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京都市交響楽団 第560回定期演奏会(指揮:井上道義)

今回は公式サイト等でいつもの開演前のプレトークの代わりに休憩中にマエストロトークをやると事前告知があったのですが、会場に行って頂いたプログラムを見てトークのタイミングを違えた理由がなんとなくわかりました。通常複数の曲を演奏する場合は前後半の2部構成にするのがほとんどですが、今回は曲ごとにそれぞれ15分休憩をはさむ3部形式みたいな感じ。確かにピアノを2台設置するのにそれなりの時間がかかりますし、更に2台のピアノを下げて合唱団が立つ台を設置するとなるとまた時間が必要です。ならいっそ休憩にしちゃえというのは至極道理で、トークの際にもそのような旨を仰ってました。

そして、始まってみてからわかったことですが、プーランクのピアノ・デュオのコンチェルトはオーケストラも弦楽器を左に、管楽器を右に寄せるという変則的な配置でした(帰宅してからググってみるとスコアで作曲者が指示したのとも違っていたようで、オケの配置だけでなくピアノも2台とも蓋を外すのではなく第1ピアノは蓋を外していませんでした。角度はいろいろと考えて調節したらしいことをマエストロ・トークの際にお話しされてましたが)。これは裏方さんが大忙しやわ(笑)。

当日券でどれだけ捌けたかわかりませんが、完売に近い客の入りだったのではないかと思います。日曜マチネとはいえ、よくこんなマニアックなプログラムに入ったもので(コーラス団員の知人関係とか多少あったのでしょうけど)・・・とてもいいことですね。

 

京都市交響楽団 第560回定期演奏会
2012年8月12日(日)14時30分開演@京都コンサートホール

◆G.ガーシュウィン パリのアメリカ人
(休憩、マエストロ・トーク)
◆F.プーランク 2台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP.61
(休憩)
◆F.プーランク スターバト・マーテル FP.148

指揮:井上道義
ピアノ:瀬尾久仁、加藤真一郎
ソプラノ:谷村由美子
合唱:京響コーラス
コンサートマスター:渡邊 穣

 

1曲目の「パリのアメリカ人」、ミッチーにしては存外なくらい普通でした(いやもっとはっちゃけて遊んでくるかと思ってたものでw・・・って、あぁ、クライバー並みに客席に挨拶して振り返りざま指揮をはじめた、いうのんはあったなw)。本人はこのあとのトークで敢えてクラシックの正統派風にやったとかなんとか仰ってましたけど、意地悪な見方をすれば後の2曲のことを考えたらここで遊ぶ余裕なんてなかったとか?(をいをい>自分) もっとも思い起こせば私にとって生オケでこの曲を聴くのは初めてだった気がして、そう思うと普通にやってもらった方が個人的にはありがたかったり。

2曲目。今回のような特殊な配置を堪能するなら座席はセンター寄りに限りますよね。舞台真横の自分の席を思いっきり呪いましたもん(苦笑)。瀬尾&加藤デュオにとっては2度目の演奏だと後でレセプションの際にお話しされてましたが、ピアニスト2人の息も合っていたように思いますし、トータルで見てもエスプリがそこここに漂う好演奏という印象でした。

ラスト、スターバト・マーテル。ミッチーいわく、この曲がやりたかったと。またチャレンジだとも仰ってましたけど、これを機会にリニューアルした京響コーラスがとても健闘したと思います。演奏前に壇上に上がってきた合唱団員が誰も楽譜を手に持ってなかったので、「暗譜でやるんかい!?」とちょっとした意気込みを感じたものでしたが、はじまってみると暗譜で臨んだ心意気が嘘ではなかったことがよくわかりました。ラテン語の歌詞の発音はさておき、素人目にも音程が取りにくいと思える曲なのに、コーラスの響きで引っかかったところはほとんどありませんでしたし、鍛えた成果がよくわかる結果だったと思います。曲が終わった直後のミッチーの喜び半分・安堵半分みたいな表情をしたのが象徴的だったのではないでしょうか。カーテンコールでもレセプションでもしきりに合唱を褒めてくれと言ってたように思いますが、言い出しっぺとしては手応えを感じられて満足だったのかもしれません。ソプラノの谷村さん(上賀茂生まれ?とかレセプションで仰ってたような)のソロも秀逸でしたし、オケが良かったのは言わずもがな。初めて生演奏で聴いたプーランクの『スターバト・マーテル』で説得力ある演奏に接することができたのは、ファン冥利に尽きる気がして幸いに感じました。

京響コーラスは今日出演した70人前後のメンバーがコアになるようですが、せっかくいい具合にリニューアルしたのなら、年末の第九以外にも定期で時たま合唱曲やればいいのになぁ〜と思いました。刺激あった方がいいでしょ?レベル維持のためにも(笑)。

 


ところで、今回京響定期で採り上げられたプーランクの2曲はNMLで下記の録音を予習がてらに聴いて行きました。参考になればどうぞ。

 

プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調、他
 /ジェームズ・コンロン&ロッテルダム・フィル、他
【Erato】

フランシス・プーランク
1. 2台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP.61
2. ピアノ協奏曲 FP.146
3. オーバード FP.51

指揮:ジェームズ・コンロン
管弦楽:ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:フランソワ=ルネ・デュシャーブル〔1.2.3〕、
   ジャン=フィリップ・コラール〔1〕

http://ml.naxos.jp/album/825646255269


 

プーランク:グローリア、スターバト・マーテル
 /ヤン・パスカル・トルトゥリエ&BBCフィル、他【Chandos】

フランシス・プーランク
1. クローリア
2. スターバト・マーテル

指揮:ヤン・パスカル・トルトゥリエ
管弦楽:BBCフィルハーモニー管弦楽団
合唱:BBC合唱団
ソプラノ:ジャニス・ワトソン

http://ml.naxos.jp/album/CHAN9341

Chan9341

 



ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調、ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調/パスカル・ロジェ(ピアノ)、ベルトラン・ド・ビリー&ウィーン放送響

明日の京響定期では2曲目にラヴェルのピアノコンチェルトをやりますが、本番の前に1度聴いておこうと思いNMLのリストを探してたら、見つけたのが下記のCD。

 

ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調、ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
 /パスカル・ロジェ(ピアノ)、ベルトラン・ド・ビリー&ウィーン放送響
【Oehms】

・ジョージ・ガーシュウィン
  ピアノ協奏曲ヘ調
・モーリス・ラヴェル
  ピアノ協奏曲ト長調

ピアノ:パスカル・ロジェ
指揮:ベルトラン・ド・ビリー
管弦楽:ウィーン放送交響楽団

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Oc601

http://ml.naxos.jp/album/OC601

 

この録音、オケはウィーンですが、ピアニストと指揮者はフランス人。そして何よりも目を惹くのがラヴェルのカップリングにガーシュウィンのピアノコンチェルトという珍しい曲を持ってきたことです。ガーシュウィンはアメリカを代表する作曲家の1人ですし、その彼が渡仏してラヴェルと交流を持ったこともつとに知られるエピソードですが、1925年に作曲・初演されたピアノコンチェルトは演奏機会が多くはありません。私もこのロジェの録音で初めて聴きましたが、ガーシュウィンらしさを残しつつもクラシック正統派的書法で紡がれた音楽は、演奏の良さと相まって充実した内容のものとなっています。

そして一方のラヴェルのト長調コンチェルトですが、意外にも作曲年代がガーシュウィンより数年ほど後なんですよね。英国のウォルトンはガーシュウィンのピアノコンチェルトを聴いて、この曲の管弦楽法を褒めちぎったそうですが、フランスのラヴェルはこの曲を聴く機会があったのかどうか、とても興味深いところではあります(当時はインターネット配信どころかCDもLPレコードも無かった時代ですからね)。演奏に関して触れるなら、ピアノソロは言うことなしですが、オケの響きはもう少し南欧的なカラフルさがあればなぁ・・・と若干思わなくもなかったです。まぁウィーンのオケだから、ある意味で仕方ないですけどね。

 



ガーシュウィン:『パリのアメリカ人』他/ジェームズ・ジャッド&ニュージーランド響

クリスマスイヴにNMLでシャルパンティエを聴いていたしとらすですが、MBSの『境界線上のホライゾン』1期最終話が始まるまでにまだ時間が余ったので何か毛並みの違うものを聴こうとして、以前見かけた中から探して聴いたのが、ジャッドとNZ響のコンビによるガーシュウィン集とRVW集でした。まずはガーシュウィンから。

 

ガーシュウィン:パリのアメリカ人、他
 /ジェームズ・ジャッド&ニュージーランド響

ジョージ・ガーシュウィン
・ハリウッドのガーシュウィン(ロバート・ラッセル・ベネット編)
・パリのアメリカ人
・キューバ序曲
・交響的絵画『ポーギーとベス』(ロバート・ラッセル・ベネット編)

指揮:ジェームズ・ジャッド
管弦楽:ニュージーランド交響楽団

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http://ml.naxos.jp/album/8.559107

 

指揮者もオケもアングロ=サクソン系とはいえ非アメリカなコンビではありましたが、4曲ともレベルの高い好演奏で楽しめました。有名どころで『パリのアメリカ人』が入っていますが、しとらす的に一番印象の良かったのが最後の『ポーギーとベス』の組曲でした。これはフリッツ・ライナーがピッツバーグ響の音楽監督を務めていた頃にロバート・ラッセル・ベネットに委嘱して1942年に作られたのだそうですが、これがまためっちゃ楽しかったです。

・・・つーか、あのライナーがどんな顔してこの曲を指揮してたのか、しとらす的にすごく興味があるんですけどw(オケへの厳しさで数々の逸話を残してる指揮者なので)・・・

ともあれ、オケがうまい上にアメリカァ〜ンな雰囲気もしっかり醸し出しているので、ガーシュウィンが好きな人は試しに聴いてみていただけたらと思います。

ちなみに、ニュージーランド交響楽団[http://www.nzso.co.nz/]はナクソスに多数の録音を残していて、最近も現音楽監督で1980年生まれの若手フィンランド人指揮者ピエタリ・インキネン[http://www.pietariinkinen.com/]の下でシベリウス交響曲全集を完成させたりしました。ジェームズ・ジャッド[http://www.jamesjudd.net/]は1949年生まれの英国人指揮者でインキネンの前にニュージーランド響の音楽監督を1999年から2007年まで務め、退任後も同オケの名誉音楽監督となっています。

インキネンは日フィルの首席客演指揮者になるなどで度々来日していますから、彼のシベリウス全集もそのうち採りあげられればと思います。
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