チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、フィレンツェの思い出/サラ・ネムタヌ(ヴァイオリン)、クルト・マズア&フランス国立管、他

NMLの「今週の一枚」に本日付けで登録されたディスクです。日本での取り扱いは来月初めからのようですが、いち早くということでしょうか。私は映画全般に疎いというか関心を持てない人間なので、2009年公開のフランス映画『オーケストラ!(Le CONCERT)』というのがあったことを知らなかったのですが、なんでも劇中でチャイコンを演奏するシーンというのが大きな見せ場だそうで、そのヴァイオリンソロの演奏を吹き替えで担当しているのがサラ・ネムタヌというフランス国立管弦楽団のコンミス。1981年生まれでルーマニアとフランスのハーフというか二重国籍者っぽい方のようです。

 

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、フィレンツェの思い出
 /サラ・ネムタヌ(ヴァイオリン)、クルト・マズア&フランス国立管、他
【Naïve】

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
・弦楽六重奏曲 ニ短調『フィレンツェの思い出』 Op.70

ヴァイオリン:サラ・ネムタヌ
指揮:クルト・マズア[ヴァイオリン協奏曲]
管弦楽:フランス国立管弦楽団[ヴァイオリン協奏曲]
ヴァイオリン:リュック・ヘリー[フィレンツェの思い出]
ヴィオラ:ザビーヌ・トータン、クリストフ・ゴーグ[フィレンツェの思い出]
チェロ:ラファエル・ペロー、ジャン=リュック・ブーレ[フィレンツェの思い出]

録音時期:2012年4月[ヴァイオリン協奏曲]、2012年9月[フィレンツェの思い出]
録音場所:パリ、シャトレ座[ヴァイオリン協奏曲]、
     ラジオ・フランス・スタジオ106[フィレンツェの思い出]

http://ml.naxos.jp/album/V5325

V5325

 

さすがフランスのトップクラスのオケのコンミスを務めるだけあって、4日前に聴いたどこぞのソリストよりもよっぽどバリウマ(笑)で、上品で繊細な中にもしっかりとキャラクターを打ち出した説得力ある演奏です。どこかフランスらしからぬ独特の感性が垣間見えるのは彼女にルーマニア系の血が入ってるせいもあるのでしょうか?あと伴奏がいい感じでサポートしているのも好印象ですね。まぁソリストの職場仲間だから息が合って当然なのでしょうけど。

でも、聴き物なのはチャイコンよりもむしろ『フィレンツェの思い出』の方かもしれません。サラ・ネムタヌと共にヴァイオリンを担当するリュック・ヘリーは同じフランス国立管弦楽団のコンマス。他の4人の内3人がフランス国立管の首席奏者で、ヴィオラのクリストフ・ゴーグもフランス放送フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者という肩書持ちが揃ってのフランス勢によるセクステットなのですが、これが想像以上にアクが強いというか厚みのある響きで刺激的な熱演になっていて、良い意味で予想を裏切ってくれました。

〔※ついでにググってみると、フランス国立管もフランス放送フィルもORTF(フランス公共放送)内のラジオ・フランスが現在は管理・運営しているオケなのだそうな〕

映画『オーケストラ!』を観て感銘を受けた方は、ぜひ今度の新譜も聴いてみることをお薦めします。