魔法科高校の劣等生 第22話「横浜騒乱編 4」

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前話と今話の脚本担当が同じ人(菅原雪絵)だから余計に矛盾めいた印象を感じてしまうのだけど、明らかに配分とカットする部分・残す部分の区別を間違えてますよね。少なくとも、前回のサービスシーンは省いて今回のアバンとAパートのFLT行きの部分を前回でやっておくべきでしたね。原作では時系列がそうだからというだけでなく、前もってやっておくべきだったのを後回しにしたツケが今話のストーリーに流れがブツ切りかつ不明瞭という形の皺寄せで影響出てましたし。

具体的には、まず1つ、八雲の忠告
「敵を前にしたら、方位を失わないように気をつけるんだよ」
(※この台詞自体も原作では‘方位を見失わないように’とあるのにアニメで‘方位を失わないように’と日本語では不自然といえる言い方に変えたのは敢えて何か意図があるのか、それとも単純なミスなのか?)
というのは敵の中に人間の方向感覚を狂わせる類の精神干渉の古式魔法“鬼門遁甲”の使い手がいるのを示唆していて、これを見破るのは容易ではない、特に現代魔法しか知らない高校生レベルでは無理ゲーなのを周公瑾が修次との戦闘で負傷した呂剛虎の回収に軽く使ってるのですが、その部分は描写されませんでした。“鬼門遁甲”は敵の奥の手の1つなので、八雲の忠告がどういったものなのかを示すためにも原作通り残しておくべきだったと思いますし、一方で非常ベルを押して呂剛虎の任務を邪魔しておきながら他方では手負いとなった呂剛虎の逃走を手助けするという、周公瑾の立ち位置の二重性を2つの行動をセットにすることで端的に象徴している場面でもあったので、この省略はハッキリ言って感心しません。それに呂剛虎は修次が追いきれないほどの短時間で姿を消したはずなのですが、なんでああも派手に病院施設をブッ壊していくという理解不能な改変をしたのか?あんな画を挿入する暇があったら、その前の戦闘シーンをもっと見応えあるものにしてほしかったですね。

更に付け加えるなら、周が非常ベルを押したシーンは原作でも行為のみが思わせぶりな文章で書かれているだけですが、おおかた「自分がカタつけるってちゃんと言ったし実際に穏便かつ隠密に証拠隠滅しに来たのに、なに脳筋野郎がシャシャリ出てきてんねん、呂剛虎のやり方で平河千秋を消してしまったら無駄に大騒ぎになるだけでしょーがアホめ」とでも思ったんじゃないのかな・・・。

閑話休題

そして2つ目ですが、バイクに2人乗りでFLTのラボに向かう達也と深雪をカラスの姿をした使い魔=化成体(現代魔法にはない古式魔法独特の術)が尾行しているシーン、達也はここで
「この状況で俺の力を知られたくない」
と言っています。原作では実際にラボに着く前に深雪に頼んで彼女の魔法で化成体を消してもらってましたし、この兄妹がラボまで尾行を連れていってるような間抜けなわけはありませんので、演出や表現に多少の変更を加えるにしても原作の大まかな流れの通りにラボに着く前に深雪の魔法で化成体を撃ち落とすストーリーでよかったはずです。それが逆に歓迎されざるお客さんにラボまで尾行された挙句に達也の魔法で消してしまっては―――しかもあの描写じゃあ軍事機密指定の“分解”を使ったようにしか見えへん―――、タイミングが悪いというだけでなく彼の「俺の力を知られたくない」という言動と矛盾しますし、敵が普通の思考を持ち合わせているなら不信感を増幅させることに繋がってはしまわないでしょうか。どうしてこんな論理矛盾な改変をしたのか?
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それにしても、今話で見処になったはずであろう呂剛虎の2度の戦闘場面、予想以上にショボかったですね(苦笑)。九校戦編でも薄々感じていたことですが、このアニメチームは魔法師同士のバトルや魔法を行使している状況の描写が下手ですね―――その最たる例が“術式解体(グラム・デモリッション)”と“術式解散(グラム・ディスパージョン)”―――。文章で書かれているものをアニメ絵にすることの難しさを考慮しても、表現や演出にもっと工夫ができないものかと残念でなりません。論文コンペ当日に横浜で起きた戦争の前哨戦として呂剛虎の2度の戦闘エピソードは腕の振るいどころとしては格好の場面だったはずですが、それがこんな体たらくでは残り4話にもあまり期待できそうにないですし、そもそも端折りに端折って横浜騒乱編までアニメ化する意味がありません。深雪のキモい挙動(あれは原作8巻の追憶編のエピソードを知ってからでないと理解不能ですし・苦笑)を長々と描く手間があるのなら、そのマンパワーを呂のバトルシーンに注いでほしかったですね。力の入れどころを間違えてるあたり、小野さんってアニメスタッフの中ではほとんどお飾りにしかなってないようでホンマもったいない・・・。
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