閃光のナイトレイド 第5話「夏の陰画」

何度かあった真夏の通り雨のシーン、今回の話も短い時間にサーッと降って通り過ぎていく雨のような、淡々と地味に話が進んでいったような感じでした。
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葵が撮影したある写真の中に偶然古い友人の姿を見つけて探し出そうとしたところでトラブルに巻き込まれる葛。彼の旧友という西尾は実は中国共産党のスパイとして国民党に潜り込んでいた上に国民党の資金を着服して姿を消していた。西尾の主義主張に同調しているわけではないけれど、片や昔の友人として、片や今の情婦として、いわば似た者同士みたいに、コミンテルンの‘理’ではなく‘情’(西尾と同じ部位に傷跡を持つということがキーワード?)に突き動かされるようにして西尾に関わろうとする葛と愛玲。
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中国共産党やコミンテルンといった単語がこのアニメの中で出てきたのは今回が初めてでしたっけ?第一次国共合作が崩壊した上海クーデターから4年後、国民党と対立関係にあった共産党はまだ毛沢東の指導権が確立する前、当時の歴史に関心を持つ人にとっては興味が尽きない時期でしょうけど、アニメの中で再び共産党の名前が表舞台に出てくることはあるんでしょうか?

共産党と対立する一方で日本とは比較的宥和な態度をとっていた蒋介石の国民党、そうした図式は桜井が葛に助け舟を出す中で国民党に極秘情報の1つを提供したことにも表れてますかね。1話でもありましたけど真意がどうかはともかく表向きには協力的な態度を示すというか。桜井が葛にクギをさしたのも国民党をあまり刺激したくなかった側面もあるでしょう。そういえば桜井の葛への問い質しがわりとアッサリしてたように思いましたが、西尾のコミンテルン的思想に共鳴したのではなく単にかつての幼馴染を放っておけなかったという葛の今回の行動原理がわかったからなんでしょうね。

ドイツ人の商人を登場させていることなども含めて、背景的事情や深層心理をいろいろと考えながら見ると興味が尽きない回ではありましたが、第一印象が地味でわかりにくかったのは否めなかったように思いますし、当時の中国の政治史の知識と関心をどの程度持ち合わせているかでも評価が分かれるかもしれませんね。淡々と渋い展開で描いているように見えて、ちょっとしたキャラの台詞や表情など各シーンそれぞれ断片に注目していくと色々と見えてくるものがあって、私は面白く見させてもらいました。

次回は3話で登場した高千穂勲の部下の久世が再び登場するようですので、ラストに向けて本格的に物語が動き出すのかな?という期待もあります。クライネフや西尾のエピソードが今後再び絡んでくる場面があるのかどうかにも興味が尽きません。

それから、今話では葛と西尾が再会するシーンとかで終わらせずに、わざわざ西尾が‘処刑’(ですよね?実質)される場面で終わらせていました。単に革命家気取りで暗躍する1スパイの哀れな末期を描きたかっただけなのか、それともこのアニメでの葵たち4人の結末を何かしら象徴的に匂わせるものなのかどうか・・・?まさかね、そこまで捻ってないか・・・。特殊能力持ちにしては(差こそあれ)思想的性格的に地に足が付いた一面を見せている4人がそんな最期ではあまりに悲惨すぎますしね。
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