ラヴェル:管弦楽作品集 Vol.2/レナード・スラットキン&リヨン国立管

NMLでは毎月1日に自社レーベルの新譜・旧譜を一括して登録していますが、今日11月1日のラインナップには・・・おぉ〜、1年ぶりとなるレナード・スラットキン&リヨン国立管弦楽団[http://www.auditorium-lyon.com/]のラヴェル・ツィクルスの続編が出ましたね。

 

ラヴェル:管弦楽作品集 Vol.2/レナード・スラットキン&リヨン国立管【NAXOS】

モーリス・ラヴェル
・高雅で感傷的なワルツ
・夜のガスパール[※管弦楽編曲:マリウス・コンスタン]
・クープランの墓[管弦楽版]
・ラ・ヴァルス

指揮:レナード・スラットキン
管弦楽:リヨン国立管弦楽団

録音時期:2012年11月28-29日、2011年9月6日(高雅で感傷的なワルツ)
録音場所:リヨン、オーディトリウム・ドゥ・リヨン

http://ml.naxos.jp/album/8.572888

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8572888

 

まず目を引くのが、『夜のガスパール』のオーケストラ・ヴァージョン。ルーマニアの首都ブカレストの生まれでパリ音楽院でメシアンやオネゲルらに学び、卒業以降も作曲活動の傍ら1978年より1988年までパリ音楽院で教鞭をとるなどフランスで活躍したマリウス・コンスタンが1991年に管弦楽版に編曲したものです。ラヴェルの場合は同じディスクに収録されている『高雅で感傷的なワルツ』や『クープランの墓』のように自身の手でオーケストレーションして残されたものがほとんどなので、これは非常に珍しい例ではないですかね?

で、聴いた感想なんですが・・・コンスタンはよく頑張ったと思う、思うんだけど・・・やっぱりコレジャナイ感が強い(苦笑)。親しくさせてもらっている某ブログさんにコメントで調子こいて書いてしまった一文の中にあるように、ラヴェル本人が“管弦楽の魔術師”と称されるほど卓越した精緻なオーケストレーションの技量とセンスの持ち主だったので、ドビュッシーの前奏曲集をコリン・マシューズらが管弦楽版に編曲したように、コレはコレ・ソレはソレ、でそれなりに楽しみつつ聴くというのが難しいと思うんです。計らずもコンスタン版『夜のガスパール』がそのことを露呈してしまったような印象でした。

演奏に関しては、昨年リリースされた第1弾同様に、スラットキン[http://www.leonardslatkin.com/]はベテラン指揮者らしく全体的には輪郭のクッキリした楷書風の手堅いタクトでオーケストラの良さを上手く引き出していると思いますが、中でも感心したのが『ラ・ヴァルス』。ストラヴィンスキーがスイスの時計職人になぞらえるほどのラヴェルの精緻な書法も、やりようによっては悪魔的とも思えるエモーショナルな部分を見出だせる側面があって、往年のアンドレ・クリュイタンスとパリ音楽院管弦楽団による『ラ・ヴァルス』の録音はその最たるものとして他を圧倒するデモーニッシュな演奏ですけど、スラットキン&リヨン国立管のここでの演奏はさすがにクリュイタンス盤には及ばないものの、この曲のデモーニッシュな一面の片鱗を見せていて唸らされるものがありました。

リリースペースが遅いのが気がかりですが、いずれ続編で出るであろう『ダフニスとクロエ』がどんな演奏になるか、ちょっと楽しみになってきましたね。