを試みる。34分には前田のシュートがブロックされたところからオーストラリアがカウンターを仕掛け、抜け出したクルーズが決定的なチャンスを迎えたが、果敢な飛び出しでコースを限定した川島が見事なセーブでチームを救った。

その後も細かいパスをつないで相手守備陣を崩しにかかる日本に対し、オーストラリアも時折機を見て速い攻撃を仕掛けてくるが、どちらも決定的な形を迎えるには至らず。44分の岡崎のシュートもシュウォーツァーの正面を突き、前半はそのまま0-0で折り返した。

後半は両チームともに前半と同じメンバーでスタート。ボールキープで上回る日本は何度かゴール前へのスルーパスを跳ね返され続けたが、徐々にリズムが良くなってくる。54分には香川が左サイドのライン際に持ち込み、シュウォーツァーの頭上を抜くクロスをファーへ送ろうとしたが、シュウォーツァーがわずかに触ったボールに本田が合わせたシュートはゴール右に外れた。その直後にも、本田からボールを受けた香川が遠い位置からゴールを狙ったがシュウォーツァーがセーブ。

さらに長友、香川とラインの裏へ飛び出して良い形でボールを受けるが、オーストラリア守備陣の好守に阻まれてシュートに持ち込むことはできない。59分には左サイドでボールを受けて中を向いた香川が浮き球でゴールを狙ったが、シュウォーツァーの頭上を越えたボールはゴールマウス右上の角を叩いた。

62分には本田がエリア手前右側でFKを獲得。自ら左足で狙ったボールは惜しくもゴールの左上へ飛び去って行った。その数分後にも前田がほぼ同じような位置でFKを獲得したが、今度は壁の上を越えて落ちたボールがシュウォーツァーの正面でキャッチされた。

後半はほとんどチャンスを作れていなかったオーストラリアは、72分に最初の選手交代。ホルマンに代えてビドシッチを入れて打開を図る。76分にはウィルクシャーがフリーで右サイドを駆け抜け、中央への低いクロスにケイヒルが合わせたが、決定的に見えたこのピンチを吉田が体を張って弾き返した。

日本は79分、前田に代えて栗原を投入。今野が左サイドへと移り、長友がポジションを1列上げる形となる。その直後にはさっそく長友が高い位置を生かして前線へ抜けだしたが、ファーポストを狙ったシュートはシュウォーツァーに阻まれた。

だがその直後、予想外の形でオーストラリアに先制点が生まれる。左サイドに抜け出したオアーが中央へ送ったボールは、おそらくはファーポストに合わせることを試みたかに見えたが、川島の伸ばした手の先を越えてそのままゴールネットの中に吸い込まれた。

残り10分を切った短い時間で追いつかなければW杯出場を決められない状況となった日本は、内田を下げてハーフナーを前線に投入。さらに岡崎に代えて清武を入れて同点ゴールを狙いにいく。

またもW杯出場決定は先送りとなるのか。窮地に立たされた日本に起死回生のチャンスが訪れたのは終了間際の90分。ショートコーナーから本田の上げたクロスは、ゴール前でマッケイの腕に当たり、判定はPK。極度のプレッシャーのかかるアディショナルタイムのPKを、エース本田が豪快にゴール中央へと蹴り込んで1-1の同点とした。

3分間のアディショナルタイムを終えて、そのまま試合は終了。日本がグループ2位以内を確定させ、初めてホームでW杯出場を勝ち取った。

 


 

※6月5日追記:スポナビに会見とコラムがアップされてたので。あと、裏の試合ではオマーンはホームでイラクに勝って2位浮上ですか・・・1週間間隔でのホーム2戦を残している豪州がまだ有利でしょうけど、彼らとて油断のできない展開ですね。とりあえず、日本の首位通過はこれで確定! また、他方のグループAでは韓国、ウズベキスタン、イランが2試合残して三つ巴の大接戦・・・日本は昨夜のうちに決めておいてホンマよかった・・・。

ザック監督「本田の交代は考えた」 W杯アジア最終予選 豪州戦後会見
【スポーツナビ 2013年6月5日】

 サッカー日本代表は4日、2014年ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会の出場を決めた。埼玉スタジアムで行われたアジア最終予選のオーストラリア代表戦で1−1と引き分け、世界最速で5大会連続5度目のW杯切符を手にした。引き分け以上で本大会出場が決まる日本は82分に先制を許したが、試合終了間際にPKを獲得。これを本田圭佑が豪快に蹴り込み、同点に追いついた。

 試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「10歳は年を取った気分だ」と、ユーモアを交えながら、苦労して勝ち取ったW杯出場を喜んだ。また、土壇場で価千金のPKを決めた本田については「2つのクオリティーを兼ね備えている」と、その重要性をあらためて強調した。

本田は2つのクオリティーを兼ね備えている

 ジャージ姿で申し訳ない。事情があって(笑)。率直な気持ちから申し上げると、10歳は年を取った気分だ。それでも非常にうれしい。チームの内容的にも非常に良かったと思うし、主導権を握って勝ちにいこうという気持ちと内容で戦ってくれた。オーストラリアは国際的な経験があり、フィジカルが強く、アジアでもトップレベルのチーム。そのチームに対して、こうした戦いができて良かったと思っている。とはいえ、なかなか簡単にいかず、相手が引いてブロックを作る戦い方をしたことでスペースが見つからず、見つかっても向こうのフィジカルに押し込まれる場面もあった。

 前半、特に25分くらいまではウチのペースでチャンスを演出できたと思うが、そこで決めきれず、ゴールにならないと逆にピンチを招く展開になってしまう。本田のペースが少し落ちてきたところで交代を考えたが、空中戦のことなどを考えて彼を外さなかった。結局、栗原(勇蔵)というチョイスで、香川(真司)をトップ下、長友(佑都)をひとつ前の左サイドに持ってくることで、彼のスピードを生かすことを考えた。そこでチームの走力のバロメーターもプラスになったのだが、偶然に近い形でゴールを奪われてしまった。あのゴールは、個人的にはほとんど偶然のゴールだったと思う。リードされてしまったが、それでもチームとしてもあきらめず、またサポーターの皆さんの後押しもあり、相手陣内で迫力のある攻撃を続けることができたことが同点につながったと思う。この試合、もし負けで終わっていれば、それは偽りの結果だったと思う。

――前半途中からカウンターを受けて、後半から少なくなった。ハーフタイムの指示は?(大住良之/フリーランス)

 前半はそういう形だったので、ハーフタイムの段階でその状況になったら、ディフェンスラインを下げて対応しようと具体的な指示を出した。相手の狙いは、フィジカルが強いメンバーで後ろを固めて、ボールを奪った瞬間に前線に出すカウンターの形であったり、サイドチェンジからのカウンターの形だったと思う。ディフェンスラインには、必ずサイドバックのどちらかが残って、センターバック2枚プラス1枚で、3枚の形でリスクマネジメントをすること、あとはビルドアップのところで不用意なパスをしないことを指示した。

――監督の個人的なキャリアの中で、今回の結果はどういう意味があるか。また本田はどういう意味でチームに違いをもたらすことができる選手なのか?(オーストラリア人記者)

 まずは本田について答えると、彼は2つのクオリティーを兼ね備えている。ひとつはチーム内に多くいるのだが、強いパーソナリティーを持っていること。もうひとつは日本人離れしたフィジカルの強さがあり、ボールが収まるということ。記憶に間違いがなければ、彼は12年11月を最後に、今日まで90分間プレーしていなかったのではないか。

 それから監督としてのキャリアの意味というところでは、日本に呼ばれたのはW杯出場権を獲得するためであり、今日それを決めることができた。ただそれだけの話だ。わたしはセリエAでの長い経験もある。その間にUEFAカップやチャンピオンズリーグでも多くの試合を経験することができたし、アジアカップにも参加できた。あとは南米選手権に出場する可能性もあったし、今度はコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)にも出場する。W杯だけが足りなかったが(出場権を獲得したので)、あとはユーロ(欧州選手権)だけだ(笑)。ただし、参加するだけでは満足できない。このコンフェデ杯とW杯でも、いい戦いをしたいという思いは強い。そのためにも、向上心を持ってやっていきたい。

日本が素晴らしいから、次の仕事先を探すのは難しい

――次の目標はコンフェデ杯だろうが、同じグループにイタリアがいる。どういうメンバーで臨むのか?(イタリア人記者)

 コンフェデ杯の前に1試合W杯予選が残っているので、その試合も大切に戦いたい。そこで考えないといけないのは、20日間ほど選手と一緒に過ごすことができる。自分たちの理想がどこにあるのか、現実がどこにあるのかということは個人的には把握しているつもりなので、理想の姿に向けて課題の修正なり向上なりをしていきたい。

――就任から3年経つが、これまでで一番苦しかった時期はいつか?

 あまり考えたくない(笑)。日本ではとても快適に、いい生活を送ることができている。日本代表(監督の任期)を終えたあと、わたしはどこに行けばいいのか。当然、プロの世界だから、何が起こるか分からないが、日本の長所や素晴らしさを把握した上で、よそに目を向けるのは難しいのではないかと思う。試合後にピッチを一周しながらテクニカルスタッフと話したのだが、これだけのサポーターに囲まれてしまうと、次の仕事先を探すのは難しいと思う。

――今日、W杯出場を決めるまでの2年間で、チームとしてどう成長したか。また監督としてはどう変わったか?

 このチームのベースは、運良く就任してすぐにアジアカップがあったので、そこである程度は築くことができた。当時は、10年のW杯で結果を残したメンバーもいたし、その前の予選でいい仕事をした1つ前のグループもいたが、そこから世代交代を図ったのがアジアカップで、非常に難しい作業ではあった。

 そのころから比べると、今はより縦を突けるボールが多くなったし、相手を飛ばせるようなパスも増えてきた。サイドの使い方もある程度の整理がついたし、以前よりもチャンスを演出できるようになった。しかもピンチに陥らずに、チャンスを作れるようになった。ここ数日、スタッフとも話をしたのだが、わたしが就任してから今日の試合まで、失点に関してはほぼ形が決まっていて、3つがオウンゴールだ。今日の失点もオウンゴールではないものの、似たような感じだと思う。また、数的有利でありながらも、カウンターで失点を食らってしまうケースがある。それでもより多くの得点を取って失点が少ない、バランスのとれたいいチームと言えるのではないか。ただやはり、これだけチャンスを作っているので、ゴールの確率を高めることが今後の課題だと思っている。

今野は見事な仕事をしてくれた

――日本には「しまった」という言葉がある。選手を代えて失点したことで、どんな言葉や映像が浮かんだのか?

 むしろ交代のカードを切ってからチャンスを演出したと思っている。確かに「しまった」という言葉を使ったが、それは交代直後に長友が裏に抜けてゴールを狙い、中央に本田がフリーでいたシーンを見た時のことだ。

――本田と岡崎(慎司)は合流から日数がない中での出場になったが、今日の本大会出場を決めるためには、多少無理をしても使う必要があるという判断だったのか?

 チームというのは、さまざまな特徴や長所を持った選手たちをうまく組み合わせて作るものだと思っている。クロスがうまい選手もいれば、パスがうまい選手もいる。ゴールに向かうのが得意な選手もいる。本田はウチのトップ下の選手だが、彼の何が違うかというと、前でキープできるという特徴を持っている。対戦相手がオーストラリアということで、フィジカルも強いということで起用した。

 右の岡崎は、ザックジャパンの得点王だし、疲れているように見えても、このチームの中で最も多くゴールに向かうことができる選手だ。岡崎に代えて清武(弘嗣)を投入したのは、わたしが清武のことが大好きだからだ(笑)。やはり代表は集まる機会に限りがあるので、クラブチームのように選手をいじりづらい状況は確かにある。交代カードを3枚切ったが、入った3人は本当によくやってくれたと思う。

――長友をポジションチェンジして長く使ったが、左足でクロスを上げるシーンがブルガリア戦も含めてあまりなかった。コンディションはどうなのか。また、コンフェデ杯に連れていって戦えるのか?

 長友が抱えている問題は、合流する前に1カ月半くらいトレーニングができなかったことだ。コンフェデ杯に行く前に、約10日くらい期間があるので、スタッフと一緒に彼のフィジカルコンディションを上げていこうと思う。今夜もよく走ってくれた。ここからコンフェデ杯でまでに、長友、本田、またシュツットガルトでなかなか出番がない岡崎にしても、フィジカルコンディションをもっと上げる必要があるが、それまで10日ほど準備期間がある。一番大変だったのが今日で、ロングフライトや不安定な状況がある中、みんな自分たちの仕事を全うしてくれたと思っている。

――守備陣の評価はどうか。特に(ティム・)ケーヒルを止めた今野(泰幸)について

 今日はみんな、本当によくやってくれた。その中でも今野がケーヒルのマークに付くということで、非常に難しい役割を担っていたわけだが、実績のある選手に対してしっかりと抑えてくれた。また、途中で入った栗原もいい出来だったと思うが、とりわけ今野は見事な仕事をしてくれた。

チームとして成長しないといけない

――今日はいいパフォーマンスだと思ったが、試合前に選手にどんな声をかけたのか?

 選手たちには、これまでの戦いや順位表を見れば、われわれがアジアでナンバーワンであると。今日の対戦相手は強くて難しいとはいえ、自分たちが持っている実力を見せつけて、アジアでナンバーワンであることを証明しようと言った。

――去年、フランスやブラジルと対戦したとき「チームの方向性は間違っていない」と語っていたが、W杯までの1年を考えた場合、何か新しいものに取り組んでいくのか。それとも精度を高めていくことを考えているのか?

 その質問に答える前に、チーム全体で向上心を持って、チームとして成長しないといけないという気持ちを持つ必要があると思う。向上心を持っていれば、あるいは成長していこうという気持ちがあれば、もしそうならなかったとしても現状はキープできる。逆に現状をキープしようとすると、右肩下がりになるしかないと思っている。具体的に成長とは何か。当然チームの中に、クオリティーを高めるために、より力のある選手を連れてくることだ。またチームとしてのスピードやプレーの精度を高めること、さらには新しいことを試す、何かオプションを作るということも成長を高めることだと考える。

――3年前に日本に来て最も驚いたことは何だったか?

 今は2013年の6月4日、午後10時50分だが、この3年間でサプライズだったことを挙げるならば、2014年のワールドカップが開幕しても、話は終わらないと思う(笑)。

――(ホルガー・)オジェック監督は会見で、引き分けという結果に対して非常に機嫌が良かった。そこで質問だが、両チームとも引き分けで良い試合で失点し、そしてハンドでPKを得た。この2つの現象をどうとらえるか?(湯浅健二/フリーランス)

 今日のような2つのエピソードが立て続けに起こることは、(これまでのキャリアで)たくさん試合をしてきたけれど、あまり覚えていない。オジェック監督が気分が良かったのも頷ける。彼らはあと2試合、ホームで戦うことができるし、今日のゲーム内容としても負けるリスクはあった。それでも向こうは先制して、引き分けに持ち込まれたことは悔やんでいるかもしれないが、自分たちの状況と試合内容を照らし合わせて、引き分けでもOKと思ったのではないか。過去のオーストラリア戦では、李忠成がアジアカップ決勝で決めてくれたこと、そしてアウエーのブリスベンで取られないはずのPKを取られたことが思い出される。あのPKがなければ、もう少し早く(予選突破を)決められたのではないか。

<了>

 

W杯アジア最終予選 豪州戦後コメント【スポーツナビ 2013年6月5日】

 サッカー日本代表は4日、2014年ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会の出場を決めた。埼玉スタジアムで行われたアジア最終予選のオーストラリア代表戦で1−1と引き分け、世界最速で5大会連続5度目のW杯切符を手にした。引き分け以上で本大会出場が決まる日本は82分に先制を許したが、試合終了間際にPKを獲得。これを本田圭佑が豪快に蹴り込み、同点に追いついた。

 試合後、日本の香川真司は「最後にチャンスがあると信じていた」と、あきらめずにゴールに向かったことが、土壇場での同点につながったと語った。また、長友佑都は「圭佑なら決めるなと思っていた」と、本田への絶大な信頼感を示していた。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

「最後にチャンスがあると信じていた」

 試合展開としては正直敗戦も頭をよぎりました。ただ絶対、最後にチャンスがあると信じていました。圭佑君が本当にうまく決めてくれたし、ホッとしています。これだけたくさんの人がホームで期待してくれていて、負けることは許されなかったですし、勝たなきゃいけない試合だった。引き分けはすごい残念ですけど、今日課されたことはW杯出場を決めることだったので、それができてホッとしています。

(自身にもチャンスはあったが)前半も後半も、そういう機会があった中で決め切れないというのが、今の自分の現状ということを認めてやっていきたいと思います。もっともっとレベルアップしないといけないし、世界でやる以上こういう試合で決めておかないといけないです。今後1年でコンフェデレーションズカップもありますし、最後のところで決められる選手になれるように頑張りたいです。

 W杯に出るからには、圭佑君や、佑都が言っている通り、優勝を目指すことが必要です。現状を見た限りでは厳しいということは皆が分かっている。それに向かって取り組む姿勢をチーム全員が持ち、個人個人がもっともっとレベルアップしていかないといけない。チームとしての成熟度を上げることも大事ですけど、それ以上に個人としてレベルアップしないと。そこが一番大事になってくると思うから、しっかりやっていきたいです。

長友佑都(インテル/イタリア)

「圭佑なら決めるなと思っていた」

 チームは最初から本当に気持ちが入っていました。均衡した試合が続いてなかなか点も入らなくて、相手も狙っていなかったと思うんですけど、あの失点はかなり響いたなと。ただ、チームが成長したと思うのは、誰一人として動揺することなく前を向けた。だから最後に引き分けに持っていけたんじゃないかと思います。

(PKは)圭佑なら決めるなと思っていたので、何の心配もなかったです。ただ、止められたときのために「詰めることはしっかりと」とは思っていました。蹴ったのも真ん中ですからね。彼のメンタルを物語っていると思います。彼の実力なら世界のトップのクラブでやれると思っています。まあ、どうなるか分からないですけどね。

 相手の10番(ロビー・クルース)はかなり実力があって、ドイツ(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)でも活躍している。そこをしっかり止められたのは良かったですけど、彼も僕が上がったときはしっかりとついて来ていた。1対1はしっかり対応できたと思います。ただ、世界レベルを考えたときに、彼以上の選手は正直たくさんいるので、まだまだ自分の実力も厳しいかなと思います。まずは、個人の実力。そこが上がらないと、組織として大きなものにはならない。結局は個人です。

内田篤人(シャルケ04/ドイツ)

「ああいうゴールが入るのが最終予選」

 勝ちたかったけど、とりあえず(W杯出場を)決められて良かったです。チャンスはあったので、なるべく早く点が取れれば楽というか、失点してもいい形にはなるので、優位に進められるはずだったんですけど。向こうも必死にやってきたし、こっちもゴール前は体を張れていました。僕も何回かシュートブロックに入ったし、そういう意味では、中盤の支配もあったし、ゴール前の攻防もあったので、見ていて面白いゲームだったのかなと思います。ああいうゴールが入ってしまうのが最終予選。対人した選手にそんなにやられたとは思っていないけど、ああいうところで入ってしまう。最後に追いつけて良かったです。

(栗原勇蔵が入ったことで守備のポジショニングは?)人手が足りていた分、行くか行かないかって感じでした。逆に1対1の方が良かったかなと。長友さんが1つ前に上がっているし、高さ対策はあったと思いますけど、それは監督に聞いて下さい。

 PKについては入るかどうか分からないので、決まればいいなと思っていました。(ヨルダン戦とは違い)今日は普通に見ていました。ベンチの人はみんな前に出ていたので、僕は1人で見ていました。

(今日ピッチに立っていた気持ちは?)W杯予選に出ても、W杯に出ないと意味がない。ここからまた1年あるし、せっかく出られるチャンスがあるので、しっかり頑張っていきたいです。(これから休みなく続くが?)仕事なのでね。コンフェデレーションズカップは相手も強いし、アウエーで強いチームと対戦できることはいいと思う。しっかり粘ってやりたいです。

長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)

「今のチームは高い目標を持っている」

 今回は自分たちの状況と相手の状況、精神的にも違う状態だったし、隙を作っていたとは思わないけど、そういうなかで隙が生まれてしまいました。ただ、ヨルダン戦が終わってから選手だけでミーティングして、意見を出し、「どういう状況であっても厳しさを持ってやっていこう」と、「いい緊張感を持ってやっていこう」ということをみんなで話しました。そういうことを考えると、選手ミーティングは意味のあることかなと思う。このチームになってから、アジアカップと今回しか選手ミーティングはしていないけど、そんなにたくさんやるものでもないし、ポイントを見てやるのは有効かなと思いました。

 ある選手はW杯でベスト16に行ったところで、多少満足していたという話をしていたし、そういう気持ちになったらそれ以上は勝てないという話をした。今のチームはそれ以上の高い目標を持ってやっています。それはみんなで確認し合った。今日で予選突破が無事決まり、次は世界で勝つこと、コンフェデレーションズカップという素晴らしい大会があるので、そこに向けてやっていきたいです。

遠藤保仁(ガンバ大阪)

「みんな冷静に戦えていた」

 最後、見ている人は冷や冷やしたと思います。アンラッキー的なゴールを決められ、残り10分間で、なんとか追いついてという。ハンドはラッキーでしたけど、最後まであきらめない気持ちが引き分けにつながったかなと思います。

(PKについては)まあ、信じて見ていただけです。決めてくれって。(今回は蹴らなかった?)普段も圭佑がずっと蹴っているから、圭佑が行くかなっていう感じです。

(先制されたことで動揺は?)ボール回しも、(ハーフナー・)マイクが入ってパワープレーという感じではなく、しっかりつないで、最後のところでマイクを使うという意思統一はできていました。極端な焦りはなかったですけど、残り10分しかなかったので、どこかでワンチャンスという感じで、後ろは我慢強くというのは心掛けていました。基本的にはゲームを支配できていたと思うので、入りも悪くなかったですし、何本か危ない場面もありましたけど、みんな冷静に戦えていたと思います。

(珍しくお立ち台で絶叫した)たぶん、テレビ的に時間がなかった感じでしたし、みんな、真面目なことを言っていたので、手っ取り早いことを言っただけですけどね。(過去2大会と違う?)最初の無観客試合で決めたときも同じようにうれしかったですし、前回のウズベキスタンで決めた試合もうれしかったです。ホームで決められたのは全然違いますけど、喜びは同じですよ。

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「内容はちょっと乏しかった」

 半分は満足しているけど、半分はそうではないです。今日の試合は日本代表にとってとても大事な試合でした。オーストラリアは強いチームでした。

 もっとレベルアップしていかないといけないけど、特にアタッキングサードに入ったときに、もっとゴールを決められるようにならないといけないです。今日の1失点はアンラッキーでしたけど、カウンターで何度か危ない場面もありました。今日はセットプレーでみんないい守備をしていたけど、改善しないといけないことはたくさんあるし、引き続きやっていかないといけないです。攻撃陣が深いところまで入っていく回数が、特に前半は少なかったので、もうちょっとそこを改善しないと相手も出てこない。

(ティム・ケーヒルとのマッチアップは)あそこがターゲットだったし、そこを止めればかなり僕らに有利に試合が進むと思っていたので、徹底してケアしていましたけど、本人がそんなに本調子でない感じがしました。手数がそこしかなかったので、守りやすかったと言えば、守りやすかった。

 予選を通してすべてがうまくいくとは思っていなかったし、いい時もあれば悪い時もあります。今日は多くの人が見に来て、あれだけみんなが注目して、あんな試合で負けていたら話にならないです。追いつけて良かったけど、内容はちょっと乏しかったと思います。

栗原勇蔵(横浜F・マリノス)

「0−0で終われたら良かった」

 特にないですけど、どう考えても守備固めの意図だったと思います。直接は言われなかったけど、そういう感じで入ったと思います。セットプレーと守備の高さを求められたんだと。あんな感じ(失点)になってびっくりしたし、自分が入った意味がなくなってしまったけど、しょうがないと切り替えました。結果的に追いつけたから良かったけど、本当は0−0で終われたら良かった。

<了>

 

W杯予選で示せなかった「本田不在」の解 エースの絶対性を明白にした豪州戦
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年6月5日】

渋谷のスクランブル交差点封鎖に思うこと

 来年のワールドカップ(W杯)出場が決まるオーストラリア戦当日、自宅でテレビをつけて作業をしていると、朝のワイドショーが「渋谷駅前のスクランブル交差点が封鎖される」という話題を取り上げていたので、しばし見入ってしまった。報道によれば、渋谷駅から2キロ圏内を「整理誘導区域」に指定。交差点周辺には、警察官や機動隊を数百人配置し、歩行者の斜め横断を規制するという。

 渋谷のスクランブル交差点といえば、2010年W杯の日本の快進撃に、若者たちが自然発生的に集まってきて、見ず知らず同士が歓声を挙げながらハイタッチをしている様子を、南アフリカ取材中にネットで見た記憶がある。このスクランブル交差点でのハイタッチは、W杯が終わって以降も継続され、3月26日のヨルダン戦のように試合に負けても行われていたようだ。しかし、いよいよ予選突破が決まるかもしれないという日になって、とうとう官憲による「スクランブル交差点封鎖」が断行されることと相成った。

 確かに、いろんな意見があることは承知している。周辺の飲食店やタクシーなど、実際に迷惑を被っている人たちもいるようだし、騒いでいる連中も普段はあまりサッカーとは縁のない「ただ騒ぎたいだけの人々」なのだろう。しかし一方で私が気になるのが、その中心にいる20代の若者たちの多くが「ドーハの悲劇」(1993年)も「ジョホールバルの歓喜」(97年)も知らない世代であることだ。02年W杯の時も学童で、当時の記憶はうっすら覚えている程度と思われる。そうした国民的な歓喜というものをほとんど知らぬまま、彼らは若者には決して優しくない今の時代を生きている。そうして考えると、過剰に思える彼らの喜びようにも、一定の同情の念を禁じ得ないのである。

 もちろん人に迷惑をかけたり、器物を破損させたりするのは論外である。「これがヨーロッパだったら」とか「南米だったら」などと言うつもりも毛頭ない。それでも、見ず知らずの日本人同士がW杯出場を喜び合い、一体感を味わえる場が一方的かつ強硬な手段で封鎖されてしまったことについては、何かしら割り切れぬものを覚える。今後、たとえば14年ブラジルW杯で日本がベスト8入りを果たしたとしても、われわれはお上の顔色をうかがいながら、こっそり喜びを分かち合うのであろうか。だとしたら、いささか寂しい話だと思う(その後の報道では、スクランブル交差点以外の場所で騒ぎがあったものの、大きなトラブルもなく収まったようである)。

本田と岡崎のスタメン起用で気になるプランB

 さて、周知のとおり日本はオーストラリアと1−1で引き分け、5大会連続でW杯本大会出場を決めた。「世界最速」での本大会出場は3大会連続だが、ホームで決めたのは今回が初めて。そして1位での予選通過は06年ドイツ大会以来のことである。その一方で、アジアのライバルであるオーストラリアに対して、またしても90分で勝利することがかなわなかったのは、何とも残念な限り。確かに、ブラジル行きの切符を手にしたのはうれしいが、これで5回目の出場であること、そしてこの日の試合結果を考えると、個人的には「喜び半分」というのが正直な心境である。

 あらためて、試合を振り返ってみよう。この日の日本のスターティングイレブンは以下の通り。GK川島永嗣。DFは右から内田篤人、吉田麻也、今野泰幸、長友佑都。MFは守備的な位置に遠藤保仁と長谷部誠、右に岡崎慎司、左に香川真司、トップ下に本田圭佑。そして1トップは前田遼一。試合前日の朝に合流した本田と岡崎をあえてスタメンに起用してベストメンバーを組んだところに、この2人に対する指揮官の並々ならぬ期待が感じられる。ただし彼ら(特にけが明けの本田)を90分フルで使うのは、どう考えてもリスクのある話。もし70分を過ぎても勝負を決め切れない状況になった場合、ザッケローニがどんなプランBを考えているのか、非常に気になるところだ。

 前半は、遠藤のFKとミドルによる際どいシュートが飛び出すなど、日本が序盤から攻勢を見せる。トップ下の本田にボールがうまく収まり、香川が積極的にゴール前の狭いスペースに飛び込む動きを見せるが、ニールとオグネノブスキの屈強なセンターバックコンビに行く手を阻まれ、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。対するオーストラリアは、空中戦に強い1トップのケーヒル、スピードと運動量のある両サイドのクルースとオアー、そして強烈なミドルを得意とするホルマンなど、一芸に秀でた攻撃陣の個の力を押し出して反撃を試みる。何度かヒヤリとさせられるシーンはあったものの、ブルガリア戦の反省を生かした的確なマークの受け渡しと献身的な守備により、前半は0−0で終了する。

 後半になると、香川が左サイドに張り出して起点となることで、香川−本田−長友というラインに流動性が生まれ、日本の前線はさらに活性化していく。セットプレーのチャンスも増え、本田が直接狙う場面も2度あった。それでも、オーストラリアの手堅いディフェンスと不惑の守護神シュワルツァーの冷静なセーブに遭い、スコアレスの状態は続く。確かに、質の高いサッカーを見せているのは日本だが、後半25分(70分)を過ぎると、そろそろ本田と岡崎のコンディションが心配になってくる。いったいザッケローニは、いつまで彼らを引っ張るつもりなのだろうか。

本田依存を露呈したザッケローニ

 先に動いたのはオーストラリアのベンチだった。後半27分、ホルマンに代わってビドシッチ。この交代について監督のオジェックは「ダリオ(ヒドシッチ)のほうがテクニカルなMFなので、あの時点では中盤を強化しなければならず、彼を投入した」と語っている。だが、もしオーストラリアが勝つ気満々であったなら、むしろ194センチの長身FWケネディを出すべきではなかったか。前線でケーヒルとケネディを並べて、パワープレーに徹したほうが、日本にとって相当な脅威となったことだろう。ところがオジェックは、むしろ中盤の安定を優先させた。結果、相手の真意がはかりかねず、ザッケローニはぎりぎりのタイミングまでコーチングボックスで逡巡(しゅんじゅん)することになる。

 結局、ザッケローニが「0−0でもよし」と決断したのは、後半34分のことであった。前田に代えて栗原勇蔵。1トップに本田、トップ下に香川、左MFに長友が上がり、そして左サイドバックには今野がスライドする。ところがこの3分後、オアーが左サイドから放った山なりのクロスが、そのまま川島のグローブをすり抜けてオーストラリアが先制する。ほとんど「事故」のようなゴールだが、日本にしてみれば失点したことに変わりはない。急きょプランは変更され、今度は内田を下げてハーフナー・マイクを投入する。最初はFWを削ってDFを入れたのに、その6分後には逆の交代をせざるを得なかったところに、日本ベンチの狼狽(ろうばい)ぶりが見て取れる。

 そして後半42分、ようやく岡崎をベンチに下げて、清武弘嗣がピッチに送り出される。ザッケローニとしても、ここまで岡崎を引っ張るつもりはなかったのだろう。試合後の会見では、本田についても「ペースが少し落ちてきたところで交代を考えた」と語っている。もしその判断が下されていたら、試合の結果はずい分と違ったものとなっていたはずだ。結果としてザッケローニは、試合がこう着した場合のプランBを提示することができず、けが明けでコンディションが万全ではない本田に依存せざるを得なかった。

 後半45+1分、ショートコーナーから本田が中に折り返したクロスが、ペナルティーエリアにいたマッケイの手に当たり、日本はPKをゲット。この千載一遇のチャンスに、本田自らが大胆不敵にもゴール正面に蹴り込み、試合を1−1に引き戻す。直後に終了のホイッスルが鳴り、ここで日本の予選突破が決まった。

「コンフェデでは優勝するつもりでいく」

 このオーストラリア戦は、心理戦としても非常に興味深いものがあった。とりわけ、残り20分となってからの、両監督の「勝ち点3か1か」をめぐる心理的な駆け引きは、そのままベンチワークにも影を落とした。この試合、日本は引き分け以上で本大会出場が決まる。残り2試合をホームで戦えるオーストラリアにしても、アウエーの日本戦での勝ち点1は悪い話ではなかった。オジェック自身、「今回はアウエーだし、グループ1位の日本から勝ち点を取ることで、非常に大きなことを達成できたと思う」と語っている。

 ザッケローニとオジェック、両者のリアリズムがシンクロすれば、この試合はスコアレスドローで終わる可能性は多分にあっただろう。そこに思わぬ波乱を起こしたのが、オアーの奇跡的なゴールであった。そして、このアクシデントをリカバーできたのは、ザッケローニのさい配ではなく、選手たちのネバー・ギブアップの精神と6万人のサポーターの後押し、そして本田の強じんな精神力に負うところが大きかった。

 本田の特徴について指揮官は「彼は2つのクオリティーを兼ね備えている。ひとつはチーム内に多くいるのだが、強いパーソナリティーを持っていること。もうひとつは日本人離れしたフィジカルの強さがあり、ボールが収まるということ」と語っている。だがそれらに加えて忘れてはならないのが、その不屈のメンタリティーと飽くなき向上心であろう。PKを決めたときは、さすがにゴール裏に駆け寄って雄たけびをあげていた本田であったが、試合終了時は実にクールな表情を保っていたのが印象的であった。試合後のインタビューで「コンフェデレーションズカップでは優勝するつもりでいく」と語ったのも、きっと本心だろう。予選突破の余韻に浸ることなく、本田の視線はしっかりとブラジルを見据えている。

 思えば今回のアジア予選では、ずっと「本田不在でどう戦うか」という命題をずっと突き付けられていたように思える。実際、今予選での日本は3次予選で2敗(ホームでのウズベキスタン戦、アウエーでの北朝鮮戦)、そして最終予選で1敗(アウエーでのヨルダン戦)しているが、いずれの試合も本田は欠場している。これは決して偶然ではないだろう。「前線でボールが収まらない」とか「フィジカルの強さで対抗できない」といった戦術面とは別に、その人並みはずれたメンタリティーと向上心、そしてそれらを基盤とした確固たる自信こそが、今のチームには不可欠だったのではないか。

 いみじくも今回のオーストラリア戦は、本田が現在の日本代表に絶対的な存在であることを内外に示したと同時に、今予選ではとうとう「本田不在」の解が見つからなかったことを露呈する結果となった。とはいえ、本大会までまだ1年ある。今後も想定される「本田不在」の状況に、指揮官がどのようなアプローチを試みるのだろうか、引き続き注目したい。予選突破が決まり、新たなフェーズに突入した日本代表。その最初の試金石は、10日後の15日に開幕するコンフェデレーションズカップだ。

<了>

 

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