シャブリエ:2手と4手のためのピアノ作品全集/ブルーノ・カニーノ、ベルトラン・ジロー(ピアノ)

今日NMLに登録された中に Anima Records という、フランス人ピアニストのベルトラン・ジローが自国の才能豊かな若手演奏家を紹介していくことを主目的にプロデュースしたフランスの新興レーベルから2ヶ月ほど前にリリースされた2枚組のディスクがあったのですが、ジローの師でもある1935年ナポリ生まれの名手ブルーノ・カニーノをメインに迎えての、シャブリエの2手と4手のためのピアノ作品全集です。

 

シャブリエ:ピアノ作品全集/ブルーノ・カニーノ、ベルトラン・ジロー(ピアノ) (2CD)【Anima Records】

エマニュエル・シャブリエ
・気まぐれなブーレ
・バレエの調べ
・小さなワルツ
・ハバネラ
・セポイの行進曲
・10の絵画風小品
・ブリュヌオーの想い出
・即興曲 ハ長調
・5つの小品(カプリス、田園のロンド、アルバムの綴り、オーバード、バラビル)
・3つのロマンティックなワルツ[※4手]
・前奏曲とフランス風行進曲[※4手]
・道化の行列[※4手]
・ミュンヘンの想い出[※4手]

ピアノ:ブルーノ・カニーノ、ベルトラン・ジロー[※4手]

録音場所:パリ、サン・マルセル寺院
使用楽器:ファツィオリ

http://ml.naxos.jp/album/ANM130300002

Anm130300002

 

ググっても録音時期が不明なのが至らぬかぎりなのですけど、ディスクのリリースが今年6月の中旬なので、録音も昨年とかそう遠くはない時期かと思います。

どれも私にとってはほとんど初めて聴いた曲ばかりだったのですが、どれも優雅かつエスプリに満ちたリズミカルな小品で親しみやすい曲ばかりでしたし、中には『10の絵画風小品』の第7曲「村の踊り」などのように聴いたことのあるメロディーも混じってたりで、聴いてて楽しかったし気分も軽くなったようでした。

演奏もカニーノのソロ、カニーノとジローの師弟コンビによる4手ピアノ、いずれも超絶技巧をひけらかすのではなく明るく和やかな心地好い響きをベースとした洒落っ気たっぷりの演奏といった趣きで、2人の連弾の曲も軽妙洒脱な掛け合いに聴き入ってしまうような印象でした。

録音のロケーションとなっているパリのサン・マルセル寺院がどういった建造物の教会なのかはわかりませんが、少なくともNMLのストリーミングで聴いた印象ではアコースティックや残響も程よい塩梅のように感じました。クラシック初心者でも何かのBGM代わりに軽く入っていけるような、そんな音楽の詰まったディスクだと思います。

 



シャブリエ:管弦楽作品集/ネーメ・ヤルヴィ&スイス・ロマンド管

今日付でNMLの「今週の一枚」として挙げられたディスクです。2012-13シーズンからスイス・ロマンド管弦楽団[http://www.osr.ch/]の音楽監督に就任しているネーメ・ヤルヴィとこのオケとのコンビでは、これが初録音になるのだそうです。

 

シャブリエ:管弦楽作品集/ネーメ・ヤルヴィ&スイス・ロマンド管【Chandos】[Hybrid SACD]

アレクシ=エマニュエル・シャブリエ
・楽しい行進曲
・歌劇『グヴァンドリーヌ』〜序曲
・ハバネラ[※管弦楽版]
・狂詩曲『スペイン』
・ラメント
・気まぐれなブーレ[※管弦楽版]
・田園組曲
・喜歌劇『エトワール』〜序曲、第2幕間奏曲、第3幕間奏曲
・喜歌劇『いやいやながらの王様』〜ポーランドの祭り、スラヴ舞曲

指揮:ネーメ・ヤルヴィ
管弦楽:スイス・ロマンド管弦楽団

録音時期:2012年6月27-29日
録音場所:ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール

http://ml.naxos.jp/album/CHSA5122

[※↓画像をクリックするとAmazonの商品ページにリンクしますが、そのAmazonの裏ジャケットの画像、間違ったものが使われてますね。曲順を確認しようとChandosの公式サイトも見てみましたが、上記の曲順で合っているようです。解説書(PDF)でも確認しました。どうしてこうなったんでしょう?]
Chsa5122

 

いくらレパートリーの広い指揮者とはいえヤルヴィとフランスものという組み合わせは珍しい感じもしますが、70も半ばの大ベテランからすれば、もう何でも御座れっていうところなんでしょうかね?(笑) シャブリエの作品の中ではダントツに有名な狂詩曲『スペイン』の他にもオペレッタの作中で使用されている曲もあったりして、リラックスしながら軽い気持ちでとても楽しく聴けます。

スイス・ロマンド管弦楽団は前首席指揮者のマレク・ヤノフスキとPentaTone[http://www.pentatonemusic.com/]レーベルに録音しているブルックナー・ツィクルスが全集完成間近のところまで来ていますが、今度は現首席指揮者のヤルヴィパパと組んでChandos[http://www.chandos.net/]レーベルにおいてフレンチ・レパートリーのプロジェクトを進める予定なのだそうです。その第一弾がシャブリエというのはまた通好みというかマニアックというか・・・(笑)。第二弾が誰の作品になるのかいろいろ予想してみるのも面白そうですね。

・・・で、せっかくですから、Chandosにはスイス・ロマンド管と音楽監督とのコンビだけでなく首席客演指揮者の山田和樹さんも起用して何か録音してくれないですかねぇ・・・?

 



ラヴェル:ピアノ三重奏曲・スペイン狂詩曲、トゥリーナ:環、シャブリエ:スペイン/トリオ・ホーボーケン

今日NMLに登録された中に Anima Records という、ピアニストのベルトラン・ジローがフランスの才能豊かな若手演奏家を紹介していくことを主目的にプロデュースしたフランスの新興レーベルから2ヶ月ほど前にリリースされた、ちょっと珍しいディスクがありまして、収録された曲の中にラヴェルの名前があったものですから、ラヴェル好きとしては見逃すわけにもいかず(笑)、ちょっと聴いてみた次第です。

 

ラヴェル:スペイン狂詩曲、シャブリエ:狂詩曲『スペイン』、他/トリオ・ホーボーケン【Anima Records】

モーリス・ラヴェル
・ピアノ三重奏曲 イ短調
ホアキン・トゥリーナ
・ピアノ三重奏のための幻想曲『環』 Op.91
モーリス・ラヴェル[オリヴィエ・カスパール編曲]
・スペイン狂詩曲〔※ピアノ三重奏曲版〕
エマニュエル・シャブリエ[カミーユ・シュヴィヤール編曲、オリヴィエ・カスパール加筆]
・狂詩曲『スペイン』〔※ピアノ三重奏曲版〕

演奏:トリオ・ホーボーケン
   ピアノ:ジェローム・グランジョン
   ヴァイオリン:サスキア・レティエク
   チェロ:エリック・ピカール

録音時期:2012年4月、8月
録音場所:パリ地方音楽院

http://ml.naxos.jp/album/ANM121000001

[※↓画像をクリックするとタワーレコードの商品ページにリンクします]
Anm121000001

 

トリオ・ホーボーケンは2003年に結成された3人のフランス人演奏家によるユニットで、まず1966年生まれのピアノストのジェローム・グランジョン[http://www.jerome-granjon.com/]は大震災直後の2011年4月にキャンセルすること無く予定通りに来日公演を果たしてくれたことで、彼の実演に接して名手ぶりだけでなく意気に感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。3人の中で紅一点のヴァイオリン奏者サスキア・レティエク[http://www.saskialethiec.com/](←彼女のサイト内にトリオ・ホーボーケンの紹介ページもあります)はソロ活動以外にもアンサンブル・カリオペーの一員だったこともあり、現在ではヴェルサイユ地方音楽院教授にも就いているようです。そしてチェリストのエリック・ピカールはパリ管弦楽団のソロ首席チェロ奏者です。

さて、このトリオ・ホーボーケンによる今回のアルバムですが、半分はラヴェルのピアノ三重奏曲(演奏時間約28分半)で、残りは何と言いますか、ちょっとしたスペイン特集みたいな感じでしょうか。中でもラヴェルのスペイン狂詩曲とシャブリエの狂詩曲『スペイン』はフランスの現代作曲家オリヴィエ・カスパール[http://www.olivierkaspar.com/]がトリオ・ホーボーケンのためにアレンジしたのだそうです。

実際に聴いてみた印象では、ラヴェルのスペイン狂詩曲のピアノ三重奏曲版はさすがにちょっと違和感が残りましたけど(ラヴェルの場合は彼自身が管弦楽作品⇔ピアノ作品といったアレンジをよくやっているのと彼の作風自体がストラヴィンスキーがスイスの時計職人と例えたほどの精緻な書法で他人の介在する余地が無い)、シャブリエのアレンジはなかなか面白い響きがして楽しめましたし、トゥリーナの『環』も聴く機会が限られた曲ですので、好演奏で聴くことができたのはよかったです。欲を言えば、ヴァイオリンの音色にもう少し潤いみたいなのが感じられればよかったかな、と。ラヴェルのピアノ三重奏曲ではちょっとドライに思えましたし。

いきなり購入を、とまでは言いませんが、珍しい曲やユニークなアレンジものが入っていますので、NMLのユーザーの方で室内楽がお好きな方は時間があれば1度聴いてみてもいいかと思います。