ラヴェル:ピアノ三重奏曲・スペイン狂詩曲、トゥリーナ:環、シャブリエ:スペイン/トリオ・ホーボーケン

今日NMLに登録された中に Anima Records という、ピアニストのベルトラン・ジローがフランスの才能豊かな若手演奏家を紹介していくことを主目的にプロデュースしたフランスの新興レーベルから2ヶ月ほど前にリリースされた、ちょっと珍しいディスクがありまして、収録された曲の中にラヴェルの名前があったものですから、ラヴェル好きとしては見逃すわけにもいかず(笑)、ちょっと聴いてみた次第です。

 

ラヴェル:スペイン狂詩曲、シャブリエ:狂詩曲『スペイン』、他/トリオ・ホーボーケン【Anima Records】

モーリス・ラヴェル
・ピアノ三重奏曲 イ短調
ホアキン・トゥリーナ
・ピアノ三重奏のための幻想曲『環』 Op.91
モーリス・ラヴェル[オリヴィエ・カスパール編曲]
・スペイン狂詩曲〔※ピアノ三重奏曲版〕
エマニュエル・シャブリエ[カミーユ・シュヴィヤール編曲、オリヴィエ・カスパール加筆]
・狂詩曲『スペイン』〔※ピアノ三重奏曲版〕

演奏:トリオ・ホーボーケン
   ピアノ:ジェローム・グランジョン
   ヴァイオリン:サスキア・レティエク
   チェロ:エリック・ピカール

録音時期:2012年4月、8月
録音場所:パリ地方音楽院

http://ml.naxos.jp/album/ANM121000001

[※↓画像をクリックするとタワーレコードの商品ページにリンクします]
Anm121000001

 

トリオ・ホーボーケンは2003年に結成された3人のフランス人演奏家によるユニットで、まず1966年生まれのピアノストのジェローム・グランジョン[http://www.jerome-granjon.com/]は大震災直後の2011年4月にキャンセルすること無く予定通りに来日公演を果たしてくれたことで、彼の実演に接して名手ぶりだけでなく意気に感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。3人の中で紅一点のヴァイオリン奏者サスキア・レティエク[http://www.saskialethiec.com/](←彼女のサイト内にトリオ・ホーボーケンの紹介ページもあります)はソロ活動以外にもアンサンブル・カリオペーの一員だったこともあり、現在ではヴェルサイユ地方音楽院教授にも就いているようです。そしてチェリストのエリック・ピカールはパリ管弦楽団のソロ首席チェロ奏者です。

さて、このトリオ・ホーボーケンによる今回のアルバムですが、半分はラヴェルのピアノ三重奏曲(演奏時間約28分半)で、残りは何と言いますか、ちょっとしたスペイン特集みたいな感じでしょうか。中でもラヴェルのスペイン狂詩曲とシャブリエの狂詩曲『スペイン』はフランスの現代作曲家オリヴィエ・カスパール[http://www.olivierkaspar.com/]がトリオ・ホーボーケンのためにアレンジしたのだそうです。

実際に聴いてみた印象では、ラヴェルのスペイン狂詩曲のピアノ三重奏曲版はさすがにちょっと違和感が残りましたけど(ラヴェルの場合は彼自身が管弦楽作品⇔ピアノ作品といったアレンジをよくやっているのと彼の作風自体がストラヴィンスキーがスイスの時計職人と例えたほどの精緻な書法で他人の介在する余地が無い)、シャブリエのアレンジはなかなか面白い響きがして楽しめましたし、トゥリーナの『環』も聴く機会が限られた曲ですので、好演奏で聴くことができたのはよかったです。欲を言えば、ヴァイオリンの音色にもう少し潤いみたいなのが感じられればよかったかな、と。ラヴェルのピアノ三重奏曲ではちょっとドライに思えましたし。

いきなり購入を、とまでは言いませんが、珍しい曲やユニークなアレンジものが入っていますので、NMLのユーザーの方で室内楽がお好きな方は時間があれば1度聴いてみてもいいかと思います。