キリンチャレンジカップ2013:日本 3-1 ガーナ・・・勝って良かったことと残った課題と・・・

先日のグアテマラ戦は京響定期と重なったので拙サイトでの言及はしなかったのですが、今度の相手はエッシェンやボアテングらを欠いてるとはいえグアテマラよりはずっと格上のガーナ、さてさて・・・。

 

国際親善試合

日本 3−1 ガーナ

 

スタメンをほぼ今まで同様の主力組でメンバーを固めたのはコンフェデ杯以降歪みが生じていた守備組織のバランスと損なった自信を辛抱強く取り戻すためでしょうか。あと主力組の中で唯一欧州リーグどころか日本の2部リーグに甘んじざるをえないセンターラインの2人=遠藤と今野のリハビリというか勘を戻させるというか、そういう側面もあったのかな、と。

前半に先制点を与えてしまったのは香川自身がミスを反省しているので、まぁいいでしょう。ただ、しとらす的にはガンバ組の遠藤と今野にはもう見切りをつけていいような気もしました。ここを替えるには大きな踏ん切りがいるのでしょうけど、遠藤も来年は34歳でさしもの彼とて年齢的な衰えを考慮しないといけなくなってきてるし、その点では今野も上積みが期待できない年齢にさしかかっているので同様。しかもガンバ自体がJ2でトップを走ってるとはいえ直近の試合ではホームでV・ファーレン長崎の組織サッカーに逆転負けを喰らう体たらくな状態なので、結局はこの2人だけが海外組から再び差を開けられる状況に追い込まれるのは変わらないんですよね。チームの基軸となるセンターラインだからこそ今の時期に大きな決断をしてほしいのですが(更には吉田と長谷部もそれぞれ所属クラブのサウザンプトンとニュルンベルクで不安定な状態にありますし)・・・憂慮しているのはこの1点のみですかね。幸い来月には欧州遠征が組まれてますし、ザッケローニ監督が彼自身のフィロソフィーとプランを貫きつつ残された少ない機会を有効に使って本チャンを迎えてくれればいいと思います。

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※9/11追記:監督の会見と選手のコメントがアップされた、なので。あと南米予選ではウルグアイが2連勝して4位エクアドルと勝ち点で並ぶところまできましたね。残りがアウェーのエクアドル戦(高地キトでの試合)とホームのアルゼンチン戦でまだまだ厳しい状況ではありますが、ウルグアイはW杯本番でぜひ見たいチームの1つなので、なんとか頑張ってストレートインしてほしいところです。

 

ザック「大迫のスピリット気に入ってる」
国際親善試合 ガーナ戦後会見
【スポーツナビ 2013年9月10日】

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 サッカー日本代表は10日、日産スタジアムで国際親善試合のガーナ代表戦に臨み、3−1で勝利した。香川真司、遠藤保仁、本田圭佑がゴールを決めた。試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「今日のパフォーマンスには満足している」と選手に伝えたと話した。

 また新戦力に関しては、「人生で一番大切な試合のように入ってくれて満足している」と姿勢を評価した。

このチームには独自のメンツとクオリティーがある

――今日の前線からの守備が良かったが、この2試合でチームのバランスを取り戻したという実感はあるか?

 何度も言っていることだが、このチームの目標は成長し続けることだ。集まれない期間が1カ月あると、いろいろと忘れたり、タイミングがずれたりということが生じてしまうのだが、今回のように準備期間があるとやはり違う。近代サッカーでは、ポジションが1メートル前か後ろかで大きく違ってくる。チームにも、今日のパフォーマンスには満足していると伝えた。中央を固めてアグレッシブに行く、攻撃の際のオフザボールの動き、インテンシティーを高めて相手に迫っていくということについては、よくやってくれたと思う。

 グアテマラ戦から経過を見てきたが、今日のほうがより良かったし、手強い相手によくやってくれたと思っている。ゲーム内容についても、ポゼッションやセカンドボールを拾える率で中盤を制圧し、いい形を作れていた。シュートの数もゴールの数も相手を上回っていた。チームのリアクションがあったこともよかった。ああいった形で失点してしまうと、ガクっときてしまうことがあるが、そこからよく立ち直って逆転してくれたと思う。

――このチームは組織プレーを基本としているが、最近の傾向として個人の勇気ある勝負が増えてきたように思うがどう評価するか?(湯浅健二/フリーランス)

 どんどん積極的に仕掛けてほしい。私が考える組織的サッカーとは、そういった選手が力を発揮しやすいようにチームを整備することである。理論だけならばサッカーは簡単に思えることもあるが、コレクティブだけ、あるいは個のクオリティーだけでなく、両方がそろっていないといけない。自分が受け持つ選手が、いかにやりやすくできるかということをベースにチームを作っている。過去の成功体験にとらわれることはない。このチームには独自のメンツとクオリティーがあるので、過去にとらわれることなく、このチームのクオリティーを生かすための組織的なサッカーをやっていきたい。

 なぜメッシはバルセロナでは違いを生み出せるのに、アルゼンチン代表ではそこまでではないのか、という話をチームにした。私のサッカーは個のクオリティーがないと機能しない。また私にとって大切なのは、7〜8人が良いパフォーマンスを見せることだ。今日は7〜8人ではなく11人全員がいい働きしてくれた。一見して分かるような派手な仕事をする選手もいれば、陰で支えている選手もいたが、全員がいい仕事をしてくれた。

――2試合連続で3−4−3を残り15分で試したが、何を目的としているか。また前回とは3人の並びが違っていた理由は何か?(後藤健生/フリーランス)

 まず3バックを試す理由だが、トレーニングでやってきたこともある。今日の試合に関しては、最初は4−2−3−1だったが、あの時間帯になって(相手が)2トップ気味にしてきたので3バックで対応しようと考えた。基本的には4−2−3−1でやっているが、新しいシステムにトライするのも悪くはないし、中盤が4枚になって厚くなるので、試合で必要になることもあるかもしれない。選手たちには、一つのことを覚えたら引き出しにしまって、新しいことを覚えるようにと言ってある。

 3枚の並びに関しては、このシステムでは1センターバック(CB)+2サイドバック(SB)の3枚と表現するのだが、この3枚は(各自が)真ん中もできるし、サイドでも守備ができるということで、誰がどこに入ってもできると思っている。あくまで1CB+2SBであり、3CBに2ウイングバックというシステムではない。この3バックの狙いは、ディフェンスをもう1枚欲しいからではなく、中盤や前線にもう1人攻撃的な選手が欲しいという意図がある。

10日間でたくさんのことができた

――この合宿で新しい選手を何人も入れているが、新しい選手は融合はしていると考えるか?(大住良之/フリーランス)

 すごく良かったと思うし、彼らには満足している。トレーニングでの姿勢も素晴らしかった。時間に差はあるが、このメンバーを全員使ってみて、試合でのパフォーマンスには満足している。齋藤も最後の10分ほどプレーしたが、人生で一番大切な試合のように入ってくれて満足している。大迫も、いい形で動き出したときに終了のホイッスルが鳴り、審判に怒りをあらわにしていたが、そうしたメンタリティーは悪くないと思う。時にいきすぎた部分もあって、3−1で勝っている状況でスローインをクイックで始めたりするシーンもあったが、そういったスピリットは気に入っている。

――前半の戦いを受けて、ハーフタイムでどういう修正をしたのか?

 ハーフタイムに具体的に指示したことは、1つ目は結果にとらわれすぎないこと。2つ目はバランスを大切に戦うこと。中央でより人数を割いて、そこでボールを奪ってからインテンシティーを高めて、相手のディフェンスラインに仕掛けていこうという話はした。本当は、前半であれだけチャンスを作ったのだから決め切ってほしいと言いたかったが、そこはぐっと我慢した。

――ガーナのカウンターに対して、高いラインを保てたのは収穫だったと思うが、守備陣全体での評価は?

 チームがコンパクトに保たれていたし、ディフェンスラインの上下動のメリハリが良くなった。またFWの選手たちも、自分たちの守備のタスクをこなすことでチームはコンパクトを保てたし、ダブルボランチも楽になったと思う。今日の相手は、典型的にFWに速い選手がそろっていたが、それでも高いディフェンスラインの意識を持つというテストの場になった。勇気を持ってトライすればいい結果が生まれるということは、今日の試合で実感できたと思う。それだけコンパクトになったことで、相手がフリーで持っている時間は少なくなったと思うし、ウチのボールの奪いどころも高くなった。一つ課題を挙げるならば、ボールを失った時にもっと早いタイミングで(攻守を)切り替えられればいいと思う。

――今回はウルグアイ戦に比べて準備期間があったが、選手に何を伝えてどれだけ達成できたと考えるか?

 この10日間でたくさんのことができたし、チームとしていろいろ整理することができていたと思う。大切なのは、チームに優先順位をつけて、一つずつ植え付けるというか、復習する作業ができたこと。それが終わったあとにディテールの部分に入っていけると思うので、ここ数日はチームのフィロソフィーやコンセプトを植え付けることに費やした。先ほど選手に言ったのは、おのおののクラブに戻ったら監督の指示をしっかり聞くように。同時に、代表チームのやり方というものも引き出しに閉まっておいてほしいとも話した。代表は、おのおののクラブでやっているサッカーもチームメートとも違うので、忘れないでほしいということは伝えた。

 最後に、2020年の東京五輪が決定したことについて、おめでとうと申し上げたい。また、たくさんのサポーターが応援してくれたことについても感謝したいと思う。

<了>

 

アッピア監督「日本は素晴らしいチーム」
試合後、ガーナ代表監督会見
【スポーツナビ 2013年9月11日】

 サッカー日本代表は10日、日産スタジアムで国際親善試合のガーナ代表戦に臨み、3−1で勝利した。香川真司、遠藤保仁、本田圭佑がゴールを決めた。試合後、ガーナのジェームズ・クエシ・アッピア監督は「一人の選手の名前を挙げるまでもなく全員が良かった」と日本についての印象を語った。また、アフリカをアジアの違いについて問われると「アフリカはスキルとフィジカル、アジアはスピードとスキルに優れている」とそれぞれの特徴を挙げた。

アジアとアフリカの特徴を持ったチームを目指す

――ワールドカップ(W杯)のアフリカ予選から主力選手が離脱したが、そのことが結果に影響していると思うか?

 ザンビア戦のあと、けがをした選手が何人かいた。昨日も申し上げたが、(ミカエル・)エシアンは試合の4日前に父親が亡くなった。(ケビン・)ボアテングもひざのけががあり招集しなかった。他にも体調不良や故障などで招集を見送った選手がいた。ただし、強いチームにはしっかりとした控えの選手が必要で、今はそれを構築しているところだ。今日のパフォーマンスは良かったが、若い選手ということで集中力に欠けていた。それでも常に高いレベルを目指す意味では、今日の試合は大事だったし、選手はよくやったと思う。そうした高いレベルのチームを作って、W杯に臨みたいと思う。

――日本の1点目を決めた香川の印象は?

 日本は素晴らしいチームで、一人の選手の名前を挙げるまでもなく全員が良かった。香川については何もいう必要がない。彼がいい選手であることは誰でも知っているからだ。

――サイドバック(SB)のハリソン・アッフルをMFで起用したが、その評価は?(ガーナ記者)

 アッフルはいつもは左か右のSBだが、彼はユーティリティーな選手なので今日の役割は完ぺきにこなしていた。一つのポジションでなく、いろいろできるのは選手にとって重要で、特にトーナメントだとメリットになる。そういう意味で、アッフルにも他の選手にも満足している。ただし、この高いレベルでプレーするとき、集中力を切らすとガツンとやられてしまう。それを除けば良いプレーをしていた。

――アフリカとアジアのサッカーの一番の違いは何か?(外国人記者)

 個人的には、アフリカはスキルとフィジカル、アジアはスピードとスキルに優れていると思う。私としては、アジアのスピードとアフリカのフィジカルとスキルを持ち合わせたチームを作りたいと思っている。

<了>

 

ガーナ戦後 選手コメント【スポーツナビ 2013年9月11日】

 サッカー日本代表は10日、日産スタジアムで国際親善試合のガーナ代表戦に臨み、3−1で勝利した。香川真司、遠藤保仁、本田圭佑がゴールを決めた。試合後、前半に同点のチャンスを逃した本田は「前半に外して焦っていた」としながらも、「こういうときでもしっかりと結果を残すという意識は持っていた」と締めた。また、先日開催が決まった東京五輪については、「現役を続けようと思うきっかけになる大会だと思います」と語った。

 一方で、追い上げの口火となる先制点を挙げた香川真司は、「ゴールは自信をもたらしてくれる」と、一定の手ごたえをつかんだようだ。

本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)

「ガーナの身体能力は世界レベル」

 ガーナの身体能力は世界レベルだと感じました。読まれたり五分五分の場面なると、どうしても差を見せつけられてしまいます。だからと言って1対1で勝てないわけじゃないし、相手を抜くことも抑えることも可能です。なので、このレベルに慣れる必要があります。慣れていくのが難しいリーグでやってる選手もいますが、それでも今日感じたスピードを忘れずに、意識して取り組んでいくことが大事だと思います。得点については、前半に外して焦ってはいました。しかし、真司の素晴らしいゴールとヤットさんのゴールで逆転でき、トータルでは僕らが試合をコントロールしてたといっても過言ではない内容だったと思います。

(守備ばかりがフォーカスされているが、チームが得点を取り続けているところをポジティブに捉えてほしいのでは?)僕が言ってみなさんが協力してくれるのであれば、僕も毎日話すんでしょうけど。(東京)五輪も決まりましたし、みんなで力を合わせて前を向いてやっていきましょうってことだと思います。(東京五輪は)出ようかなと考えさせる大会であることは間違いない。ですが、それはすごいことだし、現役を続けようと思うきっかけになる大会だと思います。それに将来、そのときにベストでいける20代前半の選手や、高校生、中学生にとってはこの上ない大会になると思います。

香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)

「ゴールは自信をもたらしてくれる」

 とりあえずシュートが入ったことは1つ自信になります。それに勝てたことは良かったと思います。ゴールの場面は、中に行ったときにディフェンスがいなくて、もう一つ持ち込んでシュートというイメージができていました。それに、今日は自分のミスで失点してしまった。チームとして無失点で終えたかった試合でああいう形はやってはいけないので、そういう責任もありました。

(クラブでの出番がなく考えすぎることはあったか?)そうですね。考えすぎるかどうかは分からないですが、試合をやっていない分、こういう緊張感あるゲームがありませんでした。だから、(試合を)やるのはすごくいいことですし、ゴールは気持ち的に常に自信をもたらしてくれます。クラブと代表は違いますけど、いい形で帰れると思ってるので、クラブでチャンスが来たときに(結果を)残せるように頑張りたいと思います。

柿谷曜一朗(セレッソ大阪)

「攻撃はダイレクトが一番生きる」

 相手のアプローチの質は(グアテマラより)多少は上がったと思います。しかし、この程度と言うと相手に悪いですが、もっと上を目指すなら、この程度のプレッシャーの試合はミスなく、しっかりやらなければいけないと思います。なので、個人的にはミスが多く、反省しないといけません。(もっとボールに触りたい?)バイタルのところに僕が行ってしまうと、シャドーの3人の姿が消えると思います。監督からも言われていましたが、オフサイドラインぎりぎりのところで駆け引きをしようと決めていました。シャドーの3人とも満足させるのは難しいと思いますけど、誰からも預けてもらえるようにしたいです。そこの信頼は1トップには必要だと思います。そして、僕が一番前で攻撃している以上、点は取らないといけないです。バイタルに入ったらみんながシュートを打つので、そのこぼれ球を狙っていました。常にゴールは狙っているので、チャンスがあればゴールを決められる自信もあります。

(攻撃はダイレクトが多いが?)そうですね。ダイレクトが一番生きると思います。シャドーの3人は、僕が止めて出したときには走り始めていて、オフサイドになってしまうと思います。なので、難しくてもワンタッチで正確に落とすのは意識しています。多少ざつでもしっかりプレーしやすいところに落としてあげるのは、難しいですけどやりがいもあります。

遠藤保仁(ガンバ大阪)

「入って良かった」

 シュートレンジでしたし、コースはあんまり良くなかったですが、入って良かったという感じです。アシストは、あの辺にいいボールを蹴ればという感じでやりました。後は中の入り方次第です。麻也もうまくつぶれてくれて、圭佑もよく当ててくれました。あのゴールでだいぶ楽になったと思います。先に点を取られてしまったので、相手が引いてカウンターの形になりました。なので、カウンターを受けないようなボールの取られ方も考えないといけませんでした。何度か危ない場面があり、2点3点取られてもおかしくない状況もあったので、今後はそういう形を減らしながらやっていければいいと思います。

吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)

「もっと効果的なボールを出したい」

 前には強いですけど、ボールウォッチャーになるので、背後にできるスペースは狙えると思っていました。本田さんも曜一朗もそういう動きをしてくれていたので、自分のところから裏に出せれば良かったが、なかなかいいボールを通せなかった。もっと効果的なボールを出したいです。全体としては、基本的に通用したと思います。ただ、相手に主力がいたらもっと身体能力の高い選手が出てきたと思うので、そこに対してよりいっそう組織をまとめて戦わないといけません。

(2試合続けて3−4−3に変えたが?)頭の中で分かっていても、相手が変わればやり方も多少変わってくるし、スピードも違います。引き続きやっていくことが大事だと思います。

長谷部誠(ニュルンベルク/ドイツ)

「逆転するのは久々」

 先制されてから逆転するのは久々なので、勝てたことに関しては良かったです。しかし、カウンターで悪い点の取られ方をして、ゲーム運びとしてはよくなかった。ただ、後半にしっかり3点取れたことは収穫です。得点については、相手がルーズになった部分は確かにあったけど、サイドから中に入っていい形が作れたと思う。前半もシュートはあったし、試合を通してそういう意識はあったけど、後半に特にということはありません。

 コンフェデレーションズカップとウルグアイ戦で出た課題について、今回の練習で意思統一がはっきりできました。トップレベルの4チームとやって出た課題がここにきて意味のあるものになってきたと思います。特に前線からの守備がだいぶ変わりました。それにボールを取られた後の切り替えも早いし、パスコースも限定してくれます。

今野泰幸(ガンバ大阪)

「相手もミスが多くなって助かった」

 前半、ミスからカウンターを受けて、バランスが崩れたところを攻められたりして、ひやひやする場面があり、危ないかなと感じていました。後半は、相手もミスが多くなって助かったというのが正直な気持ちです。失点は、運が悪いとも思うけど決められたのは必然。何かのバランスが悪いから決められています。だから、ポジショニングも含めてもう一回、確認する必要があります。

(柿谷の生かし方、使い方は?)まだまだ生かせていないと思うし、練習から見ているけど、能力はものすごいものを持っています。今日の相手はボールウォッチャーになっているから、サイドから良いボールが入れば絶対に決めることができたと思います。カウンターもあるし、収まるし、遅攻もできる。頭も良い選手です。(香川、本田、柿谷のセットは?)あの3人にボールが入れば、まずボールは奪われない感じがありますし、チャンスが作れる感じがします。しかし、あの3人のところで取られたときに、リスクマネジメントをしっかりしないといけないと思いました。何本かは取られますから。

川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)

「勝ってプレーで何かを示したかった」

 今日一番大事だったのは、結果と、守備と攻撃で自分たちの形を取り戻せるかということだったと思います。そういう意味では、ここ2試合勝てたことは非常に大きなことです。しかし、10月、11月と試合があるので、僕たちがどれだけチームとして完成度を高める意識を持つかが大事になると思います。今日の試合で言えば、逆転してから失点しないことが非常に大事でした。ただ、この2試合の結果が全てではないので、どういうことをやるのかをもう1回積み重ねなければ意味がないです。ここから、もう1回自身が自分たちを見つめ直して、自分たちの形をより向上させられればいいのかなと思います

 個人的に今日は、数日前に亡くなった昔名古屋グランパスで一緒にプレーしていたマレク(・スピラール)のお葬式だったので、絶対に勝ってプレーで何かを示したかったのはありました。ちょうど試合の時間帯くらいがお葬式だったので、行けなかった分、勝てて良かったと思いますし、今日は彼のためになるプレーができたのかなと思います。

齋藤学(横浜F・マリノス)

「越えていかなければ」

 フォーメーションが変わったりしていたので、どういう仕事をするのか、整理して入りました。しかし、時間が短かったので、特に動きの部分で変化はありませんでした。あとはどれだけ結果に結びつけるかが課題だと思います。真司くんや圭佑くんのように、決める人は決めるので、ああいう選手たちと一緒にできたのは大きかったと思います。並んで一緒にやらなければいけない、越えていかなければいけないと思うので、もっとやらないとと思いました。

<了>

 

少なくなかった9月シリーズの意義 今後の日本代表に求められること
【スポーツナビ:宇都宮徹壱 2013年9月11日】

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良いことばかりではない「世界最速での予選突破」

 日本代表の9月シリーズ。6日に大阪・長居でのグアテマラ戦に続いて、10日に横浜国際で対戦するのはアフリカの強豪ガーナである。最新のFIFA(国際サッカー連盟)ランキングでは24位。18位のコートジボワールに次いで、アフリカ2位のポジションに付けている(日本は37位)。3年前に南アフリカで開催されたワールドカップ(W杯)では、ヨハネスブルクで行われたウルグアイとの準々決勝にPK戦の末に敗れたものの、延長アディショナルタイムに与えられたPKを決めていれば、大会史上初めてとなるアフリカ勢ベスト4進出が実現していた。

 先月、ウルグアイとの親善試合に2−4で敗れている日本にとり、前回大会ベスト8のガーナとの対戦は、2つの意味で重要なマッチメークであった。まず、自分たちの現在地を確認すること。そして、本大会で対戦する確率の高いアフリカ勢と手合わせできること。ところが来日直前になって、ケビン=プリンス・ボアテング、アサモア・ギャン、マイケル・エッシェンといった主力選手が不参加であることが判明して、関係者を大いに慌てさせた。もっともアフリカのチームが来日する際には、こうしたことは往々にして起こり得るもの。ベストメンバーをそろえたアフリカ勢とマッチメークするためには、やはりメンバーの多くがプレーしている欧州まで、こちらから出向くしかない(実際、09年にオランダのユトレヒトで対戦した時のガーナは、それなりのメンバーがそろっていた)。

 とはいえガーナにも言い分はある。今回の日本戦の位置づけについて、ガーナのジェームズ・クエシ・アッピア監督は「プレーオフと言われる3次予選が控えているので、選手には高いレベルで試合ができることを証明して、次のプレーオフ、さらには本大会でも起用できるところを見せてほしい」と語っていた。アフリカ大陸予選は、2次予選を勝ち上がった10チームが、2チームずつ5組に分かれ、10月と11月にホーム&アウエーでプレーオフを戦う。これに勝ち残った5チームが、晴れてブラジルへの切符を手にするのである。2次予選を比較的楽に1位通過したガーナだが、さりとて残り2試合の重要性を考えるなら、ここで主力全員に長旅を強いるよりも、むしろバックアッパーの充実に力点を置くのは十分に理にかなっていると言えよう。

 そんなわけで私は、今回のガーナを非難することはできない。それよりも「世界最速での予選突破」というのは、実は強化面であまりメリットがないのではないか、と最近は考えるようになった。確かに本大会への準備期間が長く確保できるのは悪くない。が、他の大陸が予選まっただなかで、わざわざ日本までベストメンバーで来てくれるチームというのは決して多くはない(ウルグアイはかなりの例外と言えよう)。予選が早く終るのも、実のところ痛し痒しである。

アンラッキーな失点にも気落ちすることなく

 この日の日本のスターティングイレブンは以下のとおり。GK川島永嗣。DFは右から内田篤人、吉田麻也、今野泰幸、長友佑都。中盤は守備的な位置に長谷部誠と遠藤保仁、右に清武弘嗣、左に香川真司、トップ下に本田圭佑。そしてワントップは柿谷曜一朗。4日前のグアテマラ戦から5人が入れ替わった――というより、いつものメンバーに戻ったと言ったほうがいいだろう。左膝を痛めてチームから離脱した岡崎慎司の代わりには、いつものように清武が選ばれた。前の試合でゴールを決めた工藤壮人という選択肢もあったが、指揮官の中では依然として右MFの3番手という序列のようだ。 

 試合内容については、得点経過を中心に振り返る。最初にゲームが動いたのは、前半24分。きっかけは、相手陣内での香川のパスミスだった。すかさず右サイドから前線にボールを運ぶガーナに対し、日本も全員が自陣に戻るも、香川が背後からカットしたボールが長友に当たって中央に流れ、走り込んでいたアチェアンポングの足元に到達する。さらにアンラッキーは続き、アチェアンポングのシュートは飛び込んできた内田に当たってコースを変え、そのままゴールに吸い込まれていった。偶発的と言ってしまえばそれまでだが、直前まで日本がチャンスを作っていただけに、非常に悔やまれる失点であった。

 しかし、これで気落ちする日本ではなかった。後半早々の5分、長友からのパスを受けた香川が、左からドリブルで中央に切り込んで右足で鋭いグラウンダーのシュートを決め、自らのミスを帳消しにする。19分には、本田からのヒールパスを受けた遠藤が豪快なミドルを放って逆転に成功。さらに後半27分には、遠藤のFKに走り込んだ本田がヘッドでたたき込み、ダメ押しの3点目を挙げた(本田はこれで3試合連続ゴール)。

 スタメンの平均年齢22.9歳のガーナは、モチベーションの高さと縦へのスピードではそれなりに脅威を与えていたが、チームとしての練度ではやはり難があった。後半、運動量と集中力がめっきり落ちたブラックスターズ(ガーナ代表の愛称)に対し、日本は集団と個の力を巧みに織り交ぜながら優位に試合を進め、終わってみれば3−1の快勝。6万4525人の大観衆を前に、年内最後のホームゲームを勝利で締めくくった。

9月シリーズの収穫は何だったのか?

 「コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)とウルグアイ戦で出た課題について、今回の練習で意思統一がはっきりできた。トップレベルの4チームとやって出た課題が、ここにきて意味のあるものになってきたと思う」(長谷部)

「今日、一番大事だったのは、結果と、守備と攻撃で自分たちの形を取り戻せるかということ。そういう意味では、ここ2試合で勝てたことは非常に大きい」(川島)

「この程度というと相手に悪いけど、もっと上を目指すなら、この程度のプレッシャーの試合はミスなく、しっかりやらなければいけない。個人的にはミスが多く、反省しないといけないです」(柿谷)

 試合後の選手たちのコメントを聞くと、反省点は多々あれど、一定以上の手応えをつかんでいることが感じられた。この9月シリーズの収穫は、いくつも挙げられよう。9日間にわたる合宿と2試合を経験することで、チームとしての意思疎通と東アジア組(とりわけ柿谷と森重真人)との融合が進んだこと。試合中での3−4−3へのシステムチェンジも戸惑いなくできたこと。そしてしっかり連勝したことで、コンフェデ杯からウルグアイ戦に続く大量失点で失いかけた自信を取り戻したこと。

 そうして考えると、9月シリーズの意義は少なくなかった。もっとも「自信を取り戻す」ことについては、すでにグアテマラ戦で達成できていたのも事実。このガーナ戦については「自分たちの現在地を確認すること」も、そして「アフリカ勢へのシミュレーション」も、どちらも不履行に終わったと認めざるを得ない。この時期のマッチメークの難しさは重々認めた上で、それでももう少し何とかならなかったかという悔いは残る。

 年内の国際Aマッチは、残り4試合。すでに10月については、セルビア(11日)とベラルーシ(15日)との対戦が決まっている(いずれもアウエー)。そして11月もヨーロッパで、おそらく本大会出場が決まったチームと対戦する。できればそのうち1試合は、アフリカ勢との試合を組んでほしいとも思うのだが、その時期はプレーオフのセカンドレグに当たっており、向こうはそれどころではないだろう。だからといって、2次予選で敗退したチームと対戦しても、相手のモチベーションは決して高くはないはずだ。来年の国際マッチデーが、今のところ3月5日しか決まっていないことを考えると、今後のマッチメークに関しては、これまで以上に慎重に吟味する必要がある。

ザッケローニのメッセージに込められた意味

 来年6月の本大会まで残り9カ月。来月の欧州遠征が始まるころには、カウントダウンの機運はさらに高まっていることだろう。本番までに日本代表が確保できる試合数には、当然ながら限りがある。となると、これからの1カ月、選手たちは各クラブに戻って、それぞれ鍛錬を積むしかない。その意味で、試合後のザッケローニのこの言葉が心に響いた。

「先ほど選手に言ったのは、おのおののクラブに戻ったら監督の指示をしっかり聞くように。同時に、代表チームのやり方というものも、引き出しに閉まっておいてほしい」

 何でもない言葉のようだが、実のところ、レギュラーポジションを確保できていない選手に向けられたメッセージであるように、私には感じられた。具体的には、マンチェスター・ユナイテッドの香川、サウサンプトンの吉田、そしてこのほどニュルンベルクに移籍した長谷部である。とりわけ吉田と長谷部については、このまま出番が少ない状況が続くと、代表にとっても非常に由々しき問題となりかねない。周知のとおりザッケローニは、ボランチとセンターバックの4人をずっと固定化している。しかしその内訳といえば、J2クラブ所属が2人、出場機会が恵まれない海外組が2人。来年、世界を相手に真っ向勝負するためには、センターラインを担う彼らが現状のままで良いとは、到底言い難い。

 日本代表を強くするためには、一定期間集まってトレーニングを積むことや、強豪チームと手合わせすることも、もちろん大切だ。しかしその前提となるのは、おのおのの選手が、より高いレベルのリーグで恒常的にプレーすることである。だからこそ、遠藤と今野にはガンバ大阪のJ1昇格に向けて全力を尽くしてほしいし、吉田と長谷部には所属クラブでのポジション争いに勝利して、来月の欧州遠征には万全のコンディションで合流してほしい。日々のリーグ戦の向こう側に、W杯の戦いがある。今回の9月シリーズは、そんな当然すぎることをあらためて提示した。

<了>

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〔※写真:所属クラブで出場機会を得られていない香川(右)。こうした状況が続くと代表にとっても由々しき問題となりかねない【Getty Images】〕

 

キリンチャレンジカップ2013:日本 3-1 ガーナ・・・勝って良かったことと残った課題と・・・」への3件のフィードバック

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