ドヴォルザーク:テ・デウム、ディーリアス:弦楽四重奏曲、ヘンデル:水上の音楽、アンタイル:管弦楽作品集…etc.

ツイッターで #nml のハッシュタグを付けてツイートしてきたもののサルベージとか。

 

ドヴォルザーク:ミサ曲 ニ長調、テ・デウム/アントニ・ヴィト&ナヴァラ響、他【NAXOS】

アントニン・ドヴォルザーク
・ミサ曲 ニ長調 Op.86, B.153[第1稿、合唱・管弦楽版]
・テ・デウム Op.103, B.176

指揮:アントニ・ヴィト
管弦楽:ナヴァラ交響楽団
合唱:オルフェオン・パンプロネス
ソプラノ:エヴァ・ビエガス
メゾ・ソプラノ:マリナ・ロドリゲス=クージ(ミサ曲 ニ長調)
テノール:ハビエル・トーメ(ミサ曲 ニ長調)
バリトン:ホセ・アントニオ・ロペス

録音時期:2015年5月30日-6月4日
録音場所:スペイン、ナヴァラ州パンプローナ、バルアルテ・コンサートホール

http://ml.naxos.jp/album/8.573558

8573558

 


 

 

ディーリアス:弦楽四重奏曲、エルガー:弦楽四重奏曲/ヴィリアーズ四重奏団【NAXOS】

フレデリック・ディーリアス
・弦楽四重奏曲 ト長調[1917年改訂版]
フレデリック・ディーリアス(1916年原典版、ダニエル・グリムリー編曲)
・弦楽四重奏曲 ト長調〜第1・2楽章
エドワード・エルガー
・弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.83

弦楽四重奏:ヴィリアーズ四重奏団

録音時期:2016年7月25-26日、10月24-25日(エルガー)
録音場所:ロンドン、イズリントン区ペントンヴィル、セント・サイラス教会

http://ml.naxos.jp/album/8.573586

8573586

 


 

 

ヘンデル:水上の音楽、合奏協奏曲「アレクサンダーの饗宴」/ローレンス・カミングス&ゲッティンゲン祝祭管【ACCENT】

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
・水上の音楽 HWV 348-350[ハレ・ヘンデル全集レドリッヒ校訂版]
・合奏協奏曲 ハ長調 『アレクサンダーの饗宴』 HWV 318

指揮:ローレンス・カミングズ
管弦楽:ゲッティンゲン祝祭管弦楽団

録音時期:2016年5月15日(水上の音楽)、2013年5月18日(アレクサンダーの饗宴)
 (※いずれもゲッティンゲン・ヘンデル音楽祭ライヴ)
録音場所:ゲッティンゲン、シュタットハレ

http://ml.naxos.jp/album/ACC26407

Acc26407

 


 

 

ブルックナー:交響曲第1番、他/グスターボ・ヒメノ&ルクセンブルク・フィル【PentaTone】[Hybrid SACD]

アントン・ブルックナー
・交響曲第1番 ハ短調 WAB 101[1890/91ウィーン稿、ブロッシェ版]
・行進曲 ニ短調 WAB 96
・管弦楽のための3つの小品 WAB 97

指揮:グスターボ・ヒメノ
管弦楽:ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2016年6月
録音場所:ルクセンブルク、ルクセンブルク・フィルハーモニー

http://ml.naxos.jp/album/PTC5186613

Ptc5186613

 


 

 

ルクレール:ヴァイオリン協奏曲集/ファビオ・ビオンディ&エウローパ・ガランテ【Glossa】

ジャン=マリー・ルクレール
・ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 Op.7-3
・ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 Op.7-4
・ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.7-5
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.7-1

ヴァイオリン&指揮:ファビオ・ビオンディ
古楽アンサンブル:エウローパ・ガランテ

録音時期:2016年11月23-25日
録音場所:イタリア、パドヴァ、サン・フランチェスコ・グランデ教会サーラ・カリタ

http://ml.naxos.jp/album/GCD923407

Gcd923407

 


 

 

アンタイル:管弦楽作品集 1 /ヨーン・ストゥールゴールズ&BBCフィル【Chandos】

ジョージ・アンタイル
・オーヴァー・ザ・プレインズ
・交響曲第4番『1942年』
・交響曲第5番『歓喜』

指揮:ヨーン・ストゥールゴールズ
管弦楽:BBCフィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2015年11月21日、2016年4月30日(交響曲第4番)
録音場所:イギリス、サルフォード、メディアシティ

http://ml.naxos.jp/album/CHAN10941

Chan10941

 


京都市交響楽団 特別演奏会「ニューイヤーコンサート」(指揮:山田和樹)

例年なら出かけない京響のニューイヤーなのですが、今年はスイス・ロマンド管弦楽団[http://www.osr.ch/]の首席客演指揮者に就任したばかりの山田和樹さん(スイス・ロマンド管のサイトにある首席客演指揮者としてのプロフィールはココをクリックのこと。ちなみにこのオケのあるジュネーヴはフランス語圏なので記事も仏語です)の指揮による定期並みのプログラムだったので、彼の実力や個性を知る格好の機会と思い、チケットを買って出かけることにしました。

 

京都市交響楽団 特別演奏会「ニューイヤーコンサート」
2013年1月12日(土)14時30分開演@京都コンサートホール

◆L.v.ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』 Op.125
(休憩)
◆F.ディーリアス 『小管弦楽のための2つの小品』〜「春を告げるかっこう」
◆F.シューマン 交響曲第1番変ロ長調『春』Op.38
(アンコール)
◇B.ブリテン シンプル・シンフォニー Op.20〜第2楽章“遊び好きのピチカート”

指揮:山田和樹
ピアノ:仲道郁代
コンサートマスター:渡邊 穣

 

天気はそこそことはいえ、まぁ寒いこと寒いこと。北山だから尚のことなんですが、雨や雪が降らなかっただけまだマシでした。チケットは前売完売だったそうですが、それでも7〜8割程度しか客席が埋まってなかったのは寒すぎたせいだったかも・・・?

ステージに登場してきた団員の皆さん、女性の方はそれぞれにカラフルにドレスアップした衣装で華やかな感じでした。ニューイヤーではいつもこういった趣向なのでしょうか?コントラバス副首席の石丸さんだけが洋装でなく袴姿の和装でしたが、いかにも京都らしくて良かったですね。袖の長い衣装は演奏に支障をきたすでしょうから女性の和装は演奏会では難しいと思いますが・・・。

閑話休題。

まずは前半・・・ですが、しとらす的には全然期待してなかったので、まぁこんなものなのかなという無難な演奏。ショパン弾くみたいに『皇帝』やられてもなぁ・・・とは思いましたが、オケの伴奏もそれに合わせてか控えめなサポートに徹している印象でした。

ただ、演奏以前に感心したことが1つ。オケのチューニングも終わって指揮者とソリストが登場し、さぁこれからとばかりに山田さんがタクトを構えた瞬間にL側よりのP席付近からガサゴソ大きな音を出した大馬鹿野郎がいて、「このタイミングで馬鹿者がぁー!(怒)」と私が思ったのとほぼ同時に山田さんがスッとタクトを下ろしたこと。最悪のタイミングでノイズを出した大馬鹿者がどこにいるのかを確認するよりも、こういった事態にマエストロがそういった反応をとるのかに興味があって、私はノイズの出処よりもずっとステージの方を見てたのですが、音が鳴り止んで静寂が戻るまで山田さんはノイズの方向を見ることもほとんどなくじっと俯きかげんの姿勢で待っていて、十数秒後だったか、ノイズが止んでから仲道さんとアイコンタクトして改めてタクトを構えて曲を振りはじめてました。瞬時に反応と判断をして指揮棒を下ろしたのはプロの音楽家らしい耳の良さもさることながら判断力・決断力もなかなかだと思いましたし、その後のリアクションが冷静かつエレガントに感じて好印象でした。

後半、1曲めはディーリアスの「春を告げるかっこう」。5分前後の小品にもかかわらず、出だしから響いてくるサウンドが前半とはガラッと違って、なにかこうノビノビとして何かから解き放たれたような感じに。あぁ〜、やっぱり前半は窮屈だったのかと思わず笑ってしまいそうになりましたw 短い曲ですけどちゃんと作品の雰囲気に合わせくるように詰めがしっかりしていた印象で、美しい旋律を耳に心地よく聴かせる演奏でした。

そしてメインのシューマンの1番。ニューイヤーと名のつくコンサートではウィンナワルツやポルカでプログラムを埋めることがほとんどで、いくら標題に“春”が付いてるからって扱いを一歩間違えると野暮ったさが目立ってしまいそうな曲をメインとしてチョイスしてくるのには相応の意気込みがあったと思うのですが、実際に京響と奏でてきた音楽は自信に満ち溢れていてさすがというものでした。全体的にはオーソドックスながらも上品で爽やかな感じ、両端楽章では品の良い華やかさで快活に、中間の2つの楽章でもスッキリと整理されてて厚ぼったさをまったく覗かせない処理で、終楽章でのコーダ(Poco a poco accelerando)に入ってからの疾走感がいかにも若さを感じる畳み込むような(それでいて乱れないギリギリのラインでしっかりコントロールしている)流れがピッタリとハマっていて、とても素晴らしかったです。ベートーヴェンやブラームス、そしてスコアにやたら指示書きの多いマーラーならまだしも、アピールの難しいシューマンのシンフォニーで期待以上の演奏を聴かせてくれるとは、さすがはスイス・ロマンド管から首席客演指揮者に指名されるだけはあると思いました。

何度かのカーテンコールのあとに山田さんが指揮台に立って客席を制するジェスチャーをして、彼と団員たちから
「あけましておめでとうございます」
の掛け声。そして、
「ウィーン風ならワルツでしょうけど今年はブリテンの生誕100周年でもあるので、その中で可愛らしい曲を」
といった趣旨の挨拶をしてからアンコールに演奏したのは、ブリテンのシンプル・シンフォニーから第2楽章。

いやもう、指揮ぶりと京響から引き出した演奏もよかったですけど、後半のディーリアス→シューマンの『春』→ブリテンという渋い選曲、そのチャレンジスピリッツも大いに気に入りました。2012-13シーズンのスイス・ロマンド管の定期には昨年11月に武満徹とジェイムズ・マクミランとベートーヴェン『英雄』のプログラムでデビューした他に、2月20日には
  ・アンドレ・ジョリヴェ:トランペットと弦楽、ピアノのための小協奏曲
  ・ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.35
  ・バルトーク:舞踏組曲 Sz.77
  ・ストラヴィンスキー:バレエ『ペトルーシュカ』(1911年版)
というオール20世紀前半プログラムで、そして5月8日には
  ・フォーレ:レクィエム Op.48
  ・ラヴェル:バレエ『ダフニスとクロエ』
という、しとらすてきにはとても豪華な組み合わせのプログラム。ジュネーヴまで聴きに行く金なんてねーぞ!?おい(爆)。ちなみに“Série Symphonie”と名付けられた演奏会がシーズンで8回用意されてあるのですが、その内3回が彼の担当です(他はヤルヴィ父、ビシュコフ、シフ、ヤノフスキ、アラン・アルティノグル)。今季残りの2回の演奏会もぜひ成功させてほしいものですね。

・・・つーか、ネットラジとかなんかで聴く方法ないですか?なんとかググって探してみますけど、ご存じの方がいらしたらぜひ教えて下さい。マジでお願いします。
m(_ _)m

 

 



ディーリアス:組曲「フロリダ」、北国のスケッチ、他/ハンドリー&アルスター管、ロンドン・フィル

エルダーとハレ管のコンビで聴いた『北国のスケッチ』の中の1曲が気に入ったので、4曲全部を収録したディスクはないかとNMLのリストを探して見つけたのがChandosからリリースされていたCD。さすがイギリスを代表するレーベルですね、お国モノはしっかり揃えてあります(笑)。

 

ディーリアス:組曲「フロリダ」、北国のスケッチ、他
 /ヴァーノン・ハンドリー&アルスター管、ロンドン・フィル
【Chandos】

フレデリック・ディーリアス
・組曲『フロリダ』
・北国のスケッチ
・小管弦楽のための2つの小品~第1曲「春初めてのかっこうを聞いて」
・歌と踊り

指揮:ヴァーノン・ハンドリー
管弦楽:アルスター管弦楽団〔組曲『フロリダ』、北国のスケッチ〕
    ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

http://ml.naxos.jp/album/CHAN6628

Chan6628

 

『フロリダ』と『北国のスケッチ』という2つの管弦楽組曲がメインのディスク。その両曲を担当しているアルスター管弦楽団[http://www.ulsterorchestra.com/]は北アイルランド首都ベルファストを本拠地とするオーケストラだそうです。ヴァーノン・ハンドリーはかつてここで首席指揮者を務めて後に桂冠指揮者にも称されたそうですが、現在の首席指揮者は JoAnn Falletta [http://www.joannfalletta.com/]という米国人女性のようです。

さて、そのハンドリーとアルスター管によるディーリアス、まずは組曲『フロリダ』。比較的初期の作品で、彼がフロリダに滞在していた思い出を「夜明け-カリンダ」「河畔にて」「夕暮れ」「夜に」と一日の流れを表すかのように4つの部分からなる曲ですが、どこかしらアメリカンな雰囲気を感じさせるのは、やはり当地で黒人音楽などに触れたせいでしょうね。心地よい暖かみを感じる旋律がちりばめられていて親しみやすく美しい音楽です。

『北国のスケッチ』は『フロリダ』から20数年後に作曲されたもの。「秋-風が梢を渡る」「冬の風景」「踊り」「春の訪れ-森と牧場と静かな荒野」と秋から長い冬を経て春を迎えるといった流れで北の草原の光景を描写したような音楽。北国の冬は長いですが、その暗さをあまり意識させない、むしろありのままの風景を肯定的に捉えたような印象でした。

ハンドリー指揮のアルスター管は温もりを感じるサウンドで、この2曲のそれぞれに魅力ある雰囲気を十二分に引き出す丁寧な演奏が好印象でした。ロンドン・フィルとの小品2曲も慎ましい美しさを感じさせてよかったです。

 



バックス:春の火、ディーリアス:春の牧歌、ブリッジ:狂詩曲「春の訪れ」、他/エルダー&ハレ管

NMLのトップページにある
【2012年 生誕150年】フレデリック・ディーリアス特集
というのが気になっていて、何かないかと探しているうちに見つけた、ちょっと面白い組み合わせのディスクです。秋真っ盛りのこの時期に春にちなんだCDを採り上げるのはどうかというツッコミはなしで(笑)。

 

バックス:春の火、ディーリアス:春の牧歌、ブリッジ:狂詩曲「春の訪れ」、他
 /マーク・エルダー&ハレ管
【Hallé】

・アーノルド・バックス:交響詩『春の火』
・フレデリック・ディーリアス:春の牧歌
・フレデリック・ディーリアス:北国のスケッチ~第4曲「春の訪れ – 森と牧場と静かな荒地」
・フランク・ブリッジ:狂詩曲 『春の訪れ』

指揮:サー・マーク・エルダー
管弦楽:ハレ管弦楽団

録音時期・場所
・春の火:2010年3月18日 マンチェスター、ブリッジウォーター・ホール(ライヴ)
・春の牧歌:2010年10月14日 マンチェスター、ブリッジウォーター・ホール(ライヴ)
・「北国のスケッチ」第4曲、狂詩曲『春の訪れ』:
 2010年6月23-24日 マンチェスター、新ブロードキャスティングハウスBBCスタジオ7

http://ml.naxos.jp/album/CDHLL7528

Cdhll7528

 

1883年生まれのアーノルド・バックス、1862年生まれのフレデリック・ディーリアス、1979年生まれのフランク・ブリッジ。世代も異なれば作風も異なる三者三様の曲の聴き比べができて面白かったです。

1曲目のバックスの『春の火』はライヴ収録で拍手もカットなしで入ってました。熱狂的な拍手に混じって指笛が鳴らされるくらい観客からの受けがよかったようですが、実際の演奏も当然ながらそれに値するものだと思います。それぞれに表題を与えられた5つの楽章(切れ目無し)で構成された曲ですが、静かにゆっくりと夢幻的な雰囲気で始まり最後は一気呵成にハッチャケて終わるパターンはどこかしらラヴェルの『ダフニスとクロエ』第3部を想起させるものがあります。終楽章の表題「Maenads」はギリシャ神話でディオニューソスの女性信奉者とされるマイナス(英語名:Maenad)の複数形マイナデス。印象主義を少し思わせる作風で、ファンタスティックかつダイナミズムあふれた音楽ですが、オペラ経験豊富なエルダーの指揮とあって表情付けが巧みですね。終楽章のクライマックスに向けた流れに思わず聴きこまれてしまいました。

バックスは来年がメモリアルイヤー(生誕130周年&没後60周年)ですので、私が忘れてなければ(苦笑)jっ栗聞いて採り上げてみたいものですね。

そして、ディーリアスの2曲のうち、「春の牧歌」は彼の比較的初期の作品のようですが、録音がとても少ないみたいですね。昨秋EMIからリリースされた生誕150年記念の18枚組BOXにもこの曲は含まれていませんし、その点でもこの演奏は貴重な録音でしょう。「北国のスケッチ」はこのディスクに収められた終曲だけでなく全曲をきちんと聴いてみたくなりました。

最後のブリッジの狂詩曲 『春の訪れ』。フランク・ブリッジはベンジャミン・ブリテンの師としても知られていますが、私は今回彼の曲を初めて聴きました。 『春の訪れ』約20分の単一楽章の曲ですが、とてもいいですね。繊細なタッチながらも暗い冬を終え明るい春を迎えんとする高揚感の描写が壮大な印象で高ポイントでした。エルダーとハレ管による丁寧で緻密な好演奏も、この曲にいっそうの彩を添えていると思います。