京都市交響楽団が2019年度の定期演奏会ラインナップを発表

私、AmazonのFire TV Stickをパソコン用フルHDモニタに接続して使ってて、Prime Video以外にも今夏から契約しているDAZNなんかを観たりしてるのですが、これを書きながら偶々観ていた、YouTubeにアップされてるhr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)の定期演奏会ライヴ動画、コンサートの始まりで楽員さんが全員一斉に舞台に出てきて観客が拍手で迎えるシーンがあって、あらま今の京響と同じやん、みたいな・・・。欧州各国や米国のオーケストラ事情を細かいところまで把握してはいないので、こういう始まりがドイツのスタンダードなのかはわかりませんが、フランクフルトでやってるのなら京都でやったってエエやんというわけで、次からは私も遠慮がちでなくもっと堂々と楽団員さんたちの入場を拍手で迎えることにしようと思いました。

 

さて、今上陛下の天皇譲位が控える2019年度の京都市交響楽団の定期演奏会ラインナップ、こうして書いてて気づいたのですが、ブラームスが1個もありません!珍しい!個人的には大して好きな作曲家でもないのでブラームスの名前を見るたびに少し辟易していたところもあったのですが、定期にブラームスが無い1年というのは新鮮でいいですね。遡って調べたら10年ぶりでした。年11回しかない定期で京響に採り上げてほしい作曲家は他に山ほどあるので、その次の年もブラームスは無しでいいです。それよりかはブルックナーの2・3・6番を誰か振ってくれへんかな?

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ハイドンの『天地創造』は本来であれば8月ではなく新年の初め1月に演奏するのが相応しいのですが、こういうスタンダードのオラトリオを採り上げる機会が極端に少ない日本では贅沢も言っれられません。世界最高峰の合唱団と名高いスウェーデン放送合唱団のシェフを10年務めた合唱指揮のスペシャリスト、ペーター・ダイクストラが京響と手がける『天地創造』、大いに楽しみです。

来年の高関さんと下野さんの担当回、なんかコレジャナイ感がするのは気のせいでしょうか?(苦笑)
交響曲第6番、ブルックナーだってドヴォルザークだって良いの書いてるんだけどなーベートーヴェンでなくてもなー(ぶつぶつ)

 


 

◆第633回定期
2019年4月12日(金)19:00
指揮:井上道義
◇プロコフィエフ:交響組曲『キージェ中尉』 Op.60
◇プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
〔Pf イリヤ・ラシュコフスキー〕
◇プロコフィエフ:バレエ『ロメオとジュリエット』 Op.64~井上道義セレクション

◆◆第634回定期◆◆
2019年5月18日(土)14:30
2019年5月19日(日)14:30
指揮:カーチュン・ウォン
◇吉松 隆:鳥は静かに… Op.72
◇シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
〔Vn ラグンヒル・ヘムシング〕
◇フランク:交響曲ニ短調

◆第635回定期
2019年6月21日(金)19:00
指揮:広上淳一
◇ヴェルディ:『シチリア島の夕べの祈り』〜序曲
◇コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
〔Vn 五嶋 龍〕
◇ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45

◆◆第636回定期◆◆
2019年7月27日(土)14:30
2019年7月28日(日)14:30
指揮:高関 健
◇スメタナ:連作交響詩『わが祖国』(6作全曲)

◆第637回定期
2019年8月25日(日)14:30
指揮:ペーター・ダイクストラ
◇ハイドン:オラトリオ『天地創造』 Hob. XXI-2
〔S 盛田麻央、 T 櫻田 亮、 B 青山 貴、 cho 京響コーラス〕

◆◆第638回定期◆◆
2019年9月21日(土)14:30
2019年9月22日(日・祝)14:30
指揮:下野竜也
◇ブルックナー(スクロヴァチェフスキ編曲):弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB 112〜第3楽章「アダージョ」
◇モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
〔Pf ヤン・リシエツキ〕
◇ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調『田園』 Op.68

◆第639回定期
2019年10月11日(金)19:00
指揮:ラルフ・ワイケルト
◇モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385『ハフナー』
◇ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』 WAB 104[ノヴァーク版第2稿]

◆◆第640回定期◆◆
2019年11月16日(土)14:30
2019年11月17日(日)14:30
指揮:シルヴァン・カンブルラン
◇武満 徹:夢の時
◇ハイドン:交響曲第104番 ニ長調『ロンドン』 Hob. I:104
◇ストラヴィンスキー:バレエ『春の祭典』

◆◆第641回定期◆◆
2020年1月18日(土)14:30
2020年1月19日(日)14:30
指揮:ジョン・アクセルロッド
◇ベートーヴェン:劇付随音楽『アテネの廃墟』 Op.113〜序曲
◇バーンスタイン:ハリル ― 独奏フルート、弦楽オーケストラと打楽器のためのノクターン
〔Fl アンドレアス・ブラウ〕
◇ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調『レニングラード』 Op.60

◆第642回定期
2020年2月14日(金)19:00
指揮:リオ・クォクマン(廖國敏)
◇ラロ:スペイン交響曲 Op.21
〔Vn スヴェトリン・ルセフ〕
◇プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100

◆◆第643回定期◆◆
2020年3月28日(土)14:30
2020年3月29日(日)14:30
指揮:広上淳一
◇シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D.485
◇マーラー:交響曲第4番 ト長調
〔S 森谷真理〕

 

◆◆第九コンサート◆◆
2019年12月27日(金)19:00
2019年12月28日(土)14:30
指揮:ユベール・スダーン
◇メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」 Op.27
◇ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125
〔S 吉田珠代、Ms 八木寿子、T 清水徹太郎、Br 近藤 圭、cho 京響コーラス〕

◆ニューイヤー・コンサート
2020年1月12日(日)14:30
指揮:クレメンス・シュルト
◇シューマン:歌劇『ゲノヴェーヴァ』 Op.81〜序曲
◇シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
〔Pf 岡田 奏〕
◇シューマン:交響曲第3番 変ホ長調『ライン』 Op.97

 

[※以上、場所はすべて 京都コンサートホール・大ホール です]

 


 

2年続けての登場になるリオ・クォクマン(http://www.liokuokman.com/)と、今回が初登場となる1986年シンガポール生まれの新鋭カーチュン・ウォン(http://www.kahchunwong.com/)、華人系の俊英指揮者が台頭してきて、1年に2人も京響定期に登場するというのは時代の流れですかねぇ〜。そのカーチュン・ウォンは今シーズンから独バイエルン州ニュルンベルク市(あのワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』のニュルンベルクはここ)の第2のオーケストラであるニュルンベルク交響楽団[Nürnberger Symphoniker https://www.nuernbergersymphoniker.de/]で首席指揮者を務めていますが、では第1はというとニュルンベルク州立歌劇場[Staatstheater Nürnberg https://www.staatstheater-nuernberg.de/]の座付きにあたるニュルンベルク州立フィルハーモニーで、こちらも今シーズンからGMDにヨアナ・マルヴィッツ(Joana Mallwitz http://joanamallwitz.com/)がマルクス・ボッシュの後釜として就任しました。彼女とカーチュン・ウォンは2人とも1986年生まれですから、若手同士で切磋琢磨しつつ成長していってくれるといいですね。


 

ちなみに、カーチュン・ウォンが採り上げるフランクの交響曲と、リオ・クォクマンが採り上げるラロのスペイン交響曲は、2曲とも京響定期では9年ぶりの演奏となります。

シルヴァン・カンブルランが昨秋に読響を率いて滋賀びわ湖ホールでメシアンの『アッシジの聖フランチェスコ』を上演したの、とても行きたかったんですけど、都合がつかずに行けなかったんですよね。ですので、京響に客演で来てくれるの嬉しいです。読響の常任は今年度いっぱいで退任するそうですが、京響とはどんな化学反応を起こしてくれるのでしょう?

N響、東響、新日フィルと東京のオケには何度か客演されてるラルフ・ワイケルト、初めての京都でブルックナーを振ってくれるのは良いのですが、なぜ京響はいつもいつもオーダーが4番ばかりなのでしょう?2・3・6・7番じゃダメなん?なんかすげーモッタイナイ感が・・・。

翌年1月、アクセルロッド回で共演するアンドレアス・ブラウは定年の2015年までエマニュエル・パユとともにベルリン・フィルの首席フルート奏者を務めていた人。土日2日公演での登場ですので、部活動で吹奏楽をやっている中高生さんたちには仲間連れでぜひとも聴きに来てほしいですね。

あと、定期ではないですがニューイヤー・コンサートを振るクレメンス・シュルト(http://www.clemensschuldt.de/)、京響ニューイヤーのプログラムでこんなチャレンジする指揮者は山田和樹さん以来ではないでしょうか?個人的にシューマンは好みじゃないけど、こういうプログラムを組む心意気が興味深いので、都合がつけば行ってみたいですね。

 

 


京都市交響楽団 第566回定期演奏会(指揮:広上淳一)

まずはじめに・・・

北村さん、長い間お疲れ様でした! m(_ _)m

ヴィオラ奏者の北村英樹さんが今月末で定年だそうで(出演される演奏会自体も今定期がラスト)、プログラム終了後に卒団式がありました。ヴィオラ首席の小峰さんから大きな花束を贈呈され、それから広上さんと軽いトークがあったのですが、質問にボケた返答を返したりで朗らかな雰囲気でした。写真を撮るのがご趣味だそうで、それも含めて今後どうされるのか広上さんに尋ねられて音楽と写真と半々?と仰ってましたが、いずれどこかのギャラリーでお目にかかれるといいですね。

閑話休題。

昨年7月の559回定期の時に、その定期で演奏されたリヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』組曲と今回のハチャトゥリアンの組曲『仮面舞踏会』でCDを出すというアナウンスがありましたが、今回のパンフには今年9月の発行予定とありました。収録曲は『ばらの騎士』組曲と組曲『仮面舞踏会』の予定とありましたが、この2曲を合わせても40分ちょっとなんですよね。というわけでカップリングが気になるところですが、『仮面舞踏会』では使わないピアノが既に後半向けに舞台左後方にセットされてマイクも置いてあったので、しっかり録音はするのでしょうね。CDフォーマットのギリギリまで使うとして最大値で残り40分弱。7月の定期から採るか今回メインのプロコフィエフの7番を採るのか、興味津々といったところですね。

さて、恒例のプレトーク。広上さんは2人のレディを引き連れての登場(彼曰く「ネタ切れしてきたので」・・・ってをいwww)。ヴァイオリン奏者の立石康子さんと田村安祐美さんに広上さんからヴァイオリンについて質問形式で語ってもらうという進め方でした。ヴァイオリンセクションの並びに関してオケによって席順が厳格に決められているところ(場合によっては給料に反映されるとか?どこのオケよ?w)と、ウィーン・フィルみたいにコンマスや首席以外はフリーダムというケースといろいろあるそうですが、京響に関してはウィーン・フィル同様に席順を固定しないスタイルだそうです。田村さん曰く後ろの席だとコンマスから離れてるので合わせるのにかなり気を使うとか。それと、もし自分がソリストとして弾くなら・・・と聞かれて2人ともモーツァルトは避けたいと意見が一致してたのが面白かったです(笑)。シンプルだからこそ難しいとのこと、ナルホドですね(立石さんでしたかバルトークとかの方がまだやりやすいと呟いていたような・・・?)。あとは広上さんからハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』は「ワルツ」をフィギュアスケートの浅田さんが使ってるから云々といった簡単な曲解説でお開き。

 

京都市交響楽団 第566回定期演奏会
2013年3月24日(日)14時30分開演@京都コンサートホール

◆A.I.ハチャトゥリアン 組曲『仮面舞踏会』
◆E.W.コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
 (アンコール)
 ◇J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調〜サラバンド
 ◇N.パガニーニ 24の奇想曲 Op.1〜第17番
(休憩)
◆S.プロコフィエフ 交響曲第7番嬰ハ短調 Op.131〔※強奏で終わる追加有り〕
 (アンコール)
 ◇S.プロコフィエフ 交響曲第7番嬰ハ短調 Op.131〜終楽章終結部付録部分

指揮:広上淳一
ヴァイオリン:クララ=ジュミ・カン
コンサートマスター:渡邊 穣

 

1曲目の『仮面舞踏会』はCD収録が明記されてることもあってか、のっけから全力全開モード。リズムのノリもよく、歌わせるところでも弦が厚みのある響きでしっかり鳴らしててグッド。管セクションは首席がどこも未登場でしたけど、代わりに1番吹いてた方々ももちろん好演奏を披露してました。強いて言えば、今日のコンマスは泉原さんで聴きたかったかな、と個人的には思ったり・・・。

2曲目、コルンゴルトのコンチェルト。プレトークでも紹介されてましたが、ソリストの人(バス歌手のフィリップ・カンの娘さんだそうな)は広上さんより頭ひとつ分以上抜けてて確かに背の高い女性(笑)。でも演奏の方はというと・・・大拍手でアンコール2曲も呼び出すほどだったのか、正直疑問が残りました。私の席からはソリストの背中しか見えなくてヴァイオリンは聴きにくいし、コルンゴルトでネチネチとクドくやられても困るからこんなもんかなぁ〜思いつつも、合わせモノ(協奏曲の伴奏)が得意なはずの広上&京響コンビとテンションから何からどうにもズレがあるような・・・という微妙な違和感が消えないままコンチェルトが終わり、何度かのカーテンコールの後にアンコールを弾いてたのですが、バッハの無伴奏での平板さ具合にコンチェルトでの違和感が間違いではなかったという印象を持ちました。さすがにコレをCD収録したら怒るぞ(まさかとは思うが・苦笑)。

後半メイン、プロコフィエフの7番シンフォニー。マイク配置から見るに収録する気満々のようですね(笑)。管セクションは首席揃い踏み、弦セクションも前半のテンションを後半でもしっかり維持してて充実した好演奏でした。腕時計で大雑把に測って31〜32分ほどだったからスペース充分入りますよ(何が?www)。爆演で捻じ伏せられるタイプの曲ではないので一聴してのインパクトには欠けるでしょうけど、メランコリーで叙情的な部分とウィットに富んで溌剌としたリズミカルな部分と、入れ替わり立ち替わり出てくるのが決してカオスにならず、広上さんのタクトに合わせて明晰かつ細い表情付けがなされていて、ラストは強奏で終わるヴァージョンでユーモラスな感じで締めくくられたのは、いかにもこのコンビらしくて後味の良い爽快な印象を持ちました。

この後はカーテンコールの後に改めて北村さんの卒団式があり、そして・・・本当ならここでもうハイお終いでアンコール何も用意してないんですが今までで最も短いアンコールやりますね・・・と言って演奏したのが7番シンフォニー終楽章の付録の部分。なんともユーモラスなオチでした(笑)。今日の定期は最初から最後まで本当に今の広上さんと京響らしいというか全身全霊で練度の高い充実した音楽を観客に提供して、音楽をいろんな方向で心から楽しませてくれる、そういった今の素晴らしい現状を象徴しているように思いました。

さて、今年9月を予定しているというCDリリース、『ばらの騎士』と『仮面舞踏会』の他に何をカップリングしてくれるのか、今から楽しみですね。多少客席ノイズが発生してましたけど今日のプロコフィエフの7番が入るといいなぁ〜、でも7月の時の『リンツ』や『ティル』も捨てがたい気もするし・・・。

今日はレセプションもあったのですが、体調が優れなかったこともあって広上さんの登場まで待てずに帰りました。途中新京極のアニメイトによって買い物して、ついたらどうにも足元がフラフラするようで、ありゃぁ〜思いつつ熱を計ったら38度(苦笑)。まぁいろいろと病気持ちで必要な薬は常備してるので、これからゆっくり寝ます・・・zzz

 

 



モーツァルト:クラリネット協奏曲、グリエール:ハープ協奏曲、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲/バイエルン放送響、セバスチャン・マンツ(クラリネット)、エマニュエル・セソン(ハープ)、パク・ヘユン(ヴァイオリン)

コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を聴くのに何故このディスクを選んだかというと、リリースしたレーベルがバイエルン放送交響楽団[http://www.br.de/radio/br-klassik/symphonieorchester/](以下BRSO)の自主レーベルなのと、2008年と2009年のミュンヘン国際音楽コンクール優勝者たちによる「若き芽のコンサート」をライヴ収録したというユニークで(これからより大きく羽ばたいていくかもしれない若い演奏者たちの巣立ちを見守ってほしいという心が垣間見えるような)ある意味で粋な企画に思えたからです。

もっとも、演奏が酷かったら当然のごとく採り上げないところですが、ここに記録された3人の若手がそれぞれに巧いという以上のキラっと光るものを、まだ小さなものとはいえ感じさせてくれましたからね。

 

モーツァルト:クラリネット協奏曲、グリエール:ハープ協奏曲、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲
 /セバスチャン・マンツ(クラリネット)、エマニュエル・セソン(ハープ)、パク・ヘユン(ヴァイオリン)、
 コルネリウス・マイスター&ロランス・レーヌ(指揮)、バイエルン放送交響楽団
【BR KLASSIK】

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
・クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
レインゴリト・グリエール
・ハープ協奏曲 Op.74
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35

クラリネット:セバスチャン・マンツ
ハープ:エマニュエル・セソン
ヴァイオリン:パク・ヘユン
指揮:コルネリウス・マイスター(モーツァルト)、ロランス・レーヌ(グリエール、コルンゴルト)
管弦楽:バイエルン放送交響楽団

録音時期:2008年9月19日(モーツァルト)、2009年9月19日(グリエール、コルンゴルト)
録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール

http://ml.naxos.jp/album/900106

900106

 

クラリネット奏者のセバスチャン・マンツ[http://www.sebastianmanz.com/]は当時22歳、ミュンヘン国際音楽コンクールのクラリネット部門で第1位が出たのは40年ぶりとかで、この演奏でも特に中高音域でとても伸びやかで通る音色と演奏が印象的です。低音でも一切の濁りなくしっかりとした音が出ているのもいいですね。ザビーネ・マイヤーとライナー・ヴェーレに師事していたそうで、2010/11シーズンからシュトゥットガルト放送響の首席ソロ奏者に就任しています(オケ公式サイトのプロフィールはココ)。

ハープ奏者のエマニュエル・セソン[http://www.emmanuelceysson.com/]は1984年生まれで、2006年からパリ国立オペラ座管弦楽団の首席ソロ奏者を務めていて、現在では他にロンドンの王立アカデミーの客員教授も兼任するほどのフランスが誇る逸材だそうです。ここでは父親がドイツ人で母親がポーランド人というウクライナ生まれのグリエールの珍しい曲を採り上げていますが、私は初めて聴いた曲ですけど終楽章のメルヘンティックで親しみやすいところなど、なかなかに面白い作品でした。ハープはそれほど大きな音量を出せる楽器ではないのでフル編成オケの中だとともすれば埋もれがちになるところですが、セソンの煌びやかな音色は世界でもトップ10に入るBRSOを向こうに回して一歩も引けを取ることなく、しっかりと自己主張しながら作品の魅力を大いに引き出した熱演を披露しています。しとらす的にはここに収録された3曲の中では演奏機会の稀少な作品ということも相まって最も印象深い演奏でした。

ちなみに、NAXOSレーベルが近年完成させた準・メルクルとリヨン国立管によるドビュッシー・ツィクルスの中にもセソンがソリストとして参加している曲(2つの舞曲「神聖な踊りと世俗の踊り」)がありますので、手元にある方は改めて聴いてみてください。

3曲目のコルンゴルトのヴァイオリン・コンチェルト、ソリストは当時若干17歳で第1位となったパク・ヘユン。審査基準が非常に厳しく滅多に第1位を出すことのなかったミュンヘン国際音楽コンクールも近年では基準を緩める傾向にあるそうで、ヴァイオリン部門で1位をゲットしたという結果値だけでどうこう言うのは早計にすぎるでしょうが、少なくともここでの彼女の演奏は己の技巧をひけらかすだけに終わらないプラスアルファを持った貫禄ある好演となっています。現時点でも20歳かな?まだ充分に若い彼女が周囲の状況に流されることなく研鑽を重ねて、中高年になった頃にはその才能に円熟味を加えた良い演奏家になってくれることを期待したいですね(若手はビジュアルとテクニックで誤魔化しが効きますが年の取り方を間違えるとそうもいかず業界で飯が食えなくなりますからね・苦笑)。