ペンデレツキ:交響曲集[※自作自演]/クシシュトフ・ペンデレツキ&ポーランド青年交響楽団

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ポーランド最大のインディペンデント・クラシック・レーベルというDUX[http://www.dux.pl/]から、同国の誇る現代作曲家で今年の11月に80歳を迎えるペンデレツキの交響曲のツィクルスが新しく発売されるそうです。NMLのカタログには17日付でまとめて登録されていたのですが、一遍に7曲(番号は8番まであるのですが第6番は未完成だとかなんとかで録音されていません)も聴き通す時間がなかったもので、ここで採り上げるのが少し遅くなってしまいました。

このツィクルス最大の売りは作曲者のペンデレツキ自身が指揮をしている点でしょうか。自作品以外でも指揮者として活動しているだけあって、彼のタクトは堅実というか玄人はだしなところをしっかり見せています。そしてオーケストラはポーランド青年交響楽団[http://www.sinfoniaiuventus.pl/]。メンバーは全て30歳以下のワルシャワ音楽院卒業生で構成され、なんでもポーランド政府の肝いりで2007年9月に発足し、ポーランド人の大ベテラン指揮者イェジー・セムコフの指導のもとで翌年から本格的に活動をはじめた、歴史と団員の平均年齢がともに若いオーケストラだそうです。ムラヴィンスキーの助手を務めたこともあるセムコフの薫陶を受けているためか若くとも優れたアンサンブル能力を見せていて、それにペンデレツキの80歳祝いのプロジェクトで作曲者自身がタクトをふるっていることもあってか、曲の雰囲気が合う合わないはともかく演奏水準はとても高いレベルを見せています。

まだ全曲を一聴した程度ですが、個人的には3・4・5番が印象深かったですし、あととりわけエルサレム建設3000年記念のために作曲したという大作の7番『エルサレムの7つの門』には大いに圧倒されました。不思議なことにいろんなジャンルの曲を書いているペンデレツキも交響曲のジャンルに分け入ったのは40歳を迎えたあたりからで(もっとも遅いといえばブラームスなんかもそうなので珍しくもないんでしょうけど・笑)、しかも3番からは全てポーランドの“円卓会議”以降に作曲されています。かつての共産主義独裁政権だったポーランド統一労働者党と独立自主管理労働組合「連帯」がカトリックの司教・神父(当然ながらポーランド出身の教皇ヨハネ・パウロ2世がバックについていたのでしょうけど)をオブザーバーに話し合いの場を持ち円滑に民主化を進めていく契機となった1989年の“円卓会議”ですが、そうしたポーランドの社会事情がペンデレツキの作曲活動に如何ほどの影響をもたらしたのかはわかりません。歌詞付きの7・8番はともかく純粋器楽作の3・4・5番と1・2番の間にどのような変化があるか(もしくは無いか)、聴き手がそれぞれに判断したらいいのではないでしょうか。ただ、交響曲を書くという事はそれなりにエネルギーを必要とすると思いますので、少なくとも何らかの形でプラスに作用したのかな、と私は勝手に推測してますが(笑)。

ネットでググってたら交響曲第7・8番の歌詞の和訳を見つけましたので、これから聴いてみようという方は参考までにどうぞ。ちなみに、私は旧約聖書のエピソードに則った7番はともかく、8番は和訳を見てもあまりピンときませんでした(苦笑)。
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ペンデレツキ:交響曲第7番『エルサレムの7つの門』歌詞対訳
ペンデレツキ:交響曲第8番『はかなさの歌』歌詞対訳
 [※注:2008年改訂版では3曲追加されてますが上記は初版に基づいているため追加分が欠けています]

 


 

ペンデレツキ:交響曲第1番、第2番『クリスマス』/ペンデレツキ&ポーランド青年響【DUX】

クシシュトフ・ペンデレツキ
・交響曲第1番
・交響曲第2番『クリスマス』

指揮:クシシュトフ・ペンデレツキ
管弦楽:ポーランド青年交響楽団

録音時期:2012年3月1-3日(第1番)、2011年8月22-24日(第2番)
録音場所:ワルシャワ、ポーランド放送局、ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ

http://ml.naxos.jp/album/DUX0897

Dux0897

 

 

ペンデレツキ:交響曲第3番/ペンデレツキ&ポーランド青年響【DUX】

クシシュトフ・ペンデレツキ
・交響曲第3番

指揮:クシシュトフ・ペンデレツキ
管弦楽:ポーランド青年交響楽団

録音時期:2011年12月20-22日
録音場所:ワルシャワ、ポーランド放送局、ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ

http://ml.naxos.jp/album/DUX0898

Dux0898

 

 

ペンデレツキ:交響曲第4番、第5番/ペンデレツキ&ポーランド青年響【DUX】

クシシュトフ・ペンデレツキ
・交響曲第4番
・交響曲第5番

指揮:クシシュトフ・ペンデレツキ
管弦楽:ポーランド青年交響楽団

録音時期:2010年9月17日(第4番)、2011年8月・12月
録音場所:ブィドゴシュチュ、イグナツィ・ヤン・パデレフスキ・ポメラニアン・フィルハーモニック・ホール(第4番);
     ワルシャワ、ポーランド放送局、ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ(第5番)

http://ml.naxos.jp/album/DUX0899

Dux0899

 

 

ペンデレツキ:交響曲第7番『エルサレムの7つの門』/ペンデレツキ&ポーランド青年響、他【DUX】

クシシュトフ・ペンデレツキ
・交響曲第7番『エルサレムの7つの門』

指揮:クシシュトフ・ペンデレツキ
管弦楽:ポーランド青年交響楽団
合唱:ポドラシェ歌劇場フィルハーモニー合唱団
ソプラノ:イヴォナ・ホッサ、イザベッラ・クロシンスカ
アルト:アグニエツカ・レーリス
テノール:ラファウ・バルトミンスキー
バス:ヴォチェク・ギールラッハ
ナレーター:スワヴォミール・ホランド

録音時期:2012年6月18-20日
録音場所:ワルシャワ、聖十字架教会

http://ml.naxos.jp/album/DUX0900

Dux0900

 

 

ペンデレツキ:交響曲第8番『はかなさの歌』/ペンデレツキ&ポーランド青年響、他【DUX】

クシシュトフ・ペンデレツキ
・交響曲第8番『はかなさの歌』[※2008年改訂版]

指揮:クシシュトフ・ペンデレツキ
管弦楽:ポーランド青年交響楽団
合唱:ポドラシェ歌劇場フィルハーモニー合唱団
ソプラノ:イヴォナ・ホッサ
アルト:アグニエツカ・レーリス
バリトン:トーマス・バウアー

録音時期:2012年11月・12月
録音場所:ワルシャワ、ポーランド放送局、ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ

http://ml.naxos.jp/album/DUX0901

Dux0901