小澤征爾さん、グラミー賞の最優秀オペラ・レコーディングを受賞

この度は小澤征爾さんがグラミー賞(最優秀オペラ録音)を受賞されたとのこと、誠におめでとうございます!
Grammy2016

今回受賞作となった小澤征爾&サイトウ・キネン・オーケストラによるラヴェルの歌劇『子供と魔法』はナクソス・ミュージック・ライブラリでも配信されています。
http://ml.naxos.jp/album/00600406516923

 


 

ラヴェル:歌劇『子供と魔法』/小澤征爾&サイトウ・キネン・オーケストラ他【Decca】

モーリス・ラヴェル
・歌劇『子供と魔法』

指揮:小澤征爾
管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ
合唱:SKF松本合唱団、SKF松本児童合唱団、他
子供:イザベル・レオナルド(メゾ・ソプラノ)
肘掛椅子、木:ポール・ゲイ(バス・バリトン)
母親、中国茶碗、とんぼ:イヴォンヌ・ナエフ(アルト)
火、お姫様、うぐいす:アンナ・クリスティ(ソプラノ)
雌猫、りす:マリー・ルノルマン(メゾ・ソプラノ)
大時計、雄猫:エリオット・マドーレ(バリトン)
算数を教える小さい老人、雨傘、中国の茶碗:ジャン=ポール・フシェクール(テノール)
安楽椅子、コウモリ:藤谷佳奈枝(ソプラノ)

録音時期:2013年8月23,25,28,31日(ライヴ)
録音場所:まつもと市民芸術館

http://ml.naxos.jp/album/00600406516923

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ボストン交響楽団[https://www.bso.org/]の音楽監督を1973年から29年にわたって務めておられた小澤さんが全米のためとも言えるグラミー賞で初受賞というのは大いに意外感を持ちましたがが(ノミネートは過去に何度かあったそうだが)、そのグラミー賞で全てのジャンル通じてダントツの最多受賞記録保持者ゲオルク・ショルティがシカゴ交響楽団を率いていた時期とほぼ重なっていた巡り合わせの悪さは、これはもう運が無かったとしか言いようがないので仕方ないですね。

今や伝説の人物であるトランペット奏者アドルフ・ハーセスらを筆頭とした世界最強のブラスセクションを擁するシカゴ響の黄金期を築き上げたショルティの40とも言われる受賞歴は、あの米国の寵児バーンスタインですら遥かに凌ぐ記録で、これ塗り替えるミュージシャンなんて今後も出てこないでしょうし…ジャズ界の巨匠パット・メセニーですら個人+グループでまだ20弱なわけですから、如何に優れた音楽家だったかを示しているかと思います。ショルティの評価が未だに日本では実力に比して高くないのは、あまりにもったいないですね。

閑話休題

シャルル・ミュンシュの弟子でもあり、そのミュンシュがボストン響に残した遺産を再興して独グラモフォンや蘭フィリップスに数多くの録音を残し、地元にも大人気だった小澤さんですが、グラミー賞を競う相手がショルティ&シカゴ響ではさすがにやや分が悪かったのは否めないでしょう。そして長らくボストン響のシェフを務めた後にウィーン国立歌劇場の音楽監督を引き受けた時期はクラシックのレコード業界自体がすでに衰退の一途に入っており、彼自身の病気療養とも相まって円盤リリースも減少していました。サイトウ・キネンとの『子供と魔法』は実に4年ぶりのリリースで、そのラヴェルのオペラが米国とは接点のないマイナーな作品であることと指揮者・オケ・合唱・演奏場所が米国でなく日本であることなどを考え合わせると、元来は全米の音楽界のためにあるグラミー賞の今回の初受賞は、NARASから小澤さんへのボストンその他での業績に対する、最初で最後の感謝の餞のように思えてなりません。

ともあれ、改めてこの場で、小澤さんには受賞おめでとうございますと祝辞を申し上げるとともに、今後のご健勝をお祈りいたします。

グラミー賞に小澤征爾さん指揮のアルバム 初の受賞【朝日新聞 2016年2月16日】

 米音楽界の祭典、第58回グラミー賞授賞式が15日(日本時間16日)に米ロサンゼルスであり、指揮者の小澤征爾さんが指揮したラベル作曲の歌劇「こどもと魔法」を収めたアルバムが最優秀オペラ録音賞を受賞した。小澤さんがグラミー賞にノミネートされるのは8度目で、初の受賞だ。

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 小澤さんが指揮した歌劇「こどもと魔法」は、2013年8月に長野県松本市で開かれた音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(現在は「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」と改称)で録音された。サイトウ・キネン・オーケストラが演奏し、地元の子どもらの合唱団も参加した。

 小澤さんは音楽祭公式サイトに「この『こどもと魔法』は僕の大事な仲間であるサイトウ・キネン・オーケストラとすばらしい歌い手たちと創った作品で彼らのお陰で、充実した練習と公演ができてとても楽しかった。それが松本のフェスティバルの力なのだと思う。たいへんうれしく、みんなとこの作品を創れたことを誇りに思います。仲間たちとこの喜びを分かち合いたいです」とコメントを寄せた。

 最優秀劇場ミュージカル・アルバム部門でノミネートされていた俳優の渡辺謙さん主演の舞台「王様と私」は受賞を逃した。(ロサンゼルス=平山亜理)

 

小澤征爾さん、グラミー賞の最優秀オペラ・レコーディングを受賞 「誇りに思う」
【ハフィンポスト日本版 2016年2月16日】

世界最高峰の音楽の祭典「第58回グラミー賞」(アメリカ・ロサンゼルス)で、指揮者の小澤征爾さん(80)が指揮した『ラヴェル:歌劇《こどもと魔法》』が2月16日、クラシック部門の最優秀オペラ・レコーディングを受賞した。小澤さんがグラミー賞を受賞するの初めて。グラミー賞の公式ツイッターが速報した。

ユニバーサルミュージックの公式サイトによると、アルバムは、2013年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ 松本フェスティバル)で行われた公演をライヴ収録したもの。 子供が主人公のファンタジーで、ラヴェルの色彩豊かなスコアをサイトウ・キネン・オーケストラが見事に再現。豪華な歌手陣のコミカルな演技もあいまって、とても楽しいステージとなった。

小澤さんによるラベル作品のオペラは、初録音。小澤さんは病気療養のため、2012年3月から公演活動を休止していたが、この公演で約50分にわたるオペラを指揮。約1年半ぶりの本格的な活動再開となった。

小澤さんはこの作品が同賞にノミネートされた年、「『子どもと魔法』は僕がパリのオペラ座でデビューした時のオペラです。とても光栄です。この喜びをみんなと分かち合いたいです 」などとコメントしていた。

セイジ・オザワ 松本フェスティバルの公式サイトによると、小澤さんは今回の受賞にあたり、次のように語った。

「この『子どもと魔法』は僕の大事な仲間であるサイトウ・キネン・オーケストラとすばらしい歌い手たちと創った作品で彼らのお陰で、充実した練習と公演ができてとても楽しかった。それが松本のフェスティバルの力なのだと思う。たいへんうれしく、みんなとこの作品を創れたことを誇りに思います。仲間たちとこの喜びを分かち合いたいです」



 

小澤征爾さんのかつての地元ボストンでは、現在の音楽監督であるラトビアの俊英アンドリス・ネルソンスと手兵ボストン響がグラモフォンからリリースしたショスタコーヴィチの10番シンフォニーが最優秀オーケストラ・パフォーマンスで受賞したこともあり、地元紙では二重の喜びとして報じられているようですね。

Andris Nelsons, BSO, Seiji Ozawa win Grammy Awards
【ボストン・グローブ紙 (By Steve Smith) 2016年2月15日】

The Boston Symphony Orchestra and its music director, Andris Nelsons, struck Grammy gold on Monday night, when “Shostakovich: Under Stalin’s Shadow,” their debut recording for the venerable German label Deutsche Grammophon, earned the prize for best orchestral performance. The award is the BSO’s seventh Grammy (eighth including a 1966 win for the Boston Symphony Chamber Players), and Nelsons’s first.

The CD, which features the Soviet-era Russian composer Dmitri Shostakovich’s Symphony No. 10 and the Passacaglia from his opera “Lady Macbeth of Mtsensk,” is the first release in a series now projected to comprise all 15 of Shostakovich’s symphonies and more, recorded live by Nelsons and the orchestra. The win was announced during the pre-telecast ceremony in Los Angeles, and Nelsons revealed the recording project’s expanded scope during an interview Monday evening.

“Firstly I’m very proud of the Boston Symphony Orchestra,” a tired but audibly ebullient Nelsons said by telephone from Amsterdam, where he is due to conduct the Royal Concertgebouw Orchestra in Shostakovich’s Symphony No. 6 this week. “All of the wonderful musicians, of course, but also the management team, the board, the supporters, and the audience, all the people who are a part of the Boston Symphony family.” Both the nomination and the award, he said, acknowledge the institution’s teamwork and its passion for music.

As importantly, Nelsons asserted, the award also honors Shostakovich. “In the end, it’s about the composer, about these great symphonies — and of course in this case, the Symphony No. 10 was very personal to Shostakovich,” he said. “I’m thankful to Deutsche Grammophon, our partners — we are going to record the complete Shostakovich symphonies and hopefully some other things as well. They took a partnership with us, and took such a great composer as Shostakovich. Somebody else might have said, ‘You could have taken somebody easier.’”

As originally announced, the project undertaken by Nelsons, the orchestra, and the label featured Shostakovich’s Symphonies Nos. 5-10 and a handful of smaller works. The next release, a two-CD set including Shostakovich’s Symphonies Nos. 5, 8, and 9 and incidental music from “Hamlet,” is scheduled to arrive in late April. But now, in addition to a complete cycle of Shostakovich’s 15 symphonies, a new recording of the opera “Lady Macbeth of Mtsensk” is also under discussion — with official resolve now presumably bolstered by a Grammy win.

“It’s a huge honor,” Nelsons said, “and also, for me, as a conductor who doesn’t play any notes, a great honor and confirmation of how great the musicians of the Boston Symphony are, on the one hand, and on the other, how great and ingenious Shostakovich’s music is, and how necessary it is to hear this music now.

“The world is going a bit crazy,” he added, “and what Shostakovich says through these symphonies is actually very [timely] nowadays. I’m very happy and touched that people feel the necessity to listen to this music, and that this music gives them emotional and intellectual comfort.”

Another name familiar to BSO audiences also entered the winners’ circle on Monday: Seiji Ozawa, the orchestra’s music director from 1973 to 2002 and now its music director laureate, earned the Grammy for best opera recording for a disc of Ravel’s “L’Enfant et Les Sortilèges” and “Shéhérazade.” The recording, which features Ozawa, soprano Isabel Leonard, the Saito Kinen Orchestra, and the Saito Kinen Festival Matsumoto Chorus and Children’s Chorus, was issued by Decca, a sister label to Deutsche Grammophon under the Universal Classics umbrella.

Ozawa’s most recent appearances with the BSO at Symphony Hall took place in fall 2008. He is scheduled to return to Tanglewood this summer, 10 years since his last appearance at the festival; he led his final concert as BSO music director at Tanglewood in 2002.