アーノルド:組曲『第六の幸福をもたらす宿』、交響曲第6番、他/ヴァーノン・ハンドリー&ロンドン・フィル

ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)に

特設ページ「吹奏楽コンクール自由曲ランキング」を開設しました

というコーナーができていて、そういえば時期的にコンクールの全国大会をやってるかどうかって頃だったけなぁ〜思いつつ、

毎年開催されている「全日本吹奏楽コンクール」で演奏された自由曲を、過去の演奏回数順によるランキング形式でお聴き頂ける特設ページ、「吹奏楽コンクール自由曲ランキング」を開設しました。

吹奏楽関係者やファンの皆様を中心に、ぜひご活用いただければと存じます。

という触れ込みに、高校時分に吹奏楽部員だった者の端くれとして興味深く見ていて、編曲作品(オーケストラ用の管弦楽作品を吹奏楽向けにアレンジしたもの)ではレスピーギやラヴェルとか・・・まぁこの辺りは自分が現役だった20年前も今もあまり変わらへんのかなぁ・・・とか思ったのですが、1箇所だけふと気になったのが

“アーノルド”

・・・え?あのマルコム・アーノルド?・・・と思いつつ詳細を見てみると、1958年にアメリカで公開された映画『六番目の幸福』、これの音楽をアーノルドが作曲していて、この映画音楽から3つの部分を組曲『第六の幸福をもたらす宿』としてオーケストラでも演奏されているのですが、この組曲を瀬尾宗利という人が更に吹奏楽用にアレンジした楽譜があるようです。秋山和慶さんが大阪市音楽団を指揮したライヴ録音のCDの中にこの曲の演奏も収録されていますが、先にこの吹奏楽版を聴いて、せっかくだから大元の管弦楽版も聴いてみようとNMLで検索かけて見つけたのがロンドン・フィル[http://www.lpo.org.uk/]の自主レーベルにあったディスクです。

 

アーノルド:組曲『第六の幸福をもたらす宿』、交響曲第6番、他/ハンドリー&ロンドン・フィル【LPO】

マルコム・アーノルド
・『ベッカス・ザ・ダンディプラット』序曲 Op.5
・組曲『第六の幸福をもたらす宿』[クリストファー・パルマー編曲]
・21回目の誕生日のためのフローリッシュ Op.44[※世界初録音]
・交響曲第6番 Op.95
・フィルハーモニー協奏曲 Op.120

指揮:ヴァーノン・ハンドリー
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2004年9月24日(アーノルド記念コンサート、ライヴ録音)
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

http://ml.naxos.jp/album/LPO-0013

[※Amazonが一部誤表記(“Import, SACD”)してますが、通常CDフォーマットですので注意してください]
Lpo0013

 

作曲家として本格的にデビューする前はトランペット奏者として1941年にロンドン・フィルに入団し翌年には首席トランペット奏者として抜擢されるという経歴のあったマルコム・アーノルド。そういった縁があったロンドン・フィルがアーノルド存命中の2004年に催したアーノルド記念コンサートのライヴ収録がこのディスクです。

演奏された5曲のチョイスはアーノルドが多彩な才能でもって活躍していたのを示すような粋な選曲という印象がします。大まかに括ると、はじめの3曲が映画音楽とかクラシック初心者でもわりと馴染みやすいもの、後半の2曲はカッチリとした深みのある内容でクラシックというジャンルに如何にも相応しい音楽ですかね。世界初録音という作品44は自身が優秀なトランペッターだったからか、トランペット大活躍の華やかな曲でした。

何年か前に英デッカが「The MALCOLM ARNOLD Edition」と題して13枚組のボックスセットをリリースしたことがあったそうで(メジャーレーベルの統廃合を経た現在では廃盤になってますが)、収録された録音にはデッカのみならず様々なレーベルのものも含んでいて、交響曲と管弦楽曲にはヴァーノン・ハンドリーが指揮した演奏が採用されていたようです。それくらい指揮者ハンドリーにとっては自家薬籠中と言ってもいいレパートリーの1つで、オーケストラも作曲者自身と深い縁のあった楽団で、これで気合が入らないのがおかしいくらい、どれも優れた演奏ばかりです。『第六の幸福をもたらす宿』も吹奏楽版と比較すると管弦楽版の方がやはり色彩感に富んでいてゴージャスに聴こえますね。

選曲がバラエティーに富んでいる上に演奏水準も立派なもの、マルコム・アーノルド入門用として初めてこの作曲家の作品に触れるにはもってこいの一枚だと思います。

 



イギリスのギター協奏曲集/クレイグ・オグデン(ギター)、リチャード・ヒコックス&ノーザン・シンフォニア

今週末の京響定期はストラヴィンスキーにショスタコーヴィチにウォルトンと京響の良さをそれぞれに堪能できる楽しみなプログラムなのですが、ちょっとした予習がてらにとNMLでいろいろと検索かけていた時に偶然目に止まったディスクです。

これ、何の予備知識も無しにブラインドテストで聴いてみたら、どれも英国モノだとわかる人がはたしてどれくらいいるのか、ちょっと試してみたいくらいです(笑)。

 

イギリスのギター協奏曲集/オグデン(ギター)、ヒコックス&ノーザン・シンフォニア【Chandos】

ウィリアム・ウォルトン
・5つのバガテル〔※編曲:パトリック・ラス〕
マルコム・アーノルド
・セレナード Op.50
レノックス・バークリー
・ギター協奏曲 Op.88
マルコム・アーノルド
・ギター協奏曲 Op.67

ギター:クレイグ・オグデン
指揮:リチャード・ヒコックス
管弦楽:ノーザン・シンフォニア

録音時期:2001年1月
録音場所:ニューカッスル、ジュビリーホール

http://ml.naxos.jp/album/CHAN9963

Chan9963

 

クラシックのギター曲といえばスペインやブラジル、キューバなどイベリア半島とラテンアメリカの作曲家の独壇場で、あとは日本人あたりが割って入ってくるかといったイメージを持ってましたので、ラテンとは程遠いイギリスの作曲家から、微かな憂愁をおびつつも爽快で豊かな色彩を持つギターのコンチェルト作品が出てくるとは思いませんでした(ウォルトンの曲はアレンジものですけど)。ジャケット絵が浜辺の風景写真になっていますけれども、まさにピッタリだと思います。所々でメロディラインやブラスセクションの使い方に英国っぽい雰囲気を垣間見ることもできますが、管弦楽とギターとの絡ませ方の手際良さがスペインやブラジルなどの作曲家に引けを取らない印象で、聴いていて爽やかな心地よい潮風が流れてくるようでした。

ソリスト・室内オケとも美しい響きでテクニックも申し分なく、ヒコックスの指揮もナチュラルな感じで、しかも細かいところまで手の行き届いた音楽作りになっていると思います。週末の京響定期はメインがウォルトンのシンフォニーですので、NMLで彼のアルバムリストを眺めているうちに偶然見かけて試しに聴いてみた録音でしたけど、これまで私が知らずにいた良い音楽に出会え、新たな発見ができてよかったです。