ショスタコーヴィチ:交響曲第8番/ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー&ロンドン・フィル

今日付けでNMLに登録されたロンドン・フィル[http://www.lpo.co.uk/]の自主レーベルの新譜ですが、日本では今月下旬にリリースされるこのディスク、実は30年前にBBCラジオがライヴ収録した音源をソースにしているようです(ジャケット絵左下に「A BBC recording」と記載があるのはそのためかと)。

 

ショスタコーヴィチ:交響曲第8番/ロジェストヴェンスキー&ロンドン・フィル【LPO】

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
・交響曲第8番ハ短調 Op.65

指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

録音時期:1983年10月30日(BBCラジオ 3 ライヴ収録)
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
録音方式:ステレオ(アナログ/ライヴ)

http://ml.naxos.jp/album/LPO-0069

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Lpo0069

 

ロジェストヴェンスキーは旧ソ連時代の1983〜85年にかけて当時の彼の手兵だったソヴィエト国立文化省交響楽団とショスタコーヴィチの交響曲全集をセッション録音していますが、この中で8番シンフォニーの録音は1983年。このライヴ録音はそれと同時期の指揮ということになります。ソヴィエト国立文化省響の録音を私は聴いたことがないので残念ながら比較はできませんが、旧ソ連期のロシアオケとカラーが全く異なるロンドン・フィルに対してもロジェストヴェンスキーの自己主張はそれなりに浸透しているようで、時には耳につんざくようなブラスセクションとパーカッションによる凶暴性と、また時には何とも言えぬ悲しみに満ちた静寂のストリングスの調べといったように、とても起伏の激しいダイナミズムに溢れた音楽が展開されています。

当時のロンドン・フィルはクラウス・テンシュテットを正式に首席指揮者に迎えたシーズンで、それと前後してマーラーの交響曲を次々と世に送り出して高評価を得ていた時期です。旧ソ連時代の一般的なロシアオケに比べてややマイルドなサウンドながらも指揮者の要求に応えて狂気とペシミズムに満ちた音楽をショスタコーヴィチの8番シンフォニーで体現できているのには、このオケとテンシュテットによる一連のマーラー演奏の蓄積が役立っているこそなのかもしれませんね。

BBCラジオの収録の流用ということで1980年代の演奏にもかかわらずアナログ録音というのがスペック上では残念に思える向きもあるでしょうが、録音自体はバランスもよく良好であり、CDフォーマットで聴く分には気にかけることもないかと思います(むしろ変に着色した形跡がなくてコンサート会場での実態に則したナチュラルさがあって良いのではという気がします)。