バラダ:カプリチョス第1番・第5番、他/ホセ・ルイス・テメス&イベリア室内管弦楽団、他

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NMLのトップページにランダムで出てくる推薦タイトルで偶々見かけたディスクです。レオナルド・バラダ、1933年バルセロナ生まれでジュリアード音楽院に留学して以降ずっとアメリカに居続けて米国籍を得た作曲家だそうです。作曲をコープランドらに師事していたらしいので、スペインの作曲家というよりもカタルーニャ出身のアメリカ人作曲家、と言った方が適切かもしれません。1970年にカーネギーメロン大学教授に就任し、作曲と教職両方の活動を行なっているようです。

 

バラダ:カプリチョス第1番・第5番、他/ホセ・ルイス・テメス&イベリア室内管弦楽団、他【NAXOS】

レオナルド・バラダ
・カプリチョス第1番『フェデリコ・ガルシア・ロルカへのオマージュ』 (2003)
・カプリチョス第5番『イサーク・アルベニスへのオマージュ』 (2008)
・ハーレムの小さな夜の音楽 (2006)
・レフレホス (1988)

指揮:ホセ・ルイス・テメス
管弦楽:イベリア室内管弦楽団
ギター:ベルトランド・ピエトゥ[カプリチョス第1番]
チェロ:アルド・マータ[カプリチョス第5番]
フルート:タチアナ・フランコ[レフレホス]

録音時期:2010年6月25-27日
録音場所:スペイン、レオン市オーディトリアム

http://ml.naxos.jp/album/8.572625

8572625

 

『レフレホス(Reflejos、英訳では‘Reflections’)』のみ1988年、他の3曲は2000年代の作品なのですが、メインは2曲のカプリチョスでしょう。詩人ロルカへのオマージュと題された第1番がギター協奏曲風で、アルベニスへのオマージュと題された第5番がチェロ協奏曲風の作りになっていますが、どちらもスペイン民族音楽色とアヴァンギャルドが入り乱れるように織り込まれていて、ある種の郷愁にアイロニーすら感じさせる、なんとも刺激に満ちた音楽です。特に第1番はエキサイティングさが突出したような印象で、1作目のカプリチョスをフランコ独裁体制下では発禁処分を喰らっていたロルカへのオマージュとわざわざ銘打っているのも、何かしら意味深なものを感じずにはいられません。

それぞれにたっぷりと様々なスパイスを効かせたようなバラダの音楽には聴き手によって相当に好き嫌いがハッキリとが分かれそうですが、エキサイティングでワクワクするような面白さがある反面でアイロニーと面従腹背のレジスタンス性がそこかしこに見られるカプリチョス第1番は、20世紀に入ってから多くの作品が作られるようになったギター協奏曲の中でもとりわけ異色・異端なものとして、1度は耳にしておいて損はないかと思います。

演奏自体は特に破綻も見られず一定水準にはあると思います。というか、ソロ楽器だけでなく弦セクション、特にヴァイオリンがいろいろと無理難題を押し付けられているみたい(笑)で、それらを無難にこなしただけでも充分なアンサンブル能力があると見ていいのではないでしょうか。