ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ(全曲)/ケネス・シャーマーホーン&ナッシュヴィル交響楽団

2年ほど前にグラミー賞のクラシック・ジャンルでいくつかの部門賞を取ったアルバムを紹介したことがありましたが、このアルバムの管弦楽を担当したオーケストラのナッシュヴィル交響楽団[http://www.nashvillesymphony.org/]についても別の方がブログで詳しく書かれているのを紹介したことがありました。

今日の京都はあいにくのお天気、さて何聴こうかと考えた時にふとナッシュヴィル響とシャーマーホーンのことを思い出して、彼らの代表作の1つであるヴィラ=ロボスの『ブラジル風バッハ』を聴いてみた次第です。なにぶん全曲となるとCD3枚分なので、ながら聴きでの時間つぶしにはちょうどよかったです。

 

ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ(全曲)/シャーマーホーン&ナッシュヴィル交響楽団 (3CD)【NAXOS】

エイトル・ヴィラ=ロボス
・ブラジル風バッハ 第1番
・ブラジル風バッハ 第2番
・ブラジル風バッハ 第3番
・ブラジル風バッハ 第4番(管弦楽版)
・ブラジル風バッハ 第5番
・ブラジル風バッハ 第6番
・ブラジル風バッハ 第7番
・ブラジル風バッハ 第8番
・ブラジル風バッハ 第9番(弦楽合奏版)

指揮:ケネス・シャーマーホーン、アンドリュー・モグレリア(第1番のみ)
管弦楽:ナッシュヴィル交響楽団
ピアノ:ホセ・フェガーリ(第3番)
ソプラノ:ロザーナ・ラモサ(第5番)
フルート:エリック・グラットン
ファゴット:シンシア・エスティル

録音時期:2005年5月14日(第1番のみ)、2004年3月7,21,23日
録音場所:テネシー州ナッシュヴィル、イングラム・ホール、他

http://ml.naxos.jp/album/8.557460-62

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音楽監督として22年間にわたる在籍期間中にオーケストラの実力の底上げに尽くしただけでなく、ナッシュヴィルの街の芸術水準の向上にも幅広く貢献した指揮者のケネス・シャーマーホーン。彼の死後2006年9月に完成したナッシュヴィル響の新たな本拠地には彼の名を冠してシャーマーホーン・シンフォニー・センターと名付けられてます。

シャーマーホーンが亡くなったのは2005年4月18日ですので、この『ブラジル風バッハ』は彼の最晩年の録音ということになります(第1番だけ録音時期と指揮者が異なっているのはシャーマーホーンの健康が悪化したとかのやむを得ない事情があったのかもしれません)。ここで見せるシャーマーホーンとナッシュヴィル響の演奏は全体的に堅実で精緻なもので、時に情熱的に、また時に抒情性なりカラフルな華やかさ、躍動的なリズム感を見せたりと、ヴィラ=ロボスがこの曲で見せる自由で多彩な側面を的確に表現していると思います。

ヴィラ=ロボスの『ブラジル風バッハ』により一層のブラジル的、あるいはラテン的な何かを求めるならば、この演奏ではニュートラルに過ぎて不満が残るかもしれませんが、そうでないのであれば、シャーマーホーンの統率力と彼に長年鍛えられたナッシュヴィル響の努力の結晶が凝縮されたようなチームワークの良さが垣間見える素晴らしさをここに感じ取ることができるでしょう。