ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲集/トラーゼ、パーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送響;マツーエフ、ゲルギエフ&マリインスキー劇場管;ヘルムヒェン、ユロフスキ&ロンドン・フィル

今度の京響定期で前半に演奏されるショスタコーヴィチのピアノコンチェルトの1番ですが、彼が作曲した2曲のピアノコンチェルト、近年は注目の新譜が立て続けにリリースされているそうで、NMLのカタログの中だけでも登録日の比較的新しいディスクが結構多いのですが、軽く紹介でも・・・と思ってもなかなか1つに絞ることができず、とりあえず私が目に付いて聴いてみたものを挙げてみることにしました。

リリースの新しいものから順に並べると、まずはNHK『スーパーピアノレッスン』の講師として見覚えのある方も多いであろうグルジア生まれの巨匠アレクサンドル・トラーゼがパーヴォ・ヤルヴィとhr交響楽団(旧フランクフルト放送響)をバックに演奏した録音。これを制作した Pan Classics は1992年に設立されたスイスのレーベルで、一時期は消滅の憂き目にあったものの経営母体が変更されてから活動を再開し、いわば復活の狼煙の意味合いも込めてリリースしたのがこのディスクのようで、ジャケットの右下に“hr music classic”とあるようにパーヴォ&hr響とのコラボレーショの予定が今後もあるようです。

そして2枚目のマリインスキー劇場自主レーベルのディスク。2009年12月1日にサントリーホールでビッグサプライズ的な形で1番コンチェルトの熱演を披露してくれたデニス・マツーエフ[http://matsuev.com/]とゲルギエフ&マリインスキー劇場管(当日の東条碩夫さんによる演奏評はこちら→http://concertdiary.blog118.fc2.com/blog-entry-621.html)によるセッション録音で、ショスタコーヴィチの2曲に加えてシチェドリンの5番pコンをカップリングしたハイブリッドSACDです。

3枚目が1982年ベルリン生まれのマルティン・ヘルムヒェン[http://www.martin-helmchen.com/]をソリストに迎えてのロンドン・フィルのライヴ録音で、指揮も1972年生まれの現首席指揮者ウラディーミル・ユロフスキによる、いわば若手コンビによる演奏です。

こうして並べてみると三者三様で面白かったです。フレッシュな爽快感と躍動感に加えてライヴ特有のエネルギッシュさが見られるヘルムヒェン&ユロフスキ盤、ダイナミックレンジとテンポの幅を大きくとった表情豊かなピアノと全体的に柔和なサウンドでサポートに徹した感のあるオーケストラとが対照的で良い触媒となった印象のあるマツーエフ&ゲルギエフ盤、ベテランらしく独特の深みのあるロシア・ピアニズムに精緻なオーケストラサウンドで応えているトラーゼ&パーヴォ盤。

それぞれに個性が異なるものの、いずれも優秀な演奏揃いで録音も良い。ショスタコーヴィチの2曲のコンチェルトにカップリングされた曲が3枚とも違ってて、しかもそれぞれに興味深い好演奏。ともなると1度聴いたくらいでは絞りきれなくて、面倒くさいから(苦笑)3枚一挙にこうして並べてみたわけですが、ディスク購入の観点からすると安価なハイブリッドSACDのマツーエフ&ゲルギエフ盤になるんですかねぇ・・・?ピアニスト・指揮者・オケと全てロシアで固めてあるのもセールスポイントの1つになるでしょうし。

 


 

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲集/トラーゼ、パーヴォ・ヤルヴィ&hr響【Pan Classics】

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
・ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.35
・ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102
・2台のピアノのための小協奏曲 Op.94

ピアノ:アレクサンドル・トラーゼ
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:hr交響楽団[※旧フランクフルト放送交響楽団]
トランペット:ユルゲン・エレンゾーン(ピアノ協奏曲第1番)
第2ピアノ:ゲオルグ・ヴァチナーゼ(2台のピアノのための小協奏曲)

録音時期:2010年6月、2011年8月
録音場所:フランクフルト、ヘッセン放送協会センデザール

http://ml.naxos.jp/album/PC10261

Pc10261

 

 

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲集
 /マツーエフ、ゲルギエフ&マリインスキー劇場管
【Mariinsky】[Hybrid SACD]

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
・ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.35
・ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102
ロディオン・シチェドリン
・ピアノ協奏曲 第5番

ピアノ:デニス・マツーエフ
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
管弦楽:マリインスキー劇場管弦楽団
トランペット:ティムール・マルチノフ(ピアノ協奏曲第1番)

録音時期:2009年12月25日-30日、2010年12月30日
録音場所:サンクト・ペテルブルク、マリインスキー劇場コンサートホール

http://ml.naxos.jp/album/MAR0509

Mar0509

 

 

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲集/ヘルムヒェン、ユロフスキ&ロンドン・フィル【LPO】

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
・ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 Op.35
・ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102
・ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57

ピアノ:マルティン・ヘルムヒェン
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
トランペット:ポール・ベニストン(ピアノ協奏曲第1番)
ヴァイオリン:ピーター・シェーマン、ヴェッセリン・ゲレヴ(ピアノ五重奏曲)
ヴィオラ:アレクサンダー・ツェムツォフ(ピアノ五重奏曲)
チェロ:クリスティーヌ・ブラウマネ(ピアノ五重奏曲)

録音時期:2008年4月23日(ピアノ協奏曲第1番)、2009年4月25日(ピアノ協奏曲第2番)
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ピアノ協奏曲、ライヴ)

http://ml.naxos.jp/album/LPO-0053

Lpo0053