リンドベルイ:EXPO、ピアノ協奏曲第2番、アル・ラルゴ/アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィルハーモニック、イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)

NMLに
第56回グラミー賞 ノミネート作品
というページが新しくできてまして、来月に授賞式が行われる次のグラミー賞にノミネートされた作品の中から、NMLに登録されてあるディスクをまとめて紹介してあるのですが、その中から個人的にちょっと注目してみたいものを折を見て挙げていこうかと思ってます。

まずはこれ。アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル[http://nyphil.org/]によるリンドベルイの作品集です。

 

リンドベルイ:EXPO、ピアノ協奏曲第2番、アル・ラルゴ
 /アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル、イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
【Dacapo】

マグヌス・リンドベルイ
・オーケストラのための『EXPO』 [2009年作]
・ピアノ協奏曲第2番 [2011-2012年作]
・オーケストラのための『アル・ラルゴ』 [2009-2010年作]

指揮:アラン・ギルバート
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
ピアノ:イェフィム・ブロンフマン

録音時期:2009年9月16日[EXPO]、2012年5月3日[ピアノ協奏曲第2番]、2010年6月23日[アル・ラルゴ]
録音場所:ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール(ライヴ)

http://ml.naxos.jp/album/8.226076

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8226076

 

アラン・ギルバートのような世界的指揮者やニューヨーク・フィルのようなクラスのオーケストラだったりとなるとメジャーレーベルと契約しているケースが多く、特にワールドワイドなオケともなれば自主レーベルでも出してくれないかぎりはこうしてNMLを通じて聴くこともなかなか叶わないので、2009年にニューヨーク・フィルの音楽監督に就任したアラン・ギルバートと彼の手兵の正規でのライヴ録音がNMLで聴けるというのは案外貴重だったりします。

グラミー賞のベスト・コンテンポラリー・クラシカル・コンポジションとベスト・クラシカル・インストゥルメンタル・ソロの2部門にノミネートされているこのディスク、1958年生まれのフィンランドの作曲家マグヌス・リンドベルイの作品集というだけでなく、収録されている3曲ともアラン・ギルバートとニューヨーク・フィルから委嘱された作品なのだそうです。特に1曲目の『EXPO』、英語の‘exposition’に由来するこの曲はアラン・ギルバートの音楽監督就任記念に作曲され、彼の就任後最初の演奏会で世界初演されたのだとか。

どれも時期こそ異なれど拍手カット無しのライヴ録音ですが、『アル・ラルゴ』のような色彩感豊かな音楽に対するアラン・ギルバートのアプローチはどこか西陣織を思わせるような音の線をクリアにしながらも丁寧に織り込む繊細さと煌びやかさがあり、またニューヨーク・フィルも彼の意図をしっかり汲み取るかのような反応を見せていて、委嘱作品ということで十八番的なところもあるのでしょうけど、とても充実した演奏だと思います。

ピアノ協奏曲でのブロンフマンの技巧の冴えも見事ですが、それ以上にアラン・ギルバートとニューヨーク・フィルの関係性とレパートリーの懐の深さが窺えて、とても聴き応えのある録音でした。リンドベルイのような現代音楽を現在のメジャーレーベルが録音してリリースするなんてことはとても期待できるはずもなく、デンマークのDacapo[http://www.dacapo-records.dk/]のようなレーベルだからこそリリースが実現したのかなぁ〜という気がします。その点ではこの北欧のマイナーレーベルに感謝しないといけないでしょうね。