米マイクロソフトと米ヤフー、インターネット検索事業での10年間の提携に合意

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この提携が発表されてから現時点まで米Yahoo!の株価が$17から$14後半まで下がってしまいましたが、期待していた30億ドル?の前払い金がなかったことへの失望売りって・・・随分と我が侭で短絡的な株主たちだこと。

・・・まぁ、それはおいといて。

この提携でヤフーもマイクロソフトのBingを採用していくらしいのですが、アメリカはともかく日本では大丈夫でしょうか?しとらすのサイトのうちDrupalな方はヤフーからの来訪者がグーグルはもちろんBing日本版よりも圧倒的に多いのですが、xmlsitemapモジュールが使えるようになったのはつい最近なのでグーグルに関しては様子を見るとしても、Bingって日本語ではまだ精度が悪いですし、クローラが来るわりにはこのサイトの登録が百度(baidu)よりも少ないんですよね。それに、同じBingでも最新の投稿を反映しているという点では 日本Bing<<米Bing なのって、どんだけぇ~?という気がします。

このサイトがどうこう言うのは無視するとしても、日本語のBingはまだ使える代物ではない印象なので、まだ先のこととはいえヤフージャパンがどんなチューニングを施すのか期待したいと思います。まともに使える検索エンジンは1つだけというよりも2つ・3つとある方が、やはりユーザーにとっては利便性が高まりますし。それにマイクロソフトはとってもいけすかない会社ではありますが、ネット検索事業でグーグルに独走されるのも決して好ましくはない状況なので、ここはマイクロソフト=ヤフーに頑張ってもらうしかありませんか・・・。
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[IT-PLUSより↑ヤフー本社前で笑顔を交わすヤフーのキャロル・バーツCEO(左)とマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO=7月29日〔AP Photo〕]



それと、これはチラ裏のグチなんですが、投稿するだけで後は放置状態のWordPressの方はわりとグーグルからの来訪者も多いのですが、Drupalな方はどうにもグーグル相性が悪いみたいで、自分で検索をかけてみてもヒットしやすいのは
 WordPressなサイト>>Drupalなサイト
なんですよね・・・。どうして?

米マイクロソフトとヤフーが提携、グーグルを追撃
【ロイター 2009年7月30日】

[サンフランシスコ/シアトル 29日 ロイター] 米マイクロソフトとヤフーは29日、ネット検索事業で10年間の提携に合意した。両社の関連事業を統合することで、検索最大手のグーグルを追撃する。ただ、オンライン・ディスプレー広告事業の統合には至らなかった。

 今回の提携で、マイクロソフトは検索エンジン「ビング」をヤフーに提供する。両社のプレミアム検索広告の販売は、ヤフーの営業部門が担う。今後、規制当局の審査および承認を経る必要があるほか、提携効果が早急に得られるかは不透明。

 提携合意の発表を受けヤフー株は12%下落した。合意内容にヤフーに対する前払い金支払いが含まれていないなどが投資家の失望を誘った。バーンスタインのリポートによると、一部投資家はヤフーへ30億ドルの前払い金が支払われることを期待していた。

 ジェイコブ・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ライアン・ジェイコブ氏は、前払い金や収入を両社間で分け合うなどの面で「より高い額を望んでいた」と語った。さらに「両社にとりリスクとなる。今回のような大きな提携はうまくいかないことが多い。長期的な提携で、最終的に実行されるには時間がかかる」との見方を示した。その上で「まったく提携しないよりはいい」と述べた。

 マイクソフト株は1.4%上昇、グーグルは0.8%下落した。

 ヤフーは提携で、営業利益が年間で約5億ドル増え、設備投資を年2億ドル節約できるとみている。営業活動によるキャッシュフローも年2億7500万ドル増える見通し。

 現時点で、この提携がグーグルに即座に影響する可能性は低い。ヤフーのキャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)は、当局の承認を得て完全に提携が実施されるには2年半程度かかる可能性があるとの見方を示していることから、提携の効果が出るのは、早くて2012年初めになる見通し。

 コムスコアの調査によると、米国内のネット検索市場では、グーグルのシェアが65%、ヤフーが19.6%、マイクロソフトが8.4%。

 IAC/インタラクティブのバリー・ディラーCEOは「マイクロソフトにとり、サーチ市場のシェア拡大につながる。一方、ヤフーはサーチ事業に関連する経費が削減できる」との見方を示した。

米マイクロソフトとヤフーの提携、規制当局は承認の公算
【ロイター 2009年7月30日】

[ワシントン 29日 ロイター] 米マイクロソフトと米ヤフーは29日、インターネット検索事業での10年間の提携に合意した。米規制当局が今後、独占禁止法(反トラスト法)に基づき厳密な審査を行う予定だが、最終的には承認の公算が大きそうだ。 

 両社はオンライン・ディスプレー広告事業の統合には至らなかったが、関連事業を統合することで検索最大手の米グーグルを追撃したい意向。米調査会社コムスコアによると、米国内のネット検索市場シェアは現在、グーグルが65%、ヤフーが19.6%、マイクロソフトが8.4%となっている。

 今回の提携により、マイクロソフトは検索エンジン「Bing(ビング)」をヤフーに提供し、両社のプレミアム検索広告の販売はヤフーの営業部門が担う。これから規制当局の審査および承認を経る必要があるが、両社では合意完了は2010年前半になると期待を表明している。

 米アキシン・ベルトロップ&ハークライダー法律事務所で独占禁止法を専門とするジョン・ブリッグス弁護士は「問題は、大手が2社となることが適切かどうかだ」と語る。その上で「ブッシュ前政権なら今回の提携をいとも簡単に承認したと思うが、(オバマ)現政権は申請をよく精査するだろう。ただ、おそらく最終的には承認するのではないか」との見方を示した。

 米司法省反トラスト局を監視する立場にある上院反トラスト小委員会のハーブ・コール委員長は、同委員会では、提携によって広告主が支払う金額が増えたり、技術革新が少なくなることを懸念していると明かす。コール委員長は声明で「今回のヤフーとマイクロソフトの合意はインターネット広告および検索市場の大手同士の提携合意であり、厳しい審査は当然だ」と述べ、小委員会で精査する方針を示した。

 一方、米ザッカーマン・スペダー法律事務所所属で独占禁止法を専門とするエバン・スチュワート氏は、今回の提携合意はグーグル対してより強力な競合相手を生むとして逆の評価をする。「競争的市場にとっては良いことだ。広告料金もより競争的なものとなるだろう」との見解を示した。

 また、米バッツェル・ロング法律事務所のリチャード・ブロスニック氏は、10年間という今回の提携合意期間の長さに着目し、規制当局側からは企業合併にも見えるだろうと指摘する。「ネットの世界では(10年は)100年にも相当する。10年間の独占的ライセンスは合併にも等しいのでは」とコメントした。

 一方、グーグルも今回の提携合意の行方を注視する見通しだ。同社は昨年、米司法省からの圧力によって、ヤフーと進めていた広告事業の提携を断念。最大手グーグルのさらなる拡大を阻むため、マイクロソフトと複数の広告主が司法省に対し熱心なロビー活動を繰り広げていた。

 スチュワート氏は、マイクロソフトとヤフーの提携は、ヤフーがマイクロソフトによる買収提案を拒否したことや、グーグルとヤフーの広告提携交渉が失敗に終わったこと、またヤフーの経営陣入れ替えを受けて「必然」だったとみる。「新たな経営陣となり、キャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)はマイクロソフトとの戦略的パートナーシップというベーシックな戦略行動に立ち返った。例えるなら、シーンを加えたり少し変えた、映画のディレクターズカット版だ」と評している。

(ロイターニュース 原文 Diane Bartz;翻訳 植竹 知子;編集 宮井 伸明)

ヤフー・マイクロソフト提携、検索統合に問題は山積
【ロイター 2009年7月30日】

[サンフランシスコ 29日 ロイター] 米マイクロソフトとヤフーは29日、ネット検索事業での提携にようやく合意した。両社がタッグを組むことでグーグルの独壇場とも言える検索市場で追撃しようという狙いだが、先行きはそう簡単ではない。

 ヤフーとマイクロソフトの幹部は、両社による検索関連事業の統合に数年が必要であることを認めている。マイクロソフトがかつて提案したようなヤフーの完全買収などとは違い、今回の合意は根本的に異なる両社の技術や社風の融合、業務的な優先事項の擦り合わせが必要なことから、多くの不確定要素を生むことになる。

 調査会社ヤンキー・グループのアナリスト、カール・ハウ氏は、2社の検索エンジン統合について、互換性のない大量のウェブデータを1つにするという非常に困難な作業だとみる。

 「この作業をシンプルにする1つの手が、ヤフーが自前の検索エンジンを捨て、(マイクロソフトの)Bingを採用することだった」と話す同氏は、銀行合併によるシステム統合に例えて、今後の作業が時間のかかるものになるとの考えを示した。

 10年間の提携の下、ヤフーは自社サイトにマイクロソフトの新検索エンジンBingを導入する一方、マイクロソフトはヤフーの検索技術ライセンスを受け、その一部をBingに採用する。また、ヤフーの検索広告配信システム「Panama」は、マイクロソフトが開発した同様のシステム「AdCenter」に切り替えられる。

 米検索市場における2社のシェアは合わせて約30%だが、統合により両社の広告システムの利用者にとって、より魅力的な環境ができることになる。

 検索エンジンのライコスの元最高経営責任者(CEO)、ボブ・デービス氏は「必要なものはそろった。マイクロソフトは素晴らしい製品を開発し、ヤフーは多くの顧客がいる」と指摘。しかし、統合は長期にわたるもので、時として注意がそがれる作業でもある。ヤフーとマイクロソフトは、来年早々と見込んでいる当局による提携承認後、全世界で統合作業が完了するまでに最長2年かかると見込んでいる。

 <エンジニアも移転か>

 今回の提携により、ヤフーの検索エンジニアの多くにマイクロソフトへの配置換えが起きると予想される。マイクロソフトの本社はワシントン州レッドモンドで、ヤフーの拠点であるカリフォルニア州からは遠く離れている。

 あるマイクロソフトの幹部は、両社の検索事業の拠点をどこに置くかについて明らかにしなかったが、開発チームのオフィスをシリコンバレーを含む複数の場所に置くと話した。

 ヤフーの株式を保有するジェイコブ・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ライアン・ジェイコブ氏は「マイクロソフトはヤフーを買収すべきだった。ヤフーの株主としては、それが最高の結果。マイクロソフト側から見ると、もしもヤフーが他の企業と提携することになれば、どうなるのか」と話す。

 提携による新技術の導入に当たり、検索結果や広告配信に影響をもたらす障害や技術的な不具合が出ることも考えられる。しかし、広告主はそうした事態を受け入れない可能性もある。

 ヤフーは、提携により2億ドル(約190億円)の設備投資費を削減でき、年間の営業利益を5億ドル押し上げることができるとしている。こうしたコスト削減は、売上高の伸びが鈍化し、利益率が低下している同社にとって極めて重要だと言える。

 しかし、ボストン大学のN.ベンカト・ベンカトラマン教授は、技術革新によるメリットが不透明だと指摘。

 「2社にとって注意すべきことは、彼らが個別では対応策を思い付かず、一緒になっても開発できないような新しい技術をグーグルが出してくること」と語る。

 ヤフーのキャロル ・バーツ最高経営責任者(CEO)は、検索技術をマイクロソフトに提供することで、自社サイトやディスプレー広告、携帯サービスの開発に投資を振り向けることができると話す。

 しかし、そうしたサービスを開発する上で重要度を増しているのが、検索から得られるデータだ。こうしたデータは、ユーザーに対して、よりターゲットを絞ったサービスを提供するために利用される。

 バーツCEOとマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、2社が検索データをどのように共有するかは、今回の交渉で最も難しい部分だったと話しているが、詳細は明らかにしていない。

 調査会社ブリガンティン・アドバタイザーズのアナリスト、コリン・ギリス氏は「ヤフーはディスプレー広告に必要な検索データの使用権を捨てたのか。それについては、まだはっきりしていない」としている。

(ロイターニュース 原文 Alexei Oreskovic;翻訳 橋本 俊樹;編集 宮井 伸明)

日本のヤフーも「Bing」採用へ 米Yahoo!とMSの検索提携で
【ITmedia 2009年7月30日】

 「Yahoo!JAPAN」の検索エンジンも「Bing」に――米Yahoo!が米Microsoft(MS)と提携し、MSが開発したBingの検索エンジンを採用すると発表したことを受け、ヤフーは7月30日、「Yahoo!JAPANの検索エンジンにもBingを採用する可能性が高い」とコメントした。検索連動広告についても、MSのプラットフォーム採用を検討する。

 Yahoo!JAPANの検索エンジンは現在、米Yahoo!が開発した「Yahoo! Search Technology」(YST)だが、「米Yahoo!がBingに切り替えた後、日本市場向けにも良いエンジンだと判断すれば、Yahoo!JAPANにもBingを搭載していく可能性が高い」(ヤフーの広報担当者)という。

 「MSと米Yahoo!の発表内容を見てみると、YSTの開発が終了する可能性が高い。ヤフーは以前、Googleやgooの検索エンジンも搭載していたこともあり、ほかの選択肢も消えたわけではないが、YSTが使えないなら、Bingに移行すると考えるのが自然だろう」

 検索連動広告については「現時点では決まっていない」としているが、現在利用している子会社・オーバーチュアのプラットフォームから、MSの広告入札システム「AdCenter」やBingの広告プラットフォームに切り替えることを検討する。

 ヤフーには、米Yahoo!が34.79%、ソフトバンクが40.95%出資している。

 Microsoft日本法人は提携について、「今回の提携はグローバルに波及するが、米国外のことについては詳細を詰めて確認している段階」とコメントしている。

マイクロソフトとヤフー、提携成功に酔えないこの先の試練
【NIKKEINET:IT-PLUS 2009年7月31日】

 米国時間7月29日、マイクロソフトとヤフーは検索エンジンおよび検索広告における提携を発表した。ヤフーにとっては、テリー・セメル元CEOに始まり、現在のキャロル・バーツCEOまで3代に及ぶマイクロソフトとの買収交渉劇が、検索エンジン分野の提携という形で決着を見たことになる。果たして今回の提携は両社に成功をもたらすのか。(在米ITジャーナリスト 小池良次)

■2社の弱点を補強する提携

 まず、提携の骨子を簡単にまとめておこう。

・契約期間は10年間

・マイクロソフトの検索エンジン「Bing」はヤフーが提供する検索サービスの主要アルゴリズムとして採用され、ヤフーに有料で提供される。また、既存のヤフー検索エンジン技術をマイクロソフトはBingに採用することができる

・広告主が検索広告の出稿に利用するプラットフォームにはマイクロソフトの「AdCenter」を採用する。ヤフーは全世界で両社のプレミアムサーチ広告の独占的営業権を得る

・ディスプレー広告については今回の契約に含めず、両社は独自にビジネスを進める

・マイクロソフトの技術を使う検索サービスも含め、ヤフーはユーザーに提供するサービスの所有権を保持する

・ヤフーとマイクロソフトはレベニューシェアをおこない、ヤフーのサイトで配信した広告に関して最初の5年間はヤフーが88%を得る

・ヤフーは「サーチ・アフィリエーション・パートナーシップ」を継続する。

・ヤフーとマイクロソフトは、2010年早々と見込んでいる政府機関による提携承認後、全世界で統合作業が完了するまでに最長24カ月かかると予想している。ヤフーは提携により2億ドルの設備投資費を削減でき、年間の営業利益を5億ドル押し上げると期待している

・提携では個人情報の保護を行い、両社による個人情報の共有は最小限にとどめる
(マイクロソフト、ヤフーのプレスリリースより)

 この発表を見ればわかる通り、提携はマイクロソフトとヤフーが両社の弱点を補強する内容になっている。米国のメディアやアナリストの多くは、提携内容について好意的な論調を示しており、両社にとって大きなメリットが期待できるだろう。

■ヤフーに配慮したマイクロソフト

 とはいえ過去の経緯を考えると、ヤフーに対してマイクロソフトがやや多めに譲歩したとの見方もできる。マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、約2年に渡ってヤフーを買収しようと追い続けた。長期低迷に悩むヤフーがこの買収交渉によって疲弊し、投資家からの信頼を失っていったことは承知のとおりだ。マイクロソフトのおかげで、ヤフーの将来は不透明感を増す一方、検索広告でグーグルの独走を招いた。

 発表文にある「提携は検索エンジン分野だけに限定し、レベニューシェアでは大半をヤフーが受け取る」「ヤフーの資産や既存事業については、その独自性を確保する」といった文面は、過去の経緯から見るとヤフーへ悪影響を最小限に抑えようとする配慮がにじんでいる。

 一方、マイクロソフトも「検索エンジン広告を軌道に乗せることだけを狙う」というほど、追い詰められた状況だ。グーグルは米国の広告検索市場約100億ドル(推定)の約7割を押さえる。この巨大な広告収入を背景に、次々と無料のネットアプリケーションを投入し、マイクロソフトの「ウィンドウズ・オフィス王国」を侵食してきた。

 マイクロソフトにとっても「広告アルゴリズム、広告営業プラットフォームをマイクロソフト側で確保する」一方で、苦手の「広告営業でヤフーの力を得る」という今回の協力関係は大きな利点となるだろう。また、売り上げの大半をヤフーに渡す代わりに、アップフロント・フィー(前払い保証金)を避けたことも賢い。

 両社にメリットがある提携内容だが、発表後マイクロソフトの株価は上昇し、ヤフーは若干下落した。この皮肉な結果を受け、マイクロソフトのバルマーCEOは投資家向け説明会でヤフー擁護の発言を繰り返している。

■評価が高まったヤフーのバーツCEO

 今回の提携にこぎ着けたことで、ヤフーのバーツCEOの評価は高まった。オートデスク元CEOだった彼女は、09年1月にヤフーのCEOに就任するとすぐにマイクロソフトとの提携交渉を開始する一方、各事業の見直しに入った。同社の現状を鋭く直視し、過去のしがらみに振り回されることなく、不採算部門の整理による財務体質の強化と基本戦略の練り直しを進めた。

 その間、バーツ氏とCEOの座を争ったスーザン・デッカー氏(元社長)やグレゴリー・コールマン氏(元グローバル・セールス上席副社長)、マルコ・ボーリス氏(モバイル部門上席副社長)、ブラック・ジョージェンセン氏(元CFO)など、これまでヤフーを支えてきた経営幹部が次々と辞め、バーツ氏の激しい社内改革はネット業界でも注目を浴びた。

 従来、経営戦略の軸となっていたモバイル事業やオンラインコンテンツ事業に容赦ないメスを入れたその豪腕ぶりは、混乱も招いた。たとえば、経費がかかる携帯コンテンツ開発ツールの開発を棚上げにしたため、モバイル関連のデベロッパーに混乱が広がった。

 オンラインコンテンツでは、08年に1億6000万ドルで買収したオンライン・ビデオ・サービスのMaven Networksを閉鎖することを7月始めに明らかにした。同社はCBSやCBS Sportsなど30以上のメディア大手のオンラインコンテンツを管理していたが、閉鎖後は契約を終了する。この決定は、バーツCEOが「ビデオサービスは重要な分野」と発言してから1カ月も経たずに行われ、周辺に驚きが広がった。

■従来路線に回帰するヤフー

 こうした一連の改革を見ると、バーツCEOはヤフーを伝統的な戦略に回帰させているようだ。変化の激しいネット業界において、ヤフーは先端技術開発の内製化には力を入れず、新しいサービスや技術を買収や提携によって常に補強してきた。

 検索エンジンはその典型的な例だ。たとえば1998年、ヤフーはインクトミと検索エンジンの提携契約を結んだ。当時、アルタビスタとインクトミの激しい契約獲得競争はメディアで大きく取り上げられた。その2年後にヤフーはインクトミを捨て、急速に力をつけたグーグルを検索エンジンに採用する。その後、検索広告でグーグルと対立したヤフーはオーバーチュアを買収し、グーグルとの提携契約を解消した。それまで、検索エンジンの内製化には関心がなかった。マイクロソフトとの提携は、その従来路線に戻ったことになる。

 また、携帯コンテンツ開発ツール戦略の見直しも、技術内製化に距離を置く従来の方針から見ると納得できる。「iPhone」が切り開いたモバイルアプリケーション分野で、アップルと正面から競争してもヤフーが勝利するのは容易ではない。

 このようにバーツCEOは基本戦略に立ち戻り、ヤフー最大の資産であるウェブ事業の立て直しを進めようとしている。今回の提携はその意味で大きな重みを持つ。

 ただ、事業立て直しのためにマイクロソフトと提携するという選択は、この業界では珍しくない。たとえば、アップルに返り咲いた後、スティーブ・ジョブスCEOはマイクロソフトと提携し、アップル向けのオフィスソフトを確保した。また、独占禁止法裁判でマイクロソフトを激しく攻撃したサン・マイクロシステムズも、事業再建のため提携契約を結んでいる。

 こうして一時的に手を取りあっても、各社は最終的にはマイクロソフトと袂を分かち、独自路線を歩んでいる。ヤフーも10年の長期契約とはいえ、マイクロソフトと友好関係を続けるかどうかはわからない。

■マイクロソフトの反撃が始まるか

 「Windows Vista(ビスタ)」の不振や「Windows Mobile」の迷走など、ここ数年マイクロソフト社内には閉塞感が漂っていた。ビル・ゲイツ氏が引退し、重責を担うバルマーCEOにとって、今回の提携は大きな朗報だ。株式市場も提携に好感を示した。

 次世代のアプリケーション業界、特にマイクロソフトが得意とする個人生産性ツールの分野では、ネットアプリケーションへの移行が欠かせない。グーグルが広告による無料化を進める以上、マイクロソフトも広告依存モデルに切り替える必要がある。今回の提携は個人生産性ツールの分野でマイクロソフトが反撃するきっかけとなるかもしれない。

 ただ、マイクロソフトの全社戦略から見ると、ヤフーとの提携は建て直しへの「最初の一歩」に過ぎないだろう。同社にとって競争相手はグーグルだけではない。企業向けの基幹システム分野ではIBMやヒューレット・パッカード(HP)、オラクルなどと戦わなければならない。バルマーCEOが提携成功に酔っている暇はない。

 なお、マイクロソフトに有利と評価した証券市場とは対照的に、広告業界ではヤフーへの支持が広がっている。グーグルの独占による広告価格の上昇やサービスの停滞などが懸念されていたためだ。

 ◇ ◇ ◇

 今回、両社はあからさまにグーグルへの対抗姿勢を表明した。グーグルとマイクロソフトの間で揺れ動いていたヤフーは、ようやく旗幟を鮮明にした。とはいえ、提携によってマイクロソフト・ヤフー陣営がグーグルを楽にキャッチアップできるわけではない。今回の提携はグーグルに負けている部分を埋め合わせる内容で、グーグルを超えるサービスやツールをマイクロソフト・ヤフー陣営がすぐに生み出してくるとは思えない。

 残念ながら、シリコンバレーを見渡しても、グーグルほど次世代のネットについてはっきりしたビジョンを持つ企業はない。提携発表後も、マイクロソフトやヤフーに対する厳しい視線は続いている。