京都市交響楽団が2019年度の定期演奏会ラインナップを発表

私、AmazonのFire TV Stickをパソコン用フルHDモニタに接続して使ってて、Prime Video以外にも今夏から契約しているDAZNなんかを観たりしてるのですが、これを書きながら偶々観ていた、YouTubeにアップされてるhr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)の定期演奏会ライヴ動画、コンサートの始まりで楽員さんが全員一斉に舞台に出てきて観客が拍手で迎えるシーンがあって、あらま今の京響と同じやん、みたいな・・・。欧州各国や米国のオーケストラ事情を細かいところまで把握してはいないので、こういう始まりがドイツのスタンダードなのかはわかりませんが、フランクフルトでやってるのなら京都でやったってエエやんというわけで、次からは私も遠慮がちでなくもっと堂々と楽団員さんたちの入場を拍手で迎えることにしようと思いました。

 

さて、今上陛下の天皇譲位が控える2019年度の京都市交響楽団の定期演奏会ラインナップ、こうして書いてて気づいたのですが、ブラームスが1個もありません!珍しい!個人的には大して好きな作曲家でもないのでブラームスの名前を見るたびに少し辟易していたところもあったのですが、定期にブラームスが無い1年というのは新鮮でいいですね。遡って調べたら10年ぶりでした。年11回しかない定期で京響に採り上げてほしい作曲家は他に山ほどあるので、その次の年もブラームスは無しでいいです。それよりかはブルックナーの2・3・6番を誰か振ってくれへんかな?

京響の公式リリースPDF版はこちらをクリック

ハイドンの『天地創造』は本来であれば8月ではなく新年の初め1月に演奏するのが相応しいのですが、こういうスタンダードのオラトリオを採り上げる機会が極端に少ない日本では贅沢も言っれられません。世界最高峰の合唱団と名高いスウェーデン放送合唱団のシェフを10年務めた合唱指揮のスペシャリスト、ペーター・ダイクストラが京響と手がける『天地創造』、大いに楽しみです。

来年の高関さんと下野さんの担当回、なんかコレジャナイ感がするのは気のせいでしょうか?(苦笑)
交響曲第6番、ブルックナーだってドヴォルザークだって良いの書いてるんだけどなーベートーヴェンでなくてもなー(ぶつぶつ)

 


 

◆第633回定期
2019年4月12日(金)19:00
指揮:井上道義
◇プロコフィエフ:交響組曲『キージェ中尉』 Op.60
◇プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
〔Pf イリヤ・ラシュコフスキー〕
◇プロコフィエフ:バレエ『ロメオとジュリエット』 Op.64~井上道義セレクション

◆◆第634回定期◆◆
2019年5月18日(土)14:30
2019年5月19日(日)14:30
指揮:カーチュン・ウォン
◇吉松 隆:鳥は静かに… Op.72
◇シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
〔Vn ラグンヒル・ヘムシング〕
◇フランク:交響曲ニ短調

◆第635回定期
2019年6月21日(金)19:00
指揮:広上淳一
◇ヴェルディ:『シチリア島の夕べの祈り』〜序曲
◇コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
〔Vn 五嶋 龍〕
◇ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45

◆◆第636回定期◆◆
2019年7月27日(土)14:30
2019年7月28日(日)14:30
指揮:高関 健
◇スメタナ:連作交響詩『わが祖国』(6作全曲)

◆第637回定期
2019年8月25日(日)14:30
指揮:ペーター・ダイクストラ
◇ハイドン:オラトリオ『天地創造』 Hob. XXI-2
〔S 盛田麻央、 T 櫻田 亮、 B 青山 貴、 cho 京響コーラス〕

◆◆第638回定期◆◆
2019年9月21日(土)14:30
2019年9月22日(日・祝)14:30
指揮:下野竜也
◇ブルックナー(スクロヴァチェフスキ編曲):弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB 112〜第3楽章「アダージョ」
◇モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
〔Pf ヤン・リシエツキ〕
◇ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調『田園』 Op.68

◆第639回定期
2019年10月11日(金)19:00
指揮:ラルフ・ワイケルト
◇モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385『ハフナー』
◇ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』 WAB 104[ノヴァーク版第2稿]

◆◆第640回定期◆◆
2019年11月16日(土)14:30
2019年11月17日(日)14:30
指揮:シルヴァン・カンブルラン
◇武満 徹:夢の時
◇ハイドン:交響曲第104番 ニ長調『ロンドン』 Hob. I:104
◇ストラヴィンスキー:バレエ『春の祭典』

◆◆第641回定期◆◆
2020年1月18日(土)14:30
2020年1月19日(日)14:30
指揮:ジョン・アクセルロッド
◇ベートーヴェン:劇付随音楽『アテネの廃墟』 Op.113〜序曲
◇バーンスタイン:ハリル ― 独奏フルート、弦楽オーケストラと打楽器のためのノクターン
〔Fl アンドレアス・ブラウ〕
◇ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調『レニングラード』 Op.60

◆第642回定期
2020年2月14日(金)19:00
指揮:リオ・クォクマン(廖國敏)
◇ラロ:スペイン交響曲 Op.21
〔Vn スヴェトリン・ルセフ〕
◇プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100

◆◆第643回定期◆◆
2020年3月28日(土)14:30
2020年3月29日(日)14:30
指揮:広上淳一
◇シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D.485
◇マーラー:交響曲第4番 ト長調
〔S 森谷真理〕

 

◆◆第九コンサート◆◆
2019年12月27日(金)19:00
2019年12月28日(土)14:30
指揮:ユベール・スダーン
◇メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」 Op.27
◇ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125
〔S 吉田珠代、Ms 八木寿子、T 清水徹太郎、Br 近藤 圭、cho 京響コーラス〕

◆ニューイヤー・コンサート
2020年1月12日(日)14:30
指揮:クレメンス・シュルト
◇シューマン:歌劇『ゲノヴェーヴァ』 Op.81〜序曲
◇シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
〔Pf 岡田 奏〕
◇シューマン:交響曲第3番 変ホ長調『ライン』 Op.97

 

[※以上、場所はすべて 京都コンサートホール・大ホール です]

 


 

2年続けての登場になるリオ・クォクマン(http://www.liokuokman.com/)と、今回が初登場となる1986年シンガポール生まれの新鋭カーチュン・ウォン(http://www.kahchunwong.com/)、華人系の俊英指揮者が台頭してきて、1年に2人も京響定期に登場するというのは時代の流れですかねぇ〜。そのカーチュン・ウォンは今シーズンから独バイエルン州ニュルンベルク市(あのワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』のニュルンベルクはここ)の第2のオーケストラであるニュルンベルク交響楽団[Nürnberger Symphoniker https://www.nuernbergersymphoniker.de/]で首席指揮者を務めていますが、では第1はというとニュルンベルク州立歌劇場[Staatstheater Nürnberg https://www.staatstheater-nuernberg.de/]の座付きにあたるニュルンベルク州立フィルハーモニーで、こちらも今シーズンからGMDにヨアナ・マルヴィッツ(Joana Mallwitz http://joanamallwitz.com/)がマルクス・ボッシュの後釜として就任しました。彼女とカーチュン・ウォンは2人とも1986年生まれですから、若手同士で切磋琢磨しつつ成長していってくれるといいですね。


 

ちなみに、カーチュン・ウォンが採り上げるフランクの交響曲と、リオ・クォクマンが採り上げるラロのスペイン交響曲は、2曲とも京響定期では9年ぶりの演奏となります。

シルヴァン・カンブルランが昨秋に読響を率いて滋賀びわ湖ホールでメシアンの『アッシジの聖フランチェスコ』を上演したの、とても行きたかったんですけど、都合がつかずに行けなかったんですよね。ですので、京響に客演で来てくれるの嬉しいです。読響の常任は今年度いっぱいで退任するそうですが、京響とはどんな化学反応を起こしてくれるのでしょう?

N響、東響、新日フィルと東京のオケには何度か客演されてるラルフ・ワイケルト、初めての京都でブルックナーを振ってくれるのは良いのですが、なぜ京響はいつもいつもオーダーが4番ばかりなのでしょう?2・3・6・7番じゃダメなん?なんかすげーモッタイナイ感が・・・。

翌年1月、アクセルロッド回で共演するアンドレアス・ブラウは定年の2015年までエマニュエル・パユとともにベルリン・フィルの首席フルート奏者を務めていた人。土日2日公演での登場ですので、部活動で吹奏楽をやっている中高生さんたちには仲間連れでぜひとも聴きに来てほしいですね。

あと、定期ではないですがニューイヤー・コンサートを振るクレメンス・シュルト(http://www.clemensschuldt.de/)、京響ニューイヤーのプログラムでこんなチャレンジする指揮者は山田和樹さん以来ではないでしょうか?個人的にシューマンは好みじゃないけど、こういうプログラムを組む心意気が興味深いので、都合がつけば行ってみたいですね。

 

 


ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲全集、オネゲル:『ダヴィデ王』、エルガー:交響曲第1番、ヴェルディ:レクイエム…etc.

ツイッターで #nml のハッシュタグを付けてツイートしてきたもののサルベージとか。

 

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲全集/パノハ四重奏団【Supraphon】(8枚組BOX)

アントニン・ドヴォルザーク
・弦楽四重奏曲第1番 イ長調 Op.2, B.8
・弦楽四重奏曲第2番 変ロ長調 B.17
・弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 B.18
・アンダンテ・アパッショナート ヘ長調 B.40a
・弦楽四重奏曲第4番 ホ短調 B.19
・弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調 Op.9, B.37
・弦楽四重奏曲第6番 イ短調 Op.12, B.40
・弦楽四重奏曲第7番 イ短調 Op.16, B.45
・弦楽四重奏曲第8番 ホ長調 Op.80, B.57
・弦楽四重奏曲第9番 ニ短調 Op.34 B.75
・弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op.51 B.92
・弦楽四重奏曲第11番 ハ長調 Op.61, B.121
・弦楽四重奏のための楽章 ヘ長調 B.120
・弦楽四重奏曲『糸杉』 B.152(歌曲集『糸杉』B.11から12曲を弦楽四重奏に編曲)
・弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 『アメリカ』 Op.96, B.179
・弦楽四重奏曲第13番 ト長調 Op.106, B.192
・弦楽四重奏曲第14番 変イ長調 Op.105 B.193

弦楽四重奏:パノハ四重奏団

録音時期:1983年10月20日〜1999年月25日
録音場所:プラハ、ドモヴィナ・スタジオ、他

http://ml.naxos.jp/album/SU3815-2

Su38152

 


 

 

ブクステフーデ:ソナタ集、ディートリヒ・ベッカー:ソナタと組曲/ラ・レヴーズ【Mirare】

ディートリヒ・ブクステフーデ
・ソナタ イ短調 BuxWV 272
ディートリヒ・ベッカー
・ソナタと組曲 ニ長調
作曲者不詳
・ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ ニ短調
ディートリヒ・ブクステフーデ
・ソナタ ト短調 Op.2-3, BuxWV 261
・ソナタ ニ長調 BuxWV 267
・ソナタ 変ロ長調 BuxWV 273

古楽アンサンブル:ラ・レヴーズ

録音時期:2015年10月
録音場所:パリ

http://ml.naxos.jp/album/MIR303

Mir303

 


 

 

オネゲル:劇的詩篇『ダヴィデ王』(1921年版)/ダニエル・ロイス&スイス・ロマンド管、他【Mirare】

アルテュール・オネゲル
・劇的詩篇『ダヴィデ王』[1921年版]

指揮:ダニエル・ロイス
管弦楽:スイス・ロマンド管弦楽団
合唱:ローザンヌ声楽アンサンブル
ナレーター:クリストフ・バリサ
巫女:アテナ・ポウロス
ソプラノ:リュシー・シャルタン
メゾ・ソプラノ:マリアンネ・ベアーテ・キーラント
テノール:トーマス・ウォーカー

録音時期:2016年9月
録音場所:ジュネーヴ、OSRスタジオ

http://ml.naxos.jp/album/MIR318

Mir318

 


 

 

エルガー:交響曲第1番、序奏とアレグロ/エドワード・ガードナー&BBC響、他【Chandos】[Hybrid SACD]

エドワード・エルガー
・序奏とアレグロ Op.47
・交響曲第1番 変イ長調 Op.55

指揮:エドワード・ガードナー
管弦楽:BBC交響楽団
弦楽合奏:ドーリック弦楽四重奏団(序奏とアレグロ)

録音時期:2016年9月5-6日
録音場所:英ハートフォードシャー、ワトフォード、ワトフォード・コロッセウム

http://ml.naxos.jp/album/CHSA5181

Chsa5181

 


 

 

ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』 /ウラディーミル・ユロフスキ&ロンドン・フィル【LPO】

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
・交響曲第3番 変ホ長調 『英雄』 Op.55
・歌劇『フィデリオ』〜序曲 Op.72

指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
管弦楽:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

録音時期:2014年1月22日、2015年9月2-3日(『フィデリオ』序曲)[※いずれもライヴ録音]
録音場所:ロンドン、サウスバンク・センター、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール;ロイヤル・アルバート・ホール(『フィデリオ』序曲)

http://ml.naxos.jp/album/LPO-00965

Lpo0096

 


 

 

ヴェルディ:レクイエム/ジャナンドレア・ノセダ&ロンドン響、他【LSO Live】[Hybrid SACD]

ジュゼッペ・ヴェルディ
・レクイエム

指揮:ジャナンドレア・ノセダ
管弦楽:ロンドン交響楽団
合唱:ロンドン交響合唱団
ソプラノ:エリカ・グリマルディ
メゾ・ソプラノ:ダニエラ・バルチェッローナ
テノール:フランチェスコ・メーリ
バス:ミケーレ・ペルトゥージ

録音時期:2016年9月18-20日(ライヴ)
録音場所:ロンドン、バービカン・センター、コンサートホール

http://ml.naxos.jp/album/LSO0800

Lso0800

 


京都市交響楽団 第574回定期演奏会(指揮:広上淳一)

まずお知らせ。来年度のは12月4日公表予定だそうです。

さて、前半にショスタコーヴィチのチェロ協奏曲があるってんで、プレトークの時に広上さんに呼ばれて京響副首席の中西さんと一緒にステージに登場した客演首席の山本裕康さん(神奈川フィルの方ですね)、彼曰くチェロ・コンチェルトの中でもショスタコの2番は随一の難曲だそうで、もし自分が弾くとしたら?と水を向けられても、無理無理!考えたこともない、みたいなリアクションされてましたが、ソリストにとってだけでなく伴奏のオケにとっても非常に難しい曲なんだなと実感することになるとは思いませんでした。

こういったことが起こるからクラシックに限らず音楽は生演奏が良きにつけ悪しきにつけやっぱり最高だと感嘆するしかないのですが、今日の演奏も質だけを見れば広上&京響の好調ぶりを象徴するような出来栄えだったにもかかわらず、結論から言うと個人的にはどこかチグハグな印象が拭えず、生演奏は最高だけどもいろいろと難しいもんだと実感した次第。ちなみに、このチェロコンとシューマンの2番は両曲とも病院で作曲されたというエピソードを広上さんと岡田さんが話されてました・・・っつーか、なんでそんなエピソードをわざわざ引っ張りだしてくる?!(笑)

 

京都市交響楽団 第573回定期演奏会
2013年11月30日(土)14時30分開演@京都コンサートホール

◆D.ショスタコーヴィチ 祝典序曲 Op.96
◆D.ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲第2番ニ短調 Op.126
 (チェロソロ・アンコール)
 ◇J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV1012〜アルマンド
(休憩)
◆F.シューマン 交響曲第2番ハ長調 Op.61
 (アンコール)
 ◇G.ヴェルディ 歌劇『椿姫』〜第3幕前奏曲

指揮:広上淳一
チェロ:エンリコ・ディンド
コンサートマスター:泉原隆志

 

1曲目の祝典序曲、ブラスのバンダは・・・パイプオルガンの側にいましたね。私の席からは見づらい場所だったので、どこにいるのか演奏が終わるまでぼんやりとしかわかりませんでした。

そして2曲目・・・

ディンドさんのチェロがなんて素晴らしい!!!

パワーとか云々じゃなくて、京コンのあの音響でチェロの音が遠くまでポーンと抜けるように響いているのを聴いたのは初めてです。‘声が通る’と同じ感覚。さすがベルカントの国のお生まれなだけはあります。そして元々の素のスペックが高い上に、ショスタコーヴィチのチェロコンは初演者のロストロポーヴィチ直伝で場数もこなしている(「ショスタコの1番は70回ぐらい、2番は30回ぐらい弾いたと言ってました。」だそうです)だけあって、理解度がもう全然違うというかイタリアン系の音色でも音楽の深みが想像以上にもう段違い・・・なんて形容していいかわからないくらい素晴らしい。

にもかかわらず、この曲がオケにとっても難しいと前に書いたのは、編成が比較的少人数かつ独特(2本のハープが2ndVnの位置に置かれてあったのにはビックリ)で、1番協奏曲のホルンほど極端ではないにしろ、この2番も管打楽器のソロがチェロソロと掛けあう場面がとても多くて、あのディンドさんの高みに合わせないといけない1番奏者が気の毒に思いました。パーカッションは皆さん奮闘してたし、オーボエはフランス人の性格がプラスに作用してたみたいですが(笑)・・・これ、ソロは当然のごとくロストロポーヴィチを念頭に置いてたんでしょうけど、オケも往年のムラヴィンスキー&レニングラード・フィルを頭に置いて書いてただろっ!とツッコミたくなるほど(爆)。セッション録音では首席が1番を担当するからいいとしても、生演奏というか京響は定期の場合、前後半に分かれてる時は前半に副首席(いないパートは個別に約束事があるみたい)・後半に首席がそれぞれ1番を担当するのが慣例になってるようなのですが、今回だけはなぁ・・・ホルンとフルートとクラリネットは首席に出てほしかったですね。ディンドさんに付いていくのにもうイッパイイッパイみたいで・・・どこかチグハグと感じた1つがコレ・・・ともあれ、京響が比較的得意にしているはずのショスタコーヴィチでソリストにソリストからこれだけ気圧されるとは思いませんでした。アンコールで弾いたバッハの無伴奏も心にジワッと沁み入るような、いい具合の渋みがある演奏でしたので、本人のスペックの高さもやはりあるのでしょうけど、それに加えて(ショスタコーヴィチ→)ロストロポーヴィチからの薫陶が如何ほどのものか、それを考えるととても感慨深い演奏でした。

幸いレセプションにも顔を出されていたので、サインも↓
Photo

後半はシューマンの2番。意外と演奏機会があまりないというか、生で聴いたのは私は初めて。広上&京響の絶好調さを象徴するような好演だったのですが、管楽器がそれほど目立つ曲でもないのだから首席陣を出すならやっぱりショスタコの方にしてほしかったというもう1つのチグハグさを感じたのもありますけど、第2楽章で急ブレーキ・急加速を多用しているあたりから個人的にはどうも馴染めず、後半楽章もせっかくの良演奏に浸れずじまいで終わってしまいました。私があまりシューマンを好んでないというのもあるのだけど、それにしてもなぁ・・・と釈然としないものを抱えてレセプションに顔を出したのですが、ディンドさんや広上さんが出てくるまでの間に時間繋ぎで岡田さんが「広上さんはノールショピング響の首席だった時にシューマンの2番を録音されてて・・・」とそのディスクを出しながら話をされてて、そんな録音あったんかい?と思いながら聞いていたのですが、読み上げるライナーノーツの中に、バーンスタインもこの曲を好んでいて・・・云々というのを聞いて、愕然としつつも納得しました。

またバーンスタインですか!・・・ (´・ω・`)

いや、音楽家としての偉業には敬意をはらいますし、作曲家としてのバーンスタインはわりと気に入ってるのですが、指揮者としてのバーンスタイン、特に晩年のあのスタイルは生理的に受け付けられないんですよ、個人的に。高関さんが1年前の京響定期で『ラ・ヴァルス』をタングルウッドでバーンスタインにみっちり仕込まれた通りにやってみるってやってて、やっぱりかとガクンときた苦い思い出があるのですが、高関さんや広上さん、そして以前大フィルにいた大植さんもそうだけど、あの世代がバーンスタインに師事したっていうなら’80年代頃ですよね?たぶん・・・お願いだから、あの人が年食ってリズム感やらフレーズ感やらガタガタになった悪い部分まで影響受けないでくださいまし(苦笑)。彼の晩年の劣化って老齢からくるものに加えて、コレペティートアとかオペラの下積みを経験していない致命的な弊害もあると思うんです。だから人間の呼吸や心拍の鼓動といったものを度外視した指揮ぶりでの音楽ができちゃうのかなという気がします。同時代で持て囃されたカラヤンやショルティとの決定的な違いもそこかな、と。若い頃にカラヤンから公開TV番組でまでオペラやれって説教されただけじゃなく勉強の機会も与えてもらった小澤征爾さんは、その点では運が良かったのでしょうね。

閑話休題。

そんな感じで個人的には音楽に入りそこねたシューマンの2番でしたけど、演奏は高品質でしたし、特に弦セクションのクリアでビロードのような響きと繊細さはとてもマッチングがよかったと思います。広上さんがあれだけ動かしてもピッタリついていってたあたりコンビネーションもさすがでしたしね。だからなぁ・・・もうちょっと棒がキレで勝負してくれてたらなぁ・・・(苦笑)。

 


 

ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲集
 /エンリコ・ディンド(チェロ)、ジャナンドレア・ノセダ&デンマーク国立響
【Chandos】[Hybrid SACD]

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
・チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 Op.107
・チェロ協奏曲 第2番 ト長調 Op.126

チェロ:エンリコ・ディンド
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
管弦楽:デンマーク国立交響楽団(DR放送交響楽団)

録音時期:2010年4月9-10日[第1番]、2011年4月18-20日[第2番]
録音場所:コペンハーゲン、デンマーク放送コンサートホール

Chsa5093

 

 



ロンドン響による2つのヴェルレク・・・ヴェルディ:レクイエム/リチャード・ヒコックス&ロンドン響、他;コリン・デイヴィス&ロンドン響、他

今年はワーグナーとヴェルディ2人のオペラ作曲家の生誕200年というメモリアルイヤーですけど、NMLに今日付で「今週の一枚」として登録されたのがヒコックス盤のヴェルレク。録音自体はもう十数年も前のものですが、ロッシーニの『スターバト・マーテル』等で合唱曲におけるヒコックスの手腕はこの手の音楽にあまり縁のない私でも一応経験済みですので、早速聴いてみることにしました。

 

ヴェルディ:レクイエム/リチャード・ヒコックス&ロンドン響、他【Chandos】

ジュゼッペ・ヴェルディ
・レクイエム

指揮:リチャード・ヒコックス
管弦楽:ロンドン交響楽団
合唱:ロンドン交響合唱団
合唱指揮:ステファン・ウェストロップ
ソプラノ:ミシェル・クライダー
メゾ・ソプラノ:マルケラ・ハツィアーノ
テノール:ガブリエル・シャーデ
バス:ロバート・ロイド

録音時期:1995年7月10-12,14-15日
録音場所:トゥーティング、オール・セインツ教会

http://ml.naxos.jp/album/CHAN9490

Chan9490

 

1度聴いてまず実感したのが、宗教音楽でコーラスのレベルが演奏全体をいかに左右するかという事。フォルティッシモ時の濁り無きフルボリュームによる迫力だけでなく弱音時の崇高な美しさは感動的です。ソリストの歌唱がイマイチっぽく感じるところが所々で無きにしもあらずなのですが、それを打ち消して余りある合唱の素晴らしさです。それと同時に凄いと思ったのが、輝かしいまでに華麗なブラスセクションの音色。どんなに鳴らしても煩く感じない格調の高さはさすがロンドン響といったところです。

そして、それら優秀なオケとコーラスをコントロールして、かくも気高き“レクイエム”の演奏を引き出したヒコックスのタクトさばきは見事と言う他なく、とても素晴らしい音楽作りになっていると思います。一時の勢いやドラマティックな部分に引っ張られることなく全体と細部の各声部のバランスがとれていて、丁寧で美しい仕上がりになっているのにはとても好感が持てますし、Chandosの録音の優秀さが演奏の素晴らしさを一層引き立たせています。

 

 

ところで、NMLにはもう1つ、ロンドン響によるヴェルレクの超名演が登録されています。このオケの自主レーベルからリリースされている、サー・コリンの指揮によるライヴ録音です。

 

 

ヴェルディ:レクイエム/コリン・デイヴィス&ロンドン響、他【LSO Live】(2枚組)[Hybrid SACD]

ジュゼッペ・ヴェルディ
・レクイエム

指揮:コリン・デイヴィス
管弦楽:ロンドン交響楽団
合唱:ロンドン交響合唱団
合唱指揮:ジョセフ・カレン
ソプラノ:クリスティーネ・ブリューワー
メゾ・ソプラノ:カレン・カーギル
テノール:スチュアート・ネイル
バス:ジョン・レリア

録音時期:2009年1月11,14日(ライヴ)
録音場所:ロンドン、バービカンセンター

http://ml.naxos.jp/album/LSO0683

Lso0683

 

このライヴ、どうやら2008年11月23日に急逝したヒコックスの追悼演奏会でもあったようで、円熟味溢れる深遠な雰囲気の中にも鬼気迫るものを感じるのはそのせいでしょうか?ヒコックスとこのオケに縁があっただけでなく、ヒコックスはサー・コリンに師事していたことがあったそうで、ふた回り歳下の教え子に先立たれた彼の心中は如何ほどだったかと想像すると、どうにも辛いものを感じます。

大いなる愛情を込めつつも終始一貫して厳かに奏でられる音楽は、天に召された故人に捧げられた正しく“レクイエム”ではないでしょうか。とかく劇的でオペラティックな演奏になりがちなヴェルレクですけど、ヒコックス盤といいサー・コリンのライヴ盤といい、この曲が紛れもなく宗教音楽であり、なおかつ故人の安息を神に願うための音楽であることを各々なりに実感させてくれる演奏だと思います。