小山実稚恵20周年記念演奏会 in 京都

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何が20周年かいうと、ショパンコンクール入賞からだそうです。記念演奏会が京都・東京・仙台で行われるとのこと。

小山実稚恵20周年記念演奏会
~ピアノ3大協奏曲の夕べ

2005年11月3日(木・祝)19時開演
@京都コンサートホール

◆F.ショパン ピアノ協奏曲第1番ホ短調 op.11
(休憩)
◆A.N.スクリャービン ピアノ協奏曲嬰ヘ短調 op.20
(休憩)
◆P.Ⅰ.チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23

ピアノ:小山実稚恵
指揮:広上淳一
管弦楽:京都市交響楽団(コンサートマスター:工藤千博)

 京都新聞のトマト倶楽部(文化事業を行う団体?)の主催でチケット代が2,000円とお買得価格なので、大ホールに9割以上の人が入ってました。定期演奏会より多いってのも、なんだかなぁ(苦笑)。まあ、でも小山さんのピアノに広上さんの指揮、これでいくらなんでもハズレはないでしょう、ということで(笑)。

 小山さんのピアノ、音色や強弱などの使い分けを随時的確にしながらも、どんな時でも出す音に一点の曇りも濁りもないのはさすがです。ホール中にガンガン響くわけではないのですが、クリアで美しい音。しかも、広上さんのサポートがいいこともありますが、オケのみんなと一緒になって音楽を作ろう・感じようという姿勢や表情に好感が持てます。

 聴衆が一番盛り上がったのは最後のチャイコフスキーでしたが、個人的にはスクリャービンが一番印象に残りました。若い頃の作品ということで後期ロマン派の影響が強く残ったもので、聴いていても濃厚なロマンティシズム漂うものなのですが、感情をたっぷり込めながらも決してセンチメンタルなものに陥らず、しっかりとした造形感も内容の深みも出ていて大変聴き応えがありました。以前無名のピアニストがやったリサイタルで聴いたスクリャービンはちっともいいとは思わなかったけど、小山さんのような素晴しい演奏で聴くといやでも関心が増しますね。「スクリャービンのピアノ・ソナタ全集をあなたは買いたくな~る買いたくな~~る」と暗示をかけんばかり(爆)でした。
 チャイコフスキーもとてもよかったです。特に終楽章が圧巻でしたね。クリアで芯のしっかりした音はキチンと維持しつつ終始速めのテンポで推進力を伴ってガッ、ガッと突き進むピアノに、以心伝心のように広上さんも(前のめりにならないようにしっかり手綱を締めながらも)オケを引っぱる引っぱる。阿呆がやるとタダの安っぽいものにしかならないチャイコフスキーですが、今日の演奏のように全体の構造をしっかり作り上げておいて終楽章でああいったことをすると、中身の濃い名曲なんだな~と思わされるから不思議です。聴衆だけでなく、オケのメンバー全員が笑顔で暖かい拍手を送っていたのが印象的でした。

 2つの有名なコンクールで上位入賞してはいますが、日頃の鍛錬を怠らず一歩一歩着実に人生の時を刻んできた結果が、今日のような演奏に繋がっているのでしょうね。年齢的に深みが増してくるこれからが注目だと思います。