ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲、組曲『仮面舞踏会』、バレエ『ガイーヌ』(抜粋)/ネーメ・ヤルヴィ&ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管、コンスタンティン・オルベリアン(ピアノ)

いよいよ次の日曜日に迫ってきた京響の第566回定期ですが、今回は広上さんの指揮でハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』にコルンゴルトのヴァイオリン・コンチェルトとプロコフィエフの7番シンフォニーというプログラム。録音も予定されていますので今から楽しみなのですが、その前に予習がてらということでNMLのリストからディスクをピックアップしてみたいと思います。

まずはハチャトゥリアンの組曲『仮面舞踏会』が収録されているアルバムから。これの1曲目のワルツは近年フィギュアスケートの浅田真央さんら何人もの選手がフリー演技で使ったりTVCMでも使われたりで、普段はクラシック音楽に接することのない人でも耳にしたことのある曲だと思います。

 

ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲、組曲『仮面舞踏会』、バレエ『ガイーヌ』(抜粋)
 /ヤルヴィ&ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管、コンスタンティン・オルベリアン(ピアノ)
【Chandos】

アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン
・ピアノ協奏曲 変ニ長調
・組曲『仮面舞踏会』
・バレエ『ガイーヌ』〜剣の舞、バラの娘たちの踊り、子守歌、レズギンカ

指揮:ネーメ・ヤルヴィ
管弦楽:ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
ピアノ:コンスタンティン・オルベリアン

録音時期:1986年8月14-23日、1987年8月1日
録音場所:グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール

http://ml.naxos.jp/album/CHAN8542

Chan8542

 

ハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』のように、こういったロシアものの選曲でネーメ・ヤルヴィとロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団[http://www.rsno.org.uk/](以下RSNO)のコンビによる録音があるのは、まずハズレを引くことがないという意味で大いに助かるなぁ〜、Chandos[http://www.chandos.net/]様サマやん(笑)思いながら聴きはじめたのですが、初めて聴いたハチャトゥリアンのピアノ協奏曲がここまでインパクトの大きい曲だとは思いませんでした。1936年作曲のこの曲はハチャトゥリアンが旧ソ連以外の諸外国でも高評価を受けた、いわば彼の出世作だそうですが、聴いてみるとなかなかに壮大な力作でピアニストの技巧の見せ所も多く、近年は採り上げられる機会が少なく埋もれてしまった感のあるのは勿体ないと思います。

曲自体もいいですが、コンスタンティン・オルベリアンのピアノも華麗なトーンで実に堂々とした説得力ある演奏です。オルベリアンは1991年から2009年にかけてモスクワ室内管弦楽団の音楽監督を務め、米Delos[http://delosmusic.com/]レーベルに多数の録音を残しているので、市場に出回っているディスクには指揮者としてクレジットされることの多いアルメニア系移民のアメリカ人ですが、クラシック音楽界に当初はピアニストとしてデビューしていたようで、Chandosには他にチャイコンの録音もありますし、DELOSにもショスタコーヴィチやシュニトケの室内楽作品でピアノを受け持つなどピアニストとして演奏した録音も散見されます。あと蛇足ですが、この曲では第2楽章にフレクサトーン(下の写真)という珍しいパーカッションが使われていて、これがまた独特の良い隠し味になっています。
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・・・って・・・あぁ〜、本来の目的から話が逸れてしまいましたね(をい)。

閑話休題。

『仮面舞踏会』は今度の京響定期で採り上げるのと同じで作曲者自身による5曲で構成された組曲版の方ですが、ヤルヴィとRSNOのコンビはさすがにツボを心得た好演奏を聴かせてくれます。RSNOの響きはかつてのロシアオケが見せるようなアクの強さはないものの、入門用としてこの曲に初めて接するのならば却って好都合かもしれません。

『ガイーヌ』も同様に質の高い演奏で「剣の舞」と「レズギンカ」ではリズムのノリのよさも感じられますし、なにより「レズギンカ」でRSNOのブラスセクションが咆哮するパリッとした感触がカッコよくて迫力もあり素晴らしいですね。