W杯予選最終戦を勝利で終えて、いざブラジル、コンフェデ杯へ・・・2014W杯アジア最終予選:イラク 0-1 日本

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勝てば予選突破の可能性が首の皮1枚で残るホーム(と言っても政治・軍事的事情でイラク本国でなくカタールのドーハで試合する羽目になったけど)のイラクが死に物狂いでこの1戦に臨んでくるのは明白だったので、既に予選グループ1位通過を決めている日本が相手の勢いに押されそうになるのは予想できたし・・・というか実際そうなってたけど(苦笑)・・・それでもクリーンシートで勝てたのは良かったですね。ブラジルでのコンフェデ杯に行く前に黒星もらっていったんじゃ気分も悪いでしょうし。守備陣は吉田・内田抜きにもかかわらず、よく粘って頑張ったと思います。

 

2014年ワールドカップ アジア最終予選

イラク 0−1 日本

 

結果は良かったけど内容は散々で、特に香川とハーフナー、細貝には正直もう二頑張りしてほしかったところですが、それは本人たちとザックが一番痛感してるでしょうから、ともかく3日後に控えたホスト国のブラジル相手の試合、コンディションを整えるだけでも大変だとは思いますけど、これまでアジア杯や予選突破のためにアジア仕様だったのを全部リセットして世界仕様のナショナルチームとしてコンフェデ杯に臨み、昨秋ポーランドで大敗した時のような無様なことにならないよう願ってます。

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ザック監督「伊野波らは非常に良かった」 W杯アジア最終予選 イラク戦後会見
【スポーツナビ 2013年6月12日】

 サッカー日本代表は11日、カタールのドーハで2014年ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選のイラク代表戦に臨み、1−0で勝利した。すでにW杯出場権を獲得している日本は、15日に開幕するコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)を視野に入れ、4日のオーストラリア戦から先発を5人入れ替えたが、思わぬ苦戦を強いられた。終始イラクのロングボールへの対応を迫られた日本は、なかなか攻撃の形を作ることができず、時間だけが進む展開となる。しかし、試合終了間際に鮮やかなカウンターから岡崎慎司が決め、コンフェデ杯前の一戦を勝利で飾った。

 試合後、アルベルト・ザッケローニ監督は「チームがコンパクトに連動できなかった」と課題を口にしながらも、「今日の試合には勝って終わろうと選手たちには伝えたのだが、その通りにやってくれた選手たちにお礼を言いたい」と喜びを口にした。また、唯一の得点を決めた岡崎については「どんどんゴール前に走っていくように指示している」と狙い通りの得点だったことを明かした。

勝利してコンフェデにつなげたい意識があった

――最後まで厳しい戦いだったが感想は?

 試合が難しくなったのは、この暑さと風の影響だ。それに加えてイラクは「この試合に絶対に勝たないといけない」という気持ちで来ていたので、相手の方に勢いがあった。

――日本の守備の評価は?

 前半は向かい風だったこともあって苦労した。そして暑さの影響もあり、われわれの判断が鈍る状況もあった。

――相手が2列目で受けてサイドにはたくパターンに最後まで対応できないように見えたが?

 まず暑さもあり、チームがコンパクトに連動できなかった。また相手がロングボールを使ってきて、ポストプレーから外(サイド)にという形には対応しきれなかった。とはいえ、われわれも得点を決めるくらいのチャンスをたくさん作った。われわれはすでの予選を突破している状況であったが、この試合ではこれまでチャンスがなかったメンバーを使って勝ちにこだわろうという意識はあった。この試合に勝利して、コンフェデにつなげたいという意識があったので、今日の勝利は非常に大切だった。今日の試合には勝って終わろうと選手たちには伝えたのだが、その通りにやってくれた選手たちにお礼を言いたい。

――出場機会が限られていた伊野波や細貝の評価は?

 出来としては非常に良かったと思う。当然、消える時間帯や(集中などが)切れる時間帯もあったが、それは想定内だった。マイクにしても岡崎にしても細貝にしても、試合勘がない中でよくやってくれたと思う。彼らが止まる瞬間というのはなく、最後まで精力的に動いてくれた。

――自陣でのファウルが多かったように見えたが?

 そう思う。それも判断力が鈍った影響だと思う。

――コンフェデ杯に向けて影響は?

 チームはそれはよく分かっている。

――3枚目の(交代)カードを変更した理由は?

 他のカードを用意していたが、そのタイミングで伊野波が気分が悪いということを聞いた。なので、唯一のセンターバックのカードが高橋だったので代えた。長友や香川が落ちてきていたので、そこを代えようとは思っていた。

――トップ下の香川が本田よりも前のほうでプレーしていたが、監督の指示によるものか?

 香川のポジションがもともとセカンドトップだからだと思う。サッカーはそれぞれの見方によって違うものだ。

――遠藤が最後まで体力を温存していたように見えたが、それがベテランの味だと考えるか?

 遠藤のコンディション自体が、ブルガリア戦から比べてかなり上がってきている。コンフェデに向けて、しっかり準備が進んでいるのではないか。

ミスの数を極力減らすことが大事

――岡崎が点を決めたが、こういうタフな展開では彼の力が必要だと思うか?

 岡崎がやらなければならないことは、まずゴールを決めることだ。彼にはどんどんゴール前に走っていくように指示している。

――もうひとりのトップ下の中村の評価は?

 良かったと思う。すぐに試合に入ることができたし、判断力では彼の場合はまったく心配していない。頭の良い選手なので、自分がピッチに立ったときに何をすべきか、しっかり分かっている。中村はトップ下のポジションが適正なのだと思う。

――今日は3−4−3を試すつもりはなかったのか?

 今日はそうではないと思っていた。

――ブラジル戦には自分たちのサッカーでぶつかるのか、それとも大会での一戦ということで違った戦い方をするのか?

 何とか成長しようと思っている。ミスの数を極力減らすことが大事だし、そこをしっかり突いてくるのがブラジルだと思っている。ブラジルは、時に良くない戦い方をすることもあるが、ポテンシャルで言えば世界一だ。ブラジルが持っているクオリティーは、他には見られないものだと思う。

――前半風下で、日本のCKを取られてカウンターでピンチになるケースが多かったが、そういうときに自陣に残す選手を長友だけでなく、もっと増やすことは考えなかったか?

 相手が良かったとも言えるだろう。順位表を見ると、なぜイラクがここ(最下位)にいるのかと思えるくらい、良い選手がそろっている。

――相手がカウンターを仕掛けてくる前に、日本はヘディングで競り勝つことができない。相手がロングボールを出してくるときに、香川が守備でケアすることは大事だと思うのだが、今日の彼の守備については?

 相手も結構深いところから蹴ってくることがあるので、そうすると容易には行けない。ウチはコンパクトを保つのが大切なので、そこに(守備に)行って間延びしては意味がない。

――ブラジル戦はどのような狙いをもって試合にするべきか?

 これから15時間くらいフライト時間があるので、そこで考えたい。

<了>

 

W杯アジア最終予選 イラク戦後コメント【スポーツナビ 2013年6月12日】

 サッカー日本代表は11日、カタールのドーハで2014年ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選のイラク代表戦に臨み、1−0で勝利した。すでにW杯出場権を獲得している日本は、15日に開幕するコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)を視野に入れ、4日のオーストラリア戦から先発を5人入れ替えたが、思わぬ苦戦を強いられた。終始イラクのロングボールへの対応を迫られた日本は、なかなか攻撃の形を作ることができず、時間だけが進む展開となる。しかし、試合終了間際に鮮やかなカウンターから岡崎慎司が決め、コンフェデ杯前の一戦を勝利で飾った。

 試合後、岡崎慎司は「最後まで走ったからこそパスが来る」と、あきらめずにゴールに向かったことが、得点につながったと語った。また、長友佑都は「このレベルで1対1に負けているようなら、ブラジルに勝てるわけがない」とコンフェデ杯に向けて危機感を口にした。

岡崎慎司(シュツットガルト/ドイツ)

最後まで走ったからこそパスが来る

 自分たちの時間帯でないときも多かったんですけど、それでも何回か攻撃の形を作れたところもあった。深い位置まで行ってクロスや、シュートまで行けた部分がそう。そういうところでは幅広くプレーを意識していたけど、まだまだボールを持った時にどう仕掛けるかとか課題はあります。でも、チャレンジはできたし、(香川)真司も良い形でボールをもらってたんで、まだまだプレーの可能性はあると思う。サイドで受けてから(酒井)宏樹とコンビでっていうのも何回かあったんで、そういうのはやり続けて増やしていく。個人的にもチーム的にもまだまだだとは思いますけど、それでも厳しい戦いで勝てたのはコンフェデ杯に向けてよかったと思います。ゴールは、あそこは誰でもワンツーっていうか、出したらもう1回入ってくると思うし、ああいう形で決められてよかった。諦めないとか気持ちや意識の部分はあるけど、やっぱり最後まで走ったからこそパスが来る。

(中村憲剛が入る時の交代は自分と思った?)そういうのはあまり意識してないですけど、代えられてもおかしくない感じはあった。自分のプレーには満足してなかったんで。ただ自分のプレーを求められてるのは自信になるし、期待に応えたい。なので、そういうプレーをもっとパワーアップさせていきたい。監督は得意じゃない分野でのミスは怒らないけど、自分が得意なところでのミスはもっといけって言ってくれたり、自分を分かってくれてるのはありがたい。技術がある選手が増えてくる中で、自分のようなタイプを置いてくれるのは、自分の勝利への執着心を認められてると思うし、もっと自分はそこを強く出していかないといけないと思う。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

物足りないという感じ

 難しい試合だった。最後にオカ(岡崎)ちゃんが泥臭く決めてくれたと思うし、今日はそこが一番テーマになったというか、いかに戦えるかを示したと思う。
 前半は風下に立って、相手のロングボールは嫌だったけれど、ディフェンスも危ない場面を作られながらも対応し、相手のスペースにボールを運び出した時間帯にはチャンスが作れていた。前半は0−0でOKというチームの認識もあったし、後半は風上に立って、もうひとつ上げていけるのではないか。
 後半になって相手も前線に起点を作って前に来ていた。2次攻撃、3次攻撃に対して僕たちがなかなか跳ね返せず、前線でもボールを収められなかったため、後半は苦しい戦いが続いた。それでもうまくしのいで、最後にチャンスをものしたのは、チームとして最低限の結果は出せたと思う。

(前半途中から清武とのコンビネーションでチャンスを作っていたが)そうですね。ただ結果として得点は生まれていないので、それは課題。それ以上に後半、なかなかギアが上がらなかったのが、僕にとっては心残りです。こういう試合は後半が大事だと思うし、お互い間延びした状況で、いかにチャンスを生み出せるかという展開を予想していたので、物足りないという感じ。ボールをもらったときのミスであったり、後半に左に回ってから、右サイドに偏ったプレーが多かった。なるべく左を見てくれという話はしたけれど、それ以上に守備のほうでいっぱいになっている部分もあった。それに、前線も後ろも嫌な取られ方を何度かしていたから、それによる疲労はすごかった。そこでなかなかリズムを作れなかったのも課題。もうちょっと左右を使ってサイドに起点を作るという意識付けをチームとしてやっていく必要がある。

遠藤保仁(ガンバ大阪)

レベルが高くなれば厳しくなる

(得点シーンについて)相手はひとり少なかったし、チャンスだと思ったので、最後の最後に(前に)行かないとというのはありましたね。スペースもあったし、冷静に中も見れていたので、点に絡めてよかった。最初は自分で打つことを考えていたけれど、岡崎がフリーでGKも僕のほうに来ていたので、そっちのほうがより(ゴールの)確率が高いのかなと。(試合後に監督と話していたが)どういう試合でも、勝って勝ち癖をつけようという話でした。
 攻撃はクロス以外ではあまり良い形はできていなかったけれど、守備では辛抱強くゼロでというのは意思統一できていた。立ち上がりは入り方を間違えないようにと意識していた。自分たちのミスから、何度か危ない場面もあったけれど、こういうふうに守備からリズムを作る戦いもあると思うので、そういうときは先に失点しないように辛抱強くチャンスを待つというのもこれから大事になってくると思う。

(相手の)レベルが高くなれば、さらに厳しくなるとは思うので、自分たちの時間帯にできるだけ早く持っていければとは思う。どこかで必ず自分たちの流れは来るので、できるだけ相手にペースを握らせないようにすることは心がけているし、どういう状況でも自分たちの時間帯が長いほうがいいので、もっともっとポゼッションを高めながら相手を押し込められるようにしたい。それに、苦しい時間帯で1点取れるようなチームにしていかないといけない。クロスもそうだし、(中に入る選手も)より迫力をもって入っていかないと。クリアされてもセカンドボールが拾えるようにプッシュアップして、2回3回と攻撃が続けられるようにしていきたい。

長友佑都(インテル/イタリア)

ブラジルに勝てるわけがない

(コンフェデ杯で)ブラジルとできるのはワクワクしているけれど、このレベルで1対1に負けているようなら、ブラジルに勝てるわけがない。結局、個の部分で相手は攻めてくるので、そこはしっかり対応できないと厳しい試合になる。
(前半が上手くいかなかったのは、メンバーが変わったからか?)それよりも風の向きとメンタルの部分。相手の気持ちが前に来ていて、こっちは少しふわっとした感じになっていた。それに加えて、リスクマネジメント。イラクには失礼だけど、イラクにあれだけ苦戦してチャンスを作られていたら、厳しいかなと思うので。何度も言いますけど、ブラジル相手だったら前半で3点取られていてもおかしくなかった。

(個人的なコンディションは)今年に入って、けがであまり試合もしていなかったけれど、コンディションも上がってきているし、90分できたのは良かったと思う。(給水タイムで本田と話していたが)僕自身が『外から見ていてどう?』と聞いたら、相手も前から来ているけれどバテているから、スペースにどんどん飛び出していけばいい。キヨ(清武)にもっとスペースを作ってもらえ、ということを言われました。

長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)

この環境で勝ったことに意味がある

 あのピッチ状態でホントにみんな頑張った。こういう苦しいゲームでも勝つことが大事だと思うし、ホントにみんな頑張ったと思います。そういう中でも何とかゼロで抑えて、結果が出たのは、雰囲気としてもコンフェデ杯につながります。もちろん試合内容とかいろんなことがあるかもしれないけど、この環境で勝ったことに意味があると思います。

清武弘嗣(ニュルンベルク/ドイツ)

今日は何も残していない感じ

 前半は風が逆ですごくやりにくかったんですけど、チャンスはたくさんありましたし、その中で前半決められなかったことで、今日は何も残していない感じですね。(前半から)相手が来るのは分かっていました。ただ、来るからといって引いていたらダメですし。スペースはたくさんあったと思うので、そこはつないでやれれば良かったかなと思いましたけど、なかなかボールをみんなが持てなくて、難しい試合になったと思います。

(同サイドの相手選手が仕掛けてきたが)自分たちが引き過ぎているっていうこともあります。自分が前にポジションを取ってプレーできなかったことで、相手がガンガン来る理由だったと思うので、そこはもっと自分が半分以上、攻撃に専念できるようにやれれば良かったなと思います。

(香川との)距離感は良かったと思います。でも、もっと真司くんにボールを入れられたら良かったんじゃないかなって思いました。相手が絞ってきていたので、難しいのはありましたけど、うまく散らせればおのずとスペースは空いてきたと思うので、そこはもうちょっと自分がゲームを作っても良かったと思いますし、なるべく真司くんにボールを入れて上げられればと。

中村憲剛(川崎フロンターレ)

勝ったけど、自分が何かしたわけではない

(試合を外から見ていて)こういう気候もありますし、グラウンドの状態もありますし、あと昨日も話しましたけどイラクの崖っぷちという状況の中でやっぱり向こうが積極的に前から来て、なりふり構わぬというかそういう形で来たので、受けに回っちゃう回数が多かったんじゃないかなと思います。結構ペナルティーエリアまで入られて、そのクリアを拾われてまたセカンドから攻められるのを、しのぐのがきつくそうで。そういう時間が長かったかなと。後半もそうだったんですけど、あそこでつなげるとね。風も強かったし、特に前半風下だったんでね、難しかったのかなと前半見てて思いましたね。

(途中出場でどんな変化をつけようと考えた?)まず前で起点というか、自分のところで収めたいというか、(ボールを)取って取られて、取って取られてというのがすごく多かったんで。特に右の方でずっとサッカーをやっているイメージだったんで、1回サイドチェンジが入ることとか。結構その中でも自分のところになかなかボールが入ってこないっていうか、入られてクリアするだけになっちゃって、それを拾われるっていう、自分が入ってもなかなか流れというのが最初の10分くらいは変えられなかったのが個人的に悔しいというか。そういうのを変えるために自分は入ると思っているので。

(監督の指示は)ボールを持ってまず外に開いて、縦に速い攻めをしていたんで、まず横に広げてほしいみたいな話をしてました。そこで1回サイドでタメを作って、というのを狙っていたと思うんですけど。

(自分がすべきことは整理できた?)ブルガリア戦もそうですけど、相手も味方も疲れている時間に出ることになるので、自分がちょっと時間を作ったりだとか、ミスをしないことだとか、得点に絡むことと同じくらい、特に日本が劣勢の場合にはやらなきゃいけないのかなっていう気がしてます。途中から出るということは、流れを変えなきゃいけないし、パワーをみんなに与えなきゃいけないから、そういう意味では、結果は勝ちましたけど、自分が何かしたわけではないと。まだまだ課題が残る。

川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

どれだけ限界を伸ばしていけるか

 風も強かったですし、難しい環境の中での試合だったのかなと思います。ボールもなかなか前に運べなかったですし、もうちょっと落ち着いてやれればよかったところもある。そういう中でも割り切って耐えるところはしっかり耐えた。あとは自分たちの意識としてリスク管理だったり、もう1回意識しないといけない部分があると思います。(W杯予選)突破が決まっていてもこの試合に対する気持ちは大きなものもあったし、コンフェデ杯に向けてもそう。こうやってメンバー変わった中で、しっかり結果を残せるかという部分もあったと思うので、そういう意味で良い結果で終えることができたと思う。
 自分たちとしてはもちろんレベルアップという意図もあったし、まだまだやらなきゃいけないことももちろんあるんですけど、もう1回自信をつけてやりたいと思います。コンフェデ杯はどれだけ上を目指してやれるかっていう部分が大事だと思うし、思い切ってぶつからなければ自分たちの限界も分からない。限界を知ってどれだけその限界を伸ばしていけるかという部分になるのかなと思います。

今野泰幸(ガンバ大阪)

前線だけの問題ではない

 相手も結構レベルが高かったと思います。つなぎもうまかったし、DFの持ち出しもうまかった。裏の動きもあったし。いろんなバリエーションで攻め込まれたので。自分たちのミスも正直あって。でも、言い訳はできないですね。相手はうまかったのに、自分たちはあの芝でミスが多かったから。それが前半、押し込まれた要因だと思います。

(香川、清武を中心にスピーディーなカウンターを繰り出せていたが)そこだけですね。攻撃の頼みは。後ろからビルドアップして、良い形、きれいに崩すことはまったくできなかったので、そこにボールが入ったときに、なんとか崩してくれという感じで。その頼みしかなかったですね。前半は。

(本田不在の中、タメを作ったり、守備のブロックを作るための時間を作ったりと、ゲーム運びの中ではできたか?)攻撃はリスクがつきもので、急に奪われる場面もあるから、そういうときに守備の構築を素早く整えるのは自分たちの課題でもあるので、今日はできたところもあるし、危ない場面も作られたので、そこは今後の課題ではありますね。

(個でタメることができれば、チームとして楽になるのでは?)前線だけの問題ではないし、後ろから良いパスをどんどん入れていかないと、タメができなし、苦しいボールを入れても難しいし、それで前線のせいだけにしてはいけないと思う。だから、今日の試合はチームとしてゴール前に運ぶことがちょっと少なかったですね。だから、タメもできないし、苦しい時間帯が続いたかなって思います。

細貝萌(レバークーゼン/ドイツ)

試合に出るのはポジティブに考えている

 このチームでボランチやることは決まっているので、まずはヤット(遠藤保仁)さんとのバランスを意識した。ボールポゼッションのときにミスが多かったし、ボールを奪ってからつなぐことがうまくいかなかった。
 相手の攻撃が左よりというのはミーティングでも話していたので、相手が攻めてくる側に自分はいようと思っていた。そこでもう少し、自分たちから押し込むことが必要だと思う。それに、しっかりブロックを作りながら、前に早く行けるときには裏を狙っていこうという話は試合前からしていたので、そういうシーンが作れたのは良かった。しかし、急ぎすぎて奪われる場面もあった。

 試合に出ることは、コンディション面も含めて選手としてはいいこと。今日の試合でできなかったことも多いが、出られたことはポジティブに考えている。気温(が高いこと)もあったし、間延びしたところもあって攻撃に参加することができなかった。(相手の)スペースを消すことを意識していたけれど、課題もあった。

(コンフェデ杯に向けて)世界の強豪国と試合をするので、チャンスがあればそこでベストを尽くしたい。

酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)

壁をこじ開けるのはまだまだ

 やれた部分はありましたけど、90分間走っていたかというと走ってないです。自分の中では出ている選手の中でも多く走るというのが目標として思っていることで、それを行うことでやっと自分の良さが出てくると思っています。それをしなければ代表に呼ばれる選手ではないですし、それをやってきたからこそブンデスにもいられるので、そういうところをもっと出せれば良かったです。

 もちろん、やれた部分もありましたし、出られたのは良かったですけど、これからコンフェデに行くにあたって、世界は甘くないので、そういう意味ではもっともっとやりたかったです。これからやりたいと思います。

(試合勘も含めて難しかった?)もちろん、天候とかはありますけど、自分にとってはチャンスでした。勝敗うんぬんでは自分を生かせたと思いますけど、強くアピールできたかというとまだまだ心残りなので、もっともっと所属チームで出る必要もあります。

(手応えがあるのは?)強く前に出て、クロスを何本も上げました。そういう意味で攻撃に参加する場面を多く作れましたけど、監督が言うように最後の精度、結局はクロスも一番最初のぐらいかなと思いました、自分の思い通りに落とせたのは。

(自分で出していきたいことは?)期待して出してもらったので90分間、体を張っていく必要があって、その意味ではディフェンスラインとしてゼロに抑えたのは大きいと思いますけど、そこからプラスアルファがないと、佑都君(長友)、篤人君(内田)という壁をこじ開けるにはまだまだかなと思う。見ている選手よりいいプレーをしないと、その関係は崩れないので、そういうところはやっていかないといけないと思います。

<了>

 

365日後へ、新たな冒険に出る日本代表 イラク戦はアジアから世界への境界線
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年6月12日】

コンフェデ杯を見据えたイラク戦の重要性

 ワールドカップ(W杯)アジア最終予選、イラク対日本が行われる会場は、カタールの首都ドーハにあるアルアラビ・スタジアムである。ここは2年前に開催されたアジアカップの会場には選ばれておらず、したがって訪れるのは初めてのはずなのだが、なぜか奇妙な既視感のようなものを覚えてしまった。

 よくよく思い出してみると、大会期間中に日本代表が練習で使用し、いわゆる「ドーハの悲劇」の舞台としてもよく知られているアルアハリ・スタジアムと、まったく造りが同じなのである(距離的にも近い)。ちなみにアジアカップの会場となった、アルガラファ・スタジアムと、アフメド・ビン=アリー・スタジアムもまた、双子のようにそっくりな競技施設であった。カタールの人々は、あまりスタジアムのデザインには頓着しないのであろうか。

 ドーハで行われる対イラク戦、しかも会場がアルアハリにそっくりとなると、ある年齢以上のサッカーファンには、不吉なことこの上ない条件がそろう。とはいえ、すでにW杯予選突破を決めている今の日本にとって、21世紀の「ドーハの悲劇」など起こりようもない。それにこの試合に臨む選手たちとて、ほとんど「歴史」としか認識しようのない20年前の出来事について、あれこれ思いをめぐらせることもないだろう。

 記者たちに「ドーハの悲劇」について尋ねられ、「自分たちは新しい歴史を作っていきたい。未来に向かっていきたい」と語ったのは香川真司である。当時4歳の未就学児だった香川にしてみれば、今さら「ドーハ、ドーハ」と質問をぶつけられても、答えに窮するばかりだろう。むしろ「新しい歴史」、「未来」という表現こそ、今の日本代表が置かれた状況に最もふさわしいように思える。

 端的に言えば、このイラク戦は2011年1月のアジアカップ以来続けてきた「アジアでの戦い」に終止符を打ち、これから「世界との戦い」という新たなミッションに挑むための節目となる試合である。「W杯予選」という視点で見れば、イラクには申し訳ないが、明らかに消化試合。それでも、4日後に開幕するコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)を含め、これから始まる「世界との戦い」を見据えるのであれば、日本にとっては決しておろそかにはできない試合であると言える。

我慢比べを制した岡崎の決勝ゴール

 さっそく、試合を大まかに振り返ってみたい。

 この日の日本のスタメンは以下のとおり。GK川島永嗣。DFは右から酒井宏樹、伊野波雅彦、今野泰幸、長友佑都。守備的MFは細貝萌と遠藤保仁、右に岡崎慎司、左に清武弘嗣、トップ下に香川。そして1トップにはハーフナー・マイク。

 オーストラリア戦からは5人が変わったが、コンディション的な問題(本田圭佑と吉田麻也)、あるいは累積警告(長谷部誠)で出場できない選手もいたので、純粋な意味でテストの機会を与えられたのは、右サイドバックの酒井宏と1トップのハーフナーのみ。指揮官としては、このイラク戦を「テスト」と割り切ることはせず、あえて「現状でのベストメンバー」を組んできた。

 前半、風下に立った日本は、イラクの猛攻に押され気味となる。4−1−4−1システムのイラクは、1トップのユニス・マフマードにボールを収め、そこから2列目の選手にいったんボールを預け、さらに両サイドから走り込む選手にパスを供給。そこできれいに裏を突かれるシーンが再三にわたって見られた。ただし、この日は守備の要である今野の読みが冴え、また今年3月22日(ドーハでの国際親善試合・カナダ戦)以来のスタメン出場を果たした伊野波も気合いの入ったプレーを随所に見せていた。「今日こそは失点ゼロで」という守備陣の切実な意思統一もあり、前半は0−0で終了する。

 とにかくこの試合に勝利しなければならないイラクは、後半はさらにペースを上げて日本陣内に襲いかかる。対する日本は、これを跳ね返して反撃に転じたいところだが、ボランチが最終ラインまで下がってブロックするのが精いっぱい。後半の日本については、香川のこのコメントが端的に言い表している。

「後半、お互い間延びした状況で、いかにチャンスを生み出せるかという展開を予想していたけれど、なかなかギアが上がらなかった。みんな、守備のほうでいっぱいいっぱいになって、前線も後ろも嫌な(ボールの)取られ方をしていたから、それによる疲労はすごくあった」

 最後はまさに我慢比べだった。イラクは後半36分、アラー・アブドゥルが2枚目のイエローで退場。その4分後に、FWのカッラル・ジャシムを投入して2トップとし、さらに前掛かりで先制点を狙う。しかし、ここで日本は相手のお株を奪うカウンターから、岡崎がドリブルで持ち込んで並走する遠藤にパス。さらに遠藤からのリターンパスに岡崎が滑り込みながら右足でネットを揺らす。これが決勝点となった。

アピール不足だったバックアッパーの選手たち

 さて、この試合をテレビでご覧になって、「日本はなんてふがいない試合をしたのだろう」と感じた方も少なくなかったのではないか。確かに勝つには勝ったが、何度もイラクに危険な場面を作らせてしまったし、日本の攻撃がいささか迫力に欠けていたのも事実である。しかし一方で、この日のドーハには日本を苦しめる要素がいくつも存在していたことも忘れてはならない。ここ数日続いていた強風、40度近い気温(前後半で2度の給水タイムがあった)、そして「ここで勝たなければ終わり」というイラクの必死さと、すでに予選突破を決めている日本の立ち位置の曖昧さ――。実際、日本は心理面では試合の入り方がうまくいっていなかったようで、長友も「相手は気持ちで前に来ていているのに、こっちは少しふわっとした感じになっていた」と語っている。

 だが、それ以上に私が気になったのが、久々にスタメンのチャンスを得た選手たちが、そのチャンスを存分に生かしきれていなかったことである。1トップのハーフナーは、ポストプレーの精度を欠き、ボールもなかなか収まらず、前半32分のシュートチャンスも枠をとらえることはできなかった。長谷部に代わって遠藤とコンビを組んだ細貝も、パスミスからピンチを招く場面があまりにも多かった(当人も「ポゼッションでのミスも多かったし、そういうミスが多いとチームとしても苦しくなる」と反省しきりであった)。体を張ったディフェンスで無失点に貢献した伊野波、そして右サイドからたびたび精度のあるクロスを放った酒井宏は及第点を与えても良さそうだが、さりとて吉田や内田篤人を脅かすような特長を発揮していたとは言い難い。

 もちろん公式戦の限られた時間で、ポジションを奪うくらいのアピールをすることは容易ではない。逆に彼らが、現在のスタメン組の半分でも出場機会に恵まれていれば、もっと自信と余裕をもってプレーできていたのかもしれない。いずれにせよ今回のイラク戦では、あらためてスタメンとバックアッパーとの経験値の差が、そのままプレーに表れていたように思えてならないのである。唯一、途中出場ながら安定したプレーを見せていたのは、後半22分からトップ下に入った中村憲剛であろう。指揮官も中村に関しては「頭の良い選手なので、自分がピッチに立った時に何をすべきか、しっかり分かっている」と高い評価を与えていた。

W杯開幕までたかが1年、されど1年

 かくして日本は、イラクのW杯出場の最後の夢を打ち砕き、そのまま空路コンフェデ杯の開催国であるブラジルへ向かった(余談ながら4年前のコンフェデ杯に、アジア代表として出場していたのはイラクであった)。15日(日本時間16日)にブラジリアで行われるホスト国ブラジルとの対戦について尋ねられたザッケローニは「15時間くらいのフライトだから、その間に考えるよ」と笑顔で答えていた。とはいえ、イラクとのハードな一戦を終えて、長時間のフライトを含めて中3日でブラジルと対戦するのは、どう考えても尋常でないスケジュールだ。イラク戦での勝利は確かに重要ではあったが、それなりの犠牲をチームに強いることになった事実は、やはり認めざるを得ないだろう。

 さて、イラク戦から一夜明けた6月12日は、来年のW杯ブラジル大会の開幕からジャスト1年前に当たる。その記念すべき日に、日本がアジアでの戦いを終えてブラジルに旅立ったのは、偶然とはいえ実に象徴的な出来事に感じられる。果たして、今から365日後の日本代表は、どのようなグループに成長しているのだろう。バックアッパーはしっかり育っているだろうか。「本田不在」のオプションは確立しているだろうか。まだ見ぬ新戦力は何人いるだろうか。逆に今の主力から外れるのは誰だろうか。そして365日後の日本代表は、世界と伍するだけの組織力と個の力を併せ持ったチームになっているだろうか。

「この1年短いですが、考え方によっては1年もあるとも言えます」

 W杯予選突破が決まった翌日の会見で、本田圭佑はこのように語っている。これからの1年が充実したものとなるか否か、そのカギを握るのがコンフェデ杯での戦いであることは衆目の一致するところであろう。南アフリカでベスト16に上り詰めたチームに、さまざまなマイナーチェンジを施し、ほぼメンバーを固定しながら駆け抜けてきた3年間。その成果が問われる一方で、世界との距離を測り、より勝利に近づくための改革の契機となるなら、私はコンフェデ杯で惨敗するのもまた良しと考える。いずれにせよ、イラク戦が終わったこの日から、日本代表の新たなる冒険がスタートする。その最初の大一番を見届けるべく、私もこれから一路ブラジルを目指すことにしたい。

<了>

 

9件のコメント

  1. ピンバック: zara's voice recorder
  2. ピンバック: 日刊魔胃蹴
  3. ピンバック: slow,snow
  4. ピンバック: つらつら日暮らし
  5. ピンバック: りゅうちゃん別館
  6. ピンバック: あれこれ随想記 

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