マーラー:交響曲第1番『巨人』[※「花の章」付き]/ウラディーミル・ユロフスキ&ロンドン・フィル

今日付でNMLに登録された中にロンドン・フィル[http://www.lpo.co.uk/]の自主レーベルの新譜があり、内容もユロフスキの指揮によるライヴ録音で「花の章」月のマーラーの1番というので、さっそく聴いてみました。

 

マーラー:交響曲第1番『巨人』[※「花の章」付き]/ウラディーミル・ユロフスキ&ロンドン・フィル【LPO】

グスタフ・マーラー
・交響曲第1番ニ長調『巨人』[※第2楽章として「花の章」付き]

指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2010年12月4日(ライヴ)
録音場所:ロンドン、サウスバンク・センター、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

http://ml.naxos.jp/album/LPO-0070

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Lpo0070

 

「花の章」を第2楽章に入れた全5楽章での演奏ですが、だからといって特にハンブルク稿(第2稿)で統一しているわけでもないようです。ブラスセクションとか聴いただけでも三管編成とは思えませんし、第1楽章とかのリピートも行なっているので、通常版+「花の章」という感じでしょうか。

それはともかく、1回目に聴いての第一印象が
「若いっていいよなぁ」
でした(笑)。というか、ジャケットに使われている風景写真が、この演奏の雰囲気を雄弁に物語っているように感じました。

この曲って、青くさいともとれる若者の青春のある種の特権と割りきった解釈で押し通すか、後々のマーラーの作品群からのフィードバックを反映させたようなスコアの読み方をするか、他にも見方はいろいろできるでしょうけど、個人的には青くささの残る若さを前面に出したような演奏の方が好みですし、私も歳を取る毎にマーラー特有のドロドロした粘っこい暗さや陰の憂いみたいなのがどうにも苦手になってきて、10〜20代の頃ほどには積極的にマーラーを聴く気になれないのが正直なところです。ですので、録音当時38歳だったユロフスキの、入念な作り込みを行いつつも端々に若さ故の勢いが感じられるこの演奏は今の私の感覚に合ってますし、個人的な好き嫌いを抜きにしても、ユロフスキとロンドン・フィルのこの共同作業は大いに賞賛されるべき質の高い演奏だと思います。彼らの近年の好調ぶりの一端を現しているディスクではないでしょうか。

 


 

そういえば、ちょうど今頃ウィーン交響楽団[http://www.wienersymphoniker.at/]が指揮者に大野和士さんを迎えて来日ツアー公演を行なっている最中ですが、このオケも昨年から自主レーベルを立ち上げたようで、その第1弾としてリリースされたのが現在の首席指揮者であるファビオ・ルイージの指揮によるマーラーの1番でした。こちらは通常版(全4楽章)での録音です。

 

マーラー:交響曲第1番『巨人』/ファビオ・ルイージ&ウィーン響【Wiener Symphoniker】

グスタフ・マーラー
・交響曲第1番ニ長調『巨人』

指揮:ファビオ・ルイージ
管弦楽:ウィーン交響楽団

録音時期:2012年5月30-31日
録音場所:ウィーン、ORFラディオクルトゥーアハウス

http://ml.naxos.jp/album/WS001

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Ws001

 

こちらはセッション録音、当時ルイージ53歳の時のもの。彼はこの曲を自身の十八番の1つにしているようで、ウィーン響自主レーベルの最初のナンバーにこの曲を持ってきたのも自信の現れなのでしょうし、緻密な練り上げと明確な主張を持った好演奏で、ウィーン響のレベルの高さもストリーミング配信で充分伝わってきますし、ディスクとしてリリースしたのがハイブリッドSACDでなく通常のCDフォーマットなのが勿体ないと思ったほどです。

ただ、しとらす的には、ユロフスキ&ロンドン・フィル盤とこちらとどっちが好みかと聞かれれば、迷わず前者を取ります。聴いてても所々で「ルイージももう50代半ばなんだよなぁ・・・」としみじみ感じて、歳を重ねているのを意識せざるを得ない印象でした。私と違ってマーラー大好きという方がこの演奏を聴いたらどういった感想を持つのか興味深いところではあります。